2014年04月30日

チョチョイのチョイ

 少し前、 Tikit くんで「昼はクネクネ」を楽しんだときのこと。

 シフトレバーを動かしていないのに時々勝手にギアチェンジしたりして、どうもギアシフトが決まらないなと思っていたら、シフトのアウターケーシング(プラスチックのチューブ)が劣化してシフトレバーのハウジングから外れていた。
IMG_2096.jpg
 こんな感じ。

 自転車のギアシフトはインナーケーブルのテンションの変化で動作する。しかし、そのテンションはインナーケーブルを引っ張る力だけで決まるのではなくて、インナーケーブルとそれを包むアウターケーシングの長さの割合に影響を受ける。あ、ちょっとややこしいな、、、。つまり、インナーケーブルを一定の長さに保っていても、アウターケーシングが長くなると相対的にインナーケーブルが引っ張られるようになるし、アウターが短くなるとインナーに余裕ができてテンションが下がる。、みたいな、、ええぃ、、ということでとにかく、シフトケーブルというやつはインナーもアウターも健全な状態でなければならないのだっ(説明終わりっ)。

IMG_2093.jpg それで Tikit のシフトケーブルを見ると、アウターは劣化していたしそこからのぞいているインナーもくたびれているように見えたので、この際だから両方交換することにした。必要なパーツはアマゾンで注文する。まぁ自分で直す気になれば、自転車屋さんに出向かなくてもいいし、安いし、Amazonさまさまである。買ったのはMTB用のシフトケーブルセット。ケーブルにはブレーキケーブルとシフトケーブルがあり、シフトケーブルにはMTB用とロード用がある。これを区別せずに使うのはNGだ。Tikit にはMTB用のケーブルセットを使う。



IMG_2098.JPG シフトケーブルの交換はプロントくんですでに経験済みだが、Tikit についているスラムというメーカーのグリップシフトを分解するのは初めてだ。しかしこれもネットで構造を調べて、あっさり交換することができた。いまの世の中、便利である。

 ケーブル交換後はこんな感じ。金属製のエンドキャップがプラスチック製に変わった。自転車のメンテナンス本を見ながら変速機の調整をして終わり。その後、Tikit で何度か自転車通勤したがギアチェンジはバッチリで快調だ。

 いやぁそれにしても、、。自転車の仕組みは単純で、その仕組みさえわかれば簡単な修理ならチョチョイとできる。この世の中、仕組みがわかっても、チョチョイと処理できんことばかりの毎日ですけど、、、、、、自転車はエライ。


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posted by Yas at 22:39| Comment(0) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月28日

京都だまる子だ鴨川だ

先週金曜日は京都府立医大で出前講義した。この講義は3年目。毎年の講義だけれど、受講する学生さんは毎年違う(あたりまえですけど)。今年の学生さんは一言で云うと「『堅実』だけど頭を使わない」。私の繰り出す質問に対して、知っていることに関してはかなりの正解を答える。だけど自分で考えないので、条件を設定して「どう思う?」と質問すると、何も答えられない。こうした学生さんの反応は、実は毎年違う。大学によっても違う。んで、この大学にかぎらず何回かに1回位は楽しそうに奔放に口から出まかせを言う(実は、私はそんな受け答えを学生さんに求めている)学生さんがたくさんいるクラスに出くわすのだが、今回はちょっと惜しいけど、そこまではいかなかった。

京都府立医大は鴨川西岸にあって、キャンパスから直接河原に降りることができる。講義前に時間があったのでその河原にでてみたが、のんびりと散歩する人たちやベンチで佇む人たちで、実にゆったりうららかな雰囲気が満点で少し癒やされた。さすが京都である。(あ、そうだ。この昼は、京都高島屋に勤める高校同級生のバンちゃんに昼飯をおごってもらった。バンちゃんありがとー) 思えば受験生のころ、「京都の学生さん」に漠然と憧れていたものだ。志望学部の関係や当時の家庭の事情で、願書を出すことも受験することも実際にはなかったのだが、そのせいか、ほのかな憧れはかえってしっかり心のなかに残ってしまった。京都に来るといつもそのことを思う。

IMG_2102.JPG講義後、かねてからの約束通り京都府大のオカさんと五条木屋町で食事をした。高瀬川や鴨川を望めるお店で、美味しいお酒をいただく。写真は二軒目のお店のフスマにあった「ちびまる子」。以前に来店したさくらももこさんが、マネージャーの止めるのも聞かずに興に乗って描いたらしい(隣に、とも蔵じいさんの絵もあった)。靴を脱いで上がる京町家風のバー、美味しいお酒、窓の外には鴨川〜♪(字足らず)。京都だ京都だ。

んで、飲んでる最中に、そのオカさんから京都府大での講義を依頼された。学部を持たない附置研の職員は、外部から依頼された講義はできるだけ引き受けるべきである、というのが私の思い込みである。ということで、近いうちに再び、京都の大学で講義をすることになった。

京都の学生さんにはならなかったけれど、京都の大学で時々講義や講演をやっている。高校生時代には思いもよらぬ36年後である。


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2014年04月21日

隠れた名店

 「美味しいコーヒーを淹れられるようになったらカッコいいな」とずっと思っていた。

 しかし、言うばかりで実行しないのが私の特徴である。研究室には数年前に大学院を修了したキムジュンが記念に置いていった新品のミルがある。ドリッパーもずっと昔からある。無いのは本人のやる気だけだ。、、、というのが長い間続いていたが、ついにそれも終わりの時を迎えた。

 大学の近くにはこだわりのありそうなコーヒー専門店がいくつかある。
IMG_2082.JPG なかでもこの店は出色だ。どう見ても普通の家に大きな看板。かつてラボメンバーだったトッシーが散歩中に見かけて「凄いコーヒー屋さんがあります!」と言って大騒ぎしていたのがこの店だ。先日、近くのファミレスで昼食をとったあと、その店に立ち寄ってみた。



IMG_2081.JPG
 店内はこんな感じ。家の軒先を伸ばすように建て増して、カウンターとテーブルを入れただけのようなスペースである。誰もいない。やがて客が来た気配を察知して家の方から奥さんが出てきたが、この人が中々の人物だった。 


 コーヒー豆の価格はだいたい330円/100グラムくらいで、ブルーマウンテンだけがその倍くらいする。
「コーヒー豆って、買ったことないんですけど」という我々(なかぴょんとテルチ−と私)に、奥さんは銘柄の1つずつの特徴を説明してくれたのだが、その中に「おすすめ X」というのがあった。不思議がる我々に、「実はこれはザンビア産の豆なんだけど、あんまり印象ないかもしれない(ザンビアの人が聞いたら怒るやろ)ので、『おすすめ X 』っていう名前にしたの。すると、みんな興味を持ってくれて売れるのよ〜」と嬉しそうに云う。、、確かにそうだ。思わず「おすすめX」とそのほか三種類400グラムの豆をお願いしてしまった。
んで、それを準備してくれるあいだ、奥さんは喋る喋る。
「へぇ、大阪大学の人なんですか? じゃぁヨシズミさん知ってます?」
ヨシモリさんなら知ってるが、ヨシズミさんは知らない。「大学の先生ですか?」と聞くと「ううん。この春に大学院を卒業した学生さん」という答えが帰ってきた。、、奥さん、それはなんぼなんでも無茶でっしゃろ。同じ大阪大学いうだけで、全部の学生さんを知ってるわけありませんがな、という我々を尻目に奥さんのトークは続く。
「STAP細胞って、ほんとにあるんですかね? 私はね〜、小保方さんの会見をテレビで見たんですよ、見ました?、あれ。あの時に小保方さんが『STAP細胞はありますぅ−』って言ったのよね『ありますぅー』って。私はあれで、あぁこの娘は嘘をついてるなって思ったですよ」と、なぜかしたり顔になる。こちらは「はぁ、そうですか、、、」としか言いようがない。
「この辺りには、学生さんがたくさん住んでらっしゃるんで、みんな息抜きにコーヒーを飲みに来てくれるんですよ。私と話をすると気分転換になるって」、、確かに気分転換にはなるやろね。仕事の息抜きに来たりしたら、二度と仕事には戻れなくなるような気もするが、、、。

 「また来てくださいね−」 奥さんは丁寧に100グラムずつ真空包装したコーヒー豆を渡してくれた。
 この店に入ったらコーヒーを飲まなくても癒やされた気分になったし、豆を買いに来ただけで、えらい楽しい思いをさせてもらえるし、、。きっとまた来ますよ。、、、、豆を挽いてコーヒーを淹れるのに私が飽きなければ、、きっと来ます、、。


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posted by Yas at 17:54| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月16日

注)百日咳ではありません

 どうやら先週末に罹ったらしい風邪で、この2,3日、えらい目に会っている。咳が止まらん。

 百日咳の研究をやってる研究室の教授が咳で苦しんでたらシャレにならんがな。とか言いながら、ゴホゴホゲホゲホ繰り返す毎日だ。気道が痛い。ゴホッ、ゴホッ。それにどうも身体が冷え切ってるようだ。部屋も乾燥している、、ゴホッ、ゴホッ、、、、。ということで、陽光暖かなこの季節なのに、セーターを着て部屋の扉と窓を閉め切って加湿器をフル稼働させて仕事をした。ゴホッ、ゴホッ、、、気のせいか部屋の中がジトジトしているように感じるけど、この方が体の調子はマシだ。

 このブログ、最近はなんだか体調不良自慢のブログみたいになってしまってるけどご心配なく(何が『ご心配なく』かわからんが)。今回の風邪もしっかり快方に向かっていますし、ここ2,3日で仕事もそれなりに出来たし、、、。大丈夫です(何が『大丈夫』かわからんが、、、)。

 ところでこの季節、うちの研究室サイト経由でこのブログに辿り着く方がたくさんいらっしゃるようだ。おそらく、大学院の配属研究室候補を探してうちの研究室のサイトを見て、さらにそこからこのブログを訪れているのではないかと思う。その内の何人かの人たちは、5月17日に開催される微研・iFReC 合同説明会に参加されるのだろうか? 、、、いやー、皆様。5月17日にお会いしましょう。当研究室は百日咳の感染病態の解明と予防治療方法の創成を目指しております、、。目下の大きなテーマは百日咳における咳発作の発症メカニズムの解明です、、、。

 、、、ゴホッ、ゴホッ、、。


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2014年04月13日

昼はクネクネ

世は研究助成金報告書の季節である。

先週のあいだに取り掛かっていた論文を一度書き上げたので、土曜日はそんな報告書の作成だ。申請書と違って報告書を書くのにはそれほどプレッシャーを感じない(もう貰っちゃった研究費だからね、、)のだが、何種類もあるので手間はかかる。書かねばならない報告書の枚数が多いということは、それだけ助成金をいただいたと云うことだ。文句を言ってはバチが当たる。んで、時間はかかったけれどそれなりに仕上げることができた。

今月初めに通知された文部科学省(日本学術振興会)科研費の獲得状況も近年ではかなり良い方だったし、メンバーの仕事は順調にデータが積み上げられているし、やる気のある新人学生さんやその他の研究員が数人増えて、今春から堀口研はたぶん歴代で最多人数になった。一見、順風満帆風になってきた。ただ、肝心の論文を書き上げていかないと本当に順調とはいえないけれど。

でもとにかく、ここ数年では最も仕事が落ち着いてきたように思う。そこで、暖かくなってきたし、久しぶりに土曜日ポタリングをしてみた。

140412 at EveryTrail
EveryTrail - Findtrail maps for Californiaand beyond
目的地を設定すると、現在地から目的地までを直線で結んで示してくれる Car Navi ppoi という iPhone アプリをセットして自転車(この日はTikitくん)に取り付け、とにかく茨木−摂津を流れる大正川沿いに摂津まで走って、そこからひたすら直線で示された自宅の方向に向かって、街中を好き勝手に走ってみた。こうすると、目的地(この場合自宅)の方向を間違うことなく全く知らない街を楽しくポタリングできる。これが、小さな発見がたくさんあってとても楽しい。大阪にもまだまだちっとも知らない街がたくさんあるのだ。



IMG_2078 - バージョン 2.jpgむかし、関西ローカルテレビでタレントさんがただ街中をウロウロ歩きまわる「夜はクネクネ」という番組があったが、こっちは「昼はクネクネ」だ。最後は伊丹空港の飛行機進入路の下を通って(ここでは、着陸する飛行機をこんなふうに迫力たっぷりで見ることができる。)伊丹市内に帰った。

ふひー、気持よく走ったわいと満足してこの日は寝たが、今朝、目が覚めてみると身体が熱っぽくて、ノドが痛い。、、どうやら風邪を引いてしまった。、、

何でもかんでも気持ち良くうまくいくなんてことは、あんまり無いということですわ。


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2014年04月09日

タマに「集中」の神が舞い降りるのだ

 私は元来、遅筆で遅読で集中力がない。およそこの商売には向いていない性質だと思うのだが、なんとかここまでやってきている。しかし今でも、研究教育に携わる大学教員としての仕事は私にとっては楽ではないのだ(まぁ、「仕事がラクだ」とかいう人はあんまりいないと思うけど)。毎日毎日、教授室でのたうちまわっているのだが、それでもタマに自分でも信じられないくらい集中できて仕事が進む時がある。今日、そんな時が久しぶりにやって来た。

 ちょうど関わっている論文の執筆が難物で、かなりの苦労をしていたのだがそれがウソのように今日は朝から筆が進む。論文構成もあっさりすっきりと整理し直すことができて、本当にやっと最終的なカタチが見えてきたのである。大きな達成感に浸って、嬉しくなってこれも久しぶりの、ブログの更新を今こうしてしている。

 思えば細菌学会からこっち、ずっと体調がよろしくなかった。これはもしかすると全てこの論文が原因だったのかもしれない。そうだ。ずっと身体がだるかったのも、下痢気味だったのも、高血圧も耳鳴りもピロリ菌感染も、全部この論文のせいだ。そうだそうだ、、と思いながら自転車で帰宅する。この季節の自転車通勤は、どのルートを辿ってももれなく桜満開のご褒美がある。おかげでさらに嬉しくなって超ごきげんである。

 この勢いで、明日はやっと初稿になる論文を仕上げるつもりである。もちろんこの論文には悪意のある改竄も捏造も悪意のない捏造も改竄もありません。


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2014年04月02日

まだ2年も先の話(第87回日本細菌学会総会3)


 この第87回の日本細菌学会総会では、再来年の総会を担当する総会長が決定する。その総会長の任がなんと私に下ってしまった。

 話は2ヶ月ほど前に遡る。ある先輩の先生と出張先の老舗料亭でお酒をいただきながら色々とお話をしていて、自然と話題が細菌学会のことになった。先生は、学会の運営が苦境に立たされているということでひとしきり心配の言葉を並べられ、そして「そうですねぇ、そうですねぇ」と相槌を打つ私に「ところで、再来年の総会長にキミを推すという動きがあるみたいなんだけど、、」とニコニコしながら仰った。しまった。学会の苦境話に相槌を打った手前、ここで私があっさりお断りするわけにはいかない。「うー、あー」と適当にごまかそうとする私に、この先生は、総会長としては若い私が学会を引き受ける意義や、負担をかけずに総会を運営するやり方などを熱弁されたのだった。翌日、帰阪する列車の中で、細菌学会理事長が私の居所を探しておられるというメールが追いかけるように届いた。さらに数日後、理事長と電話で何度かやりとりして、結局お引き受けすることになった。

 会員数が減少しつつある学会とはいえ、この年齢で総会長を務める例はあまりない。一方で「若いんだから、斬新な企画をして学会を盛り上げてくださいね」のようなプレッシャーも感じる(というか、実際に数人の先生にそのような意味のことを言われた)。しゃぁない。まだ2年も先の話だが、今からまじめに考えちゃる。
 んで、まだ2年も先の話だが、規模が規模であるだけに会場は早めに押さえておかなければならない。んで、学会運営会社に依頼して、すぐに会場を決めて予約していただいた。その会場は大阪国際交流センター。実は、私の生まれ育った上本町にある。幼なじみの皆様、小中学校の同窓会でも度々使った会場でございます。再来年、お邪魔します。、、、別に断る必要もないが、一応お知らせまで。

 まだ2年先の話だが、ホントに今からまじめに企画を考える。と、自分にプレッシャーを掛ける私であった。 

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2014年03月31日

ホリプレ論文篇22「なぜ論文が書けないのか?」(第87回日本細菌学会総会2)

 今回の学会では、昨年の第7回若手コロッセウムで奨励賞をいただいたオカケ−が、受賞者の義務である若手セッションでの口頭発表を務めた。それと、サーヤがポスター発表。これは前回書いたように、優秀賞なるものを頂戴した。そして私は、若手の先生に依頼されて若手向けの講演をすることになっていた。依頼されたテーマは「論文の書き方」である。

 一度は断ったのだが、セッション世話人の徳島大の田端さんに「どうしてもお願いします」と粘られた。粘られると弱いのが私の欠点で、結局引き受けることになった。んで、どうせ引き受けるのなら言いたいことを言ってやろと心に決めて書いたのが、ちょっとエラそうで厳しい、以下の講演抄録である。

なぜ論文が書けないのか? ー「ホリプレ」論文篇ー

 科学論文とは、科学研究成果を記載した報告書のことをいう。しかしそれだけではなく、それが「科学論文」であると一般に認められるためには、その報告書が雑誌・書籍で掲載(公表)されなければならない。掲載(公表)されるためには、その報告書は一定の様式に則って記述されなければならないし、研究者仲間の批評に晒されかつその批評に適正に対応しなければならない。こうした「must-do」を乗り越えて、はじめて正当な「科学論文」であるということが認められるのである。一方、こうしたハードルのない学会発表の抄録や研究助成金の報告書の類いは科学論文とは認められない。
 上記のように一定の手順を踏んで公表した科学論文の質や量は、ほぼそのまま著者である研究者の評価につながる。この事実に対して色々と異論を唱えるのは自由だが、研究者のコミュニティーでモノを言うためにはとりあえず論文を書かないと一人前とは見なされず、一人前ではない人間のいうことなどには誰も耳を傾けたりしない。研究者は論文を書いてこそ、研究者なのである。しかし、周囲を見渡すと年齢や研究歴に関わらず、学会抄録は書けても論文は書けないという人は実は非常に多い。そこで、本演題では「なぜ論文が書けないのか?」を中心に科学論文の書き方について考えてみたいと思う。論文が書けない理由は様々だと思うが、本演題の議論で「書く」ためのヒントを掴んでいただければ幸いである。

 

 私は、生命科学系の大学や研究機関に所属する研究者のうち3−5割くらいの人が論文を書けないのではないかと経験上感じている。初学者はもちろんだが、年齢を重ねた研究者でも論文を書けない人は書けない。そんな思いが「なぜ論文を書けないのか」というタイトルを私に選ばせた。科学的論理を構築する能力があれば、科学論文を書くのに文才はいらない。書き方の作法やルールを勉強して訓練すればよいだけの話だ。それを怠るから書けない(もっとも、科学的論理性のない人には別のトレーニングが必要だが)。この講演ではそのようなことを伝えようと思った。当初、発表時間が20分だというので「それは無理だ」と25分程度に延長してもらった。論文の書き方を話すには25分でも本当は足りないのだ。、、、最初は断ったくせに、えらい気合の入れようである。

 用意したスライドは39枚。日頃ホリプレで「スライドは講演時間1分あたり1枚」と言っている私にすれば異常な枚数である。これを超早口で喋って24分で講演を終えた。話している最中のフロアの反応は割り合い良かったし、講演後には多くの方にも色々とよろしげな感想を頂いたので、出来栄えはそんなに悪くはなかったろうと思っている。
 
 さて、今回の学会場では、羊土社さんがブースを設けて拙著「研究者の劇的プレゼン術」や盟友アベッチの著した「もっとよくわかる! 感染症」を販売してくださっていた。拙著のことは、私と同じセッションで講演した新潟大の小田さんが講演中に宣伝してくれてもいた。そこで、会期途中にブースにいらした担当の方に聞いてみると拙著は完売したという。どひゃー、すげぇーじゃん、と東京弁で驚いたが、さらによく聞くと今回用意していただいたのは10冊だったという、ちょっと微妙な話だった。


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2014年03月29日

飲んで飲んで飲まれて飲んで(細菌学会総会1)

 この25日から28日まで、東京で開催された第87回日本細菌学会総会(会期は26-28日)に出席していた。ラボからは安倍、新澤、おかけー、サーヤも参加した。
 25日の夜に東京入りし、門前仲町の「魚三酒場」で群馬大学の富田さんのセットしてくださった飲み会に出た。富田さんは相変わらずである。どう相変わらずなのか、業界の方なら皆さんよく知っておられるが、、、教授になってもほんとに相変わらずである。
 このときは総勢8名。「魚三酒場」というのは新鮮な魚を格安で提供してくれる超有名店である。私は昔から門前仲町が好きで、しばらく定宿をその界隈で決めていたことがあるのでこの店のことをよく知っている。ただしいつも満員なので入ったことはなかった。その憧れの店でお酒を飲めて楽しく過ごさせていただいた。二軒目を出たのが12時前。そこから今回のホテルのある浜町まで歩いて帰る。

 次の日。学会初日。細菌学会総会は7年ほど前から、一般演題がポスター発表になり、プログラム委員会や総会長の提案によるシンポジウムやワークショップの各テーマでまとまった研究成果が講演されるようになった。このことによって、本学会は以前と比べてずいぶんと学問的に興味深い話題を議論できる場を提供できるようになった。今回も朝からセッション会場に居座って、昼は各種委員会の会議に出席。午後からはまた別のセッション会場で夕方まで過ごして、その後はポスター会場でワイワイと議論したり近況を語り合ったり、、、。んで、国立感染研の岩城さんにお誘いいただいて、この夜は都営新宿線森下駅近くで深川ムード満載の見知らぬ飲み屋さんに入ってみると、お客さんが誰もいない。店内の一部は照明が消されていて薄暗い。、、、と嫌な予感がしたが、料理は美味しくて静かで(他に客がいないからね)実はとてもいい店だった。いい店で話は弾む。そしてばかみたいに飲み続ける我々を見て、女将さんがあきれてまだ2−3割中身が残っている一升瓶(酔鯨だったか?)をくれた。この時のメンバーは岩城さん、藤永さん(微研)、三澤さん(宮崎大)、三宅マミちゃん(府大)と、シンザー、サーヤの7名。

 総会二日目。この日の夜は懇親会だ。その後は「若手懇親会(といっても年齢制限はない)」だ。このダブル懇親会では年上・年下を問わずたくさんの先生方とお話させて頂いた。懇親会では久保田萬寿、羅生門、十四代などの日本酒を美味しくいただいた。粋なお酒をご用意くださった総会長の渡辺治雄先生、ありがとうございました。若手懇親会では、普段飲まないアサヒスーパードライブラックをたくさん飲んだ。

 最終日。ポスター発表していたサーヤの演題が優秀賞に選ばれた。仕事は未完成なのだが、どこを評価していただけたのか。シンザーの指導で作成したポスターが見やすかったのか、どこかに将来性を感じていただいたのか、それとも再来年に総会長を仰せつかった私の研究グループへの配慮か(そんなことはないやろ)。学会プログラムが全て終了して、東大医科研のミムミムのグループと「どこかでお茶をしますか」と東京駅構内で適当な店を探すがどこも満員で断念して、そのまま帰阪する。その代わり(なにがその代わりかわからんが)、同じ新幹線で帰ったマミちゃんとサーヤと新大阪駅で飲んだ。この時に入った店も(チェーン店なんだけど)、思いのほかしっかりした美味しい肴を出してくれた。

 いつもながらよく飲んだ、いつもの学会であった。

  (総会の話題はまだしばらく続く)

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2014年03月17日

もうすぐサクラ

 研究室では先月末あたりから風邪が流行りまくっている。先々週あたりからは花粉症も出始めた。おかげで、研究室のメンバーの多くが鼻づまりの鼻声になっている。特にひどいのは私だけれど、、。

 そんな今日このごろの研究室。鼻声で研究のディスカッションしていても、なんか緊迫感がない。まるで「ひょうきん族」のブラックデビルの「フェッ」みたいな声である。そんな声でめちゃくちゃ大切な局面で真剣に相談していても、どこかふざけてるようでしまらない「フェッ」。正しいことを言っていても、どこか間違っているような気がしてしまう「フェッ」。、、、、こんなことで、仕事が進むんやろか?、、と、思わぬ障害で締まらない今日このごろの研究室である。

 私も先々週から風邪で苦しんでいたのだが、2週間たってようやく立ち直った。そこで先週の土曜日に久しぶりに自転車で通勤して、帰りに調子に乗って北摂を回ることにしてみた。北摂を回るのはチョー久しぶりである。吹田キャンパスの千里門を出て北に向かい、小野原交差点から粟生間谷を抜けて府道4号線を辿って勝尾寺に出る。しかしいかんせん運動不足はごまかせない。実は粟生間谷付近ですでに息が上がっていて引き返すこともできたのだけれど、気持ちだけはまだ「体育会系」のオッサンは誰も見ていないのに勝手に意地を張る。そのまま勝尾寺まで、ゼェゼェ言いながら走る羽目になった。勝尾寺からは素直に箕面に下るコースを取ることもできるのだが、ここでも誰に対してなのかよくわからん意地を張って、山道(舗装道路です)を登ってさらに五月山を目指すことにした。

 その途中、五月山に向けての箕面ダム横の上り坂は私にとって鬼門である。自転車に乗車したまま峠まで登りついたことがない。そればかりか、以前はここで自転車を押して歩いていたら、箕面のサルに狙われたこともある、、。いつもは坂の途中までは頑張るのだが、この日はさすがに運動不足がたたって上りに入った途端に自転車を降りて長い坂道を押し歩くことになった。
 自転車は静かな乗り物である。サドルから降りて押し歩くとさらに静かだ。まだセミが鳴く季節でもなく、鳥がさえずることもない。全くの無音である。時折、遠くにエンジン音がしたかと思うと、しばらくして漸くクルマが通り過ぎていく。その後はまたひたすら静謐な山道を歩く。この間、30分ほどか、、。その後は、五月山ドライブウェイを抜けて、池田から伊丹に帰った。身体は疲れたけれど、良い気分転換になった。

 そして、今日も好天気に誘われて自転車通勤した。「暖かい」という今日の天気予報を信じて、ウインドブレーカーを着ずに家を出た。帰りは夜になるので、寒いかもしれないと恐れていたけれど、朝よりもさらに暖かかった。春はすぐそこである。


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2014年03月12日

奇縁

研究室のプロジェクトの方向性を大きく転換させて4年目を迎えた。転換の中身を簡単に言うなら「毒素の生化学」から「感染現象の解析」ということになると思う。これ、もう少し説明しないとわかってもらえないと思うけれど、それは紙面の都合で(ホントはめんどくさいので)割愛させていただく。とにかく、毒素分子のマニアックなあーしたどーしたから感染現象全体に仕事の話題を広げたので、その分、われわれの研究に興味の目を向けてくださる人が以前よりも増えたように感じている。

その一番手が、財団法人阪大微研会かもしれない。われわれは単にザイダンと呼んでいる。昨年、ザイダンの理事長に元阪大教授、元医学部長で元医薬基盤研理事長の山西弘一先生が就任された。ちょうどわれわれの新しい仕事でデータが出始めたのでその話を申し上げたら「もっと話を聞きたいので、研究所のある観音寺に来てくれ」とさらに話を聞いて下さって、直ちに共同研究を結ばせていただく運びになった。この間、数ヶ月。この手の話の進展度合いとしてはかなり早い。ありがたいことである。そうして、先週に、共同研究員としてザイダンからスズキくんが配属されてきた。

IMG_2063.JPG非常に折り目正しいオトコである。岡山大学大学院出身。話を聞くと、なんと私の大学時代の研究室の後輩のニシキくん(現岡山大学大学院准教授)の薫陶を受けたという。ニシキくんは、大学院時代にB型ボツリヌス毒素の受容体がシナプトタグミンであることを解明した男である。いまも開口分泌の研究をやっているそうだ。そのニシキくんが「スズキくんは、ガッツがあってよく勉強して、能力の高いとても優秀な大学院生でした」という。

ふむ、、。では弟弟子の弟子であるからして、スズキくんは私にとって甥弟子に当たるのか、、、? 学究の世界で師弟関係を振り回すのはあまり好きではないが、それでもやはり弟弟子が絶賛する人ならば、安心できるのでありがたい。

今から何年間に及ぶのかわからないが、、スズキくんこれからどうぞよろしく、、。


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2014年03月10日

Misty

 さらに前回の続き。

 どんなに優秀な研究者であっても、一人で論文を科学雑誌に公表するのは不可能である。その辺は当たり前だがブログなどとはずいぶん違う。まず原稿の段階で、論文は研究グループの間で何度もやりとりされて修正される(はずである)。雑誌社に投稿すれば、科学者である academic editor の手を経て、一般には複数の査読者に回されて内容を精査される(はずである)。つまり、論文が公表されるまでには、執筆者以外の多数の科学者が論文をチェックする(はずである)。一方、当時私が関係したこの不正行為は、全部で30件以上、1件に数カ所から数十カ所の不適切なデータの貼り合わせや重複が認められた極めて悪質なケースだった。それがなぜ、8年間も誰からも指摘を受けることなく続けられたのか? 残念ながら、査読者がまともに査読していないことを伺わせるような論文は巷の科学雑誌にあふれているので、百歩譲って、査読の段階では上手くチェックの目を逃れられたということにしておいてもよい(よくはないが)。しかしそれでも、同じ研究グループの人間がなぜ8年間も、100カ所以上ものデータの不正使用を見抜けなかったのか? 

 調査を始めた時、私はひと目で不正使用を発見することができた。別に私の目が良いというわけではない。実に無造作にデータが使いまわされていたのですぐに見つけることができただけである。大した隠蔽工作をするでもないおびただしい数のデータの使い回しを見て、鳥肌が立つほどだった。私の調査結果を見た知人は「この人は、ほんとは不正行為を見つけて欲しかったんじゃないか?」とまで言った。それが、長年の共著者であり論文の内容に応分の責任がある研究者たちの目には止まらなかったのだ。不思議でならない。

 共著者の一人は「彼/彼女が、そんな不正行為をするなんて信じられない」という言葉を繰り返した。「共著者である以上、あなたも『不正行為をした』ことになるんですよ」と私は思ったが、私の役目は調査であって糾弾ではないのでそれは言わずにおいた。別の共著者は「私は何も知りません」と憮然としていた。私は、共著者が何も知らないなんて言うべきじゃないでしょ?と思いながら、被害者然としているその人を眺めるばかりだった。それと、あの筆頭著者の憔悴しきった顔。奇妙な印象だけが残った。私がこの件で知っている話はこれだけである。その後の調査委員会の報告では、私が当初報告したものよりも小さい範囲で不正を認定し、ほぼすべての論文の筆頭著者で説明責任があるとされた研究者は所属機関を去った。

 あの筆頭著者は果たしてデータを流用することが不正行為に当たると理解していたのかどうか。私は今でもよくわからない。もしかすると「結論に間違いはないのだから、データなど流用しても構わない。論文の中身が杜撰でも構わない」と本気で思っていたのかもしれない。あるいはそんな考え方が普通であると錯覚するような経験をしたのかもしれない。

 今や、研究に関わる多くの人間が研究のインパクトや新規性やストーリーの整合性ばかりに気を取られて、論文の客観性や正確性には注意を払わなくなった。研究グループ内においても、論文の査読段階でも、さらには出版社の編集者の頭のなかにも、そんな悪習(悪臭でもいいか)が蔓延るようになったと感じることが多い。研究員や学生の書いてきた論文の Introduction や Discussion には熱心に添削を入れて意見を言うが、Materials & Methods や図表やその legend (説明文)は全く見ないという指導者が結構いる、という話も聞く。科学雑誌の数は増える一方で、しっかりとした倫理観と方法論をもってしっかりとした論文を書ける研究者は、もしかして減っていくのか? 悪貨は良貨を駆逐する。いま、そんなことが起きているとしたら、間に合わなくならないうちに、若手研究者や学生を指導する立場の人間は厳とした論文作成の指導についてまじめに考えるべきだ、と思う。

 以上、最近のSTAP細胞にまつわる一連の報道を見て私が思い出したことを先月末からダラダラと書いた。私の経験した不正行為の事例と今回の STAP 細胞の不正疑惑は、とても状況が似ているように感じている。 


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posted by Yas at 20:23| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月08日

It's a sin to tell a lie 2

 前回の続き。

 この一連の論文データの不正使用の調査が始まった当初、説明責任のある研究者側からは不正箇所ごとに三通りの対応が示された。いわく、「著者が確認したところ、『問題ない』と判断する」「データの重複等を確認したが、不注意によるミスである。再実験をして再度データを提出する」「データの重複等を確認した。不注意によるミスである。出版社に著者訂正を申し出る」というものであった。
「『問題無い』と判断する」というコメントも「不注意によるミスである」というコメントも、問題を調べあげた側から見ればとても容認できるものではない。さらに納得いかなかったのは、前回に書いたように「(一連の研究結果とその)結論に間違いはない」という著者らからのコメントだ。「結論に間違いがなければ、データの使い回しなど(百歩譲ってケアレスミスならばなおさら)大したことではない」というコンセンサス(共通認識)がもし科学界に存在するのなら、誰が4日間もかけて不毛な調査などするものか。データが際限なく重複するような杜撰な論文は、科学への信頼を揺るがすものだ。そんな論文を許せるはずがない。その認識がないとしたら、それだけでも科学者としての資質を問われるべきだ。誠実さがない。私はその研究者のことをそう思った。

 科学における不正行為には、剽窃、改竄、捏造、二重投稿などがある。なぜ科学者はこうした不正行為に手を染めるのか。上司からの圧力で止むに止まれぬ状況になったのか、立身出世主義者が手っ取り早く一旗揚げるために企んだのか。この時の問題も、そんなことが原因なのだろうと私は漠然と思っていた。

 しかし、調査が始まると不思議な印象を受けるようになった。この時の問題で最も責任が重いとされていた研究者は、私が調査中に会った時にはかなり憔悴して疲れているように見えた。調査のために提出を依頼した実験ノートや生データは保管が悪く、またそもそも記録を正確に残すことをしていなかった(たしか、この人は『そういう習慣がない』と驚愕の説明をしたように覚えている)らしく、すでに存在しないものが多数に及んだ。コンピュータのハードデスクに保存してあったデータなどは、ある日、突然何者かに消去されていたという。にわかには信じられない説明である。そして、とにかく疲れきっているが誠心誠意調査には協力する、というこの研究者の奇妙な姿勢が強く印象に残った。少なくとも、手っ取り早く成果を挙げるために本人が自分で計画的に不正行為に及んだようには思えなかった。

 その後、私は調査委員会から外れた。しかし奇妙な印象は残った。事の発端となった最初の私の調査では、不正とみられるデータの修正や使い回しは、あの研究者が初めて筆頭著者となった論文から始まっている。その時、本人が大学院在学中かあるいは修了後だったのかは今では思い出せないが、どちらにしてもこれから研究人生を歩む最初の一歩を記すような論文で故意にデータの不正使用などするだろうか? またこんな話も聞いた。データの不正使用は電気泳動の内部標準の泳動バンドで多数見られたのだが、その人は「内部標準などというのは、何度やっても同じようにバンドが出るので実験毎にデータを取るのは無駄である。だから写真を使いまわした。何の問題もないはずだ」と弁明したという。これはつまり、本人が実は科学的な考え方を涵養するような教育をまともに受けてなかったのかもしれないことを示している。

 ところで、一連の問題の論文はほとんど全て同じ研究室から発表されている。だから、その研究室に属する何人かは問題となるすべて(あるいはほぼすべて)の論文に共著者として名を連ねている。

 この人達は一体何をしていたのか? 、、、、つづく。


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posted by Yas at 22:02| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月28日

It's a sin to tell a lie

 前回の続き。ずっとずっと昔の、ある時ある所で起こった出来事について書く。

 その頃私は、ある学会で雑務一般を受け持つ担当役員だった。円滑に学会運営ができるように雑多な仕事を処理するのが役目だ。色々な事例に対応しなければならない。ある日、ある学会員の関係する論文のデータに不正があるらしい、という噂が私の耳に入った。しかしその段階ではただの噂だ。忙しいのにそんな噂話にいちいち対応していては、いくら身体があっても足りなくなる。だからその噂話は噂話としてしばらく放っておいた。しかしその数カ月後、別の情報筋から全く同じ話を聞いた。別のところから同じ話、それも良くない話を耳にしてしまっては、そのままにしておく訳にはいかない。仕方ないので(ほんとにそんな気持ちだった)、その真偽を確かめるべく噂話のターゲットになっている研究者の論文をダウンロードして読んでみることにした。、、、すると、内容を理解する必要もなく、ひと目でその論文にデータの使い回しや改竄(かいざん)のあることがわかった。そうしたいわゆる「不適切な」データの使用は、電気泳動や細胞の顕微鏡写真などの画像データ、FACSプロファイル、データグラフにまで及んだ。

 信じられない気持ちで、該当の研究者の論文をリストアップして発表年順に調べてみると、不正使用があると思われる論文は8年間に発表された15篇以上で、不正件数は30件以上。1件の不正使用に数カ所から数十カ所のデータの使い回しや改竄が見られ、それは150カ所を超えた。凄まじい数のデータの不正使用である。同じデータが別個の論文にわたって使用されている例も多数認められた。ある論文では、サンプル数が8種しかないのに、そのサンプルの内部標準だけがなぜか9種ある電気泳動像(つまり、1枚のゲルの電気泳動の同じレーンであるべきところが、試験データと内部標準でレーン位置がずれている)まであった。このデータを掲載した雑誌は、いわゆる中堅の、研究者から信頼されていた(はずの)雑誌である。この論文を査読したレビューアの目は全く節穴であると云うしかない。数十枚の顕微鏡写真から構成された図では、そのうちの3分の1ほどが縦横の比率を変えたり微妙に視野をずらした同じ細胞の写真だった。そしてそれらの写真は複数の論文で使いまわしされていた。

 研究の不正行為、すなわち論文に掲載された実験データの不正使用の調査などという行為は、このうえもなく不毛である。正確で詳細な調査には膨大な時間を要する。そして誰も得をしない。そんなことを思いながら4日間かかってすべての論文を調査し、報告書を書いた。それを学会が受理し、所轄省庁に報告した。そして、該当の研究者が所属する機関に調査委員会が設置された。私はその調査にもいくらか関係することになった。その調査中に何度も耳にしたのが、説明責任のある研究者側が口にする「結論に間違いはない」というセリフであった。

 つづく。

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posted by Yas at 22:33| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月23日

「研究成果そのものは正しい」と言ってしまう不見識

 現役の研究者としては何とも書きづらい話を、ちょっと書いてみることにした。

 先月末に発表された STAP 細胞の論文および以前に公表された関連の論文で、掲載された実験データの画像に不自然な点があるという問題についてである。新聞記事にもなったのでご存知の方も多いと思う。現在、関係機関等で調査中というのでその中身については問わない。書きたいのは、この問題を調査すると発表したその時に関係機関が「現時点では、研究成果は揺るぎないと考えている」とコメントしたことについてである。私は、まるで「結論は正しいんだから、まぁいいんじゃない?」と聞こえるようなこの言い方が気に入らない。とくに、この言い方が気に入らないと強く感じるきっかけとなった経験もしたのだが、そのことについては後述する。

 「結論は正しいから、まぁいいんじゃない?」? 冗談ではない。研究の世界は結論(成果)が全てではない。適正なルール(作法と云ってもいい)に則ったコミュニケーションのあり方そのものも、科学全体の質を維持するのには重要なのだ。科学の世界のコミュニケーションとは、つまり、論文である。科学論文は一定のルールに従って作成されるべきで、これに従わない論文は質の良くない論文ということになる。「結論は正しいから、いいんじゃない?」と、質の良くない論文ばかりが横行すると、科学の質も必ず低下する。

 科学論文の内容や構成には一定のルールがある。「要約・導入・材料と方法・結果・考察」の各セクションで構成され、「結果」で示したデータを獲った実験の方法は全て「材料と方法」のセクションに記載されなければならない。読者はそれを見て、論文に書かれた実験をそっくりそのまま再現できなければならない。「結果」では実験を発想した経緯を簡潔に述べるのはよいが、それ以外は淡々と実験結果のみを述べるべきで、「考察」では「結果」から言及できる理論あるいはこれまでの研究と今回の結果との関連性や普遍性、矛盾について簡潔に述べる。そこには無駄に敷衍した議論や粉飾があってはならない。ざっと挙げてみれば、こんなところが論文作成の基本的なルールだ。無論、実験データの使い回しや捏造はもってのほかである。そこには「単純なミス」では許されない厳格さが求められるべきだ。

 ところが、もしかすると私の専門分野だけのことなのかもしれないが、こうしたルールから外れた粉飾に満ちた論文が、最近、特に超一流と言われる雑誌でよく目にするようになった。論文全体は、売りになるデータ(インパクトのあるデータ)を飾り立てるためのきらびやかな修辞に満ちているが、細かな検証性に欠けている。本文に説明のないデータが図表として掲載されていたり、本文で指示された番号の図表が実際には存在しなかったり。冗長なデータが「Supplemental Information」としてダラダラと掲載されているわりに、「材料と方法」を読んでも情報が足りないために論文に記載された実験を第三者が再現することはできない。全てとはもちろん言わないが、こういう論文が際立って横行するようになった。このような論文を読むたびに「結果は正しい(すごい)のだから、細かい論文の内容は別にどうでもいいでしょ?」と言われているようで実に不愉快になる。

 以前、投稿した論文のレビューアに「『結果』のセッションにもっと実験方法を書け」とコメントされて激昂したことがあるが、こういう出来事も、質の良くない論文が横行している現状と(結果か原因かは知らんが)関係があるに違いない。また、少し前に Dr. Schekman が超一流雑誌を批判して話題になった(日本語速報はここ)が、これも同根だと思う。もし、STAP細胞の関係論文に不適切なデータの取扱があったとしたならば、それも今の風潮とは無関係ではないはずだ。とまぁ、この辺で「超一流雑誌に論文を掲載したこともないホリグチがエラソーなことを云うな」と言われそうだから、この話はとりあえず置く。

 しかし研究や論文作成の作法を軽視した仕事はやはりキライだ。それは「結論は正しいのだから、まぁいいでしょ?」などと言われても変わるはずはない。もともと、私は大学院時代にボスから論文作法を徹底的に教育されたからだと思うが、それだけではない。ずいぶんと以前、実は私は論文不正の調査に関わったことがあるのだ。次回(いつになるか知りませんけど)は、そのことについて書く。
 

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posted by Yas at 19:17| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月13日

高血圧 その後


 1ヶ月前に185/110 mmHg を叩きだした私の血圧。降圧剤を処方してもらったが、劇的に改善されることもなく、むしろ、薬が2種類に増えた。今はだいたい 140-150/85-95 mmHg のあたりをウロウロしている。

「ホリグチさんはタバコは吸われませんよね。できるだけ運動をするようにして体重を減らすのが一番ですよ。それからストレスは溜めないように、、、」とお医者さんは云う。

 人間ドックの悲惨な結果を見て以来、食事に気をつけてこの数カ月で4キロほど減量した。高血圧がわかってからは自転車通勤もまじめに再開した。お酒も少し減らした。けれど『ストレスを溜めないように、、』って言われても、どうすればいいのかよくわからん。

 だいたい、どんな職種であっても50歳半ばでそれなりに仕事をしていたらストレスが溜まらないわけがない。研究という職業でいえば、実験なんて思い通りに行かないのが普通だし、論文だって思い通りに書き進められないことが多い。研究費の獲得で頭を悩ませるのは宿命で、研究室の人手不足は慢性的だ。そんななかでストレスを溜めないでいるなんて無理だ。

 じゃ、溜まったストレスを吐き出すしかない。余暇を楽しむとか、趣味にいそしむとか、、? しかし休みの日はリビングでたいてい寝そべってテレビを見ているだけだ。とりあえず、なぁ〜んにも考えずにぼぉっとしているのが一番いい。どうやら「余暇を有意義に過ごす」というのとは程遠い休日だ。

 とにかくなんだか気持ちが焦っていて、週の終わりには疲れきってぐったりしている。こんなことでは趣味で時間を過ごすなんて優雅なことは当面できん。じゃ、美味しいものでも食べて楽しむか、、。ただいま減量中なので平日は我慢して、休みの日にはたまには美味しいもんを食べるとか?、、、。あとは物欲を満たすとか、、。実は自転車通勤を再開したものの、冬物のウエアが古くなってるので、かっちょいいおしゃれなジャージやらジャケットを買うかな、、。ふむ、つまり、グルメとファッションやな、、ふむ、、当面はこれをテーマにしよう、、、。

 とか、、、、20代の乙女のようなテーマを掲げて、しばらくは健康増進につとめてみることにする。


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posted by Yas at 22:46| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月05日

人間科学部での卒論発表

 当研究室には、人間科学部所属の異色の学生さんテルテル・チョコチップス(最近は縮めてテルチ−と呼んでいる)がいる。彼女の学部一年次に私が開講していた「基礎セミナー」という講義シリーズが縁で研究室で実験を始めるようになったのだが、そもそも人間科学部と微生物病研究所には教員が兼任したり教育カリキュラムを共有したりという仕組みがない。そこで、彼女は人間科学部の先生に直談判して卒論テーマに微研での実験研究を選択する許可をもらって実験をできるように自分で環境を整えた。それだけではない。昨今の生命科学研究では遺伝子操作に関わる実験は不可欠だが、そのような実験に従事するためには、それに対応する講習や健康診断を受けなければならない。そのためには微研でのなにがしかの身分が必要である。本来、人間科学部とは交流のない微研だが、そこは同じ大学だ。事務方の努力であっさりと微研での身分が保証された。同じ学内だから当然といえば当然なのかもしれないが、やはりこの辺りの大学の柔軟性はありがたかった。

 そのテルチ−も4年次までの全てのカリキュラムを終え、卒論を書き、残すは卒論発表だけとなった。今日は、その卒論発表会があった。これまで人間科学部の先生方には無理をお願いしておきながら、一度もご挨拶に出向いたことがない私だったが、この日ばかりは会場に出向いて本人の発表に立ち会うことにした。発表会が始まる前にはもちろん、担当の中村安秀先生にもご挨拶申し上げた。

 テルチーの所属するのは、人間科学部グローバル人間学科である。実験科学の分野ではない。一般にはテーマに沿ったフィールドワークと文献分析で卒業論文を書く。今日の卒論発表会でも、プログラムに並んでいる卒論テーマは
「外国ルーツの子どもへの学習支援における学生ボランティアの役割」
「グローバル社会における帰国生としての特性と自己意識」
「フェアトレードはなぜ日本で広まらないのか」
「日本における仮放免者問題」
「ムスリムとの結婚」
等々である。一方、この発表会でテルチーが発表するのは「百日咳菌壊死毒(DNT)の細胞受容体探索」だ。どうしたって浮きまくる。聴いている私はなかなかビビッドな気分で楽しかったが、しかし、分野が異なるとこんなにも違うのか? と驚くほど、スライドの使い方や発表の作法も違う。テルチーの発表時には、会場に妙な緊張感が漂って、参加学生たちはまさに水を打ったようにしんと静まりかえっていた。

 科学的に物事を考えるセンスに恵まれている、というのが私のテルチー評だ。だからこそ「基礎セミナー」の受講生だった彼女を実験に誘ったのだけれど。、、、そして確かに彼女は、ある程度のヒントを与えるだけで完成度の高いスライドや講演原稿、それに卒論まで作成してきた。学部生としては出色の出来といってよい。しかし、決して、それだけで良質の研究ができたり、研究者としてやっていけたりするわけではない。テルチーはこの春から医学修士課程に進学して正式に微研の学生になる。んで、これからきっとたくさんの壁にぶつかると思う。自分の経験をもったいつける気はないが、そうしたたくさんの壁を乗り越えられないとプロの研究者にはなれない(ホントのことだ)。

 テルチー、キミはきっと壁にぶつかる。ボクはその時を楽しみにしている。ふっふっふ。


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posted by Yas at 23:30| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月30日

熊本・長崎・STAP細胞

一昨日から2泊3日で九州に出張していた。初日は熊本大学、2日目は長崎大学で用務があり、3日目に帰阪するという旅程である。

同時期に出張依頼を受けたので、日程のアレンジをお願いして一度の出張で熊本から長崎に回れるようにしたわけだ。九州出張は、福岡以外なら、大抵は飛行機で往復を考える。しかし今回は中日に熊本から長崎に移動しなければならないし、九州新幹線も開通したことでもあるし、何より飛行機の国内出張は結構慌ただしくて疲れる。ということで今回の出張は、すべてを陸路で済ませてみることにした。

熊本には新大阪から新幹線で3時間半ほどで着く。そう書くと近いようだけれど、さすが九州である。大阪に比べてずいぶん暖かい。朝の寒さに恐れをなして、コートにダウン裏地を取り付けて出発したのだけれど、熊本では暑くて大汗をかく羽目になった。熊本大学での用務はプレゼンのプレゼン。熊本大学マーケティング推進部・研究推進ユニットという部署からの招聘で、教職員・学生向けのいわゆる啓発に「プレゼンテーションのやり方」を講演するというものだった。

seminar_140128.jpg講演が終わったあとでポスターをアップしても仕方ないんだけどね。一応、記念に。

熊本大学医学部の会場は満員。お世話いただいた先生方の話によると、強力に宣伝を張ることも動員をかけることもせずに、異例の140名の参加希望申し込みがあったとか。これは、連載や単行本の出版でお世話になった羊土社さんやその月刊誌「実験医学」の認知度によるところが大きいのだろう。嬉しいけれど、しかし、これは私の本業ではない。もし、細菌学の話題で熊本大学医学部で私が講演をしたとしても、こんなに沢山の方々が集まるとはとても思えない。そう考えると少し複雑な気持ちになる。講演の後は、お世話になった事務の方々や先生方と、夕飯をご一緒させていただいた。副学長の原田先生をはじめ、皆様方、色々とありがとうございました。

DSC01341.JPG次の日。朝早くホテルを出て熊本港から有明海を渡り、島原・諫早経由で長崎に向かった。普通はJRで陸路を行くべきなのかもしれないけれど、長崎での用務は夕方からなので時間はある。島原から島原鉄道とJRで、長崎までは1時間半ほどだから遠回りというわけでもない。と、、思っていたのだけれど、その島原鉄道は日中は1時間に1本程度しかないのに気がついたのは、島原外港駅に着いてからのことだった。、、おかげで、テレビ大阪(テレビ東京)の土曜スペシャル「なんとか縦断ぐるり旅」みたいな情緒たっぷりの移動になった。まぁゆっくりできてよかったというか、ちょっとイラッとしたというか、、。

長崎大学では熱帯医学研究所の平山壽哉先生のところに出向いた。平山先生はピロリ菌が産生するVacAという毒素の研究で素晴らしい成果を上げられている。いわば、私のテーマの一つである細菌毒素研究の大先輩にあたる。それだけではなく、公私にわたって色々と私に目をかけてくださっている恩人でもある。研究にも学会活動にも誠にまじめに取り組まれていて、私は平山先生から多くのことを学ばせていただいた。この日は、いわゆる仕事のディスカッションで招聘してくださったのだが、研究の細かい話、大学研究者としての考え方、学会運営についてと話題は尽きず、夕食のためにセッティングしてくださった料亭「花月」でも、延々と話をさせていただいた。

IMG_2042.JPG料亭「花月」は、幕末の志士が集まったことで有名である。何年か前に、「一度は『花月』で飲んでみたいですね」という私の何気ない一言を平山先生が覚えてらして、この日は私のために予約をとってくださっていたのだ。通された部屋は、小説「長崎ぶらぶら節」でも重要な舞台になったという部屋だった。、、「長崎ぶらぶら節」、、読んでないけれど、、。

その部屋で、平山先生と卓袱料理を楽しむ。もしかすると、サシで平山先生と飲むのは初めてだったかもしれない。いつも穏やかで機嫌の悪いところを見たことがない平山先生だが、この日はことのほか上機嫌で学生時代のことや定年退職後の計画など、いろんなことを話してくださった。平山先生、ありがとうございました。また、これからもよろしくお願いします。

そして出張最終日。長崎から博多経由のJRで帰阪する。4時間10分ほどの道のりだった。しかしそれほどゆっくりと車内で過ごせるわけでもない。初日の往路でもそうだったけれど、車中で過ごす半分ほどの時間は届いたメールの返事や、ちょっとした雑用処理で終わってしまうのだ。この日も、JR車内でかなり私にとって大変なメールを受け取った。そのことについてはいずれ(気が向いたら)ここで書くかも、、。

ところで、昨夜、長崎のホテルのテレビでSTAP細胞のことを知った。こりゃまぁ、えらいこって、、。ぜんぜん知らない人だけど、小保方晴子さんもこれから大変だ、、、

とりあえず、明日大学に行ったら論文を取ろうっと。


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posted by Yas at 20:40| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月27日

ちょっと節目の模様替え

 今年は、当研究室「分子細菌学分野」にとって節目の年であると自分で勝手に決めて、気分を変えようとメンバーの居室である部員室と教授室の整頓と模様替えを始めた。詳しいことはまた別の機会に紹介するけれど、部員室のミーティング用のイスを取り替えて、天井吊り下げの液晶プロジェクタとスクリーンを設置して、見栄えのいいように電気やLANの配線を整理して、少しばかり机の配置も変更して。

IMG_2013.JPG 教授室も、サイドテーブルを入れて作業スペースを拡げて、書棚を整理して古くなって少しくたびれた小物を入れ替えた。写真はその小物のひとつ、いやふたつ。手製の筆立てである。左の赤いのは息子、右のプラスチック製のものは娘が、たぶん幼稚園か小学生低学年の時に工作で作ったものだ。左の赤いのには、「おとうさん」と書かれているのがうっすらと判別できる。もう今は忘れてしまったけれど、その「おとうさん」にホロッと来て、仕事のデスクで使いはじめたのだろうと思う。娘のプラスチック製はともかく、牛乳の紙パックで作られた赤い筆立てはもうボロボロで、そこには何本ものチビた鉛筆とインクのでないボールペンが刺さっていた。鉛筆もボールペンも、もう使わない。息子と娘はそれぞれもう26歳と24歳になっている。

 そこで、長く長く使った筆立てだけれど、この機会に引退してもらうことにした。もちろん捨てずに仕舞っておくことにするけれど、この筆立ての交換は私にとっては今回の模様替えのシンボルみたいなものだ。これで心機一転、このラボの仕事は転機を迎える。と自分で思い込んでいる。

 ところで、この模様替えの機会にふと「今の iMac も、新しくてカッチョいい MacPro に買い替えるか?」と思ったら、途端にその iMac の調子が悪くなった。起動が遅くなったし、ファイルの保存にやたらと時間がかかるようになった。今日は Keynote を使ってプレゼンの準備をしていたのだけれど、その間に何度もフリーズするようになった。Mac ユーザーの間で秘かに語られる都市伝説、「買い替えを考えると現行機種の調子が悪くなる」という、あれだ。明日から出張で、とくに大きな Keynote ファイルを使ってプレゼンをする予定なのだけれど、、ちょっとヤバいかも。

 とりあえず、 MacBook Air に移したプレゼン用ファイルはなんとか動いている。でも iMac は調子が悪いままだ。まぁいいや、このまま調子悪けりゃホントに MacPro に買い替えてやる。


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posted by Yas at 23:18| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月22日

おっちゃんは、やるよ〜。

 昨年の人間ドックでは、体脂肪率は28%で中性脂肪も高くて内臓脂肪の影がレントゲンで見えて脂肪肝だとお医者さんに指摘されて、、んでつい先日には血圧 185/110 をたたき出して、、。これではいかんと身体の再生のために、諸般の事情でここ1−2年間は回数がめっきり減っていた自転車通勤を先週から再開することにした。

 季節は冬の真っ只中である。とりわけ先々週から寒さ厳しい日々が続いている。自転車通勤の再開には最悪の季節だ。これまでは、ユニクロのヒートテックに適当なトレーナーシャツとウインドブレーカーで済ましてきたが、今回はもっと本腰を入れて自転車通勤を再開するのだ。ウエアーにも気を使いたい。

 ということで先日、保温透湿・防風性のあるレーシングパンツを買った。一度試してみたけれど、温かくてなかなか調子がよろしい。しかもスマートだ。気に入ったので、同じような機能を持ったアンダーシャツも買った。それが、今日届いた。

IMG_2023.jpg
 遠赤外線で温かい!「光電子ファイバー」だっ! しかも防風透湿保温機能のあるZAMZAを使用。なんかよくわからんが、すごいものなのだ。ネットで調べてみると、このアンダーシャツのおかげで、たくさんの重ね着をしなくても温かく楽しくスマートにサイクリングを楽しめるらしい。わはは、すごいすごい、、。と、感心していたが、ふとパッケージの表示に、「加齢臭を84%カット!」と書いてあるのを見つけた。

 なんだよー、こっちは体調を整えるために真剣に自転車通勤しようと思って買ったのに、「加齢臭」はないやろ。「加齢臭」は、、、。だいたい、サイクリングと関係ないがな。、、、う〜、、気分が削がれる、、。しかもたった今、テレビニュースを見ると明日から暖かくなって3月並みの気温になるとか、、。アンダーウエア、要らんかも、、。

 、、しかし、加齢臭とか云われても、アンダーウエアを無駄に買ったりしても、、、どんなに障害があろうとも、自転車通勤は続けるのだ、、。目標は正常血圧。体重70kg 以下。体脂肪率20%未満!


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posted by Yas at 23:17| Comment(0) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月17日

いただきました〜っ、 星5つ! 

 Amazonに、拙著「劇的プレゼン術」のカスタマーレビューがアップされた。★★★★★星5つ。

 どなたかは存じませぬが、ありがとうございます。Amazonのページではレビューがアップされたあと、しばらくまた売れ行きが少し伸びたような、、。ご購入がまだの方は、これを機会に(なんでやねんっ)是非お買い求めください。

 拙著の宣伝でした。

 
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posted by Yas at 21:21| Comment(0) | ホリプレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月14日

ぷぁーんぷぁーん パート2

 ぷぁーんぶぁーんと音がした日の就寝前のこと。
 耳鳴りは止まず、ぼんやりと頭痛もする。さすがに気になるので、家にある血圧計で血圧を測ってみたら、185/110 mmHg もあった。先々月の人間ドックのときは正常値だったのに、、。「血圧が高めですね」とお医者さんからは注意されていたけれど、2ヶ月の間に50 mmHg も高くなっていたとは驚きだ(驚いてる場合と違うけど)。

 その後、血圧は正常値に戻ることなく(あたりまえか)2日間が過ぎた。さすがにこれはあかんやろと、人間ドックの時に指摘されたピロリの除菌もかねて、近所のクリニックで診察を受けた。こっちはいきなり血圧が上がってちょっと焦っているのだけれど、お医者さんは落ち着いたものだ。「ピロリの除菌には胃カメラ検査が必要ですね。再来週だと空いているので予約を入れておきましょう。高血圧の方はクスリを出しときますね。血圧計をお持ちなら毎日測れますよね。それで10日ほど様子を見てくださいな」とあっさりと片付けられた。

 耳鳴り、頭痛に高血圧か、。すっかり病気持ちになって、このブログもオッサンの病気自慢ブログになってしまうかもしれない。、、、それにしても数年前から、忌野清志郎さん、田中好子さん、中村勘三郎さん、坂口良子さん、大瀧詠一さん、先日はやしきたかじんさんまで、年上とはいうものの年齢の近い有名人がたくさん亡くなっている。微研のきゃぴきゃぴの若手と呼ばれ続けていた私もさすがに年齢を重ねて血圧を気にするオッサンになってしまった。

 健康に気をつけるというのは、、当たり前のことなのかもしれないけど、なんかイヤ。
 でも仕方ない。食事に気をつけて、運動もすることにします、、。


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2014年01月07日

ぷぉーんぷぉーんと音がする

 先日から大量の書類を目の前にしてゴソゴソと仕事をしている。自分の研究に関係がないわけではないが、それほど興味をそそる仕事でもない。この仕事には、あまり余裕のない締め切り日が設定されている。それまでに、すべての書類を処理しなければならない。不愉快なわけではないが、愉快でもない。ただ悶々と1日のほとんどの時間を使ってこの仕事をしなければならない。そんな毎日を過ごしている。

 集中できるのは1時間半ほどだ。だから1時間半おきに20分ほど休憩を取る。そんな合間の時間に、ラボのメンバーと研究の進捗について話をしたりする。んで、このときはオカケーの論文の進捗が気になって話をしてみた。すると、どうやら私が昨年末に指示した、(彼が執筆すべき)論文のストーリーボード(フローチャートみたいなもの)の作成をいまだにやってない。、、、論文執筆というものを甘く見ているようである。

「先月の早い時期に言っておいたのに、どうしてしないの? だめじゃ〜ん」という意味のことを、私なりにはっきりと伝える。さらに、
「もう今月は2週間目に入ってるよ。先月の最終週にボクがキミに指示したとすると、もう2週間以上経っている。これが2回続くと1ヶ月だよ、。そんなこっちゃ、いつになったら論文が完成するかワカンナイでしょー」という意味のことを、私なりの言い方で言う。そして、
「どうしてボクが言ったことをしないの? そんなことでは信用されなくなるよ? だいたいキミは、机に座ってぼんやりとコンピュータを叩いてれば論文が何となく出来上がるとでも思ってるの? 言っとくけどそんな甘い考えでは、ずぇったい論文なんて書けないよ? 経験が足りないんだから、ひとつずつ少しずつ確実に論文の作成過程を踏まないと、、。ボクはそれができなくて論文を書けなかった人を何人も知ってるよ? どう思ってるのー?ねぇ?」という意味のことを、私なりに厳しく言って教え諭した。

 その間にどうやらテンションが上がってきてしまったらしい。突発性難聴になって以来、持病になってた耳鳴りが、説教の最中に急に激しくなった。左耳の中で、遠くでサイレンが鳴っているような音がする。ラボのみんなの声が二重に聞こえる。だめだ、このあと続きの仕事をしようとしたけれど、とてもできそうにないので、少し早いがそのまま帰ることにした。

「くそー、おまー、どうしてくれるんやっ。明日の朝、一緒にフローチャート作るから用意しとけっ」と八つ当たりの捨て台詞を置いて帰る。が、耳鳴りは止まない。気を紛らわせようと、帰りのクルマの中でカーステレオからチャゲアスの曲を流して一緒に熱唱してみたが、家に到着しても耳鳴りは止まない。そらそうか、、。

 それからかなりの時間が経ったが、まだ耳鳴りは止まない。もう寝るしかないな。
 あぁびっくりした。でもハッキリした。私の持病の耳鳴りは、ストレスでひどくなる。このままだと、説教もできん身体になるかも、、とかくだらんことを考えながら、もう寝ます。


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2014年01月05日

暴飲・暴食・惰眠・テレビ

 本日で正月休暇はおしまい。

 曜日の巡り合わせと家庭の事情で、今年の正月は昨年の大晦日からこの5日までの6日間もの大型休暇になった。その間、1日には大阪市内の実家、4日は草津(滋賀県)の家内の実家にお邪魔したが、それ以外はひたすらダラダラとしていた。ほとんどテレビの前のソファに座りっ放し。食事とビールを飲む時以外は全く動かず。テレビ観て、ビール飲んで、昼寝して、またテレビ観てビール飲んで、、、まるでアニメのちびまる子のようにだらしなく過ごした毎日だった。
 その間、高校ラグビー、大学ラグビー、ライスボウル、高校サッカーと、ひたすら冬のスポーツをテレビ観戦しまくった(全日本バスケットもラグビートップリーグもケーブルテレビで放映していたが見逃した。同じ時間にやられても一辺に観れませんわ)。

 ラグビーの対戦は、フォワードの当たりの強さとか,バックスのスピードとか、どこかに差があるとそれが点差になってはっきりと現れるように思う。高校ラグビーはまさにそんな感じ。実力が拮抗しているはずの準決勝で、桐蔭学園が大阪桐蔭を43-0で下したゲームなどはその典型のように思えた。大阪桐蔭の選手達は悔しかったと思う。東福岡も東海大仰星高校とのフォワードの集散の差が点差になって、東福岡がやる方なく敗れたかのように見えた。東福岡の選手も悔しかったやろね。大阪桐蔭と東福岡の皆さん、来年は頑張ってね。
 ライスボウルはどうだろう? 関学が、オービックのオフェンスラインのブロックを最後まで止められずラン攻撃を許してしまったのがそのまま点差になった。これでオービックの4連覇になる。私の記憶では、たしかバスケットボールもラグビーも、学生リーグ優勝チームと社会人リーグ優勝チームが日本一を競う形式だったのが、やがて社会人と学生の力の差が歴然としてきて学生チームと社会人チームの参加するトーナメント形式に変更されたという経緯がある。そろそろ、アメリカンフットボールもそうなるのかな、、と思わせるオービックの4連覇だった。関西学院大学ファイターズの皆さん、来年の雪辱を目指して、頑張ってね。
「頑張ってね、頑張ってね」、、、って、ダラダラとテレビ観てんとお前が頑張れよ、ということですけどね、、、、、頑張りますよ。私も。明日から、、。

 実は、今年はきっと、当研究室は色々な転機を迎えることになるだろうと思っている。「細菌毒素やめます」宣言後の、我々にとって新しい論文をいくつか発表できると思うし、学生さんを含めた新メンバーもやってくる。昨年、メンバーが頑張ってくれたおかげで、いくつかの興味深い(かもしれない)ネタも新たに見つけた。今年はきっと色々と変わることがあるだろう。あるはずだ。、、ということで、その記念(?)に、ラボの部員室の様子を少しだけ変えることにした。2014年型・分子細菌学分野のスタートである。

horse.jpg


 それでは、みなさま、、頑張っていきまっしょい。






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2013年12月27日

歯ごたえのある研究

 留学生の Jane が帰国した。

 彼女は交換留学制度で来日した。希望教科が公衆衛生学/分子生物学で、これに適当であるとして当研究室に配属されたのが昨年の9月だった。それから今年8月までに規程のコースを修めて研究報告をすませたあと、留学期間をさらに延長して今月23日まで日本に滞在していた。

 韓国人だが、人生の半分ほどをアメリカで過ごしている。今はシアトルのUniversity of Washington の学生である。来日前に日本語を勉強していたとかで、初めて会った時には、すでに片言ながら日本語で意思疎通ができた。それでもしばらくは英語を使って会話をしていたのが、3ー4ヶ月ほど経つとほぼ普通に日本語を使うようになった。とっても勘のいい娘である。話によると、彼女のお母さんは、日本語の翻訳を仕事にされていたことがあるらしい。以前からうすうす感じていたことだが、やはり語学の能力は遺伝するのだ。

IMG_1990.JPG 元気溌剌。明るくてイジイジとしたところがない。たちまち研究室のメンバーとも仲良くなった。しかしはっきり云って、彼女は研究や細菌学の勉強に積極的だったわけではない。だから私にたびたび「たるんどる!」と云われたりした。「スチャラカ留学生」というあだ名もつけてやった。ただし、彼女の名誉のために云うと、彼女は与えられた実験も、留学期間最後の研究発表も、(最低限ですけどね)とても上手くこなした。スライドの作成やストーリーのまとめ方も上手かった。そもそも、彼女は実験をしたくて日本にやってきたわけではないのだ。自分に何ができるのかを考えるために、自分の世界を拡げようと交換留学生の制度を利用したのだ。そのことは研究室のみんなが知っている。実際、日本に滞在中は、近隣のアジア諸国にいる友達(むこうの大学で知り合ったとか)に会いに行ったり、バイトをしたり、ボランティアで日本の子供たちに英語を教えたり、見聞を広めようと色々としていたようだ。

IMG_1996.JPG その彼女が、ついに帰国をする日を迎えた。しばらくは韓国に戻ってご両親と一緒に過ごし、そのあと大学に戻って最終学年を修めるということだ。将来、どんな仕事に就くのかわからないけれど(おそらく本人にもわからないと思うが)、オレはあと11年は教授でいると思うから、その間に一度くらいは遊びに戻っておいで、と言うと「うん」とうなずいてくれた。

 じゃぁ Jane、きっとどこかでまた会おうね。


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2013年12月23日

「あの電柱まで頑張ろう」的な、、、

 先週金曜日は微研の研究報告会・学術講演会・忘年会。

 研究報告会では当分子細菌学分野の最近の成果を私が報告した。

 口演前には何人かの方々から「ホリプレの真髄を見せてもらいます」的なプレッシャーを受けた。だからという訳ではないが、この時の口演はダメだった。開始早々にいらんことをいっぱい喋って、おまけに自分のトークに自分で飽きるという悪い癖がすぐに出て緊張感のないダレた口演になった。自己採点は55点。まだまだ修行が足りません。口演後には審良先生から「ホリプレなんか書くから、会場からプレッシャーを感じて大変やろ」と慰めともなんともつかないお言葉をいただいた。その言葉で、やっぱり聴衆の側からみてもイマイチやってんやろな、と再確認した。まぁ、そもそも私はそんなに講演が上手いわけではないのですよ(言い訳)。ですから、今後は「ホリプレ」のすっごい口演を期待して、私の発表演題に足を運ばないようにしてくださいね、みなさま、、。

 しかしそれとは別に、仕事の内容に関しては、口演後の皆さんのコメントに手応えを感じた。これでいけそうだ、という手応えだ。先述の「開始早々に喋った」いらんことというのは「毒素一辺倒の研究をすべて止めて、感染の全体像を見える研究に方向を全面的に変えた。そのためにこの3年間全く業績が出なかった」ということだった。その研究の方向を変えて良かった、という手応えを皆さんのコメントからつかむことができたのだ。細かな説明はできないけれど、これでよかったのだ、と自分で納得した。来年は成果の第一弾をまとめなければいけない1年になるはずだ。なってほしい。

 新南館1階の食堂で行われた忘年会には、微研OBでもある仲野徹先生が久しぶりに参加されていた。3日前にも一緒に飲んだのだけれど、この微研のシチュエーションで飲むのは久しぶりだ。忘年会後は研究室に来てもらって、さらに飲んだ、と言うかバカ話をした、というか、、。仲野センセ、一人で喋りまくって大笑いして帰っていかれた。さすがの迫力である。
 と、その仲野先生からは「お前のブログ見てたら、最近は自転車の話は激減しとるし、遊びの話もほとんど無くなったし、しんどそうな話題ばっかりでなんか不健康そうやがな」とご指摘を受けた。

 仰るとおりである。今は本当に暮らしに遊びがない(飲んでますけどね)。まぁそういうときもある。

 でももう少しの辛抱だ。そんな気がした1日だった。


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posted by Yas at 21:22| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月18日

あえて「呑み助」の汚名をきて

 ふひ。

 12月もなかば。先々週は分子生物学会の会期中に2連チャンおよび週末にも会合があって飲んだ。先週の13日は研究室の忘年会。昨日は仲野徹先生肝いりの「仲野組」の飲み会(以前の仲野組飲み会の様子はこことかここを見てちょ)があった。相変わらず「仲野組」に参加される先生方はハイブロウで刺激的だ。今回は先々週の分子生物学会の大会長を務められた近藤滋先生も参加されて、学会運営の裏話をたくさん聞かせていただいた。その他の先生方も刺激的な話題満載。おもろかったけど、ちょい疲れた。

 明後日は、微研の業績報告会・学術講演会・忘年会。業績報告会では、私も当研究分野の成果を報告することになっている。それから来週と再来週にも一回ずつ飲み会の約束がある。

 これでも、断れる飲み会は断ってるんですけどね、。、、

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posted by Yas at 22:20| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月12日

淡々と嬉しい話

 先週の分子生物学会(で売られていた拙著)の話のつづき。

 学者の看板を揚げてそこそこの年数が経つと、フランチャイズではない分子生物学会のようなところでも「ホリグチ先生ですか?」と呼び止められて挨拶されることがままある。今回も、ポスター会場をダラダラと歩いていると、何人かの方に声をかけていただいたのだが、そのなかでも、「なんか、オレの顔写真が羊土社で出回ってるんか?」と思うほど、初対面の羊土社の方にたくさん声をかけていただいた。

 そうして声をかけていただくたびに、「私のプレゼン本、売れてます?」と、尋ねたのだけれど、「好評です、、」というお応えをいただくばかり。、、、ほんとに売れてるんだかどうだか、、、と不安になった。

 執筆当時からお世話になっていた◯◯さんも、「淡々と売れてます」と意味深なことを云う。、、一層不安になるがな、、。まぁ売れないからといって命を取られるわけではないし、特段とっても困ることはないんですけどね。売れてないよりは売れてる方がいい、、。とか、ごちゃごちゃと考えていたら、一昨日、その羊土社さんから広告メールが届いた。そのメールに貼ってあったリンクを辿って羊土社のウェブサイトを見てみると、今回の分子生物学会の羊土社ブースでは、拙著の売行ランキングが5位だったことがわかった。うひょー、、素直に嬉しい。

 さらに「学会売れ行き情報」というサイトを見ると、発売以来の最近の3学会でいずれも10位以内に拙著がランキングされていた。、、なるほど、淡々と売れているわけだ。、淡々と、、、、ありがたいことである。この調子で淡々と何年も売れて欲しいな。
 ところで、、私の部屋には、なんのかんので購入した拙著が何冊か残っております。在庫に限り著者割引価格でお譲りしますけど、、、どなたか要りません?  淡々とお譲りします。


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2013年12月09日

久しぶりの分子生物学会にちょっとだけ参加

 すでにフェイスブックやらあちこちのブログでも話題になっていて、ずいぶん遅い報告になったけれど分子生物学会。今回は1日半だけ参加した。前回にこの学会に参加したのは確か2年前。この学会は面白いかもしれないけれど、大きすぎて現実感(これ、色んな意味で書いてます)がない。こういうディズニーランドのような学会は、まぁ隔年か2-3年毎くらいの参加がちょうどいい。

IMG_0025 のコピー.jpeg 12月4日。口演を担当したセッション会場は満席。世話人の先生方(白土先生、倉石先生、ありがとうございました)が用意してくださった、口演をモニターで見ることができるパブリックビューの座席もいっぱいだった。しかしこれは、このワークショップに特別のことではない。分子生物学会は大抵の会場が超満員になる。参加者がとにかく多すぎるのだ。
 ところで、あとで色々な人から声をかけられてわかったのだが、やっぱり「ホリプレ」狙いの人が会場にそこそこいらしたみたい。「ホリプレ」読者の皆様、、あの著者(私ですけど)の口演はあんなもんです。たいしたことはありません。しかしまぁ、誰にでもできる「わかりやすい口演」を目指す指南本ですので、これからも「発表が楽しくなる、研究者の劇的プレゼン術!」をば、よろしくお願いします。(写真は、同じセッションで口演した黒川先生、西野先生、寺尾先生と座長の白土先生と倉石先生)

 IMG_1976.JPG 12月5日の午後は、ポスターセッションの会場にいた。前日に、3ヶ所に分かれていたポスター会場すべてに足を運んで、いつものように全てのポスター(のタイトルを見るのは私の分子生物学会での日課であった)を見たので、この日は疲れて同じ会場に居続けることにした。さーやのポスターはちょうど会場真ん中の踊り場のようなスペースに面していて(この写真の感じ)、ちょうどそこに椅子が一脚だけ置いてあった。その椅子に座って、目の前の広場をぼんやり眺めていると、色んな人が行き来しているのが見えた。、、これ、通行人の方から見ると、ぼんやり座っている私が目立つみたいで、みんながこちらを見て「なんや?このオッサン?」的な顔をして通り過ぎて行く。、、しかしあいにく、そんなことで怯む私ではない。構わずに座っていると、それを見つけた知り合いがたくさん近寄ってきて声をかけてくれた。いやー、、懐かしい人達がたくさん、、。ありがとうございました。なつかしかったです。25年ぶりくらいで再会した東京医科歯科大学の◯◯さん、懐かしかったです。それと20年位前に微研にいたコジマさん、私の出版の話を聞いて、その場ですぐに羊土社のブースに出向いて本を買ってきてくれてありがとう。

 その、拙著だが、、。実は本を出版してから、羊土社がブースを出すような大きな学会に参加したのは今回の分子生物学会が初めてだった。ブースでの売上は気になるところだ。そこで、時間が空いた時に何度かブースの様子を見に行ってみた。しかし、シャイな私はブースの担当者さんに向かって「もしもし、私はこの本の著者だがねー、売れ行きはどーかね?」などと尋ねたりできるわけもない。ブースの前を行ったり来たりしながら、様子を見る。陳列棚には、私の本が3箇所に分けて平積みされていた。わりと優遇されているようだ。しかし、私がその辺りをウロウロしている間には一冊も売れなかった。むふっ。しかし、奥付を見ると、たしかに第二刷になっていた。、、、、がんばれ、「劇的プレゼン術」、、、


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posted by Yas at 22:48| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月03日

12月のグチ

 12月になったら、「今年ももう12月だ」とかブログに書こうと思ってモタモタしていたら、もう3日経って12月3日になった。今年も30日を切ってしまったわけだ。

 実は今月は、4回の講演をしないといけない。その1回目が明日(分子生物学会2日目)の午前にある。あるセッションで声をかけていただいたのだが、分子生物学会で話をするのは久しぶりだ。それから今週の土曜日、来週の火曜日、再来週の金曜日。それぞれ違う話題で講演する。ちょっと準備が面倒かも、、。でも、分子生物学会が神戸開催で助かった。、、おかげで日帰りで参加日を絞って残りの時間を仕事に回すことができる。学会を楽しみたい気持ちもあるけれど、そうも云ってられない。やりたい(やらねばならん)仕事が山積みなのだ。

 しかしこの分子生物学会、、色々と企画が盛りだくさんのようで、年会企画や学会企画のプログラムを眺めていると目が回りそうだ。研究成果の発表や聴講とは別に、「生命科学研究を考えてガチ議論」はせねばならんし、Jazz を愛でねばならんし、サイエンスなアートやらアートなサイエンスを味わわねばならんし、生命科学の未来を占わねばならんし、、、一般の若い学生さんなどの参加者は、かえって戸惑うんじゃないか?と少し心配する。この巨大学会はいったいどこへ行こうとしてるのかしらん(年会長の近藤滋先生のご苦労は大変なものだと感服はしてますけど、、)。

 明日は早朝に家を出て会場入りし、講演担当のセッションに備えるつもりだけど、スライドは先ほど準備が終わったばかり。もしかして「ホリプレ」を期待して会場にお出でになる参加者には悪いが、あんまり出来のいい口演はできないかも、、、と、執筆時には思ってもいなかったプレッシャーを勝手に感じている。おまけに、今日の夕方から、左耳でかつてないほど大きな耳鳴りがするようになった。突発性難聴でやられた左耳だ。

 まぁとにかく、そんな12月がスタートした。


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posted by Yas at 23:44| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする