2014年07月31日

バイリンガル会話形式でコメントしていきます

私は英会話にかなりのコンプレックスを持っている。けれどだからといって英会話学校に通ったり英会話雑誌を購読したりしているわけではない。ずいぶん昔は「駅前留学」してましたけどね、。

ただひとつ、今は、クルマで通勤するときの往き帰りにカーオーディオ(に繋いだ iPhone )で、英語のポッドキャストを聴いている。定期購読しているのは科学雑誌の Cell, Nature, Science のポッドキャスト版、それからベタなところでは「ポッドdeモット英会話」や「English as a Second Language」などだ。雑誌系のポッドキャストは定番なのでずっと講読しているが、英会話系のものは、あーでもないこーでもないといろいろと自分にあったものを探しながら取り替えている。

スクリーンショット 2014-07-23 20.05.58.pngそこで、最近見つけたのが「バイリンガルニュース」だ。ポッドキャストの説明によると「世界で話題のニュースをユニークなバイリンガル会話形式でゆるーく無料配信しています」とのこと。聴いてみると全くその通り。巷の話題をゆるーく紹介している。キャスターはマミという女性とマイケルという男性である。マイケルが基本的に英語で、マミが日本語で話題について会話するというシュールな形式である。英語が聞き取れなくても、そのあとの日本語で会話の流れがフォローできるので、難しい英語教材のように途中で投げ出すようなことはない。しかも、友達同士が(多分ホントに友達同士なのだろう)気楽に話をしているように番組が進行するので、話が途切れたり飛躍したり、途中で表現を変えたりという、ナマの英会話でよくあるロストしがちな状況が何度も出てくるので結構ためになる。

実年齢は知らないが、女性キャスターのマミさんの声は若くて少しだけ舌足らずな日本語の発音をする。まるでそこら辺の女子高校生みたいである(そこら辺の女子高校生の皆さん、変な例えに使ってすいません)。この人がゆるーくニュースを語る。第一印象は正直言って「なんや? バイリンガルの若い子がええ加減なコメントをしとんのやろ?」と思ったが、実際は全く違った。この人は実に様々な角度からニュースを突っつく。論評ではない。まさに「突っつく」というのがぴったりのコメントをする。これは多分、日頃から色んなことを色んな角度から考えていないとできないことだ。知識も豊富である。またなぜか番組で取り上げられる話題は、科学的なものが多い。最近では Science や PLoS One (という科学雑誌)に掲載された論文の内容を話題にしていた。またある日などは、避妊の話から転じて、マミさんが黄色ブドウ球菌感染症である tampon disease にまで言及していて、その知識の豊富なことに舌を巻いたことがある。

相方のマイケルもいい味出している。この人もマミさんと同様で、ユニークなコメントを次々と繰り出して面白い。マミさんよりも、若干まじめなコメントが多いように思うが、それは私にとって苦手な英語がバイアスになっているからかもしれない。

いい番組を見つけたわいと思ってほくそ笑んでいたら、実はこの番組はかなり有名らしくて Wikipedia にも掲載されているほどだった。確かに Podcast のランキングでも上位にランクされているし、番組のfacebook ページも twitter アカウントもある。 この番組、たぶん(リスナーの購読が)長続きするという意味ではお勧めできる番組である。ただし、ホントに英語の勉強になるかというと、ちょっとわからないけど、、、、。

まぁ、継続は力なりである、、、かもしれない。


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2014年07月28日

夏来たりなば、、

 先週の金曜日。府立大教授の三宅眞実先生が冷凍ピザを送り届けてくれた。眞実ちゃんに限らず、いつもこの季節には何人かの OB から贈り物をいただいている。みなさん。いつもありがとうございます。お心遣いに感謝いたします。

IMG_2154.jpg
 このピザ、有名なイタリア料理店「ポンテ・ベッキオ」が贈答用に通販しているらしい。5枚で1組になっている。早速、そのうちの何枚かを焼いていただいた。いわゆるアメリカンピザとは違うイタリア系のピザで、控えめなソースで小麦粉の香りと具材そのものが味わえて、大変美味しゅうございました。
 焼けたピザの写真を撮るのを忘れたので、パンフレットをどうぞ、、。



 さらにこの日は夏の慰労会とのことで、研究室の有志で近くの千里阪急ホテルのプールサイド・ビアガーデンに出向いた。場所は千里中央だ。山の上でも何でもない屋外なので暑いうえに、到着したときはまだ陽が沈んでいないので、直射日光下の暑い最中にビールを飲み始めることになった。暑い暑い。、、しかしやがて陽が沈み、涼風が吹いて、、、爽やかにビールを楽しめる、のかなと思っていたが、さにあらず。陽が沈んでも、日中に温められたプールサイドのコンクリートが熱を含んでていつまでも暑い。風は吹くが、生ぬるい、、、。そのおかげと言うべきなのか何なのか、とにかくビールは進む。、、、アニメの話、漫画の話、トリビア話に馬鹿話。平日は忙しく立ち働いていて、なかなかみんなでゆっくり話をしたりする機会がないので、いい懇親の機会にはなった。暑かったけど、、。

 写真は、漫画の話のついでに、矢吹丈の伝家の宝刀「トリプルクロスカウンター」をイッシーにせつめいしているところ、、、(撮影:なかぴょん)
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 ということで、夏は真っ盛りである。来週から8月だ。研究室では公式な夏休みは設けないが、メンバーはみんな思い思いに休暇を取る。研究室のジャーナルクラブやプログレスミーティングも8月中はお休みする。適度に休暇を取って、また仕事に邁進していただければ結構だ。

 そんなことを書いていて、ふと教授室のベランダを見ると夕方の日影が少し前よりも長く伸びているのに気がついた。そうか、夏至は6月下旬だから、もう太陽が低くなって日が短くなり始めてるのだ、。そうか、地球は秋に近づいている(?)。、、季節は巡っているのだ。

 そうか、まだ暑いけど、これからも暑くなるけど、もうすぐ秋だ。

 仕事しなきゃ、,。
 
 
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2014年07月24日

久しぶりの東京と、千葉大学で講義/講演

 今週の火曜日に千葉大学大学院の医学薬学府の講義に行ってきた。

 前日の月曜日の夕方に東京に到着して、愚息と愚息の彼女と一緒に焼き肉を食べた。場所は西麻布。北里のあべっちお奨めのお店である。場所柄、さぞ高いだろと覚悟していたが大したことはなかった。肉も美味しかった。愚息は大学院博士課程の最終学年である。研究に関わる仕事に就くつもりのようなので、来年度からの人生設計などを聞く。いい大人だし心配はしていないが、私とは研究分野が違うのでポスドク事情などが違うかもと思って聞いてみたら、どうやら同じようなものらしい。そうか、これからイバラの研究人生を始めるのか、、と心中思いながら話を聞いた。

 食後、歩いて広尾駅から地下鉄に乗って東京駅に出て、総武線経由で千葉駅に到着。駅前のホテルに泊まった。

 次の日は午前中10時半からの講義である。対象は薬学系の大学院生だが、生物系の学生だけではなく化学系の学生も含まれているとのことだった。ここでも「細菌毒素学」の talking class を展開する。概ね反応は良かったが、やっぱり化学系とおぼしき学生さんにはキツい講義になったようだ。招待いただいた山本友子先生、高屋明子先生と昼食を楽しませていただいたあと、さらに午後に一コマの講義である。あらかじめ「講演を兼ねたような講義で、、」とお話を聞いていたので、この時間は「細菌毒素学実践編」と称して思いっきり未発表の up-to-date な仕事の話をしたら、半分くらいの学生が寝た。わはは、。しかしこれは覚悟の上である。ナマの研究の様子を大学院生に紹介するのと同時に、実は山本先生や高屋先生に聞いてもらってご批判いただこうと思っていたのだった。んで、先生方にはいろいろと興味を持っていただいたようで、当初の目的を達成した気分で嬉しく千葉大学を辞した。

 夕方には都内に戻り、毎度おなじみ北里大学のあべっち、くわえっちの両先生と、久しぶりに田町の「湯浅」で飲んだ。同じ業界で数少ない、全く遠慮なくハナシができる二人である。共同研究の話、予算獲得の話、学会のあり方の話、日々の馬鹿話で3時間、あっという間に過ごした。医科研のミムミムも誘っていたのだが、彼女は到着が遅れたので最後の30分だけしか一緒に飲むことができなかった、、もっとも、彼女は今は○○中なので(あえて伏せ字)飲むわけにはいかんのだが、。

 帰りの新幹線は iPad で「清洲会議」を観た。三谷幸喜作品にしてはくだらんギャグが少なくて(ちょっと寂しい)、芸術的アングルを意識したような映画だった。まぁ、これもいいかも、、。

 んで昨日のこと。また別の大学などから、二件の講演依頼をいただいた。研究の話題にしろ、プレゼンのハウツーにしろ、業界で自分に需要があるのはよいこと、と最近は考えていてありがたくお受けすることにした。んで、山本友子先生からもメールが届いた。儀礼上の挨拶メールかと思ったら、それだけではなく「『細菌毒素学』の講義を、今度は学部生に講義してもらえないか」とのご依頼もいただいた。もちろんお受けした。なので、今年中にもう一度千葉大学を訪れることになった。

 何であれ、自分に需要があるのはありがたい。


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2014年07月21日

実験は失敗する。時間はない。やっとの思いで取れたデータはすぐに陳腐化する。

いま開催されているツール・ド・フランスに刺激されてか、ここのところ自転車通勤の頻度が少し高い。自転車通勤を始めてもう10年以上になるが、その間に自宅−大学間のコースがすっかり固まってしまって、実は目新しいことが殆ど無いのでそういう意味ではあまり面白いわけではない。伊丹から旧西国街道をひたすら走って小野原から大学に入るか、旧西国街道よりも北側の箕面の住宅地を走って小野原から大学に入るか、あるいは伊丹空港の地下道路を抜けて千里川沿いをひたすら走って、豊中緑丘から小野原に抜けて大学に入るか、、といったところである。

大阪といっても、北摂はまだまだ田畑が多い。どのコースをとっても、箕面のあたりでは広々とした田んぼ風景も楽しむことができる(小野原にもかつては、のんびりとした田園風景が広がっていた。)。そこで、今頃の季節になるといつも感じることがある。田植えの時期は同じ頃のはずなのにこの時期には稲の成長具合が田んぼによってずいぶんと変わってくるのだ。成長の早い田んぼは毎年成長が早いし、稲穂の成長が遅くて、なんか貧相な田んぼは毎年貧相である。同じ時期に苗を植えてるのに、種籾が違うのやら田んぼが違うのやら日当たりが違うのやら世話をする人の能力が違うのやら、、、。なんだか研究室ごとの業績に差がでるのを見ているようで、辛いものがある。

プロジェクトが何種類か動き出して、数年前のピンチはなんとか脱することができたと以前に書いた当研究室の仕事だけれど、なかなか区切りをつけて論文を書き始めるところまでいかない。研究室のメンバーはみんな勤勉で、サボっているというわけではないが、大切な局面で仕事の進捗が遅いのは確かだ。絶対に失敗を繰り返せない時や大事な実験がピークを迎える時は、集中して仕事をしないと進捗を大幅に遅らせることになる。これができない人が目につく。私が自分で実験をやっていた頃の私を含めた同年代の人達と最近の人達を比べてみると、いまの人達にはおっとりしている人が多いのかもしれない。いや、昔の人たちがガツガツしていたというべきか、、。あの頃、私の周囲にいた人はみんなせっかちで、競争するかのように(実際競争していたのだけれど)実験のスケジュールを詰めるだけ詰め込んで、無駄をしながらたくさんデータを取っていた。「実験は失敗する。時間はない。やっとの思いで取れたデータはすぐに陳腐化する」そんなふうに思って焦っていた。それに比べると、いまの人達はずいぶんとおっとりとしている。

実験を計画し、何日もかけて実験結果を出して、その結果を見て次の計画を立てる。普通はそうして研究は進むが、急いでデータを出す必要があったり、大切な局面などではそれでは遅い。1つずつ実験をしていたのでは、実験が失敗した時にそれをリカバーするためには必ず2倍の時日がかかってしまう。計画した実験が上手く行っても行かなくても、仕事が立ち止まらないように複数の実験や準備を並行させる必要がある。けれど、それを上手く出来る人がなかなかいない。どうも、計画した実験は必ずうまく行くと潜在的に思っているようである。競争することに慣れていないのか、上げ膳据え膳で育ってきて「うまくいかない」という感覚を知らないのか、。そういう意味では、昔は(というか私の周囲にはというべきか、)ハングリーだったというかギスギスしてたというか、「いらち」(関西弁でせっかちのことです)が多かったというか、、。おっとりと生まれ育ってきた人に、その感覚を教えこむのは難しい。でもそれができないと、複雑な実験を乗り越えたり、思い切ってプロジェクトに踏ん切りをつけて論文化するというのはなかなかできないと思う。テクニックの一つとして、実験のスケジュールを重ねるということを教えないといけないのかも、と最近思い始めている。

ところで、いま新幹線車内。明日(22日)の午前中から午後にかけて、ふたコマの講義を仰せつかって千葉に向かっているところである。


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posted by Yas at 15:48| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月09日

梅雨の最中、決死の査読

 先月末、別の科学雑誌2カ所から同時に論文査読の依頼が来た。どちらも中堅の雑誌で、いわゆる一般誌(general journal)に掲載を拒否されたときに細菌学関連では、その次かその次の次くらいの候補に考えるような雑誌だ。査読期限は2週間。

 その2週間は、実はそこそこ忙しいのだが、ひとつの査読依頼は編集者を務める知り合いの研究者が私信で依頼してきたもので、もうひとつは論文の著者が私のよく知る人だった。編集者の苦労を知っている私としては、前者の依頼は断りにくいし、後者も私が断って変なレビューア(前みたいに)に査読が回ったりすると著者が余計な苦労をする羽目になるかもしれない。、、というので、決死の覚悟でふたつとも引き受けることにした。

 皆さんは査読論文をどれくらい読まれているのだろうか? 私の場合、まず軽く一度読んで大意を知る。この時にだいたい、reject か major revision か minor revision かの結論を決めている。この段階で accept の判断はない。それから日を置いて、また読む。この時は少し時間をかけて、論文の論理性、実験方法や結果の妥当性、論文の正確性を吟味して、前に決めた結論を著者に伝えるための、レビューアとしての論理を考える。関連の論文も一応調べる。気になる関連論文は読む。また日を置いて、今度はレビューコメントを書きながら、自分の主張が間違っていないかどうか確かめるために読む。計3回、読むことになる。他の人がどんな作法で査読されているのか知らないが、私としては割合と労力を使っているつもりだ。こんな査読論文が同時にふたつである。私としては結構つらい。断れるのに、自分が査読を引き受けたんですけどね、、、。

 季節は梅雨。いつもこの季節になるとここで文句を書いているけれど、私の教授室の空調は性能が良くない。

IMG_2141.JPG 先日もこれこの通り、温度はともかく湿度が69%だと。これで空調を働かせてるんですぜ。絶対に空調の調子がおかしいと思うのだが、事務方に依頼して検査してもらっても、異常はないと言われる。、、、、ちなみに、この温湿度計の数字の横にある二本のバーは、健康への影響度を示すものだ。これがたしか4本になると熱中症になる危険性があるとかいう。そのうち2本のバーが表示されている、、。 まだ夏のほんの入り口なのにこの有り様だ。デスクもキーボードもトラックパッドも、なんだかベタベタする。じっと考え事をしていると、ポタリと汗がデスクに落ちる。空調の設定は25度の冷房なのに。、、

 んで、さっき。ひとつ目の論文の査読がほぼ終わった。やれやれ、、。ところが、ホッとして、この2,3日に受信したメールを見なおしていたら、学会関連の提出書類の締め切りが今週中なのに気がついた。もうひとつの論文の査読期限はこの週明けだ。、、

 、、もう、、。暑さニモマケズ、湿気ニモマケズ、、、必死にやってますですよ。


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posted by Yas at 22:26| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月05日

「研究者の劇的プレゼン術」電子版の発行

 拙著「研究者の劇的プレゼン術」の電子書籍版が発売されるようになった。

 M2PLUS という医学電子書籍を取り扱うサイトから、冊子体と全く同じ2,900円+消費税で購入することができるので、どぞよろしく。さて今回はその電子書籍の話。

 国内では アップル社が iBooks Store という販売サイトを開いてからようやく話題になりはじめた電子書籍だが、みなさんお使いだろうか? 私は iPad mini と Kindle paperwhite を電子書籍リーダーに使っているが、実は当初思ったほど電子書籍そのものを買っていない。それは、私の本もそうであるように、電子版と冊子体の値段がほとんど変わらないからだ。

 冊子体は商品としての実体がそこにあり、手に取ることができる。それに、読み進むにつれて、開いた本の表紙側のページ数が増えて分厚くなり、反対側が薄くなっていく感覚も好きだ。電子書籍ではそのような感覚は得られないのに、同じ価格。あるいは冊子体の本は「これは良い本だから、キミも読みたまい」と言って、人に譲ったり貸したりできる。これも間違いなく読書の魅力なのだが、電子書籍ではこれができない(端末機器を譲るというならべつだが、、)。なのに冊子体と同じ価格。これはやはり納得がいかない。こうなるとどうしても冊子体の方を購入してしまう。さらに、同じ価格ならまだしも、逆に電子書籍の方が高い場合もあるから解せない。例えば、Amazon Kindle 版の「スティーブ・ジョブズ(ウォルター・アイザックソン、井口耕二)」の価格はハードカバーの冊子体と同じ価格(2,052円)で、ソフトカバー版(1,080円)の倍近い。なぜ電子書籍はハードカバーと同じ値段なのか? これで電子書籍を買えというのは無茶な話だ。iPad を核にして世界に電子書籍を広めようとしたジョブズがこの現状を見たら、どう思うだろう?

 電子書籍のもうひとつの利点は、買った本が邪魔にならないというところだ。けれど、これもどうも効果が薄い。電子書籍になりやすいベストセラーしか読まないという人ならいざ知らず、普通の人は自分の興味で読みたい本を読む。そして、そんな本の多くは電子化されていない。だから、購入する書籍の種類の割合は電子書籍よりも冊子体の方がどうしても多くなる。そして、昔も今も、冊子体の本は自分の部屋に溜まっていく。ということで、電子書籍の充分な利点が見いだせないでいる人は私以外にもたくさんいるのではないだろうか?

 そんなことを常々考えていたら、「書籍販売大手の『ツタヤ』が電子書籍サービス『BookLive』と提携」という新聞記事を目にした。ツタヤで本を買えば、同じ本の電子版を無料で閲覧できるサービスを始めるという。つまり、本を買えば電子版がついてくるということだ。この発想、電子書籍の普及のきっかけになるかどうかはわからないけれど、ユーザーにとってはお得感があるので書籍購入の敷居は低くなるかも知れない。あと、やっぱり、出版される全ての書籍が電子化されるシステムが必要かな、。関係業界の皆様、、ご検討のほどよろしくお願いします。

 ところで、拙著「研究者の劇的プレゼン術」の電子版だが、著者は無料だというのでダウンロードして iPad mini で見てみたら、当たり前だけれど冊子体と全く同じだった。んで、全く同じ値段である。ふーむ、、と考えたところで、回し読みできない(できにくい)電子書籍は、それぞれの人が購入しないといけないのでもしかすると著者や出版社側には都合がいいのかも、と言うことに気がついた。

 そうか、じゃぁ、みなさん、ぜひ電子版をご購入くださいませ、、、うひょひょ、、。


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2014年07月02日

高度副プログラム「感染症学免疫学融合プログラム」

 昨日は「高度副プログラム『感染症学免疫学融合プログラム』」の私の講義担当の第一回目であった。このプログラムは、感染症・免疫に特化した大学院教育を目指して微生物病研究所を中心に企画された。もうこれが始められて4−5年は経っているだろうか? 1シリーズ2年間の課程なので、担当講義は2年に一度の割合で巡ってくる。毎回、テーマをどうするのか考えるのだが、錚々(そうそう)たる担当講師陣の中にあって、生半可な細菌学の大学院講義はできない。それに、講演ではないので自分の仕事の話ばかりするのはよろしくない。ということで、私はずっと「細菌毒素学」の専門的概論(なんじゃそら?)を講義している。細菌毒素の定義と分類、毒素の分子作用機構と病気の関連性などを90分かけて話す。「○○のひとつ覚え」みたいでイヤなので、そろそろ違ったテーマを取り上げたいのだが、そう思っても毎年準備にかける時間が足りずに断念している。しかたないので、これだけまとまった細菌毒素の講義はなかなか聴けるもんではありませんぜ、と自分で自分を慰めたりしている。
 
 講義のスタイルはいつものように「talking class」。学生に質問をしながら話を進めていく。しかし、他大学の学部生を対象にした講義と違って多少高度な話題も盛り込むので、矢継ぎ早に基本的な質問を繰り出すというよりは、どうしても私が話をする時間が長くなって雰囲気が少し重くなる。しかし、さすがにわざわざ「高度副プログラム」を選択してくる学生さん達である。私の質問に対する応答がすこぶる良いし、その内容もなかなかよろしい。ときおり、私の話を止めて質問する学生さんも何人かいた。まぁたまに「わかりません」の一言で済まそうとする奴もいるが、、、全体的には学生さん達がよく考えながら私の話を聞いてくれているのがわかった。気のせいか、みんな私の方をじっと見て、食い入るように講義を聴いているように思えた。

 気持ちよく予定の話を終えて、講義を終えたのが午後12時半。予定通りぴったり終わった。、、、、と思ってラボに戻ると、私と一緒に昼食に出かけるメンバーのみんなが「えらく遅かったじゃないですか〜、、どうしたんですか」と言う。、、、なに言っとる、予定通りやがな、、、なに? 講義は12時まで?、、、がびぃーん(あ、べたな表現)。どうやら私は終了時間を間違えて30分も余計に講義をしたらしい。、、そうだ、そういえば講義開始当初は終了は12時と意識していた記憶がある。それが気持ちよく喋っている間に、どこかで勘違いが入ったようだ。がびぃーん。じゃ、2時間も講義をしていたのか、このワタクシは。途中、「12時半までまだ時間があるな」と、予定にないエピソードを盛り込んで時間調整までしてしまった。、、、あかんがな。拙著「研究者の劇的プレゼン術」でも時間超過は悪であるとはっきり書いたこのワタクシが、、30分も時間を超過するなんて。それで講義の後半、みんな私の方を食い入るようにじっと見ていたのか、、。「このおっさん、悦に入って時間超過して滔々と喋りやがって」と思われてたやろな、きっと。それにしても聴講生の中には、ウチのラボのイッシーもいたのだから、一言「せんせ、講義は12時終了の予定なんですけど」と言ってくれれば良かったのに、、、、ここでも最近の学生さんはおとなしいのだ。、、、、それにしても、みんな、すまんすまん。

 しかし、えらい失態である。来週の講義は、お詫びに30分早く終わろうかと検討中である。、、早く終わるべきかな、。


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posted by Yas at 19:24| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月30日

拝啓、アップル様

 明日から7月に入る。この7月は、第1週、第2週に本学の「高度副プログラム『感染症学免疫学融合プログラム』」の講義、第3週には大阪市立大学で講義、第4週には千葉大学大学院薬学研究科で講演がある。それぞれ、内容が異なる(予定である)ので、新たな情報収集とスライド作成でちょっとだけ忙しい。

 いつものように、情報収集のための文献検索と整理にはPapers、スライド作成には Keynote を使ってMac の前で作業する。この前に論文をひとつ仕上げたので、調度よい機会だから Papers を ver.2 から ver. 3 に、Keynote(論文作成にはあまり関係ないけどね)を ver. 5 からver. 6 シリーズにバージョンアップした。それで作業を始めたのだけれど、、Keynote の新バージョンは操作性が悪いので、すぐに使うのをやめた。

 ネットのあちらこちらで書かれているけれど、Keynote はやはり新バージョンで改悪されたと言わざるをえない。この改悪は、Mac と iPad との親和性を高めるためにされたというもっぱらの話だが、間違いなく改悪である。まずなによりも、アドビ・イラストレーターとの連携が悪くなった。以前はコピー&ペーストでシームレスに画像をやり取りできたのが、イラストレータから Keynote へのコピーがまともにできなくなった。これでは、まるで PowerPoint である。、、、 スライドの編集に使うボタンやパラメータの並んだ独立のウインドウがなくなって、やたらと操作性が悪くなったのも気に入らない。iPad では、確かにウインドウがたくさんあると使いにくいとは思うけれど、そもそもキーボードも広い画面もない iPad でバリバリとスライドを作成するような人が一体どれくらいいるのだろうか?とっても疑問である。私には絶対に無理だ。アップルはユーザーの利便性を犠牲にしても、Mac と iPad の融和を目指してるのかしらん?と不安になる。

 それから、Papers の新バージョンは、最近の流行りに乗ったMacOSのテイストに合わせてアイコンが単純化された。しかし単純化されたアイコンではその図柄から機能を想像しにくいので、私はこれも気に入らない。実際、必要最低限の単純アイコンしかウインドウに並んでいない新 Papers より、リアルっぽい図柄のアイコンが並んだ旧バージョンの Papers の方が、使い方が直感的にわかるので使いやすい。やっぱり、ユーザーの利便性を無視してなんとなく流行りに乗って判りにくいアイコンデザインを採用したんか? とここでも心配になる。

 ここ数年でアップルの発想が、普通のコンピュータ会社とよく似た、ありきたりなものになっているように感じている。ジョブズがいなくなったから、それであーじゃこーじゃしちゃったんか?とか言うつもりはない。けれど、あと10年、せめて私が定年退職するまではがんばってくださいな。、アップル様、、、。最近、グーグルのやることが少し気になり始めている。グーグルドライブに資料を放り込んで、グーグルが提供する web アプリ(ワープロも表計算もスライド作成もドローイングもできる)を使って仕事ができるんかいな、、? とか考えているが、、、
 できますれば! このまま定年まで幸せに Mac を使わせてくださいね、。、、アップル様、、、、。


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posted by Yas at 21:53| Comment(2) | コンピュータ & ガジェット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月24日

シモザワ君

先日、千里中央で開かれたある会合に参加した。会合といっても、衛生行政関係の仕事に携わる大阪府立大学獣医学科の同窓生の少人数の集まりである。私は衛生行政に関わっているわけではないが、この会合(つまり飲み会)には時々誘っていただいている。
IMG_2136.JPG左隅のクスノキ君から、テーブルをぐるっとセト(マスモト)さん、ナカタニ君、ツムラ君、オガサワラ君、アサオ先生、シモザワ君。関係業界の方々には、あぁそぅ、こういうメンバーですかとお分かりいただけるような面々である。まぁ私なりにそれぞれの方々のキャラを興味深く思っているので、いずれ機会があるときに別々に取り上げさせていただきたいなと思っているが、今回はこの中にあって、私と同じで衛生行政に関わっていないがこの会合に参加していたシモザワ君のことを書きたい。

シモザワ君は、現在、中央競馬会に勤めている。学生時代、彼と私は同じ「獣医公衆衛生学教室」で学部3年生から修士課程の間を過ごした。、、、私の方は学部3年から4年の途中まではクラブ活動を優先していたので、ほぼユーレイ学生だったのだけれど、、とにかく同じ研究室にいた。三国丘高校の野球部出身。確か大学在籍中に、彼の後輩たちは甲子園に出場している。そのこととあまり関係はないが、当時、学生が集ってよくやっていた草野球の試合で彼と私はバッテリーを組んでいた。彼が投手で、私が捕手だった。かと言って、格別に親しくつきあっていたわけではなかったが、実は私は彼に強烈な影響を受けている。

当時の私は、周囲に対する薄ぼんやりとした身勝手な不満だか不安だかが心中にあって、世を拗ねたような不真面目な学生であった。大学の職員先生方とも他の学生とも、木で鼻をくくったような付き合い方をしていた。真面目に講義に出て勉強するようなクラスメートを半ば馬鹿にしていたようなところもあった。知り合った当初、私にとってはシモザワ君もその類のクラスメートだった。もし同じ研究室に配属されていなかったら、その印象のままで終わっていただろう。それに、私の人生も少し変わったものになっていたかもしれない。

真面目なシモザワ君は、しかし決して暗いわけではなく(真面目=暗い、と考えた当時の私のメンタリティーにそもそも問題があるが、、)、ユーモアのセンスもあるし、話もうまい。当時、彼は馬術部に在籍していた。獣医学科でかつ馬術部に所属して活動するのは、実に真っ当である。彼の場合はそのあとさらに、中央競馬会に就職した。、、、実に真っ当な人生である。、、んで彼は極めて真面目だった。真面目に実験をやり、真面目に当時の指導教員の不手際に怒り、真面目に研究室内のあらゆる立場の人達とコミュニケーションをとった。そして確実に、様々な面でなにがしかの成果を得ていた。同じ研究室に配属されると、例えプロジェクトが違ってもお互いのパフォーマンスはそれとなくわかってしまう。その辺りは、講義を受けるためにただ同じ教室に座っているだけの時とはずいぶんと違う。真面目に事に当たり、確実に目標を達成するシモザワ君の姿は、研究室内の私を含めた他の学生の中でも傑出していた。そんな彼を見て私は初めて「真面目にやる」ことの価値に気がついた(えらい遅い”気づき”ですいません)。それから彼を真似て、私も何事についてもとりあえず真面目に当たることにしたのである。そうして30年以上経った。私の日頃のいいかげんな言動に比べて「仕事ぶりはえらい真面目やがな、、」と私に感想を漏らした人がこれまでに何人かいるが、そうだとすればそれはこのシモザワ君の影響によるところが大きいのである。決して私の性格ではない。研究者として論文を書いて、ある程度の成果を上げてこられたのも、彼から習った姿勢に支えられた部分は大きいと思っている。

IMG_2137.JPGこの日は、会合の後も二人でさらに飲んだ。もしかすると二人で飲むのはこの時が初めてだったかもしれない。二時間ほど飲んで、タクシーで帰ることにした。彼は仁川に住んでいて(単身赴任である)、私は伊丹なので同じ方向だ。車内でしばらくすると、また気軽に連絡をとるためにLINE で友達登録をしたいと彼が言い出した。あぁ LINE ならオレもやってるよと応えると、彼は「ふるふる」という友達の登録方法を教えてくれた。近くにいる友達がそれぞれの携帯端末を振るとお互いを登録できるという仕組みらしい。そこで、二人でスマホを同時に振ってみたが繋がらない。なんかおかしいな? でもまぁいいやと振るのをやめようとする私に、彼は「なにやめてるんや、設定を変えてもう一回振ってみるんや」と何度も何度も「ふるふる」を繰り返す。最後は、すっかり飽きた私に「ふるふる」を強要までした。おかげで、道順を気にする運転手さんを無視して、伊丹に到着するまでオッサン二人が車内で一生懸命スマホを「ふるふる」し続ける羽目になった。登録を何度失敗しても、シモザワ君は決して諦めない。

50歳半ばを過ぎても、シモザワ君は真面目である。、、、、シモザワ君。またメールで連絡するわ、、。


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posted by Yas at 19:54| Comment(0) | 私的先生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月18日

京都府立大学

 この月曜日に、京都に出向いて京都府立大学で講義をした。以前に書いたが、生命環境学部の岡さん(食保健学科・准教授)のご依頼で、南山教授にご招待いただいた。「食」に関わる学科で「微生物」の講義ですから「食中毒の分子細菌学」にしましょうかと、わりと安易に講義テーマを決めた。食中毒の研究は今はあまりしていないけれど(といっても全くしていないわけでもない。研究とはビミョーなものなのだ)、もともと私は食品衛生学を守備範囲に含める獣医公衆衛生学出身だったから、食中毒への親和性は高い。これに細菌感染の分子機構を交えて話をすれば講義なんてオチャノコサイサイだ(といっても、手を抜いて講義をするわけでは決してありません。念のため)

 受講生は学部2年次と大学院生を含めて30名と少しほどだった。ほぼ全員が女性で、男子学生は2名のみ(だったと思う)。さすが食保健学科である(?)。まぁ、女性が多かろうが、男性が少なかろうが、私の講義は毎度おなじみ talking class で変わらない。 そこでいつものように学生さんに質問を重ねながら講義をした。この大学の学生さんは、しっかり勉強しているという印象はいまひとつだったが、講義内容への喰いつきが良かった。多くの学生さんが、一生懸命聴いてくれている。寝ている者はいなかった(矢継ぎ早に質問する私の講義で寝る奴はだいたいおらんが)し、目の死んだようなのもいなかった。こういう雰囲気は講師を気持ちよくさせてくれるものだ。余計なことを喋りすぎて最後は少し時間が足りなかったけれど、おおむね納得のいく講義をさせていただいた。学生さんの方は納得のいく講義を受けることができたのかどうかは知らんが、、、、とにかくみなさんありがとう。

 京都府立大学のキャンパスはそれほど広くないように思う。しかし、建物の余裕のある配置や豊かな植栽で、決して貧相なムードはない。落ち着きのある、私の好きなタイプの大学キャンパスだ。そのキャンパスで何人かの学生さんとすれ違ったら、みんなお辞儀をしてくれた。これは大学の教育か?あるいはゆったりとしたキャンパスが自然と学生に礼儀正しくさせるのか、、、、あるいはタマタマか、、、、。タマタマでもいいや。気持ちのいいことには変わりない。実は学生時代、バスケットボールの試合にこのキャンパスを訪れて好印象を持っていたのだけれど、30年以上経った今もそれは変わらなかった。京都府立大っ! また来るぞっ(機会があったらね)

 そのあと夕刻遅くまで共同研究の関係でもうひと仕事して京都で夕食をいただいた。場所は、前回京都府立医大で講義をしたあとに訪れた、さくらももこ画伯のふすま絵のあるイタリアンキッチンである。

IMG_2103.JPG 今回はともぞうさんをアップ。
 この日は鴨川の床(納涼床というらしい)が出ていた。そこでいただくのはボルドーワイン。なんでイタリアンキッチンでボルドー?とかいうのは置いといて、鴨川と東山を望みながら床でいただくイタリアン。鴨川と東山三十六峰がそこにある。それだけでも京都はよろしい。いいなぁいいなぁと、調子にのって大阪にいるつもりで10時過ぎまで飲んでいたら、JR京都経由で伊丹駅に帰り着いたのは午前0時だった(レストランのあった五条木屋町からJR京都にでるのはとても不便なのだ)。

 京都はいいけど、実は遠い。街の規模の割に地下鉄の便が悪いのはなんとかしてほしいな、、。


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posted by Yas at 21:54| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月14日

Facebook 休憩中


 本ブログの更新を facebook に自動通知するのを止めてから「なんや、facebook やめたんかいな?」と何人かに言われた。確かに、書き込みも閲覧もほとんどしなくなった。Facebook 経由で連絡の取りやすい友人とメッセージ機能を使ってやりとりするくらいである。でも、やめたわけではない。ちょっとしばらく距離をおいて、つきあい方を考えて見ようと思ったのだ。

 それにはいろいろと理由がある。ひとつは、友人(の友人くらいの人たち)が「いいね」したり「シェア」したりして、ニュースフィードに現れてくる記事に私が戸惑うことが多い、ということだ。そんな記事のコメントには「泣ける」だの「酷すぎる」だの「美しすぎる」だの「感動的」だのといった修飾語がよくついているのだが、読んでみて「ふうん」と感心することはあっても、泣けたり、酷すぎると思ったり、美しすぎて感動したりすることはほとんどない。そもそも巷にそんなに心を揺さぶられるような話がたくさん転がっているはずもないと思うのに、やたらと目を惹こうとして大げさな修辞が並べ立てられているのにちょっとうんざりする。よく知っている友人の近況報告は楽しく読めるのだけれど、友人の友人(の友人?)くらいの、私のあまり知らない人たちがシェアしてきた記事は私にとっては邪魔だ。でも、そのうちのいくつかの記事には目を通してしまうので、それなりに時間を使ってしまう。これなら、Feedly みたいないわゆるニュースアグリゲーターを使って、自分の信頼しているサイトからの記事ばかりを集めて読む方がずっと効率がいいし、気分もいい。

 それから、ブログの更新通知を止めたのは更新通知後の「いいね」の数が気になってしまうから。そんなの気にせずに書きたいことを書くのが私のブログだったはずなのだけれど、「いいね」の数は更新後すぐに反応があるのでつい気になってしまう。我ながら情けないが、「いいね」を意識してブログの内容が若干変わって、さらに更新頻度も少なくなってきたのでこのままでは楽しくないと思って通知を止めた。一方で、ブログの記事内にある「いいね」マークは気にならない。そもそも、記事のアップを確認したあとに自分のブログサイトを何度も訪れることなどないのだから目にすることもあまりない。

 でもやっぱり一番大きな理由は、 STAP 問題に関する酷い(これはホントに酷い)記事を facebook を通じてたくさん読んでしまったことだ。この不正問題については、露見してしばらくたってみれば、実は科学を職業とする人たちには問題の核心はほぼ理解できていた(と思う)。知識も経験も乏しく、研究作法の教育もろくすっぽ受けていない、しかし饒舌で夢見がちな研究者はどこの研究機関でもいるものだ。そんな未熟な研究者がいい加減な実験データで飾った不適切な論文を一流誌に投稿し、どういうわけかこれが受理された。それがこの問題の核心である。STAP細胞があるとかないとか以前の問題だ。そんな人間をユニットリーダーとして理研が採用したというのが問題の発端にあり、論文発表時にマスコミに向けて派手な演出をしてしまったことが、その後に発覚した問題を無闇に大きくした。科学者の理解はおおよそその辺で一致すると思う。ところが、facebook で「いいね」されたり「シェア」されたりした記事の内容は違った。STAP細胞が生む利権(そんなもんあるかいっ)を巡っての理研の陰謀説やら、小保方さんを理研に送り込んだ(?)アメリカ研究機関の陰謀説やら、新進気鋭の女性研究者を妬む科学者コミュニティーによるネガティブキャンペーン説やら、、。個人的なブログだけではなく、ネット新聞やネット雑誌の記事もそんな論調だった。業界の人間から見れば、ありえない荒唐無稽な話が跋扈している。いわゆる時事評論家の書く記事は、ほぼどれもひどかった。しかし、研究の世界とは縁のない人がこういうものをいくつも読めば、それを信じてしまうかもしれない。

 ネット上で盛んに意見を開陳したがる人にはこういった陰謀論の好きな人が多い(と思う)。そんな記事を読むたびに違和感を感じていたが、今回は話題が話題だけに違和感が半端ではなかった。これが科学の話題であるから、この時の評論が的外れであることは理解できたが、翻って私のあまり知らない業界の話だと、いい加減な評論でも私自身が鵜呑みにしてしまうかも知れない。鵜呑みしないまでも少なからず影響を受けるかも知れない。これは怖い。そんな記事を読むのに時間を使うのもイヤだ。

 ということで、もうしばらくは facebook から遠ざかっておきます。別に、SNS を楽しまれている方々を批判しているわけではありません。私の SNS の楽しみ方が下手なだけだと思っております。ツィッターでもアカウントを作ったものの、混線したラジオのような情報の流れが理解できず、結局全く利用していない、そんな私の愚痴だと思ってくださいませ。 

 
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posted by Yas at 14:06| Comment(0) | コンピュータ & ガジェット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月10日

目標は岩田鉄五郎

 先週土曜日に微研ソフトボール大会が開催された。
 
 前回のエントリで宣言したが、わが「火の玉ストレンジャーズ」は優勝に向けてまっしぐら。朝8時半には会場である万博スポーツ広場に集合し、キャッチボールをやったりノックをやったり、、。やる気充分である。曇り空で日差しが遮られていることもあって気温は低い。なかなか良いコンディションであった。

 3チーム総当たりの予選では14対1と10対0でラクに2勝を挙げてトーナメントに勝ち進んだ。、、、ところが実は、わがチームのエースである私は第1試合でグラウンドに立ったときから立ちくらみがしていた。日差しはないが、湿度が高い。1球も投げないうちに、クラクラして、、んで1球も投げないうちから、休み休み投球をするというわけのわからん状態になった。やっぱ、トシか、、ただの運動不足か、、はたまた少し前に発覚した高血圧の治療が関係してるのやら、、。しかしとにかく打線は好調だ、加えて試合時間は「30分を超えて次のイニングには進まない」と制限が決められている。そのおかげで、第1試合は3イニングで終わった。第2試合は助っ人に来てくれていたオカケーの兄ちゃんに投手を頼んで切り抜けた。

 試合の組み合わせの都合で2時間半ほど待ったあと、ようやく臨んだ決勝トーナメントの1回戦は松浦研の「ウイルスバスターズ」である。ここはやたらめったらマラソンの好きな変人の多いチームで、これまでの戦績では「火の玉ストレンジャーズ」は分が悪い。おまけに、長い待ち時間が悪かったのやら、第1試合ですっかり消耗したのやら、、今度は投げる度に息切れする体たらくである。対してウイルスバスターズの面々は元気にバカスカ打ちまくる。くそっ、オッサン教授が投げとんのにちょっとくらい加減せんかい、、。
 ふと見ると次の打者は昔からよく知っているコバヤシ君だ、、、「コバヤシ、、オレはもうあかん、、、これ以上投げたら死ぬ、、、」と試しに同情を誘ってみたが、コバヤシは「そうですか、、」と言いながら涼しい顔で私のタマを打ち返す、、、。こいつらは最低である。相手側のベンチを見ると教授の松浦さんがこちらを見ながらニヤニヤと悪人顔で笑っている。、、くそっ、教授がベンチで左団扇で試合にも出ずにいるようなチームには、10点くらいのペナルティーを与えるべきじゃ、、。あとで主催の部員会に訴えてやる、、、。とか言っているうちに試合は10対7でわがチームの敗戦が決まった。

DSC01621.JPG んで、結局、3位決定戦はなんとか勝利して、火の玉ストレンジャーズは昨年に引き続き今年も3位で終わった。ウイルスバスターズも決勝戦で WISE(iFReC の選抜チームとかで、やたら強い)に敗れて2位だったそうだ、、、。みなさま、敵も味方もご苦労様でした。

 しかし、4試合、、といっても全部で5−6イニング投げただけだったのに、、そのあと2日ほどはひどい筋肉痛に悩まされるはめになった。今回ほどトシを感じたソフトボール大会はなかった、、。真面目に何か身体を動かすことをせんといかん、、と口に出してたら「そのセリフ、去年の大会直後にも言ってはりました」とチームの面々に指摘された。、、えいやかましっ、、。こういう反省が大事なんじゃっ、、。、、ホントにやるかどうかは別なんじゃっ。


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posted by Yas at 20:11| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月04日

上げ潮


 少し前に、堀口研は史上最大メンバー数になったと報告した。その研究室の近況など、、。

 研究テーマの方向性を大幅に変更して3−4年。漸く基本的なデータが固まって、そこからスピンアウトしたプロジェクトのカタチが見え始めた。ここしばらくは業績が止まってしまって、わがラボは私のキャリアにおいて最大のピンチに直面していたのだが、トンネルは抜けた。この春は、共同研究員のスズコー、医学修士入学のテルチーとニィくん。医学博士入学のイッシーが、新メンバーとして参加してきた(テルチーは半モグリで以前からラボにいたけどね)。D4のオカケーは学位論文のためのデータを整え、D3のサーヤもそれなりに研究を進めて、今夏の「第8回 細菌学若手コロッセウム」で渾身の発表をする予定である。シショーの論文は雑誌投稿を済ませ、アヤッチの今の仕事は最終局面に入っている。いずれの研究もそれなりのクォリティはあるのではないかと、ラボのボスである私は思って(願って)いる。シンザーは、百日咳関連の同業他者が驚くような新しい方法論でホニャララのフニャララを解析しようとしていて、なかぴょんは百日咳で最後に残された大問題であるヘニャララを解明すべく、ストレス太りするほど実験を繰り返す毎日である。砂漠に水を撒くような、努力しても満たされないような状況はどうやら終わった(と信じている)。

 今週の土曜日は微研のソフトボール大会がある。我が分子細菌学分野の参加する混成チーム「火の玉ストレンジャーズ」も、これまでの強力メンバーに加えて野球経験者のスズコーとイッシーが参加して、チーム結成以来最強のメンバーになった。今回は目加田研の面々もチームに参加する予定である。、、、もうはっきり云って優勝しかありませんわ。先日は有力メンバーでバッティングセンターに強化練習に出向いた、、。が、生憎の雨で近くのラウンドワンのバッティングセンターは閉鎖、、、。仕方ないのでゲームセンターフロアを抜けて帰ろうとすると、その途中でサーヤがパンチングマシーンに飛びついた。
 やおらコインをゲーム機に投入したかと思うと、狂ったように標的にパンチを繰り出し始めた。、、、どや? この気合い、。、、、魅入られたかのようにコインを何度も投入し続けて、何度もパンチを繰り出し続ける、、、。どや? この迫力、、。挙句の果てに、自分でコインを入れては、イッシーやスズコーや私にパンチをしろと、盛んにすすめる、、、振る舞い酒ならぬ、振る舞いパンチというべきか、、、、。とにかくサーヤは異常にパンチングマシーンが好きなようだ。さすが武闘系細菌学者の異名をとる西川禎一教授の娘である。


 先週の土曜日はなかぴょんの誕生日だったらしい、、。教授室で仕事をしていると、部員室が何やら騒がしい。見てみると、学生さん達がなかぴょんのためにバースディーケーキを買ってきた様子である。土曜日の昼下がり。やおら巻き起こる「ハッピーバースディー・ツーユー」。「仲良きことは美しき哉」でございます、、なかぴょん33歳独身。これからも頑張ってくれ。

IMG_2122.JPG 時節柄、研究室にある観葉植物の植え替えをして、さらに数鉢を新たに買い増した。私も教授室にドラセナ・コンシンネを置くことにした。観葉植物のハウツー本によると、この木は1年で50 cm も幹が伸びるらしい。、、なかなか縁起がええがな、、。研究室のムードも上げ潮だし、コンシンネのように研究業績も伸びればなおよろし、、。
部員室に置いてある植え替えをすませたばかりのパキラも元気よく枝葉を伸ばしている、、いいよ、いいよー、、。、、が、、「枝が横に伸びすぎとんな、、、」と思って、ちょっと手でもって曲げてみたら、枝が真ん中からボキッと折れた。縁起わる、、い、いやいやっ、、ここから新芽がムニュッッと出てくるのだ、きっと、、。


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posted by Yas at 19:12| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月01日

静岡・伊豆へ一泊二日

 27日と28日にお休みをいただいて、家族で静岡・伊豆方面にドライブ旅行した。「生桜エビ丼を食べる」というのが目的である。

 先日、ここ数年の懸案であった難物の論文をやっと投稿することができた。次の論文にもすぐ取り掛からねばならないのだが、その前にすこし休んで気分転換をしたいとずっと考えていた。土日を利用しての旅行は、行く先々で混雑するだろうから気分転換にならないので、平日に有給休暇をいただこうとスケジュールを見渡して空いていたのがこの期日だった。

 桜エビのメッカは駿河湾・由比である。ここに、美味しい桜エビを出してくれるので有名な民宿料理屋「玉鉾」がある。そこを目指して午前8時過ぎに伊丹を出発した。愛車のシャリオ・グランディスはもう14年選手だが、まだまだ快調に走ってくれる。3時間半後に東名高速道路の浜名湖サービスエリアで休憩し、午後1時半頃に「玉鉾」についた。休日は増設駐車場にもクルマがあふれるほど混みあうらしいのだが、この日はわれわれ以外には全く客がいない。やっぱり休むなら平日だ。ここで、生桜エビ、生シラス、生マグロの三色丼をいただく。初体験の生桜エビは美味しかったけれど、身の柔らかさや味わいと全く食感の違う頭の殻が少し気になった。生シラスは淡路島で何度か食したのでお馴染みの味である。んで、この三色丼では生マグロが一番美味しかった。さすが、マグロ水揚げ量日本一を誇る清水港が近いだけのことはある。料理屋の女将さんと、連れてきた愛犬ミューをはさんでイヌ談義をして支払いを済ませる。平日のゆったりした時間だからこそ、女将さんとも世間話ができるのだろう。短いやりとりだったけれど、こうしたちょっとした事でも気分転換になるものだ。

DSC01426.JPG この日の宿泊は伊豆長岡温泉にあるペットOKの温泉宿「福狸亭 小川家」さんである。チェックイン時間まで少し間があったので、伊豆の国パノラマパークという、小高い山の上にある見晴らしの良い公園に立ち寄って富士山をパチリ。ここでも、公園内に他の客は全くいなかった。

 宿泊した小川亭さんは、低料金ながらペットOKのしっかりとした温泉旅館で夕食も美味しくてコストパフォーマンスのとてもよい宿で、ここでも良い気分にさせていただいた。

DSC01453.JPG 二日目は、韮山反射炉に最初に立ち寄る。小学生の頃に教科書か学習ノートに載っていた写真を見て、ずっと行ってみたいと思っていた所だった。さして興味のなさそうな家内や娘やイヌを尻目に、じっくり説明板を読んで炉の造りを観察して、、おかげで、これでどうやって大砲を鋳造できたのかという長年の疑問が解けた。

 そのあと、源頼朝の流刑地である蛭ヶ小島(小さな公園があるだけだった)、少し山梨側に足を伸ばして白糸の滝を見物して帰路につく。白糸の滝では、富士宮焼きそばを食べたけれど、、、普通の(海の家で食べるような)焼きそばだった、、。本当にこれがB級グルメでグランプリを獲得したのかしらん? 観光地の食堂のことだから、もしかするとこれは本物の富士宮焼きそばとは違う代物なのかもしれん。

DSC01489.JPG 新富士インターチェンジから新東名高速道路に入る。途中、浜松サービスエリア、新名神の土山サービスエリアで休憩して、伊丹着は午後8時過ぎだった。休憩に使ったサービスエリアはどちらも新しいし空いているしで、ここでも非常にゆっくりした気分にさせていただいた。浜松サービスエリアでは、せっかくだから(何が『せっかく』かわからんが)最後に桜エビパスタを食べた。

 「気分転換」と「桜エビ」がテーマの1泊2日の旅行だった。桜エビを食べる旅行だったし、研究室へのお土産も桜エビポテトチップス(カルビーのご当地もの)と桜エビたっぷりのお煎餅を買って帰ったけれど、よく考えたら桜エビそのものを買って帰ったほうが良かったかもと、伊丹についてから気がついた。


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posted by Yas at 16:35| Comment(3) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月22日

オープンアクセス・査読つき

 科学雑誌に投稿された論文の査読をするのは研究者の務めである。私は自分にそう言い聞かせて、よほど仕事が詰まってない限りは依頼された査読を引き受けることにしている。

 数カ月前にそんな調子で引き受けた論文は、中堅の電子ジャーナル(オープンアクセス・査読つきのあれ)に投稿されたものだった。論文を読んでみると、関係領域の研究者には有用な情報が含まれていて、知見は良いように思えた。電気泳動データの切り貼りもない(すいません、いらんこと書きました)。しかし実験の構成が緻密ではない。データの取り方も雑だ。とてもこのままでは雑誌への掲載を認めるわけにはいかないが、掲載を拒否するほどでもない。私の査読のモットーは「75点主義」である。だから、この場合は雑誌掲載の価値を認めつつ、新たな実験を3種類ほど提案し「そのうち少なくとも2つくらいの実験をすれば結論の正当性が確かになるよ」とコメントを付け、さらに本文や図表のいくつかの不備を指摘して、「Major revision(大幅修正)」の結論で雑誌社に報告をした。
 
 先日、その論文が修正されて再投稿されてきたようだ。雑誌社は再度私に査読を求めてきた。もちろん引き受ける。これは初投稿時にコメントを返した者の務めである。二回目の査読の時は、私の以前のコメントはもちろんだが、私以外の査読者のコメントとそれに対する論文著者の対応も目にすることができる。、、、それを見て、えらい驚いた。
 もう一人の査読者は、もしかするとあまり査読経験がないか、あるいは論文中の何かが琴線に触れて気負ってしまったか、あるいは性格が細かいのか、かなり長文のコメントを著者に返していた。その中でこの査読者は、思いつく限りの実験の追加を要求し、重箱の隅をつつくように執拗に論文の文言修正を指摘していた。、、、こいつは粘着気質か? 

 私の知っている生命科学の研究では、普通、ある作業仮説を検証するための実験は何通りも考え得るものである。しかしそれを全てやる研究者は普通はいない。それらを全てやったとしても、著しく研究内容の価値が高まるものではないし、100%の確度の結論が下せるようになるわけでもない。生命科学の実験は、ある条件に限った生命現象の一面を覗き見るようなものだ。それをいくら重ねても絶対の結論は得られない(何かを発見したとか同定したとかいう場合はそれもあり得るが、それは横に置く。この論文の場合は、解析的な仕事で仮説を確かめるという類の仕事である)。限りなく近づいても曲線が決して漸近線と接しないのと同じで、いくらデータを重ねても結論を支える知見としてはほぼ飽和してしまって完璧に結論を証明することはできないのが普通だ。それに、時間も予算も限られているのにそんなことをするのは現実的ではない。しかし、この査読者はそれを要求していた。これは妥当な査読コメントとはとても言えない。

 そしてさらに驚いたのは、それに対する著者の対応だった。

 この著者は、やっぱり何かが頭に来て気負ってしまったのかあるいはもともと粘着基質なのか、その査読者のコメントに逐一細かい反論をして見せ、その反論ごとに何種類もの文献を引用してかなり大部の文献リストまで作成していた。論文査読におけるやりとりとしては、私には経験がないくらい長い長い反論のメールを返してきたのだった。それもほとんどが科学的に意味のない子供の言い合いのような反駁だ。あるいは、査読者の意味のよくわからない追加実験要求に(意地になったかのように)応えたりもして、意味のわからないただ混乱を招くだけのデータを新たな図として付け加えていたりした。もう1人の査読者である私は、そんな幼稚な査読者と著者にはさまれて戸惑うばかりで、なんだか知り合い夫婦の痴話喧嘩に巻き込まれたような気分である、、。

 そこでできるだけ巻き込まれないように(巻き込まれることなんてないと思いますけどね)、「私のコメントに関しては充分に対処していただいている」として、「Accept(採択)」の結論にしようと思った。、が、、、追加実験のデータはあまりにひどい。研究の質を損なっているだけだ、、と思い直して、「この追加実験はもう1人の査読者のコメントに対処した結果だと理解はするけど、著者らの仮説を支持するデータになってないし、そもそも第三者である読者には意味がわからない("make no sense" というキツいかも知れない表現を使ってしまった)」と付記し、「Minor revision(若干の修正)」の結論に変えて雑誌社に返信した。そして、返信してしばらくしてから、科学論文の査読なのだから「なぜ仮説を支持しないのか」とか「なぜ意味がわからないのか」とかの理由を具体的に書くべきだったと後悔した。しかしそれよりも、その場を早く立ち去りたい「夫婦喧嘩を見た知人」の気分の方が強かったのだ。、実に後味の悪い論文査読だった。たまたま査読者と著者の相性が悪かっただけなのか、イマドキの中堅雑誌の査読って、あんなものなのか、、。なんか、世界の科学は大丈夫か? と余計な心配までしてしまった。

 そして今朝、雑誌社からその論文の取扱の最終結論を伝えるメールが届いた。「Minor revision」だった。私が再査読の返信をしてからずいぶんと時間が経っていたので、気になってその雑誌社からのメールを見ると、査読者が5人に増えていた。査読者の意見が大幅に違ったときは、査読人数を増やすことはよくあるが、、それにしても3人も増えていた(この3人は実に大人なコメントをしていた)。ところが、、あの粘着基質の査読者は再査読を拒否したとみえて、そのメールには彼(彼女?)のコメントは全く載っていなかった。もうっ、文句を一杯書いたのなら、最後まで責任もって査読しろよ、、、。

 最後は大人な結論で終わってホッとしたけれど、、、ほんと、世界の科学は大丈夫か?、、、、、

*:その結論が定説あるいは事実として受け入れられるためには、その結論に基づいて第三者が異なる目的で実験を構築して良好な結果を得るようなことが繰り返されなければならない。


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posted by Yas at 18:57| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月20日

「わかりません」は禁句にしたい

 前回からの続き(続編モノにするほど、話題がたくさんあるわけではないんですけどね、、)。

 16日。泊まっていた岡山三井ガーデンホテルで目が覚めたら、まだ頭のなかで「外は白い雪の夜」が鳴っていた。ちょっとだるい。朝食をとってタクシーで岡山大学医学部のある鹿田キャンパスに向かう。この日の講義の相手は学部3回生である。これまで様々な大学や学部で細菌学の総論や各論の講義を仰せつかってきたので、私には色んな話題を提供できる準備があるのだけれど、松下教授は「細菌毒素学の話題でみっちりやってくれ」とおっしゃる。そうですか、それではと「細菌毒素」だけの話題で3時間の講義をすることになった。基礎編60分、実例編60分、研究編60分。そんなマニアックな講義は全国を見回してもなかなかないんじゃないかと思う。

 いつもここで書いているが、私の講義はQ&Aを交えた会話形式である。これを私は talking class と呼ぶ。それぞれの話題ごとに次々と学生さんに質問をしながら講義を進めるやり方だ。この質問は学生さんの知識を問う類のものではない。わからなければウソでも口から出まかせでもいい、自分なりに論理的な説明をしてくれればよいのだ。そんな時に人は最も頭を働かせる。そういう作業を学生さんにして欲しいと思って質問しているのだ。いくら知識を問わないと云ったって、論理建てて説明するためには最低限の知識は必要だが、それを駆使して必死になって小理屈をこねてくれれば最高に嬉しい。そう思っていつも質問をしている。

 もちろん、こういった講義が楽しくなるかどうかは学生さんの回答の質に依存する。ところが、残念ながらこの時の講義は低調だった。みんな反応が鈍い。多くの学生さんは、基本的な生物学の知識が足りないように見えた。質問されてもまるで他人事のように空疎な受け答えをする学生さんも何人かいた。おかげで、いつもなら3時間でのべ120〜130人に質問するところが、この日は調子が悪くてその半分にも質問が進まなかった。こういう講義は時々経験するが、いつも同じ大学で同じように経験するわけではないので、決して岡山大学の何かに特有の問題があるわけではないと思う。実際、6年前の岡山大学医学部では実に楽しく質疑応答ができた。だから、たまたまこのクラスがそんな雰囲気だっただけなのだろう。しかし、、、。

 「学生さんには、自分の生活に関わる現実世界と教科書に載っているリアリティのない学問の世界があって、後者は自分に関わりがないと思っているんです」と松下さんが済まなそうに云う。体調が回復して、講義を見に来てくれていた岡大准教授で私の後輩のニシキくんも「彼らは知識の断片はあるんですけど、それぞれを関連付けて考えることができないんです。だから、知識の断片だけを『穴あけ問題のように』尋ねれば、かなりの正答率になるんですけど、論理的思考を要求されるとその断片的な知識も出なくなるんです」と寂しそうに云った。通年のカリキュラムに則った講義をしたことがない私には何も言えないけれど、二人の言葉に思い当たることはある。確かに、私に質問されると、多くの学生さんは質問に関した記憶を頭の中でただ探っているだけのような、無機質な顔になっていたような気がする。そこで一杯一杯になっていたら、論理的な思考なんかできるわけがない。

 でも、6年前は楽しかったよと言うと、「少し前に講義シラバスの細分化と強化が進んで、結果として大量の知識偏重の講義になってしまったのが影響しているのかもしれません」という答えが返ってきた。松下さんやニシキくんの話を聞く限り、岡山大医学部は様々な面で学生の教育にかなりの腐心をしている。けれど、肝心の講義カリキュラムが定型化しているために、◯✕問題や穴埋め問題しか答えられない学生を育ててしまっているとしたら残念なことだ。彼らは、一体いつになったら論理的な考え方ができるようになるのだろうか? それができなければ医者など務まるわけがないのは確かだ。臨床の現場に出てはじめて物事を考えるようになるのだろうか? 大学教育ではそういうのはもはや無理なのか? 学部も大学院学科も独自に持たない、学部の先生方の苦労も知らない附置研究所の教員だが、ちょっと心配になった。

 そんな話をしながら松下、ニシキ両先生と昼食をとったあと、岡山駅まで歩いて新幹線に乗った。
 来月には京都府立大学・生命環境学部で講義がある。ここでもやっぱり学生さんにたくさん質問をして、talking class をするつもりである。


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posted by Yas at 16:31| Comment(2) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月18日

岡山・サワラ・拓郎ちゃん

 岡山は大阪から新幹線で40分と少し。近いけれど、私にはそれほど縁のあるところではない。6年ほど前に当時の岡山大学教授の小熊先生にお誘いいただいて講義をして以来、多分訪れていなかったと思う。その岡山に15−16日に出張で出かけた。岡山大学医学部病原細菌学分野の現教授、松下さんに特別講義のお誘いを受けたのだ。

 講義は16日の朝一番からあるので、15日の夜に岡山入りし、松下教授を始め細菌学関連の先生方と夕食をご一緒することにした。メンバーは松下さんの他に、助教の美間さん、後藤さん、それに歯学部の中山さん。後藤さんはこの春まで微研にいた顔見知りである。中山さんはかつて長崎大学熱帯医学研究所の平山先生の研究室に所属していたので、その仕事はよく知っている。美間さんはお初にお目に掛かるが、岡山大学薬学部の教授だった土屋先生の薫陶を受けたとかで、それなら専門領域は想像がつく。皆さん細菌学領域のお仲間で、気楽にお話をさせていただけそうなメンバーだ。しかしただ今回、再会を楽しみにしていたニシキくんは、残念がら急に体調を崩したとかでこの夕食には不参加であった。

 皆さんに連れていただいたのは、山陽新聞本社の横から西川という川を渡ったところにある居酒屋さんだった。店内に入ると何やら懐かしい音楽が流れている。吉田拓郎の「外は白い雪の夜」だ。ふひゃぁ、この曲を聞くのは何年ぶりかしらん? その後に流れる曲も全て吉田拓郎。曲目からみて、おそらく名作と言われたライブアルバム「TAKURO TOUR 1979」から多くが抜粋されたオムニバスのようだった。これがエンドレスで流れている。ふひゃぁ、懐かしい、、、。店の人に尋ねると、店長さんが大の吉田拓郎ファンなんだとか、、、、いい店だ。 んで、皆さんと美味しい酒肴をいただきながら、先日急逝した清水徹教授のこと、日本の細菌学研究の将来のこと、私が再来年に世話人を務める学会総会のこと、細菌学会の運営のことなどをワイワイと話す。松下さんは真面目なので、決して話が馬鹿話に流れない。その辺が私とは違うところである。話の合間に聞こえてくる拓郎ちゃんの曲も心地よく、大変有意義な話をたくさんさせていただいた。

 この店を出たあと松下さんと別れて、美間さん、後藤さん、中山さんと「もう1軒行こう」と、ラーメン屋で美味しい餃子と豚トロでビールをさらに飲んだ。さらにシメに食べた長浜ラーメンも絶品だった。岡山はなかなか侮れん。この日いただいたのは美味しいものばかりだった。そしてみんなと別れたのは確か午前0時頃、ホテルでシャワーを浴びてベッドに入ったのが午前1時過ぎだった。

 頭のなかでは「外は白い雪の夜」がヘビー・ローテーションしていた。次の日は朝から3時間の講義である。(つづく)


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2014年05月06日

くろまんぷ

 ゴールデンウィーク最終日。娘はスポーツクラブに行き、家内は仕事に行くというので、お昼すぎまで北摂猪名川方面を自転車で走ってきた。大学への行き帰りではない自転車行は昨年秋の神戸以来である。

大学からの帰り道に猪名川町方面に立ち寄るのはなかなか難しいので、もしかするとこの辺りを走るのは相当久しぶりかもしれない。この方面には、多田銀山跡と「くろまんぷ」という、前から行きたかった場所がある。多田銀山というのはそのむかし豊臣秀吉が直轄したという、んで埋蔵金伝説があるという、夢のある史跡である。「くろまんぷ」というのは、当時の地域の住民が、工事を完成させるために資金を出し合ったという、日本最古級の石造りトンネルらしい。北摂の自転車乗りには有名なスポットである。「まんぷ」とは坑道をさす「間歩」が転じたもので、ときにトンネルのこともこう呼ぶらしい。穿った岩肌が黒かったので、「くろまんぷ」という。あるいは「暗まんぷ」とも呼んだとか、、。んで、今回は、銀山に行ってもゆっくり見物する時間はとれないので、その「くろまんぷ」を目的地にすることにした。

140506 at EveryTrail
EveryTrail - Findhiking trails in Californiaand beyond

9時半ごろに家を出た。クルマの通行量の多い県道をできるだけ避けて伊丹から川西までは田舎道や旧街道を抜け、能勢電鉄滝山駅手前から旧県道12号に入り、ここからひたすらに猪名川(水の流れる川ね)の上流を目指す。
DSC01387.JPGゴールデンウィーク最終日のこと、道にはそれはもうたくさんのサイクリスト(ローディー)がいた。ハイカーと同じで、サイクリストも路上で出会った他のサイクリストに挨拶をする。それで皆さん気持ちよく挨拶をしてくださるのだが、これがまた皆が皆、ヘルメットからジャージ、パンツまでビシッと決めたローディーである。交通量の多い県道だろうと上り坂であろうと自分を追い込むように必死で自転車を漕いでいる。もしかするとこういう人たちはみんな、レースに出場して勝利を目指す人達なのか? それに比べて私はユニクロのドライTシャツとカーゴパンツの出で立ちで、横道に逸れては風景を眺めながらチンタラと自転車を流している。そんな私にも、ローディーたちは自転車をシャーッと走らせながら挨拶をしてくれる。ひゃー、えらいすまんこって。私みたいなしょうもない街乗りに挨拶してくれんでもええですのにと思わず恐縮をしてしまう。5人6人のグループで走っているローディーとすれ違ったりすると、それこそコメツキバッタのようにヘコヘコと頭を下げてしまう。、、ほんとえらいすまんこって、、。

DSC01395.JPG「くろまんぷ」は、道の駅いながわを過ぎて猪名川町立楊津(ようしん)小学校の前を林田という集落に向けて上り坂を上りつめたところにある。到着してみると、思っていたよりもずっと小さなトンネルだった。ここは、北摂ローディーの間で人気のブロガーであるasyuuさんのお好みのスポットである。あまりに有名なので、「くろまんぷ」の周りでは大勢のサイクリストが休憩してるんじゃないか?とか想像したが、全くそんなことはなく周囲はひたすら静かであった。林田側のトンネル出口で暫く休憩していたが、その間にも一人も通りがかる人はいなかった。、、、asyuuさんといえば、ブログによく登場する和菓子屋「うませ」も今回ついに発見した。、、和菓子は買わなかったけど、、。

そこから林田に出て、佐曽利という集落を抜けて再び道の駅いながわに戻る。ここで水分を補給して12時半に帰途につく。帰りは下り道が多いこともあって1時間。午後1時半には家に到着した。4時間の気分転換だった。

この季節に木立の中を走ったせいか、帰ってみると着衣や首筋にいくつも毛虫が付いていたというオマケ付きの気分転換であった。


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posted by Yas at 21:09| Comment(2) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月04日

研究室の人数

本年度の研究室の集合写真を撮った。総勢14名。

多くも少なくもない普通の規模のラボの人数だ。が、実はうちの研究室にとっては、今年の14人というのが史上最多人数になるのである。

DSC01348.JPG自分の研究グループを持って16年、教授になって13年。その間、メンバーの数は多くても8−9人くらいだった。べつに、たくさんのメンバーがいるビッグラボを望んでいるわけではない。でも、少なすぎては研究の最低限のクォリティーを保つのが難しい(とか言いながら、実際はかなりつらい時期もあったけど)。これまでの変遷を思い返してみると、ラボの人数は獲得研究費の多寡や、研究の進捗や成果とは全く関係がなかった。研究費が比較的潤沢にあってもメンバーが少なくて困ったことがあるくらいだ(あんまり書くと怒られるけど、その時はつまり、予算が余り気味で困った。、、、あくまで昔のことね)。その逆のパターンの、獲得予算に対してメンバーの人数が多すぎて研究費が足りなくなったということは幸いにもなかった。これまで少人数だったから、それなりに何とかなったわけだ。

このブログでは何度も書いているけれど、数年前に研究室のプロジェクトを大幅に方向転換させた。その前後の期間に、もし新しい学生さんがたくさんやって来ていたとしたら、それぞれに研究テーマを与えるのにも一苦労しただろう。しかし今はもういくつかのプロジェクトが動き始めているのでそういうことはない。もし人数が増えて問題があるとすれば、新人のためのスペースの確保だろう。もしそうなったら新しいデスクを買って、今は精製機器やディープフリーザーが置いてあるだけの上階の別部屋を整備しないといけないのかもしれない。それと、ボスとしての私の能力にも問題があるかも。メンバーが増えてプロジェクトの数があまりに増えると、きっと私の手に負えない。それに私は人間関係を丁寧につくり上げるタイプではない(つまり、人づき合いがゾンザイだ)から、たくさんの人間がラボをウロウロしていたら、それに耐え切れず精神的に病んじゃうかもしれない、、。

ということで、あと3−4人。総勢17−18人が限度だ、、と、研究室への参加希望者が殺到しているわけでもないのに、勝手な心配をしていたりする、。


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posted by Yas at 18:24| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月30日

チョチョイのチョイ

 少し前、 Tikit くんで「昼はクネクネ」を楽しんだときのこと。

 シフトレバーを動かしていないのに時々勝手にギアチェンジしたりして、どうもギアシフトが決まらないなと思っていたら、シフトのアウターケーシング(プラスチックのチューブ)が劣化してシフトレバーのハウジングから外れていた。
IMG_2096.jpg
 こんな感じ。

 自転車のギアシフトはインナーケーブルのテンションの変化で動作する。しかし、そのテンションはインナーケーブルを引っ張る力だけで決まるのではなくて、インナーケーブルとそれを包むアウターケーシングの長さの割合に影響を受ける。あ、ちょっとややこしいな、、、。つまり、インナーケーブルを一定の長さに保っていても、アウターケーシングが長くなると相対的にインナーケーブルが引っ張られるようになるし、アウターが短くなるとインナーに余裕ができてテンションが下がる。、みたいな、、ええぃ、、ということでとにかく、シフトケーブルというやつはインナーもアウターも健全な状態でなければならないのだっ(説明終わりっ)。

IMG_2093.jpg それで Tikit のシフトケーブルを見ると、アウターは劣化していたしそこからのぞいているインナーもくたびれているように見えたので、この際だから両方交換することにした。必要なパーツはアマゾンで注文する。まぁ自分で直す気になれば、自転車屋さんに出向かなくてもいいし、安いし、Amazonさまさまである。買ったのはMTB用のシフトケーブルセット。ケーブルにはブレーキケーブルとシフトケーブルがあり、シフトケーブルにはMTB用とロード用がある。これを区別せずに使うのはNGだ。Tikit にはMTB用のケーブルセットを使う。



IMG_2098.JPG シフトケーブルの交換はプロントくんですでに経験済みだが、Tikit についているスラムというメーカーのグリップシフトを分解するのは初めてだ。しかしこれもネットで構造を調べて、あっさり交換することができた。いまの世の中、便利である。

 ケーブル交換後はこんな感じ。金属製のエンドキャップがプラスチック製に変わった。自転車のメンテナンス本を見ながら変速機の調整をして終わり。その後、Tikit で何度か自転車通勤したがギアチェンジはバッチリで快調だ。

 いやぁそれにしても、、。自転車の仕組みは単純で、その仕組みさえわかれば簡単な修理ならチョチョイとできる。この世の中、仕組みがわかっても、チョチョイと処理できんことばかりの毎日ですけど、、、、、、自転車はエライ。


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posted by Yas at 22:39| Comment(0) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月28日

京都だまる子だ鴨川だ

先週金曜日は京都府立医大で出前講義した。この講義は3年目。毎年の講義だけれど、受講する学生さんは毎年違う(あたりまえですけど)。今年の学生さんは一言で云うと「『堅実』だけど頭を使わない」。私の繰り出す質問に対して、知っていることに関してはかなりの正解を答える。だけど自分で考えないので、条件を設定して「どう思う?」と質問すると、何も答えられない。こうした学生さんの反応は、実は毎年違う。大学によっても違う。んで、この大学にかぎらず何回かに1回位は楽しそうに奔放に口から出まかせを言う(実は、私はそんな受け答えを学生さんに求めている)学生さんがたくさんいるクラスに出くわすのだが、今回はちょっと惜しいけど、そこまではいかなかった。

京都府立医大は鴨川西岸にあって、キャンパスから直接河原に降りることができる。講義前に時間があったのでその河原にでてみたが、のんびりと散歩する人たちやベンチで佇む人たちで、実にゆったりうららかな雰囲気が満点で少し癒やされた。さすが京都である。(あ、そうだ。この昼は、京都高島屋に勤める高校同級生のバンちゃんに昼飯をおごってもらった。バンちゃんありがとー) 思えば受験生のころ、「京都の学生さん」に漠然と憧れていたものだ。志望学部の関係や当時の家庭の事情で、願書を出すことも受験することも実際にはなかったのだが、そのせいか、ほのかな憧れはかえってしっかり心のなかに残ってしまった。京都に来るといつもそのことを思う。

IMG_2102.JPG講義後、かねてからの約束通り京都府大のオカさんと五条木屋町で食事をした。高瀬川や鴨川を望めるお店で、美味しいお酒をいただく。写真は二軒目のお店のフスマにあった「ちびまる子」。以前に来店したさくらももこさんが、マネージャーの止めるのも聞かずに興に乗って描いたらしい(隣に、とも蔵じいさんの絵もあった)。靴を脱いで上がる京町家風のバー、美味しいお酒、窓の外には鴨川〜♪(字足らず)。京都だ京都だ。

んで、飲んでる最中に、そのオカさんから京都府大での講義を依頼された。学部を持たない附置研の職員は、外部から依頼された講義はできるだけ引き受けるべきである、というのが私の思い込みである。ということで、近いうちに再び、京都の大学で講義をすることになった。

京都の学生さんにはならなかったけれど、京都の大学で時々講義や講演をやっている。高校生時代には思いもよらぬ36年後である。


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posted by Yas at 23:12| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月21日

隠れた名店

 「美味しいコーヒーを淹れられるようになったらカッコいいな」とずっと思っていた。

 しかし、言うばかりで実行しないのが私の特徴である。研究室には数年前に大学院を修了したキムジュンが記念に置いていった新品のミルがある。ドリッパーもずっと昔からある。無いのは本人のやる気だけだ。、、、というのが長い間続いていたが、ついにそれも終わりの時を迎えた。

 大学の近くにはこだわりのありそうなコーヒー専門店がいくつかある。
IMG_2082.JPG なかでもこの店は出色だ。どう見ても普通の家に大きな看板。かつてラボメンバーだったトッシーが散歩中に見かけて「凄いコーヒー屋さんがあります!」と言って大騒ぎしていたのがこの店だ。先日、近くのファミレスで昼食をとったあと、その店に立ち寄ってみた。



IMG_2081.JPG
 店内はこんな感じ。家の軒先を伸ばすように建て増して、カウンターとテーブルを入れただけのようなスペースである。誰もいない。やがて客が来た気配を察知して家の方から奥さんが出てきたが、この人が中々の人物だった。 


 コーヒー豆の価格はだいたい330円/100グラムくらいで、ブルーマウンテンだけがその倍くらいする。
「コーヒー豆って、買ったことないんですけど」という我々(なかぴょんとテルチ−と私)に、奥さんは銘柄の1つずつの特徴を説明してくれたのだが、その中に「おすすめ X」というのがあった。不思議がる我々に、「実はこれはザンビア産の豆なんだけど、あんまり印象ないかもしれない(ザンビアの人が聞いたら怒るやろ)ので、『おすすめ X 』っていう名前にしたの。すると、みんな興味を持ってくれて売れるのよ〜」と嬉しそうに云う。、、確かにそうだ。思わず「おすすめX」とそのほか三種類400グラムの豆をお願いしてしまった。
んで、それを準備してくれるあいだ、奥さんは喋る喋る。
「へぇ、大阪大学の人なんですか? じゃぁヨシズミさん知ってます?」
ヨシモリさんなら知ってるが、ヨシズミさんは知らない。「大学の先生ですか?」と聞くと「ううん。この春に大学院を卒業した学生さん」という答えが帰ってきた。、、奥さん、それはなんぼなんでも無茶でっしゃろ。同じ大阪大学いうだけで、全部の学生さんを知ってるわけありませんがな、という我々を尻目に奥さんのトークは続く。
「STAP細胞って、ほんとにあるんですかね? 私はね〜、小保方さんの会見をテレビで見たんですよ、見ました?、あれ。あの時に小保方さんが『STAP細胞はありますぅ−』って言ったのよね『ありますぅー』って。私はあれで、あぁこの娘は嘘をついてるなって思ったですよ」と、なぜかしたり顔になる。こちらは「はぁ、そうですか、、、」としか言いようがない。
「この辺りには、学生さんがたくさん住んでらっしゃるんで、みんな息抜きにコーヒーを飲みに来てくれるんですよ。私と話をすると気分転換になるって」、、確かに気分転換にはなるやろね。仕事の息抜きに来たりしたら、二度と仕事には戻れなくなるような気もするが、、、。

 「また来てくださいね−」 奥さんは丁寧に100グラムずつ真空包装したコーヒー豆を渡してくれた。
 この店に入ったらコーヒーを飲まなくても癒やされた気分になったし、豆を買いに来ただけで、えらい楽しい思いをさせてもらえるし、、。きっとまた来ますよ。、、、、豆を挽いてコーヒーを淹れるのに私が飽きなければ、、きっと来ます、、。


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posted by Yas at 17:54| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月16日

注)百日咳ではありません

 どうやら先週末に罹ったらしい風邪で、この2,3日、えらい目に会っている。咳が止まらん。

 百日咳の研究をやってる研究室の教授が咳で苦しんでたらシャレにならんがな。とか言いながら、ゴホゴホゲホゲホ繰り返す毎日だ。気道が痛い。ゴホッ、ゴホッ。それにどうも身体が冷え切ってるようだ。部屋も乾燥している、、ゴホッ、ゴホッ、、、、。ということで、陽光暖かなこの季節なのに、セーターを着て部屋の扉と窓を閉め切って加湿器をフル稼働させて仕事をした。ゴホッ、ゴホッ、、、気のせいか部屋の中がジトジトしているように感じるけど、この方が体の調子はマシだ。

 このブログ、最近はなんだか体調不良自慢のブログみたいになってしまってるけどご心配なく(何が『ご心配なく』かわからんが)。今回の風邪もしっかり快方に向かっていますし、ここ2,3日で仕事もそれなりに出来たし、、、。大丈夫です(何が『大丈夫』かわからんが、、、)。

 ところでこの季節、うちの研究室サイト経由でこのブログに辿り着く方がたくさんいらっしゃるようだ。おそらく、大学院の配属研究室候補を探してうちの研究室のサイトを見て、さらにそこからこのブログを訪れているのではないかと思う。その内の何人かの人たちは、5月17日に開催される微研・iFReC 合同説明会に参加されるのだろうか? 、、、いやー、皆様。5月17日にお会いしましょう。当研究室は百日咳の感染病態の解明と予防治療方法の創成を目指しております、、。目下の大きなテーマは百日咳における咳発作の発症メカニズムの解明です、、、。

 、、、ゴホッ、ゴホッ、、。


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2014年04月13日

昼はクネクネ

世は研究助成金報告書の季節である。

先週のあいだに取り掛かっていた論文を一度書き上げたので、土曜日はそんな報告書の作成だ。申請書と違って報告書を書くのにはそれほどプレッシャーを感じない(もう貰っちゃった研究費だからね、、)のだが、何種類もあるので手間はかかる。書かねばならない報告書の枚数が多いということは、それだけ助成金をいただいたと云うことだ。文句を言ってはバチが当たる。んで、時間はかかったけれどそれなりに仕上げることができた。

今月初めに通知された文部科学省(日本学術振興会)科研費の獲得状況も近年ではかなり良い方だったし、メンバーの仕事は順調にデータが積み上げられているし、やる気のある新人学生さんやその他の研究員が数人増えて、今春から堀口研はたぶん歴代で最多人数になった。一見、順風満帆風になってきた。ただ、肝心の論文を書き上げていかないと本当に順調とはいえないけれど。

でもとにかく、ここ数年では最も仕事が落ち着いてきたように思う。そこで、暖かくなってきたし、久しぶりに土曜日ポタリングをしてみた。

140412 at EveryTrail
EveryTrail - Findtrail maps for Californiaand beyond
目的地を設定すると、現在地から目的地までを直線で結んで示してくれる Car Navi ppoi という iPhone アプリをセットして自転車(この日はTikitくん)に取り付け、とにかく茨木−摂津を流れる大正川沿いに摂津まで走って、そこからひたすら直線で示された自宅の方向に向かって、街中を好き勝手に走ってみた。こうすると、目的地(この場合自宅)の方向を間違うことなく全く知らない街を楽しくポタリングできる。これが、小さな発見がたくさんあってとても楽しい。大阪にもまだまだちっとも知らない街がたくさんあるのだ。



IMG_2078 - バージョン 2.jpgむかし、関西ローカルテレビでタレントさんがただ街中をウロウロ歩きまわる「夜はクネクネ」という番組があったが、こっちは「昼はクネクネ」だ。最後は伊丹空港の飛行機進入路の下を通って(ここでは、着陸する飛行機をこんなふうに迫力たっぷりで見ることができる。)伊丹市内に帰った。

ふひー、気持よく走ったわいと満足してこの日は寝たが、今朝、目が覚めてみると身体が熱っぽくて、ノドが痛い。、、どうやら風邪を引いてしまった。、、

何でもかんでも気持ち良くうまくいくなんてことは、あんまり無いということですわ。


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2014年04月09日

タマに「集中」の神が舞い降りるのだ

 私は元来、遅筆で遅読で集中力がない。およそこの商売には向いていない性質だと思うのだが、なんとかここまでやってきている。しかし今でも、研究教育に携わる大学教員としての仕事は私にとっては楽ではないのだ(まぁ、「仕事がラクだ」とかいう人はあんまりいないと思うけど)。毎日毎日、教授室でのたうちまわっているのだが、それでもタマに自分でも信じられないくらい集中できて仕事が進む時がある。今日、そんな時が久しぶりにやって来た。

 ちょうど関わっている論文の執筆が難物で、かなりの苦労をしていたのだがそれがウソのように今日は朝から筆が進む。論文構成もあっさりすっきりと整理し直すことができて、本当にやっと最終的なカタチが見えてきたのである。大きな達成感に浸って、嬉しくなってこれも久しぶりの、ブログの更新を今こうしてしている。

 思えば細菌学会からこっち、ずっと体調がよろしくなかった。これはもしかすると全てこの論文が原因だったのかもしれない。そうだ。ずっと身体がだるかったのも、下痢気味だったのも、高血圧も耳鳴りもピロリ菌感染も、全部この論文のせいだ。そうだそうだ、、と思いながら自転車で帰宅する。この季節の自転車通勤は、どのルートを辿ってももれなく桜満開のご褒美がある。おかげでさらに嬉しくなって超ごきげんである。

 この勢いで、明日はやっと初稿になる論文を仕上げるつもりである。もちろんこの論文には悪意のある改竄も捏造も悪意のない捏造も改竄もありません。


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2014年04月02日

まだ2年も先の話(第87回日本細菌学会総会3)


 この第87回の日本細菌学会総会では、再来年の総会を担当する総会長が決定する。その総会長の任がなんと私に下ってしまった。

 話は2ヶ月ほど前に遡る。ある先輩の先生と出張先の老舗料亭でお酒をいただきながら色々とお話をしていて、自然と話題が細菌学会のことになった。先生は、学会の運営が苦境に立たされているということでひとしきり心配の言葉を並べられ、そして「そうですねぇ、そうですねぇ」と相槌を打つ私に「ところで、再来年の総会長にキミを推すという動きがあるみたいなんだけど、、」とニコニコしながら仰った。しまった。学会の苦境話に相槌を打った手前、ここで私があっさりお断りするわけにはいかない。「うー、あー」と適当にごまかそうとする私に、この先生は、総会長としては若い私が学会を引き受ける意義や、負担をかけずに総会を運営するやり方などを熱弁されたのだった。翌日、帰阪する列車の中で、細菌学会理事長が私の居所を探しておられるというメールが追いかけるように届いた。さらに数日後、理事長と電話で何度かやりとりして、結局お引き受けすることになった。

 会員数が減少しつつある学会とはいえ、この年齢で総会長を務める例はあまりない。一方で「若いんだから、斬新な企画をして学会を盛り上げてくださいね」のようなプレッシャーも感じる(というか、実際に数人の先生にそのような意味のことを言われた)。しゃぁない。まだ2年も先の話だが、今からまじめに考えちゃる。
 んで、まだ2年も先の話だが、規模が規模であるだけに会場は早めに押さえておかなければならない。んで、学会運営会社に依頼して、すぐに会場を決めて予約していただいた。その会場は大阪国際交流センター。実は、私の生まれ育った上本町にある。幼なじみの皆様、小中学校の同窓会でも度々使った会場でございます。再来年、お邪魔します。、、、別に断る必要もないが、一応お知らせまで。

 まだ2年先の話だが、ホントに今からまじめに企画を考える。と、自分にプレッシャーを掛ける私であった。 

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2014年03月31日

ホリプレ論文篇22「なぜ論文が書けないのか?」(第87回日本細菌学会総会2)

 今回の学会では、昨年の第7回若手コロッセウムで奨励賞をいただいたオカケ−が、受賞者の義務である若手セッションでの口頭発表を務めた。それと、サーヤがポスター発表。これは前回書いたように、優秀賞なるものを頂戴した。そして私は、若手の先生に依頼されて若手向けの講演をすることになっていた。依頼されたテーマは「論文の書き方」である。

 一度は断ったのだが、セッション世話人の徳島大の田端さんに「どうしてもお願いします」と粘られた。粘られると弱いのが私の欠点で、結局引き受けることになった。んで、どうせ引き受けるのなら言いたいことを言ってやろと心に決めて書いたのが、ちょっとエラそうで厳しい、以下の講演抄録である。

なぜ論文が書けないのか? ー「ホリプレ」論文篇ー

 科学論文とは、科学研究成果を記載した報告書のことをいう。しかしそれだけではなく、それが「科学論文」であると一般に認められるためには、その報告書が雑誌・書籍で掲載(公表)されなければならない。掲載(公表)されるためには、その報告書は一定の様式に則って記述されなければならないし、研究者仲間の批評に晒されかつその批評に適正に対応しなければならない。こうした「must-do」を乗り越えて、はじめて正当な「科学論文」であるということが認められるのである。一方、こうしたハードルのない学会発表の抄録や研究助成金の報告書の類いは科学論文とは認められない。
 上記のように一定の手順を踏んで公表した科学論文の質や量は、ほぼそのまま著者である研究者の評価につながる。この事実に対して色々と異論を唱えるのは自由だが、研究者のコミュニティーでモノを言うためにはとりあえず論文を書かないと一人前とは見なされず、一人前ではない人間のいうことなどには誰も耳を傾けたりしない。研究者は論文を書いてこそ、研究者なのである。しかし、周囲を見渡すと年齢や研究歴に関わらず、学会抄録は書けても論文は書けないという人は実は非常に多い。そこで、本演題では「なぜ論文が書けないのか?」を中心に科学論文の書き方について考えてみたいと思う。論文が書けない理由は様々だと思うが、本演題の議論で「書く」ためのヒントを掴んでいただければ幸いである。

 

 私は、生命科学系の大学や研究機関に所属する研究者のうち3−5割くらいの人が論文を書けないのではないかと経験上感じている。初学者はもちろんだが、年齢を重ねた研究者でも論文を書けない人は書けない。そんな思いが「なぜ論文を書けないのか」というタイトルを私に選ばせた。科学的論理を構築する能力があれば、科学論文を書くのに文才はいらない。書き方の作法やルールを勉強して訓練すればよいだけの話だ。それを怠るから書けない(もっとも、科学的論理性のない人には別のトレーニングが必要だが)。この講演ではそのようなことを伝えようと思った。当初、発表時間が20分だというので「それは無理だ」と25分程度に延長してもらった。論文の書き方を話すには25分でも本当は足りないのだ。、、、最初は断ったくせに、えらい気合の入れようである。

 用意したスライドは39枚。日頃ホリプレで「スライドは講演時間1分あたり1枚」と言っている私にすれば異常な枚数である。これを超早口で喋って24分で講演を終えた。話している最中のフロアの反応は割り合い良かったし、講演後には多くの方にも色々とよろしげな感想を頂いたので、出来栄えはそんなに悪くはなかったろうと思っている。
 
 さて、今回の学会場では、羊土社さんがブースを設けて拙著「研究者の劇的プレゼン術」や盟友アベッチの著した「もっとよくわかる! 感染症」を販売してくださっていた。拙著のことは、私と同じセッションで講演した新潟大の小田さんが講演中に宣伝してくれてもいた。そこで、会期途中にブースにいらした担当の方に聞いてみると拙著は完売したという。どひゃー、すげぇーじゃん、と東京弁で驚いたが、さらによく聞くと今回用意していただいたのは10冊だったという、ちょっと微妙な話だった。


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2014年03月29日

飲んで飲んで飲まれて飲んで(細菌学会総会1)

 この25日から28日まで、東京で開催された第87回日本細菌学会総会(会期は26-28日)に出席していた。ラボからは安倍、新澤、おかけー、サーヤも参加した。
 25日の夜に東京入りし、門前仲町の「魚三酒場」で群馬大学の富田さんのセットしてくださった飲み会に出た。富田さんは相変わらずである。どう相変わらずなのか、業界の方なら皆さんよく知っておられるが、、、教授になってもほんとに相変わらずである。
 このときは総勢8名。「魚三酒場」というのは新鮮な魚を格安で提供してくれる超有名店である。私は昔から門前仲町が好きで、しばらく定宿をその界隈で決めていたことがあるのでこの店のことをよく知っている。ただしいつも満員なので入ったことはなかった。その憧れの店でお酒を飲めて楽しく過ごさせていただいた。二軒目を出たのが12時前。そこから今回のホテルのある浜町まで歩いて帰る。

 次の日。学会初日。細菌学会総会は7年ほど前から、一般演題がポスター発表になり、プログラム委員会や総会長の提案によるシンポジウムやワークショップの各テーマでまとまった研究成果が講演されるようになった。このことによって、本学会は以前と比べてずいぶんと学問的に興味深い話題を議論できる場を提供できるようになった。今回も朝からセッション会場に居座って、昼は各種委員会の会議に出席。午後からはまた別のセッション会場で夕方まで過ごして、その後はポスター会場でワイワイと議論したり近況を語り合ったり、、、。んで、国立感染研の岩城さんにお誘いいただいて、この夜は都営新宿線森下駅近くで深川ムード満載の見知らぬ飲み屋さんに入ってみると、お客さんが誰もいない。店内の一部は照明が消されていて薄暗い。、、、と嫌な予感がしたが、料理は美味しくて静かで(他に客がいないからね)実はとてもいい店だった。いい店で話は弾む。そしてばかみたいに飲み続ける我々を見て、女将さんがあきれてまだ2−3割中身が残っている一升瓶(酔鯨だったか?)をくれた。この時のメンバーは岩城さん、藤永さん(微研)、三澤さん(宮崎大)、三宅マミちゃん(府大)と、シンザー、サーヤの7名。

 総会二日目。この日の夜は懇親会だ。その後は「若手懇親会(といっても年齢制限はない)」だ。このダブル懇親会では年上・年下を問わずたくさんの先生方とお話させて頂いた。懇親会では久保田萬寿、羅生門、十四代などの日本酒を美味しくいただいた。粋なお酒をご用意くださった総会長の渡辺治雄先生、ありがとうございました。若手懇親会では、普段飲まないアサヒスーパードライブラックをたくさん飲んだ。

 最終日。ポスター発表していたサーヤの演題が優秀賞に選ばれた。仕事は未完成なのだが、どこを評価していただけたのか。シンザーの指導で作成したポスターが見やすかったのか、どこかに将来性を感じていただいたのか、それとも再来年に総会長を仰せつかった私の研究グループへの配慮か(そんなことはないやろ)。学会プログラムが全て終了して、東大医科研のミムミムのグループと「どこかでお茶をしますか」と東京駅構内で適当な店を探すがどこも満員で断念して、そのまま帰阪する。その代わり(なにがその代わりかわからんが)、同じ新幹線で帰ったマミちゃんとサーヤと新大阪駅で飲んだ。この時に入った店も(チェーン店なんだけど)、思いのほかしっかりした美味しい肴を出してくれた。

 いつもながらよく飲んだ、いつもの学会であった。

  (総会の話題はまだしばらく続く)

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2014年03月17日

もうすぐサクラ

 研究室では先月末あたりから風邪が流行りまくっている。先々週あたりからは花粉症も出始めた。おかげで、研究室のメンバーの多くが鼻づまりの鼻声になっている。特にひどいのは私だけれど、、。

 そんな今日このごろの研究室。鼻声で研究のディスカッションしていても、なんか緊迫感がない。まるで「ひょうきん族」のブラックデビルの「フェッ」みたいな声である。そんな声でめちゃくちゃ大切な局面で真剣に相談していても、どこかふざけてるようでしまらない「フェッ」。正しいことを言っていても、どこか間違っているような気がしてしまう「フェッ」。、、、、こんなことで、仕事が進むんやろか?、、と、思わぬ障害で締まらない今日このごろの研究室である。

 私も先々週から風邪で苦しんでいたのだが、2週間たってようやく立ち直った。そこで先週の土曜日に久しぶりに自転車で通勤して、帰りに調子に乗って北摂を回ることにしてみた。北摂を回るのはチョー久しぶりである。吹田キャンパスの千里門を出て北に向かい、小野原交差点から粟生間谷を抜けて府道4号線を辿って勝尾寺に出る。しかしいかんせん運動不足はごまかせない。実は粟生間谷付近ですでに息が上がっていて引き返すこともできたのだけれど、気持ちだけはまだ「体育会系」のオッサンは誰も見ていないのに勝手に意地を張る。そのまま勝尾寺まで、ゼェゼェ言いながら走る羽目になった。勝尾寺からは素直に箕面に下るコースを取ることもできるのだが、ここでも誰に対してなのかよくわからん意地を張って、山道(舗装道路です)を登ってさらに五月山を目指すことにした。

 その途中、五月山に向けての箕面ダム横の上り坂は私にとって鬼門である。自転車に乗車したまま峠まで登りついたことがない。そればかりか、以前はここで自転車を押して歩いていたら、箕面のサルに狙われたこともある、、。いつもは坂の途中までは頑張るのだが、この日はさすがに運動不足がたたって上りに入った途端に自転車を降りて長い坂道を押し歩くことになった。
 自転車は静かな乗り物である。サドルから降りて押し歩くとさらに静かだ。まだセミが鳴く季節でもなく、鳥がさえずることもない。全くの無音である。時折、遠くにエンジン音がしたかと思うと、しばらくして漸くクルマが通り過ぎていく。その後はまたひたすら静謐な山道を歩く。この間、30分ほどか、、。その後は、五月山ドライブウェイを抜けて、池田から伊丹に帰った。身体は疲れたけれど、良い気分転換になった。

 そして、今日も好天気に誘われて自転車通勤した。「暖かい」という今日の天気予報を信じて、ウインドブレーカーを着ずに家を出た。帰りは夜になるので、寒いかもしれないと恐れていたけれど、朝よりもさらに暖かかった。春はすぐそこである。


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posted by Yas at 22:17| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月12日

奇縁

研究室のプロジェクトの方向性を大きく転換させて4年目を迎えた。転換の中身を簡単に言うなら「毒素の生化学」から「感染現象の解析」ということになると思う。これ、もう少し説明しないとわかってもらえないと思うけれど、それは紙面の都合で(ホントはめんどくさいので)割愛させていただく。とにかく、毒素分子のマニアックなあーしたどーしたから感染現象全体に仕事の話題を広げたので、その分、われわれの研究に興味の目を向けてくださる人が以前よりも増えたように感じている。

その一番手が、財団法人阪大微研会かもしれない。われわれは単にザイダンと呼んでいる。昨年、ザイダンの理事長に元阪大教授、元医学部長で元医薬基盤研理事長の山西弘一先生が就任された。ちょうどわれわれの新しい仕事でデータが出始めたのでその話を申し上げたら「もっと話を聞きたいので、研究所のある観音寺に来てくれ」とさらに話を聞いて下さって、直ちに共同研究を結ばせていただく運びになった。この間、数ヶ月。この手の話の進展度合いとしてはかなり早い。ありがたいことである。そうして、先週に、共同研究員としてザイダンからスズキくんが配属されてきた。

IMG_2063.JPG非常に折り目正しいオトコである。岡山大学大学院出身。話を聞くと、なんと私の大学時代の研究室の後輩のニシキくん(現岡山大学大学院准教授)の薫陶を受けたという。ニシキくんは、大学院時代にB型ボツリヌス毒素の受容体がシナプトタグミンであることを解明した男である。いまも開口分泌の研究をやっているそうだ。そのニシキくんが「スズキくんは、ガッツがあってよく勉強して、能力の高いとても優秀な大学院生でした」という。

ふむ、、。では弟弟子の弟子であるからして、スズキくんは私にとって甥弟子に当たるのか、、、? 学究の世界で師弟関係を振り回すのはあまり好きではないが、それでもやはり弟弟子が絶賛する人ならば、安心できるのでありがたい。

今から何年間に及ぶのかわからないが、、スズキくんこれからどうぞよろしく、、。


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posted by Yas at 23:23| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする