2014年10月21日

気分はもう戦争

少し前に、イスラム国に参加しようとした北大生が公安当局の事情聴取を受けたというニュースがあった。この北大生は「自分が死ぬとか云うことは全く問題ではない」とテレビのインタビューで答えていた。では「他人を殺す」ということについて想像がおよんでいるのか?と、色んなところで色んな人が批判していたようだが、全くその通りだと思う。

、、と言うこととは別に、このニュースを耳にしてある劇画作品を思い出した。「気分はもう戦争/矢作俊彦原作/大友克洋作画」である。思い出したついでに、この日曜日は時間があったので、本棚から引っ張り出してゆっくり読み直してみた。

この作品の単行本の初版は1982年に発行された。1970年代後半から1980年代前半にかけての時代、アメリカとの密約の下に、当時のソビエト連邦がトルコ以東から中国・朝鮮半島までを支配下に治めるべく侵攻を始めるという話である。旧満州北辺の国境地帯はソ連の攻撃に曝され苦境に陥る。日本海をはさんだ対岸の国である日本では、その様子を知った様々な人間が、中国に義勇軍として参加しようとして日本海側の港湾都市に大挙して集まる光景が描写されている。

その作品のなかに、大学受験に失敗して失意の中にある青年(少年かも)が、ただなんとなく義勇軍に参加しようとする、というエピソードがある。裕福な家庭で過保護気味に育てられたが、その環境が不満で家族や社会に対してなんとなく斜に構えていた彼は、義勇兵(になるために無目的に大陸に渡ろうとする人たち)を乗せた貨物船上で海上保安庁の船から狙撃されて死ぬ。

矢作俊彦さんのダンディな作品(小説の方)は何冊が読んだけれど、大友克洋さんの冷めた画柄と相まって、この劇画はハードボイルド色がとくに濃いように感じる(もっとも、コミックタッチのエピソードも作品の中には散りばめられているのだけれど)。どこかで読んだことがあるのだが、矢作さんは当時、大友克洋と面識も作品のアイデアもなにもなかったのだが、誰かが二人を横須賀の居酒屋(この居酒屋は作品中で何度か登場する)で引き合わせて本作のネタが生まれたらしい。ところが、矢作さんはそのときに大友さんを紹介してくれたその「誰か」が誰だったか全く思い出せないという。だから本作は奇跡の作品であると、その回想の中で本人が言っていたように覚えている(うろ覚えですけど)。

事情聴取を受けた北大生は就職活動が上手くいかずにくさっていたという。そのことがイスラム国への参加と関係があるのかどうかわからないが(おそらく無縁ではなかろう)、その姿は「気分はもう戦争」で描かれた受験生そのものである。さすが奇跡の作品。30年以上も前に同じような状況を設定し、この時代の人間にも通じる心情を描き出すとは。、、、とか考えてみたが、やっぱりちょっと違う。「気分はもう戦争」の登場人物達は侵略されつつある当時の中国を救済するために戦いに参加しようとした。イスラム国は、ニュースによると「国」と名乗っていてもその実態は血なまぐさい過激派集団である。大義はない(彼らにとってはあるのかもしれないが)。イスラム国に参加するような人物の物語は、矢作さんが書き、大友さんが描く「気分はもう戦争」のような冒険活劇にはなり得ない。これを今回のニュースと似ていると言ったら、このお二人に失礼だ。、、

全然違う。

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posted by Yas at 22:26| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月14日

東京でうどんとシューマイ

ただいま新幹線車中。ある用務で東京に出張した帰りである。10年間この用務に携わってきたのだが、ようやく今年でそれも終わる。この用務のおかげでずいぶん勉強になったけれど、やっぱりようやく終わったぜとホッとした気持ちになる。もっとも、12月中にあともう一度会合があるかもしれないけれど。

台風19号の通過で新幹線が遅延するようなら今回の会議はキャンセルしようと構えていた。けれど肝心の台風さんがさっさと列島を縦断してしまったので、午前中に乗った新幹線は全く時間通りで昼過ぎに東京に着いた。新幹線の予約の都合で、会議の開始まで少し時間がある。何か昼飯を食べようかしらんと駅周辺をウロウロしていたら八重洲側から丸の内側に出る通路の途中で、「釜たけうどん」を見つけたので迷わず入る。「釜たけうどん」は知る人ぞ知る、大阪千日前のうどんの名店である。その千日前の店には行ったことがなかったのだが、思わぬところで名物の「ちく玉ぶっかけ」を味わうことができた。

「釜たけうどん」を出ても、まだ会議まで時間が充分あったので、天気もいいことだし東京駅から霞ヶ関まで歩くことにした。少し風は強いがいい天気だ。有名ブランド店が軒を連ねる大手前の官庁街を抜け、日比谷の交差点から日比谷公園に入って斜めに横断し、用務地である虎ノ門に着いた。

会議はほぼ3時間。午後5時過ぎに終わった。即座に iPhone から、午後5時40分の「のぞみ」の席を予約して、霞ヶ関駅から丸の内線で東京駅に出て、ビールと崎陽軒のシューマイを買い込んで遅延なく新幹線に乗り込んだ。んで、いま三河あたりである。しかし、昼は釜たけうどんで、夕方は崎陽軒の折り詰めシューマイなんて、我ながらお気軽にできているものである(といったら釜たけうどんと崎陽軒に怒られるかな、、)。

明日は夕方から武庫川女子大学にて出張講演。今週後半の生化学会でも座長を担当しそうだったのだが、事前にダブルブッキングが発覚して事務局にお願いしてキャンセルさせていただいた、、。、、、先日、学会プログラムを見たら、担当するはずだったセッションの座長名が私のままになっていた、、、。大丈夫かな、、、。交替をお願いした K 大の NKGW 先生、、よろしくお願いします。

気が少し早い気がするけど、今年ももう少しだ、、。

年賀状買わなきゃ、、(気が早いか、、)。


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posted by Yas at 19:34| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月08日

今日は晴れてよい日だ

 この前の日曜日。我が家では娘も家内も風邪を引いて寝込んでいた。

 風邪こそ引いていないものの、私もここのところ体調がイマイチのなので朝からずっと寝そべってテレビを見ていた。何度もここで書いているけれど私はテレビ好きだ。この日は、もう仕方がないから(何が仕方がないのかわからんが)腰を据えてテレビを見続けることにした。

 日曜日の朝は鑑賞するテレビ番組を決めている。朝8時から TBS系の「サンデーモーニング」。10時前から「所さんの目がテン!」と関西ローカルの「よ〜いどん・日曜版」を行ったり来たりする。それから「グッと!地球便」「クチコミ新発見!旅ぷら」(どちらも関西ローカルかもしれん)を見て、泣いて笑って休憩時間に入る。それから昼ごはんをはさんで読書。この日はそれまでチョコチョコと読んでいた「エピジェネティクス・仲野徹・岩波新書」を読了した。この本、できるだけ平易に、でもきっちりと科学的な思考を読者に求めつつ、かつ幼稚な解説に陥らないギリギリの線を守って、さらにエピジェネティックスに関するたくさんの情報を盛り込むと云う至難の業で成し得られている。実は他にも別のエピジェネティックス解説書を読んだのだが、やはり仲野書の方に軍配が上がる。エピジェネティックスのことを知りたい人には良書であると思う。
 仲野せんせ、儲けはりまんな、、、。

 さて午後からは何を見ましょうかと新聞のテレビ欄を眺めていて、BS NHK プレミアムで「早すぎたひと 世紀の伊達男 加藤和彦」という番組を見つけた。

 加藤和彦さんは2009年10月16日に亡くなった。自殺だった。当時の私のブログを見ると、たぶんショックだったのだろう、文章にもならないような文章で加藤さんのことを書いていた。あれから5年。この放送は2011年の番組の再放送である。これをじっくり観た。フォーククルセダースの結成から、「あの素晴らしい愛をもう一度」の発表、サディスティック・ミカ・バンドでの活動、安井かずみとの結婚生活と死別、晩年の活動までの加藤和彦さんの足跡を関係者のコメントを交えながら紹介する2時間の番組だ。その間に懐かしい加藤さんの曲がライブ映像とともに流される。そして自殺。葬儀では「今日は晴れて良い日だ。こんな日に消えられるなんて素敵ではないか」で始まる遺書が公開されたと云う。

 2時間。しっかりと見入ってしまった。私にとって、大好きでアルバムを買い集めると云うタイプのアーティストではなかったけれど、加藤さんの曲に感じるダンディズムとか優しさとか格好よさが好きだった。来週の木曜日が命日になる。あれから5年経ったということだ。改めて(改めたらあかんのかな?)ご冥福をお祈りします

 ところで、この番組で流れた曲を聴いていて、持っていたはずの彼のアルバムをいくつか失くしてしまっているのに気がついた。たまらず iTunes で探して、失くしたうちのいくつかの曲をダウンロードした。あれから三日ほど経っているけれど、そのうちの一曲「ハイ・ベイビー/サディスティック・ミカ・バンド」が頭の中で今でもヘビーローテーションしている。



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2014年09月30日

9月の出来事2

 前回にひき続いて、9月の出来事のツラツラ、、。

 AIFII が開催された新公会堂のある奈良公園は、私にとって想い出深いところである。小学生の頃、私はお寺さんと仏像が好きという、それはそれは落ち着いた子供であった。当時、近鉄奈良駅の近くに親戚が住んでいて、夏休みに1週間ほど泊まらせてもらって一人で仏像見学に市内のお寺を回ったことがあるほどである。興福寺は言うに及ばず、東大寺二月堂・三月堂・戒壇院、新薬師寺や白毫寺など、当時に巡った寺院には結構な思い入れがある。春日大社のある原始林を南に抜けた高畑町には、小学生時代にクラス担任だった先生のご自宅もあって、小学校卒業後に一度お邪魔したこともある。

 そんな思い出の地でありながら、今回の学会では昼間はずっと会場にいて、どこにも訪れることはなかった。残念だけれど、大阪から奈良はすぐの距離だ。機会はいくらでもある。
、、と思っているうちは、大抵はそこには行かないんですけどね。

 もし今、家族で訪れるとすれば、愛犬のミューも同伴させなければならないけど、、シカがたくさんいる奈良公園って、イヌを連れて入ってもいいのかしらん?

*     *

 今月は AIFII のほかにも、初旬に毒素(トキシン)シンポジウムという学術集会にも参加した。こちらの方は徳島県の鳴門市で開催された。この時のエクスカーションに、大塚国際美術館に連れて行っていただいた。この美術館は世界の名画を陶板で再現して展示陳列していることで知られている。陶板に焼かれた色彩は決して色褪せることがないというので、資料価値が高いとかのことだ。もちろん画の再現性は高い。山を繰り抜いて建てられたこの美術館にはそんな陶板名画・壁画が1000点以上展示されている。ただ歩きまわっても、かなりの時間を要する。そして、名画中の名画(の複製)が目白押しである。しかし、これでもかこれでもかと名画ばかり見せられていると、それはそれで疲れるものだ。なんかこう、ちょっと、緊張と緩和というか、動と静というか、チェンジ・オブ・ペースも欲しい気がした。

 美術館には、私の好きなセガンティーニさんの画もあった。好きな画家さんの絵は遠くから見てもすぐ判る。彼の作品を見つけた時は嬉しかったが、名画のミニ陶板が売られていた土産物ブースには、セガンティーニさんのミニ陶板はなかった。あれば買ったのに、、。店内にあるのは超売れ筋、超人気名画の陶板ばかりだった。、、やっぱ、緊張と緩和というか、酒と肴というか、、、、、土産物のラインナップにもそれが欲しかったな。

*     *

 毒素シンポジウムの会場でも AIFII の会場でも、たくさんの方に「ブログ見てますよ、、でも最近は更新が少ないですね」と声をかけていただいた。みなさん、ほとんどは社交辞令で、それほど心待ちにされているわけではないと思うけれど、、でもすいませんすいません。確かにサボってます。

 しかし、これには理由がある。ブログを始めて8年だが、その間にインターネットで提供される情報は圧倒的に増えた。 今や、Web ページを開設するよりもはるかに簡単に、 Twitter や LINE や Facebookを利用して沢山の人が気軽に近況報告したりエッセーのようなものを書いたりしている。そんな中にあって、もはやブログというフォーマットはいかにも大仰で古臭いように(私は)感じてしまう。簡単な近況報告なら Facebook で充分だろう。ブログなんて必要ないじゃん、と思う。あるいは、この時代にあえてブログを続けるからには、ちゃんとしたまとまった記事を書くべきなのかも、、と勝手に身構えて、それが妙なプレッシャーになって更新頻度を少なくさせている。

 ブログのようなフォーマットには、以前のホリプレのようなまとまった記事がやはり合っている(と思う)。まとまった記事を書くためには構想を練らねばならない。そうだ。何か新基軸で、、、新たな構想で、、、まとまったものを、、、、とぶつくさ言いながら、でも、やっぱりだらだらと駄文を書き続けるんやろな、、更新頻度が少なくなっても、、、。すいません、もう少しお付き合いお願いします。みなさん、、。

 それとやっぱり心に余裕がないと、仕事が終わったプライベートタイムにまとまった文章を書く気になれない。これも更新頻度が減った原因のひとつかもしれない。

*     *

 私は人間が小さいせいか、仕事でやらねばならないことがたくさん残っていたり、上手くいかないことがあったりすると、すぐに心に余裕がなくなる。とくに今月はスケジュールが詰まっていて、その余裕のなさに拍車がかかっているようだ。スケジュール表を見ると、今月の平日で、会議や出張などの予定が全くない日は二日しかなかった。最近は、事前に対応可能な日時が調査されてから、出張なり会議なりの日程が決定されることが多い。その調査メールに正直にスケジュールの空いている日時を申告してしまうから、空いている日程がどんどん出張や会議で埋まる。そういう仕組みだ。だから今月などは空いている日が二日しか確保できなかったのだ。

 これはいかん。スケジュール調査で正直に予定を知らせるのはやめよう。これからは毎月、絶対に自分の仕事(研究)で確保したい日を決めて、その日はいかなる問い合わせがきたとしても、出張不可・会議出席不可で返信してやる。ふっふっふ。そうすれば、毎日毎日どこかに走り回るようなことはなくなるはずだ。これを、ウソのスケジュール申告&仕事日確保大作戦と呼ぶことにしよう、、。

 しかし、今年はもう遅いかも。年末まで、割とスケジュールがすでに詰まってしまっている。11月には5日間のインドネシア出張の翌日に宮崎出張があったりする、、。ウソのスケジュール申告・仕事日確保大作戦は来年から決行かな、、、。残念である。しかしいやまぁ、私ばかりがつらいわけではない。うちの大学には、フルマラソンを走ったその日に海外出張に出かけられるというマゾヒスティックな先生もいらっしゃることだし、グチを云ってはバチが当たる(ちょっとちがうかもしれんけど)。

 と、ウダウダと云っていても明日からは10月だ。ウダウダ云いながら、仕事もブログも続けます。ではみなさま、ごきげんよう。


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posted by Yas at 21:17| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月28日

9月の出来事

みなさん、ずいぶんご無沙汰しております。
久しぶりですので、更新の滞っていた間の出来事などをつらつらと書いてみますです。

*     *

 今月初めに、 UQUA というBluetooth スピーカーを買った。防水性があって、お風呂に浮かべてiPhone やiPod の音楽を楽しめるというやつだ。その宣伝文句そのまんま、お風呂で使うために買った。

IMG_2195.jpg ただし音楽ではなくて、購読しているPodcastを聴くためである。Podcast は、主に英語の勉強のために聴いているのだが、クルマでの通勤の時間以外に聴くヒマがないので、お風呂の時間にも番組を流して気楽に聴いてみようと思ったのである。お風呂での使用が可能なスピーカーをネットで物色し、値段的にも手頃でユーザーの評判も悪くない本機を選んだ。Bluetooth での接続を毎回しないといけないので少し面倒だが、それ以外に不満はない。が、誤算があった。実は私はそんなに風呂好きではないのだ。なので夏場などの入浴時間は10分ほどしかない。さらに、シャワーを流しているときは水音でスピーカーからの音声は聞こえないので、このスピーカーを楽しむのは湯船に入っている時間に限られる。、、ということで、1日に5分ほどしかこのスピーカーを使っていない。企画倒れかも、、と思いながら、しかし長風呂に宗旨変えする気もなく、二週間ほど経った。こんな私でも、冬場はきっと、もう少し風呂に入る時間が長くなるだろうさと、寒くなるのを楽しみに待っている。
、、、ということで、英会話のお勉強はちっとも進まない。

*     *

 先々週、オレゴン州立大学の Prof. Mahfuzur Sarker が研究室を訪問してくれた。 彼とはそれまで面識はなかったが、ウエルシュ菌の研究に長く携わっている彼は、本菌の産生するエンテロトキシンという毒素を研究している(いた)私のことを知っていて、大府大のマミちゃんを通じてメールを送ってくれて、この日の面会が実現した。日本好きの彼はどうやら何度も日本を訪問しているようだ。今回も JSPS の予算で6週間、日本に滞在していた。その間、親日派の彼は日本国中のたくさんの細菌学者のもとを訪れ、私の研究室にやって来たのは離日する2日前だった。

 彼は「ホスピタリティあふれる日本人が大好きだ」という。バングラデシュ出身だがアメリカ生活が長い。日本好きが関係あるのかどうか分からないが、日本人にわかりやすい英語を話してくれる。世界の人がみんな、Mahfuzur みたいな英語を話してくれたらありがたいのにな。と思いながら一緒にランチをして、そのまま飯田研、永井研、藤永研と微研の細菌学関係の研究室に案内した。うちの研究室では、シショーが論文化に苦労している IVET-IP の話を紹介したら、えらく感心してくれて(社交辞令かもしれないけれど)、「微研を訪問するのに1日だけでは足りなかった。もっと皆さんと話をしたかった。きっとまた来る。だから外国人招聘のグラントが取れるようだったらいつでも呼んでくれ」と言って帰っていった。

 いや、、Mahfuzur さんがアメリカでグラントを取って我々を呼んでくれてもええんやけど、、と思ったが、そこはホスピタリティあふれる日本人のこと、「必ずまた呼ぶよ」と言って見送った。

*     *

 Mahfuzur さん訪問の次の日、 医学部学生の選択必修科目「感染症/免疫学」の講義を担当した。ずいぶん以前に担当していたのだが、あまりの学生の態度の悪さに辟易し、しばらく担当を断っていたのだが、3年前に知り合いの先生に依頼されて担当を再開していた科目である。その再開1年目の3年前はとても反応のいい学生さんばかりで楽しかったのだが、昨年はそれほどでもなく、今年ははっきりと良くなかった。前向きに講義に参加する学生が3分の1、可もなく不可もないのが3分の1、残りの3分の1は「大学の講義をなめとんのか」と言いたくなる(実際、質問に答える気がない学生には「お前はもうええっ」と言った)ほど態度が良くなかった。

 一口に学生と云っても色々なキャラクターがあるのは認めるが、教員にとってよろしくないクラスの学生たちというのは、たいてい共通して講師の人格や感情に無頓着である。こちらを感情のないティーチングマシンか何かと勘違いしているかのようで、講義最初に挨拶もないし、アイコンタクトもないし、ただ仏頂面で座っているだけである。質問しても全く考える気がないか、面倒くさそうに適当な単語を口にするだけである。こちらはとっても不愉快だ。

 いつも書くけれど、こういうことになるのは大学の責任でもある。学部生活をおくる間に「講義なんて、テキトーにこなしていればいいものなのだ」と暗黙のうちに学生たちに教えてしまっているのはきっと大学だ。

 来年は担当を断るか、、あるいは興味を持ってもらえるように色々と工夫するべきか。
くそっ、小学生でもあるまいし、60分や90分の講義くらいちゃんと聞けっ、、と愚痴っても始まらないので、講義のやり方をまた考えることにする。それにしても、あの学生たちの、こちらを無視するかのような態度は改めてもらいたいけれど。

*    *

 23日から26日まで、奈良市の新公会堂で「あわじ感染症・免疫フォーラム(AIFII)」が開催された。この学会は淡路島で開催されるのが常なのだが、今年は変則的に開催地が奈良になった。「AIFII in 奈良」というわけである。本会は今年で13回目を迎えた。会場の新公会堂には能舞台が設えられていて、演者と座長は靴を上履きに履き替えて、いわゆる檜舞台に上がってそれぞれの役目を果たす。外国人ならずとも、なかなかに面白い趣向だ。

 この学会、マンネリ化を危ぶむ声もあるが、やはり世界的な最高レベルの講演が集まる国内では貴重な集会だ。会場に座って素晴らしい講演を聞きながら「自分の仕事のクォリティーはどうか?」といつも内省させられるせいか、4日間経ったあとの閉会時にはかなり疲れる。私にとってはそんな学会である。

 ところで、会期中に何人かの先生に「国内の細菌学分野の演題登録や参加者が少ないんじゃない?」と指摘を受けた。確かに国内からの参加演題を見ると、免疫学関係が約40演題、ウイルス学がやはり約40演題、寄生虫学と細菌学がそれぞれ20演題ほどのようで、国内学会の会員数の比率で見ると、細菌学関連の参加が少ない。AIFII を主催・共催する国内研究機関に細菌学関連の研究室が少ないことも影響しているとは思うけれど、それは別にして、日本細菌学会を通じてもっと AIFII を宣伝しないといけないのかもしれない。細菌学会の理事でも監事でもないのだけれど、そんなことを考えた。

 ツラツラと書く、とは言ったものの、さすがに長くなったので次回に続く、、。


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2014年09月10日

過ぎゆく夏と研究ストレス

 ここのところずいぶんと涼しくなって、夏が足早に去ってしまったかのようである。新聞によると、8月のあいだ大阪では猛暑日がゼロだったということだ。

「今年は、大阪には夏が来ぇへんかったな、、、」と研究室で喋っていたら、今春に帯広畜産大学からやってきた福島県出身のイッシーが「えっ?充分暑かったじゃないですか?」と戯(たわ)けたことを言う。なに言っとる、そんなたるんだ奴には大阪の夏の本当の恐ろしさを見せて懲らしめてやらねばならん。こやつを懲らしめるために(なんでやねん)、来年は夏らしい夏が来てくれますように、、と心から天に祈ってやった。しかしほんと、今夏に新調した七分丈ジーンズもリゲッタ・カヌーサンダルも半袖シャツも、活躍の場があまりなかったのでちょっと欲求不満気味である。

 夏が過ぎたといえば、この夏の間に書き上げたかった論文の進捗がはかばかしくなくて、こんなに涼しくなっているのにまだ完成からはほど遠い状態だ。仕事自体の進捗もあまりよくない。もうそろそろ科研費の申請時期が近づいてくるが、その計画調書の業績欄に前年と同じ業績を書かねばならないことに気がついて愕然とする、、、そんなことが今年も繰り返されるかもしれんと思うとぞっとする。これって、研究者にとっては結構なストレスである。

 論文が書き進められないのに、この7月中旬あたりから出張用務は次々とあるわ、天から用事が降ってくるわ(人はこれを雑用と呼ぶ)で、先週あたりからストレス絶頂の日々を送っている。ストレスが溜まると溜息が出る。これは真摯に人生を送っている人間の真っ当な生理である。今日も朝から知らない間に何度もため息をついていたらしい、それをテクニシャンの小林さんに「もうっ、センセ、さっきからため息ばっかりりついて、、」と叱られた。私は心のうちを隠せないオープンなタイプだ。ため息くらい出るわっ。

 んで、今日は午後から長い会議に出席。「うぅっ、またストレスが溜まるっ、、」とフラフラになってラボに戻ってくると、テルチーとテルチーを指導しているなかぴょんが待ち構えていた。仕事の進捗の報告と相談をしたいということだ。
「うぅっ、、またストレスが増えるのか?、、」と思って話を聞いていると、しかし実は彼らはよく頑張っていて、この数週間でかなり進展した研究の様子を聞かせてくれた。ここ20年来、少しずつ試しては止めていた仕事にようやく光明が差すかと期待させてくれるかのような話だった。テルチー、なかぴょん、、頑張ってくれてありがとう、、。この調子で、行けるとこまで行きましょー。、、、いきなりストレスが晴れて元気になった。研究する生活とはそんなものだ(と信じたい)。

 ということで、その晴れやかな気分で嬉しくなって、用もないのに実験室をスキップしながら歩き廻っていると、イッシーのずっと上手くいっていなかった実験にも明るい兆しの結果が出たらしいことをさらに聞いた。

 これを聞いて、ストレスはすっかり晴れた。

 研究する生活とはそんなものだ、、。


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2014年09月08日

1TBのインパクト

 Dropbox というクラウド型のストレージサービスの有料プランの使用可能容量が1TB に増量された。クラウド型のストレージサービスというのは、自分の書類をサービス会社の提供するサーバーに置き、自分の端末でいつでも見られるようにしておくというものである(正確には違うかも知れんが、1ユーザーとしてはそんな理解だ)。料金は99ドルである。

 このサービスを利用すると、研究室のデスクトップであれ出張中に使うモバイル PC であれ、登録しておけば、dropbox を通じていつでも同じ書類を使って仕事ができる。書類の内容に更新があれば、クラウド経由で登録した全ての端末の書類を同期してくれるので、非常に便利である。

 以前の使用可能容量は250GB だった。これでも充分なのだが、今回はそれが1TB に増量された。んで、これを機会に、仕事用の全ての書類ファイルを dropbox に放り込んで、全ての書類を同期化してやろうと目論んだ。しかし、念のため自分の全書類フォルダの使用サイズを見ると50GB 程度しかない。これなら別に以前の250GB の時代でも充分だったのだけど、、、まぁとにかく、、この50GB のファイルを全て dropbox に移すことにした。方法は、自分のオリジナルのフォルダを dropbox の仮想フォルダ(といっても、端末のハードディスクに実装されている)にドラッグ&ドロップするだけ。簡単だ。

 ところが、1TB の大容量を目の前にして、50GB というファイルサイズを甘く見ていたようだ。暫くして同期状況を調べてみると、50GB をすべてサーバーと同期するのに70~80時間かかる予定だと表示された。ということは、サーバーで同期された書類が別の端末に書き込まれるのにも同じ時間がかかるということか、、。ひぇっ、あかんがな。この日は、出席予定の毒素シンポジウムが開催される9月3日の三日前だった。こんな事をしていたら、発表に使うスライドファイルの同期はおろか、編集もままならんようになる、、。スライドファイルはだいたいのアウトラインは整理しているものの、まだまだ改訂が必要なのに、、、。もちろん、シンポジウム会場に持ち込むのはデスクトップの iMac ではなく、ノート型のMacBook Air だ。、、、学会前にいらんことをしてしもたと、ジワッと焦る。

Dropbox で同期中のフォルダ内にある書類を改変すると何が起こるかわからない。大事な書類をそんな危険に晒すことはできん。仕方ないので、別にスライドファイルのコピーを作ってそれを編集することにした。しかし、いま使っている iMac は2011年版で、私の酷使でクタクタになって処理速度がなんか遅くなっている。、、そこで、時間がないのだが、少しずつ匍匐前進するかのようにスライドを改訂して、夜は電源を切らずに夜通し同期を進行させて、、2日目の夜にやっと同期も改訂も終了した。

 50GBのファイルの扱いでこの体たらく。1TBのクラウドストレージを扱うには、使ってるコンピュータのスペックが低すぎんのかも、、。

 ふっふっふ。仕方ないから Mac Pro に買い換えるか? ほんと、仕方ないから、,揺れるハート


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posted by Yas at 21:12| Comment(0) | コンピュータ & ガジェット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月30日

解体的出直し

理研:再生研の規模半減の解体的出直し 改革行動計画発表
ーー毎日新聞 2014年08月27日 10時02分(最終更新 08月27日 13時06分)より抜粋ーー
 STAP細胞の論文不正問題を受け、理化学研究所(野依良治理事長)は27日、論文作成の舞台となった発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市)の「解体的出直し」などを柱とした改革のアクションプラン(行動計画)を発表した。CDBは規模を現在の半分程度に縮小し、今年11月までに「多細胞システム形成研究センター(仮称)」に再編される。
 CDBには現在、約40研究室あり、所属する研究者は約450人。その研究室を半減する。まず5種類の研究プログラムのうち、ベテラン研究者を中心とした「中核プログラム」とセンター長直轄の「センター長戦略プログラム」を廃止する。残る研究室は一部を理研の他のセンターに移すなどして再編する。所属する研究者の雇用は維持する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 理研にとってよろしくない出来事(大半は理研自身の責任によるのだが)が重なったとはいえ、研究室半減の措置は決して軽くないと思う。何らかの基準をもって、存続させる研究室と廃止させる研究室を決めたのだろうが、線引きされて廃止が決定した研究室のメンバーはやりきれない気持ちだろう。雇用は維持されるというが、真摯に実験をしてきた研究グループに手を入れられる、その心情は察するにあまりある。

 先日、サーヤが少し嬉しそうに実験データを私に見せにきた。これまでどうしてもはっきりとした実験結果が得られずに一度は放棄した作業仮説を裏付けるデータが出たのだという。その実験の結果だけを見ると、なるほどそのように解釈できる。しかし私は「この実験結果は、自分に都合のいいデータだけをピックアップしたように見える。現時点ではこの結果に基づいた結論を支持できない」と言って突き放した。嬉しそうにしていたサーヤには悪いが、私としては客観的に見た当然の判断である。
 彼女には、1)上手くいったときの実験条件と上手くいかなかったときの実験条件を比べて違いを洗い出し(このためには実験ノートに実験過程が適切に記載されている必要がある)、上手くいくための条件を確定すること、2)その条件で実験が上手くいくことを確かめるのと同時に、上手くいかないと思われる条件でやはり上手くいかないことの再現を取ること(つまり、見い出した条件が実験データを確定するのに必須であることを証明すること)を求めた。でなきゃ、STAP 細胞と同じになってしまうがな、、。と付け加えた。現在、検証実験が進行中という STAP 現象問題は、未熟な研究者にとって「舌切り雀」くらいの教訓話にはなっている。

 冒頭で引用したのと同じ毎日新聞がその後の社説で、理研の改革アクションプランが手ぬるいと批判した(8月29日版)。曰く、「理事が刷新されていない」「改革が CDB にとどまる」「理研本部の幹部責任を含め、もっと踏み込んだ改革が必要だ」「CDB の研究者約450人の雇用は維持される。多くの研究室の場所も当面は変わらない。STAP 問題とは関係のない研究者に配慮した対応だが、看板の掛け替えに終わらせてはならない」
 相変わらずの大新聞の大上段で嵩(かさ)にかかった批判には首を傾げる。この社説氏は、STAP問題にかかわる理研の何が問題で改革案が手ぬるいと批判するのか、私にはわからない。広報のやり方や、論文の不適正な内容が発覚した後の対処が悪かったとしても、、(さらに、実力のない研究者をよく調べもせずに PI( リーダー)として 採用したり、実験結果の吟味もせずに論文化に邁進したとか、、確かにたくさん拙い部分はあるとしても)、理研が組織ぐるみで故意に不適正な内容の論文を公表し、反社会的なやり方で Nature 誌にその掲載を強要したわけではないのだ。ついでに言えば、私は、自分の経験から考えて、小保方氏には不正をしたという認識はないと思っている(関係の一連の記事はこちらからどうぞ)。ただひたすら未熟であったために致命的な誤謬を犯してしまったということではないのか。無論、これは法に触れる犯罪ではない。

 高額の予算を使って実験をして、再現性のない結果を公表しているのは反社会的な行為である、という論評も目にしたことがあるが、これは実験科学のことをあまり知らない人の考え方だ。巷には再現性のない実験結果を含む科学論文などたくさん存在する。だからSTAP問題も別に構わないと言っているのではない。ある時ある場所での実験結果が再現できないなどということの原因はたくさんあって、つまり実験結果がなぜか再現できないということはたくさんあって、それは研究の不正とは別の問題なのである。不正を働いて再現性のない結果を雑誌に掲載している研究者など全くいないとまで言うつもりはないが、,。それに、通常、研究の80%は上手くいかない(ホリグチの実感)ものだ。もし前出の意見が「予算を無駄にするのが反社会的行為」という意味を含むのなら、80%の予算を無駄にする(真の意味で無駄ではないのだけれど、、)科学研究そのものが反社会行為ということになってしまう。たくさんの失敗や誤りの先に、研究の進展はある。、、ただし、先述のように、高額の予算を獲得している研究組織として、STAP問題にまつわる理研の対応が拙かったのは確かだと思う。
 
 それ相応の責任が理研にあるのは否めない。しかし、もう少し静かに理研の改革の努力を見守ることはできないのか。STAP 細胞にも理研にも、直接には縁もゆかりもないそこら辺の細菌学者はそう思う。


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2014年08月26日

一泊二日の紀伊半島ドライブ(十津川〜熊野)


 前回の続き。紀伊半島半周ドライブの報告。

 串本から紀伊勝浦を抜け新宮市から熊野川沿いの国道168号線を上流に向かって走る。いつもなら熊野川の清らかな水の流れが望めるのだが、この日はどうやら7月の台風の影響が残っていたらしく、どこまで遡っても川は赤茶けた濁流である。川辺には打ち上げられた流木が多数で、山崩れとおぼしき川岸の様子にも何度か遭遇した。しかし、道路自体はクルマ通りの少ない快適なドライブコースでご機嫌である。2時間と少しで宿泊するホテル「十津川温泉 ホテル昴」に到着した。

 このホテルは楽天トラベルで見つけて予約した。広々とした敷地に小綺麗な宿泊施設、温水プール、温泉施設、野外音楽場(だと思う)が余裕たっぷりに配置されている。部屋も美しかった。ただ、愛犬ミューのために予約したペットハウスがあまり良くなかった。ペットハウスと看板が掛かっているが、中身は三畳ほどの木造小屋でやはり木製の犬小屋が三つ置かれているだけであった。不特定多数のイヌが入れ替わり立ち替わり利用するであろう施設に消毒の難しい木製ケージはいただけない。ケージの内側を見ると、これまでのイヌたちが噛んだり引っ掻いたりしてできたキズがたくさんあった。そういえば、イヌの宿泊要件にはワクチン接種歴なんかの健康管理に関する要件がなかったな、、。イヌ用宿泊施設を作るのに専門家のアドバイスを受けなかったのかな、、こりゃダニを伝染(うつ)されるくらいは覚悟した方がいいかも、、と思いながら、一泊だけなので愛犬ミューには我慢してもらった。(とりあえず、ドライブから戻って4日間経ったが、今のところ彼は健康である)

IMG_2179.jpg しかし、このホテルに関する不満はそれだけで、他は全て素晴らしかった。温泉の泉質は、風呂好きではない私でも「こりゃええわい」と思うほどスベスベポカポカで極上だったし、食事も山の中のホテルとは思えないほど上品な味付けで最高だった。アマゴの刺身、鮎の塩焼き、大和肉鶏すき焼き、アマゴや山菜の天ぷら、お吸い物、、とっても美味しゅうございました。

DSC01544.jpg 二日目。朝早くにホテルを出て、近くの熊野古道を散策、、ではなくて見物する。私にも家内にも娘にも、散策するほどの根気はない。50メートルほど古道を歩いて、世界遺産の写真を撮ってそれでおしまい。それでも古道の雰囲気は味わえた(と思うよ)。


DSC01549.jpg
 古道の周囲には花畑が設えられている。地域の方が心を砕いて整備されているのか、世界遺産ということで、自治体がお金を掛けているのか、、。ちょっと整いすぎているような気がした。


DSC01563.jpg
 そこから瀞峡巡りのジェットボートに乗りに向かった。この日も、ボート乗り場のある熊野川や瀞峡のある北山川の流れはしっかりと茶色く濁っている。なんかイマイチやな−と思って乗船したけれど、川を伝わる風は涼しいし、景色はよいし、魚が跳ねたり水鳥がすぐ近くをボートと並んで飛んでいたりして思いのほか楽しかった。

DSC01568.jpg んで、最後に。ボート乗り場から30分ほどクルマを走らせて、熊野本宮大社にお詣りした。本宮界隈の街路は綺麗に整備されていて上品な佇まいである。やたらと外国人が目につく。熊野本宮大社にお詣りするような外国人観光客って、きっと日本好きなんだろうな、、「日本を気に入ってくれてありがとう!」と勝手な想像をしながら彼らがソフトクリームを買ったり、ジュースを飲みながらバス停でバスを待っている様子を(やっぱり勝手に)暖かい目で眺めたりした。、、、、。本宮大社は、神門内では抱きかかえないといけないけれど基本的にはイヌのお詣りも OK である。そこで愛犬ミューと一緒に熊野坐神(くまのにいますかみ)に二礼二拍手一礼。八咫烏にもご挨拶して帰路についた。熊野本宮から再び十津川に出て、そのまま国道168号線を北上、五條市、御所市、葛城市を経て南阪奈道路・近畿自動車道を走って帰宅。

 一泊二日で 500 km 弱のドライブ旅行であった。楽しかったけど、もうちょっとトビウオ丼を食べたかったかな。トビウオ丼、美味しかったですよ、、みなさん、、。

 
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2014年08月23日

一泊二日の紀伊半島ドライブ・串本

 この木曜日(21日)と金曜日(22日)にお休みをいただいて、紀伊半島を半周ドライブしてきた。今回の目的は、トビウオ丼を食べることにある。前回5月に、桜エビ丼を食べるために静岡方面にドライブしたが、「◯○を食べる」特集の第二弾ということになる。
トビウオ丼は、紀伊半島の先端に位置する串本市が町おこしのために最近売り出しているらしい。あるテレビ番組で見て、なんかプリプリしていて美味しそうだったので食べたくなった。

 私の学生時代などは紀伊半島をドライブするのは簡単ではなかった。半島を一周する国道42号線は「死に号線」と異名を取るほど上り下りとカーブの連続で走りにくい道路だった。しかし今は白浜手前まで高速道路が延伸されているし、高速道路を降りたあともバイパスがある程度整備されているので、それほど辛くはなくなった。伊丹から南進して尼崎から阪神高速道路湾岸線に乗り、阪和自動車道と国道を経て3時間半ほどで串本に着いた。目指すは串本海中公園センターである。ここのレストランのメニューにはトビウオ丼があり、かつ公園事務所でイヌを預かってくれる。

IMG_2173.jpg
 これがトビウオ丼。期待に違わず、もちもちプリプリとして美味しかった。トビウオの身は、他の魚ではあまり味わえないほど弾力と甘みがある。時期はよく覚えてないけど、トビウオ丼はたしか期間限定だ。今年食されたい方はお急ぎを、、。


 んでトビウオ丼のついでに、公園内にある水族館及び海中展望台&グラスボート(遊覧船)を楽しんだ。串本沖の海は亜熱帯魚種の北限でありかつ温帯域の魚種も見ることができるとかで、その生息魚種数の豊富さは国内随一らしい。確かに、グラスボート乗り場からは熱帯魚ショップで目にするコバルトスズメダイの群れを簡単に見ることができたし、グラスボートのポイントでは優雅に泳ぐアカウミガメにも出会った。グラスボートからでもこれほど楽しめるのなら、実際にダイビングすれば、もっと楽しんだろうな。

DSC01521.jpg
 これは水族館で見たアオウミガメ、、。グラスボートで見たのはアカウミガメ、、。ガイドのお姉さんにアオウミガメとアカウミガメの見分け方も教えていただいた、、、。



IMG_2176.jpg
 これは海中展望台で見たハリセンボン。いつまでものぞき窓の前で泳いで観光客に愛想を振りまいていた、。野生のハリセンボンくんである。




 とまぁ、ひとしきり串本の海を楽しんだあと、この日の宿泊先である十津川に向かった。十津川は紀伊半島の山中にある。串本からは42号線を勝浦・新宮経由で120 km の距離だ。

(つづく)


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2014年08月15日

咳発作の人体実験、、

私の研究室では、主にボルデテラ属細菌の病原性や宿主特異性についての研究を行っている。ボルデテラ属の代表的な病原細菌はヒトに感染する(ヒトにしか感染しない)百日咳だ。その他に、多種多様な哺乳動物に感染する気管支敗血症菌がある。これまでに知られている百日咳菌と気管支敗血症菌の病原因子はほとんど同じで、それぞれ相同性が高い。それでどうしてこんなに宿主特異性が違うのか?というのが私が課している question である。

それともうひとつ。
百日咳という病気の特徴は「百日も続く」と云われる咳発作にある。同様の咳発作は他のボルデテラに感染する動物でも認められるので、ボルデテラ属細菌に共通の病原因子によると推定できるが、その病原因子もわかっていない。だから、咳発作の発症メカニズムも不明である。

とまぁ真面目くさったことを書いたが、実は私はここのところ咳に悩まされている。百日咳ではない。先週に患ったノド風邪の患部が気管支あたりに移って、今週初めからずっと咳が止まらないのである。就寝時などはとくにひどくて眠れなくなるのでほんとにイヤだ。
でもどうせ苦しいのなら、ただ苦しんでいるだけなのも馬鹿らしい。せっかく咳発作のような症状が出ているのだから、百日咳の研究に役立つかもしれんと、自己分析してみることにした。

咳反射が起こるときのメカニズムはどうなってるのかしらんと、自分の胸の感触を確かめてみる。ふむふむ、咳をする直前に確かに気管支あたりがゾワッとするわい、。じゃぁ意識して咳を止められるのか?、と思って咳が出るタイミングで頑張って口を閉じてみたら勢いよく鼻から洟(はな)がでた。、、やっぱり止められるわけがない、、なるほど咳反射である。クスリも何種類か試してみた。咳中枢反射の阻害薬(名前は伏せる)はあんまり効かないけど、気管支拡張剤は少し効く(よい子は真似をしてクスリを取っかえ引っかえしないようにね)、、。百日咳はどうやろなー、反射阻害薬はあんまり効かんというから、やっぱこんな感じかなー、、。気管支でなんか分泌物(メディエーター)が出てる感じはあるかなー、、と目を閉じてノドの奥の感触を探ろうとするけど、、咳き込むばかりでわかるわけもない、、。

そりゃそうだ。ブドウ球菌食中毒で「あ、いまエンテロトキシンが腸管で作用してるな」とか、コレラに罹って「あ、腸管上皮細胞のcAMPが増加しとる」とか判るわけもなし、、。いくら眠れないからって、全く時間をムダにした。

、、まぁ、、研究熱心ということで、、、、。


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posted by Yas at 21:50| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月12日

若手コロッセウム・8月上旬

長いこと更新が滞っていた。すまん。

8月6日から9日まで北海道にいた。6日から3日間の日程で開催された「細菌学・若手コロッセウム」に出席するためである。今回の開催地はニセコ。札幌から車で2時間と少しの距離である。この研究会のことは第1回から前回の第7回まで、全てこのブログでアップしているので「若手コロッセウム」で記事検索してみてちょ(さぼってすまん)。

夏の北海道ということで爽やかな気候を期待していたのだが生憎の天気で、じめじめとしてかつ肌寒い天候の続いた研究会だった。この会は細菌(含真菌)を題材にした研究ならどの分野でも OK という懐の深い研究会である。モデル細菌の転写・翻訳制御、病原細菌、エコロジー、極限細菌、なんでもありだ。発表者は概ね若いが「若手コロッセウム」という名前がついているからといって、年齢制限があるわけではない。今回は一般演題に加えて二つの特別講演と多数の招待演者による企画セッションがあって、プログラムはてんこ盛り状態である。昼食時間にもランチョンセミナ−がセットされているので、息をつく間もない。

特別講演のひとつは漫画「もやしもん」の作者である石川雅之さんによるパネルディスカッション(といっていいのかな、、)であった。いくら人気の漫画家さんとはいえ、学術集会で招いたりしたら本人も困るやろ、と心配したが、石川さんご本人は周囲に非常に気を使う方のようで、上手く会場をコントロールして話を進められたので楽しく時間を過ごすことができた。、、なかには石川さんがいらっしゃるというので研究会に参加を決めたというけしからん人もいたが、、、まぁいいか、、。その本人は石川さんに会えて、見ているこっちがほのぼのとするほど無茶苦茶喜んでいたし、、。

IMG_2161.JPG石川さん、参加者全員にオリゼー(コウジカビ)つきの名札を夜中の間に作成してくれた。やはり非常に周囲に気を使う方である。石川さん、ありがとう、、。一緒に写真を撮っていただいたとき、私は「あしたのジョー」の T シャツを着ていた。全く失礼なやつである。「『もやしもん』の T シャツじゃなくてすいません」と言ったら、「いや、そんなことないです。私、ちば(てつや)命ですから、、」と仰った。、、ほんとに非常に気を使われる方である。

ところで、私。会場で空調の風の当たる場所に陣取って口演をずっと聴いていたら、ノドが激しく痛くなってきて、夕食後の懇親会(飲み会)ではすっかり声が出なくなってしまった。大阪を発つ前から少しノドが痛いなと思っていたのだが、どうやら空調の風で悪化したらしい。最終日には少し回復したが、ガラガラ声で質問して会場で失笑を買ったり、閉会のご挨拶を務めたり、、。研究会終了後、飛行機の都合で札幌で一泊したら、再び悪化して声が出なくなっていた。この状態で、空港の案内で土産物屋を尋ねるのにひと苦労したり、騒々しい飛行機内で毛布をもらうのに「もうふっ! もううふっ!!」と出ない声でお願いしても、CA さんは耳に手を当てて「はっ? はぁ?」と何度も聞き返すばかり(吉本新喜劇かっ!?)でラチがあかんかったり、、。

そうこうして、自宅に着いた頃には関節痛と悪寒の風邪の典型症状が出て、激しく咳も出始めた。日曜日は自宅でノタクタ、月曜日は大学に出たものの必要最低限の仕事をして昼過ぎに早退して、、、。

そうして、8月6日から11日までが過ぎていったのであった、,。あ、おかげで今日はかなり元気になりました。声はまだハスキーですけど、、。


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posted by Yas at 19:09| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月31日

バイリンガル会話形式でコメントしていきます

私は英会話にかなりのコンプレックスを持っている。けれどだからといって英会話学校に通ったり英会話雑誌を購読したりしているわけではない。ずいぶん昔は「駅前留学」してましたけどね、。

ただひとつ、今は、クルマで通勤するときの往き帰りにカーオーディオ(に繋いだ iPhone )で、英語のポッドキャストを聴いている。定期購読しているのは科学雑誌の Cell, Nature, Science のポッドキャスト版、それからベタなところでは「ポッドdeモット英会話」や「English as a Second Language」などだ。雑誌系のポッドキャストは定番なのでずっと講読しているが、英会話系のものは、あーでもないこーでもないといろいろと自分にあったものを探しながら取り替えている。

スクリーンショット 2014-07-23 20.05.58.pngそこで、最近見つけたのが「バイリンガルニュース」だ。ポッドキャストの説明によると「世界で話題のニュースをユニークなバイリンガル会話形式でゆるーく無料配信しています」とのこと。聴いてみると全くその通り。巷の話題をゆるーく紹介している。キャスターはマミという女性とマイケルという男性である。マイケルが基本的に英語で、マミが日本語で話題について会話するというシュールな形式である。英語が聞き取れなくても、そのあとの日本語で会話の流れがフォローできるので、難しい英語教材のように途中で投げ出すようなことはない。しかも、友達同士が(多分ホントに友達同士なのだろう)気楽に話をしているように番組が進行するので、話が途切れたり飛躍したり、途中で表現を変えたりという、ナマの英会話でよくあるロストしがちな状況が何度も出てくるので結構ためになる。

実年齢は知らないが、女性キャスターのマミさんの声は若くて少しだけ舌足らずな日本語の発音をする。まるでそこら辺の女子高校生みたいである(そこら辺の女子高校生の皆さん、変な例えに使ってすいません)。この人がゆるーくニュースを語る。第一印象は正直言って「なんや? バイリンガルの若い子がええ加減なコメントをしとんのやろ?」と思ったが、実際は全く違った。この人は実に様々な角度からニュースを突っつく。論評ではない。まさに「突っつく」というのがぴったりのコメントをする。これは多分、日頃から色んなことを色んな角度から考えていないとできないことだ。知識も豊富である。またなぜか番組で取り上げられる話題は、科学的なものが多い。最近では Science や PLoS One (という科学雑誌)に掲載された論文の内容を話題にしていた。またある日などは、避妊の話から転じて、マミさんが黄色ブドウ球菌感染症である tampon disease にまで言及していて、その知識の豊富なことに舌を巻いたことがある。

相方のマイケルもいい味出している。この人もマミさんと同様で、ユニークなコメントを次々と繰り出して面白い。マミさんよりも、若干まじめなコメントが多いように思うが、それは私にとって苦手な英語がバイアスになっているからかもしれない。

いい番組を見つけたわいと思ってほくそ笑んでいたら、実はこの番組はかなり有名らしくて Wikipedia にも掲載されているほどだった。確かに Podcast のランキングでも上位にランクされているし、番組のfacebook ページも twitter アカウントもある。 この番組、たぶん(リスナーの購読が)長続きするという意味ではお勧めできる番組である。ただし、ホントに英語の勉強になるかというと、ちょっとわからないけど、、、、。

まぁ、継続は力なりである、、、かもしれない。


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posted by Yas at 22:07| Comment(0) | コンピュータ & ガジェット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月28日

夏来たりなば、、

 先週の金曜日。府立大教授の三宅眞実先生が冷凍ピザを送り届けてくれた。眞実ちゃんに限らず、いつもこの季節には何人かの OB から贈り物をいただいている。みなさん。いつもありがとうございます。お心遣いに感謝いたします。

IMG_2154.jpg
 このピザ、有名なイタリア料理店「ポンテ・ベッキオ」が贈答用に通販しているらしい。5枚で1組になっている。早速、そのうちの何枚かを焼いていただいた。いわゆるアメリカンピザとは違うイタリア系のピザで、控えめなソースで小麦粉の香りと具材そのものが味わえて、大変美味しゅうございました。
 焼けたピザの写真を撮るのを忘れたので、パンフレットをどうぞ、、。



 さらにこの日は夏の慰労会とのことで、研究室の有志で近くの千里阪急ホテルのプールサイド・ビアガーデンに出向いた。場所は千里中央だ。山の上でも何でもない屋外なので暑いうえに、到着したときはまだ陽が沈んでいないので、直射日光下の暑い最中にビールを飲み始めることになった。暑い暑い。、、しかしやがて陽が沈み、涼風が吹いて、、、爽やかにビールを楽しめる、のかなと思っていたが、さにあらず。陽が沈んでも、日中に温められたプールサイドのコンクリートが熱を含んでていつまでも暑い。風は吹くが、生ぬるい、、、。そのおかげと言うべきなのか何なのか、とにかくビールは進む。、、、アニメの話、漫画の話、トリビア話に馬鹿話。平日は忙しく立ち働いていて、なかなかみんなでゆっくり話をしたりする機会がないので、いい懇親の機会にはなった。暑かったけど、、。

 写真は、漫画の話のついでに、矢吹丈の伝家の宝刀「トリプルクロスカウンター」をイッシーにせつめいしているところ、、、(撮影:なかぴょん)
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 ということで、夏は真っ盛りである。来週から8月だ。研究室では公式な夏休みは設けないが、メンバーはみんな思い思いに休暇を取る。研究室のジャーナルクラブやプログレスミーティングも8月中はお休みする。適度に休暇を取って、また仕事に邁進していただければ結構だ。

 そんなことを書いていて、ふと教授室のベランダを見ると夕方の日影が少し前よりも長く伸びているのに気がついた。そうか、夏至は6月下旬だから、もう太陽が低くなって日が短くなり始めてるのだ、。そうか、地球は秋に近づいている(?)。、、季節は巡っているのだ。

 そうか、まだ暑いけど、これからも暑くなるけど、もうすぐ秋だ。

 仕事しなきゃ、,。
 
 
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posted by Yas at 21:41| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月24日

久しぶりの東京と、千葉大学で講義/講演

 今週の火曜日に千葉大学大学院の医学薬学府の講義に行ってきた。

 前日の月曜日の夕方に東京に到着して、愚息と愚息の彼女と一緒に焼き肉を食べた。場所は西麻布。北里のあべっちお奨めのお店である。場所柄、さぞ高いだろと覚悟していたが大したことはなかった。肉も美味しかった。愚息は大学院博士課程の最終学年である。研究に関わる仕事に就くつもりのようなので、来年度からの人生設計などを聞く。いい大人だし心配はしていないが、私とは研究分野が違うのでポスドク事情などが違うかもと思って聞いてみたら、どうやら同じようなものらしい。そうか、これからイバラの研究人生を始めるのか、、と心中思いながら話を聞いた。

 食後、歩いて広尾駅から地下鉄に乗って東京駅に出て、総武線経由で千葉駅に到着。駅前のホテルに泊まった。

 次の日は午前中10時半からの講義である。対象は薬学系の大学院生だが、生物系の学生だけではなく化学系の学生も含まれているとのことだった。ここでも「細菌毒素学」の talking class を展開する。概ね反応は良かったが、やっぱり化学系とおぼしき学生さんにはキツい講義になったようだ。招待いただいた山本友子先生、高屋明子先生と昼食を楽しませていただいたあと、さらに午後に一コマの講義である。あらかじめ「講演を兼ねたような講義で、、」とお話を聞いていたので、この時間は「細菌毒素学実践編」と称して思いっきり未発表の up-to-date な仕事の話をしたら、半分くらいの学生が寝た。わはは、。しかしこれは覚悟の上である。ナマの研究の様子を大学院生に紹介するのと同時に、実は山本先生や高屋先生に聞いてもらってご批判いただこうと思っていたのだった。んで、先生方にはいろいろと興味を持っていただいたようで、当初の目的を達成した気分で嬉しく千葉大学を辞した。

 夕方には都内に戻り、毎度おなじみ北里大学のあべっち、くわえっちの両先生と、久しぶりに田町の「湯浅」で飲んだ。同じ業界で数少ない、全く遠慮なくハナシができる二人である。共同研究の話、予算獲得の話、学会のあり方の話、日々の馬鹿話で3時間、あっという間に過ごした。医科研のミムミムも誘っていたのだが、彼女は到着が遅れたので最後の30分だけしか一緒に飲むことができなかった、、もっとも、彼女は今は○○中なので(あえて伏せ字)飲むわけにはいかんのだが、。

 帰りの新幹線は iPad で「清洲会議」を観た。三谷幸喜作品にしてはくだらんギャグが少なくて(ちょっと寂しい)、芸術的アングルを意識したような映画だった。まぁ、これもいいかも、、。

 んで昨日のこと。また別の大学などから、二件の講演依頼をいただいた。研究の話題にしろ、プレゼンのハウツーにしろ、業界で自分に需要があるのはよいこと、と最近は考えていてありがたくお受けすることにした。んで、山本友子先生からもメールが届いた。儀礼上の挨拶メールかと思ったら、それだけではなく「『細菌毒素学』の講義を、今度は学部生に講義してもらえないか」とのご依頼もいただいた。もちろんお受けした。なので、今年中にもう一度千葉大学を訪れることになった。

 何であれ、自分に需要があるのはありがたい。


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posted by Yas at 22:25| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月21日

実験は失敗する。時間はない。やっとの思いで取れたデータはすぐに陳腐化する。

いま開催されているツール・ド・フランスに刺激されてか、ここのところ自転車通勤の頻度が少し高い。自転車通勤を始めてもう10年以上になるが、その間に自宅−大学間のコースがすっかり固まってしまって、実は目新しいことが殆ど無いのでそういう意味ではあまり面白いわけではない。伊丹から旧西国街道をひたすら走って小野原から大学に入るか、旧西国街道よりも北側の箕面の住宅地を走って小野原から大学に入るか、あるいは伊丹空港の地下道路を抜けて千里川沿いをひたすら走って、豊中緑丘から小野原に抜けて大学に入るか、、といったところである。

大阪といっても、北摂はまだまだ田畑が多い。どのコースをとっても、箕面のあたりでは広々とした田んぼ風景も楽しむことができる(小野原にもかつては、のんびりとした田園風景が広がっていた。)。そこで、今頃の季節になるといつも感じることがある。田植えの時期は同じ頃のはずなのにこの時期には稲の成長具合が田んぼによってずいぶんと変わってくるのだ。成長の早い田んぼは毎年成長が早いし、稲穂の成長が遅くて、なんか貧相な田んぼは毎年貧相である。同じ時期に苗を植えてるのに、種籾が違うのやら田んぼが違うのやら日当たりが違うのやら世話をする人の能力が違うのやら、、、。なんだか研究室ごとの業績に差がでるのを見ているようで、辛いものがある。

プロジェクトが何種類か動き出して、数年前のピンチはなんとか脱することができたと以前に書いた当研究室の仕事だけれど、なかなか区切りをつけて論文を書き始めるところまでいかない。研究室のメンバーはみんな勤勉で、サボっているというわけではないが、大切な局面で仕事の進捗が遅いのは確かだ。絶対に失敗を繰り返せない時や大事な実験がピークを迎える時は、集中して仕事をしないと進捗を大幅に遅らせることになる。これができない人が目につく。私が自分で実験をやっていた頃の私を含めた同年代の人達と最近の人達を比べてみると、いまの人達にはおっとりしている人が多いのかもしれない。いや、昔の人たちがガツガツしていたというべきか、、。あの頃、私の周囲にいた人はみんなせっかちで、競争するかのように(実際競争していたのだけれど)実験のスケジュールを詰めるだけ詰め込んで、無駄をしながらたくさんデータを取っていた。「実験は失敗する。時間はない。やっとの思いで取れたデータはすぐに陳腐化する」そんなふうに思って焦っていた。それに比べると、いまの人達はずいぶんとおっとりとしている。

実験を計画し、何日もかけて実験結果を出して、その結果を見て次の計画を立てる。普通はそうして研究は進むが、急いでデータを出す必要があったり、大切な局面などではそれでは遅い。1つずつ実験をしていたのでは、実験が失敗した時にそれをリカバーするためには必ず2倍の時日がかかってしまう。計画した実験が上手く行っても行かなくても、仕事が立ち止まらないように複数の実験や準備を並行させる必要がある。けれど、それを上手く出来る人がなかなかいない。どうも、計画した実験は必ずうまく行くと潜在的に思っているようである。競争することに慣れていないのか、上げ膳据え膳で育ってきて「うまくいかない」という感覚を知らないのか、。そういう意味では、昔は(というか私の周囲にはというべきか、)ハングリーだったというかギスギスしてたというか、「いらち」(関西弁でせっかちのことです)が多かったというか、、。おっとりと生まれ育ってきた人に、その感覚を教えこむのは難しい。でもそれができないと、複雑な実験を乗り越えたり、思い切ってプロジェクトに踏ん切りをつけて論文化するというのはなかなかできないと思う。テクニックの一つとして、実験のスケジュールを重ねるということを教えないといけないのかも、と最近思い始めている。

ところで、いま新幹線車内。明日(22日)の午前中から午後にかけて、ふたコマの講義を仰せつかって千葉に向かっているところである。


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2014年07月09日

梅雨の最中、決死の査読

 先月末、別の科学雑誌2カ所から同時に論文査読の依頼が来た。どちらも中堅の雑誌で、いわゆる一般誌(general journal)に掲載を拒否されたときに細菌学関連では、その次かその次の次くらいの候補に考えるような雑誌だ。査読期限は2週間。

 その2週間は、実はそこそこ忙しいのだが、ひとつの査読依頼は編集者を務める知り合いの研究者が私信で依頼してきたもので、もうひとつは論文の著者が私のよく知る人だった。編集者の苦労を知っている私としては、前者の依頼は断りにくいし、後者も私が断って変なレビューア(前みたいに)に査読が回ったりすると著者が余計な苦労をする羽目になるかもしれない。、、というので、決死の覚悟でふたつとも引き受けることにした。

 皆さんは査読論文をどれくらい読まれているのだろうか? 私の場合、まず軽く一度読んで大意を知る。この時にだいたい、reject か major revision か minor revision かの結論を決めている。この段階で accept の判断はない。それから日を置いて、また読む。この時は少し時間をかけて、論文の論理性、実験方法や結果の妥当性、論文の正確性を吟味して、前に決めた結論を著者に伝えるための、レビューアとしての論理を考える。関連の論文も一応調べる。気になる関連論文は読む。また日を置いて、今度はレビューコメントを書きながら、自分の主張が間違っていないかどうか確かめるために読む。計3回、読むことになる。他の人がどんな作法で査読されているのか知らないが、私としては割合と労力を使っているつもりだ。こんな査読論文が同時にふたつである。私としては結構つらい。断れるのに、自分が査読を引き受けたんですけどね、、、。

 季節は梅雨。いつもこの季節になるとここで文句を書いているけれど、私の教授室の空調は性能が良くない。

IMG_2141.JPG 先日もこれこの通り、温度はともかく湿度が69%だと。これで空調を働かせてるんですぜ。絶対に空調の調子がおかしいと思うのだが、事務方に依頼して検査してもらっても、異常はないと言われる。、、、、ちなみに、この温湿度計の数字の横にある二本のバーは、健康への影響度を示すものだ。これがたしか4本になると熱中症になる危険性があるとかいう。そのうち2本のバーが表示されている、、。 まだ夏のほんの入り口なのにこの有り様だ。デスクもキーボードもトラックパッドも、なんだかベタベタする。じっと考え事をしていると、ポタリと汗がデスクに落ちる。空調の設定は25度の冷房なのに。、、

 んで、さっき。ひとつ目の論文の査読がほぼ終わった。やれやれ、、。ところが、ホッとして、この2,3日に受信したメールを見なおしていたら、学会関連の提出書類の締め切りが今週中なのに気がついた。もうひとつの論文の査読期限はこの週明けだ。、、

 、、もう、、。暑さニモマケズ、湿気ニモマケズ、、、必死にやってますですよ。


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posted by Yas at 22:26| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月05日

「研究者の劇的プレゼン術」電子版の発行

 拙著「研究者の劇的プレゼン術」の電子書籍版が発売されるようになった。

 M2PLUS という医学電子書籍を取り扱うサイトから、冊子体と全く同じ2,900円+消費税で購入することができるので、どぞよろしく。さて今回はその電子書籍の話。

 国内では アップル社が iBooks Store という販売サイトを開いてからようやく話題になりはじめた電子書籍だが、みなさんお使いだろうか? 私は iPad mini と Kindle paperwhite を電子書籍リーダーに使っているが、実は当初思ったほど電子書籍そのものを買っていない。それは、私の本もそうであるように、電子版と冊子体の値段がほとんど変わらないからだ。

 冊子体は商品としての実体がそこにあり、手に取ることができる。それに、読み進むにつれて、開いた本の表紙側のページ数が増えて分厚くなり、反対側が薄くなっていく感覚も好きだ。電子書籍ではそのような感覚は得られないのに、同じ価格。あるいは冊子体の本は「これは良い本だから、キミも読みたまい」と言って、人に譲ったり貸したりできる。これも間違いなく読書の魅力なのだが、電子書籍ではこれができない(端末機器を譲るというならべつだが、、)。なのに冊子体と同じ価格。これはやはり納得がいかない。こうなるとどうしても冊子体の方を購入してしまう。さらに、同じ価格ならまだしも、逆に電子書籍の方が高い場合もあるから解せない。例えば、Amazon Kindle 版の「スティーブ・ジョブズ(ウォルター・アイザックソン、井口耕二)」の価格はハードカバーの冊子体と同じ価格(2,052円)で、ソフトカバー版(1,080円)の倍近い。なぜ電子書籍はハードカバーと同じ値段なのか? これで電子書籍を買えというのは無茶な話だ。iPad を核にして世界に電子書籍を広めようとしたジョブズがこの現状を見たら、どう思うだろう?

 電子書籍のもうひとつの利点は、買った本が邪魔にならないというところだ。けれど、これもどうも効果が薄い。電子書籍になりやすいベストセラーしか読まないという人ならいざ知らず、普通の人は自分の興味で読みたい本を読む。そして、そんな本の多くは電子化されていない。だから、購入する書籍の種類の割合は電子書籍よりも冊子体の方がどうしても多くなる。そして、昔も今も、冊子体の本は自分の部屋に溜まっていく。ということで、電子書籍の充分な利点が見いだせないでいる人は私以外にもたくさんいるのではないだろうか?

 そんなことを常々考えていたら、「書籍販売大手の『ツタヤ』が電子書籍サービス『BookLive』と提携」という新聞記事を目にした。ツタヤで本を買えば、同じ本の電子版を無料で閲覧できるサービスを始めるという。つまり、本を買えば電子版がついてくるということだ。この発想、電子書籍の普及のきっかけになるかどうかはわからないけれど、ユーザーにとってはお得感があるので書籍購入の敷居は低くなるかも知れない。あと、やっぱり、出版される全ての書籍が電子化されるシステムが必要かな、。関係業界の皆様、、ご検討のほどよろしくお願いします。

 ところで、拙著「研究者の劇的プレゼン術」の電子版だが、著者は無料だというのでダウンロードして iPad mini で見てみたら、当たり前だけれど冊子体と全く同じだった。んで、全く同じ値段である。ふーむ、、と考えたところで、回し読みできない(できにくい)電子書籍は、それぞれの人が購入しないといけないのでもしかすると著者や出版社側には都合がいいのかも、と言うことに気がついた。

 そうか、じゃぁ、みなさん、ぜひ電子版をご購入くださいませ、、、うひょひょ、、。


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posted by Yas at 15:23| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月02日

高度副プログラム「感染症学免疫学融合プログラム」

 昨日は「高度副プログラム『感染症学免疫学融合プログラム』」の私の講義担当の第一回目であった。このプログラムは、感染症・免疫に特化した大学院教育を目指して微生物病研究所を中心に企画された。もうこれが始められて4−5年は経っているだろうか? 1シリーズ2年間の課程なので、担当講義は2年に一度の割合で巡ってくる。毎回、テーマをどうするのか考えるのだが、錚々(そうそう)たる担当講師陣の中にあって、生半可な細菌学の大学院講義はできない。それに、講演ではないので自分の仕事の話ばかりするのはよろしくない。ということで、私はずっと「細菌毒素学」の専門的概論(なんじゃそら?)を講義している。細菌毒素の定義と分類、毒素の分子作用機構と病気の関連性などを90分かけて話す。「○○のひとつ覚え」みたいでイヤなので、そろそろ違ったテーマを取り上げたいのだが、そう思っても毎年準備にかける時間が足りずに断念している。しかたないので、これだけまとまった細菌毒素の講義はなかなか聴けるもんではありませんぜ、と自分で自分を慰めたりしている。
 
 講義のスタイルはいつものように「talking class」。学生に質問をしながら話を進めていく。しかし、他大学の学部生を対象にした講義と違って多少高度な話題も盛り込むので、矢継ぎ早に基本的な質問を繰り出すというよりは、どうしても私が話をする時間が長くなって雰囲気が少し重くなる。しかし、さすがにわざわざ「高度副プログラム」を選択してくる学生さん達である。私の質問に対する応答がすこぶる良いし、その内容もなかなかよろしい。ときおり、私の話を止めて質問する学生さんも何人かいた。まぁたまに「わかりません」の一言で済まそうとする奴もいるが、、、全体的には学生さん達がよく考えながら私の話を聞いてくれているのがわかった。気のせいか、みんな私の方をじっと見て、食い入るように講義を聴いているように思えた。

 気持ちよく予定の話を終えて、講義を終えたのが午後12時半。予定通りぴったり終わった。、、、、と思ってラボに戻ると、私と一緒に昼食に出かけるメンバーのみんなが「えらく遅かったじゃないですか〜、、どうしたんですか」と言う。、、、なに言っとる、予定通りやがな、、、なに? 講義は12時まで?、、、がびぃーん(あ、べたな表現)。どうやら私は終了時間を間違えて30分も余計に講義をしたらしい。、、そうだ、そういえば講義開始当初は終了は12時と意識していた記憶がある。それが気持ちよく喋っている間に、どこかで勘違いが入ったようだ。がびぃーん。じゃ、2時間も講義をしていたのか、このワタクシは。途中、「12時半までまだ時間があるな」と、予定にないエピソードを盛り込んで時間調整までしてしまった。、、、あかんがな。拙著「研究者の劇的プレゼン術」でも時間超過は悪であるとはっきり書いたこのワタクシが、、30分も時間を超過するなんて。それで講義の後半、みんな私の方を食い入るようにじっと見ていたのか、、。「このおっさん、悦に入って時間超過して滔々と喋りやがって」と思われてたやろな、きっと。それにしても聴講生の中には、ウチのラボのイッシーもいたのだから、一言「せんせ、講義は12時終了の予定なんですけど」と言ってくれれば良かったのに、、、、ここでも最近の学生さんはおとなしいのだ。、、、、それにしても、みんな、すまんすまん。

 しかし、えらい失態である。来週の講義は、お詫びに30分早く終わろうかと検討中である。、、早く終わるべきかな、。


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posted by Yas at 19:24| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月30日

拝啓、アップル様

 明日から7月に入る。この7月は、第1週、第2週に本学の「高度副プログラム『感染症学免疫学融合プログラム』」の講義、第3週には大阪市立大学で講義、第4週には千葉大学大学院薬学研究科で講演がある。それぞれ、内容が異なる(予定である)ので、新たな情報収集とスライド作成でちょっとだけ忙しい。

 いつものように、情報収集のための文献検索と整理にはPapers、スライド作成には Keynote を使ってMac の前で作業する。この前に論文をひとつ仕上げたので、調度よい機会だから Papers を ver.2 から ver. 3 に、Keynote(論文作成にはあまり関係ないけどね)を ver. 5 からver. 6 シリーズにバージョンアップした。それで作業を始めたのだけれど、、Keynote の新バージョンは操作性が悪いので、すぐに使うのをやめた。

 ネットのあちらこちらで書かれているけれど、Keynote はやはり新バージョンで改悪されたと言わざるをえない。この改悪は、Mac と iPad との親和性を高めるためにされたというもっぱらの話だが、間違いなく改悪である。まずなによりも、アドビ・イラストレーターとの連携が悪くなった。以前はコピー&ペーストでシームレスに画像をやり取りできたのが、イラストレータから Keynote へのコピーがまともにできなくなった。これでは、まるで PowerPoint である。、、、 スライドの編集に使うボタンやパラメータの並んだ独立のウインドウがなくなって、やたらと操作性が悪くなったのも気に入らない。iPad では、確かにウインドウがたくさんあると使いにくいとは思うけれど、そもそもキーボードも広い画面もない iPad でバリバリとスライドを作成するような人が一体どれくらいいるのだろうか?とっても疑問である。私には絶対に無理だ。アップルはユーザーの利便性を犠牲にしても、Mac と iPad の融和を目指してるのかしらん?と不安になる。

 それから、Papers の新バージョンは、最近の流行りに乗ったMacOSのテイストに合わせてアイコンが単純化された。しかし単純化されたアイコンではその図柄から機能を想像しにくいので、私はこれも気に入らない。実際、必要最低限の単純アイコンしかウインドウに並んでいない新 Papers より、リアルっぽい図柄のアイコンが並んだ旧バージョンの Papers の方が、使い方が直感的にわかるので使いやすい。やっぱり、ユーザーの利便性を無視してなんとなく流行りに乗って判りにくいアイコンデザインを採用したんか? とここでも心配になる。

 ここ数年でアップルの発想が、普通のコンピュータ会社とよく似た、ありきたりなものになっているように感じている。ジョブズがいなくなったから、それであーじゃこーじゃしちゃったんか?とか言うつもりはない。けれど、あと10年、せめて私が定年退職するまではがんばってくださいな。、アップル様、、、。最近、グーグルのやることが少し気になり始めている。グーグルドライブに資料を放り込んで、グーグルが提供する web アプリ(ワープロも表計算もスライド作成もドローイングもできる)を使って仕事ができるんかいな、、? とか考えているが、、、
 できますれば! このまま定年まで幸せに Mac を使わせてくださいね、。、、アップル様、、、、。


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posted by Yas at 21:53| Comment(2) | コンピュータ & ガジェット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月24日

シモザワ君

先日、千里中央で開かれたある会合に参加した。会合といっても、衛生行政関係の仕事に携わる大阪府立大学獣医学科の同窓生の少人数の集まりである。私は衛生行政に関わっているわけではないが、この会合(つまり飲み会)には時々誘っていただいている。
IMG_2136.JPG左隅のクスノキ君から、テーブルをぐるっとセト(マスモト)さん、ナカタニ君、ツムラ君、オガサワラ君、アサオ先生、シモザワ君。関係業界の方々には、あぁそぅ、こういうメンバーですかとお分かりいただけるような面々である。まぁ私なりにそれぞれの方々のキャラを興味深く思っているので、いずれ機会があるときに別々に取り上げさせていただきたいなと思っているが、今回はこの中にあって、私と同じで衛生行政に関わっていないがこの会合に参加していたシモザワ君のことを書きたい。

シモザワ君は、現在、中央競馬会に勤めている。学生時代、彼と私は同じ「獣医公衆衛生学教室」で学部3年生から修士課程の間を過ごした。、、、私の方は学部3年から4年の途中まではクラブ活動を優先していたので、ほぼユーレイ学生だったのだけれど、、とにかく同じ研究室にいた。三国丘高校の野球部出身。確か大学在籍中に、彼の後輩たちは甲子園に出場している。そのこととあまり関係はないが、当時、学生が集ってよくやっていた草野球の試合で彼と私はバッテリーを組んでいた。彼が投手で、私が捕手だった。かと言って、格別に親しくつきあっていたわけではなかったが、実は私は彼に強烈な影響を受けている。

当時の私は、周囲に対する薄ぼんやりとした身勝手な不満だか不安だかが心中にあって、世を拗ねたような不真面目な学生であった。大学の職員先生方とも他の学生とも、木で鼻をくくったような付き合い方をしていた。真面目に講義に出て勉強するようなクラスメートを半ば馬鹿にしていたようなところもあった。知り合った当初、私にとってはシモザワ君もその類のクラスメートだった。もし同じ研究室に配属されていなかったら、その印象のままで終わっていただろう。それに、私の人生も少し変わったものになっていたかもしれない。

真面目なシモザワ君は、しかし決して暗いわけではなく(真面目=暗い、と考えた当時の私のメンタリティーにそもそも問題があるが、、)、ユーモアのセンスもあるし、話もうまい。当時、彼は馬術部に在籍していた。獣医学科でかつ馬術部に所属して活動するのは、実に真っ当である。彼の場合はそのあとさらに、中央競馬会に就職した。、、、実に真っ当な人生である。、、んで彼は極めて真面目だった。真面目に実験をやり、真面目に当時の指導教員の不手際に怒り、真面目に研究室内のあらゆる立場の人達とコミュニケーションをとった。そして確実に、様々な面でなにがしかの成果を得ていた。同じ研究室に配属されると、例えプロジェクトが違ってもお互いのパフォーマンスはそれとなくわかってしまう。その辺りは、講義を受けるためにただ同じ教室に座っているだけの時とはずいぶんと違う。真面目に事に当たり、確実に目標を達成するシモザワ君の姿は、研究室内の私を含めた他の学生の中でも傑出していた。そんな彼を見て私は初めて「真面目にやる」ことの価値に気がついた(えらい遅い”気づき”ですいません)。それから彼を真似て、私も何事についてもとりあえず真面目に当たることにしたのである。そうして30年以上経った。私の日頃のいいかげんな言動に比べて「仕事ぶりはえらい真面目やがな、、」と私に感想を漏らした人がこれまでに何人かいるが、そうだとすればそれはこのシモザワ君の影響によるところが大きいのである。決して私の性格ではない。研究者として論文を書いて、ある程度の成果を上げてこられたのも、彼から習った姿勢に支えられた部分は大きいと思っている。

IMG_2137.JPGこの日は、会合の後も二人でさらに飲んだ。もしかすると二人で飲むのはこの時が初めてだったかもしれない。二時間ほど飲んで、タクシーで帰ることにした。彼は仁川に住んでいて(単身赴任である)、私は伊丹なので同じ方向だ。車内でしばらくすると、また気軽に連絡をとるためにLINE で友達登録をしたいと彼が言い出した。あぁ LINE ならオレもやってるよと応えると、彼は「ふるふる」という友達の登録方法を教えてくれた。近くにいる友達がそれぞれの携帯端末を振るとお互いを登録できるという仕組みらしい。そこで、二人でスマホを同時に振ってみたが繋がらない。なんかおかしいな? でもまぁいいやと振るのをやめようとする私に、彼は「なにやめてるんや、設定を変えてもう一回振ってみるんや」と何度も何度も「ふるふる」を繰り返す。最後は、すっかり飽きた私に「ふるふる」を強要までした。おかげで、道順を気にする運転手さんを無視して、伊丹に到着するまでオッサン二人が車内で一生懸命スマホを「ふるふる」し続ける羽目になった。登録を何度失敗しても、シモザワ君は決して諦めない。

50歳半ばを過ぎても、シモザワ君は真面目である。、、、、シモザワ君。またメールで連絡するわ、、。


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posted by Yas at 19:54| Comment(0) | 私的先生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月18日

京都府立大学

 この月曜日に、京都に出向いて京都府立大学で講義をした。以前に書いたが、生命環境学部の岡さん(食保健学科・准教授)のご依頼で、南山教授にご招待いただいた。「食」に関わる学科で「微生物」の講義ですから「食中毒の分子細菌学」にしましょうかと、わりと安易に講義テーマを決めた。食中毒の研究は今はあまりしていないけれど(といっても全くしていないわけでもない。研究とはビミョーなものなのだ)、もともと私は食品衛生学を守備範囲に含める獣医公衆衛生学出身だったから、食中毒への親和性は高い。これに細菌感染の分子機構を交えて話をすれば講義なんてオチャノコサイサイだ(といっても、手を抜いて講義をするわけでは決してありません。念のため)

 受講生は学部2年次と大学院生を含めて30名と少しほどだった。ほぼ全員が女性で、男子学生は2名のみ(だったと思う)。さすが食保健学科である(?)。まぁ、女性が多かろうが、男性が少なかろうが、私の講義は毎度おなじみ talking class で変わらない。 そこでいつものように学生さんに質問を重ねながら講義をした。この大学の学生さんは、しっかり勉強しているという印象はいまひとつだったが、講義内容への喰いつきが良かった。多くの学生さんが、一生懸命聴いてくれている。寝ている者はいなかった(矢継ぎ早に質問する私の講義で寝る奴はだいたいおらんが)し、目の死んだようなのもいなかった。こういう雰囲気は講師を気持ちよくさせてくれるものだ。余計なことを喋りすぎて最後は少し時間が足りなかったけれど、おおむね納得のいく講義をさせていただいた。学生さんの方は納得のいく講義を受けることができたのかどうかは知らんが、、、、とにかくみなさんありがとう。

 京都府立大学のキャンパスはそれほど広くないように思う。しかし、建物の余裕のある配置や豊かな植栽で、決して貧相なムードはない。落ち着きのある、私の好きなタイプの大学キャンパスだ。そのキャンパスで何人かの学生さんとすれ違ったら、みんなお辞儀をしてくれた。これは大学の教育か?あるいはゆったりとしたキャンパスが自然と学生に礼儀正しくさせるのか、、、、あるいはタマタマか、、、、。タマタマでもいいや。気持ちのいいことには変わりない。実は学生時代、バスケットボールの試合にこのキャンパスを訪れて好印象を持っていたのだけれど、30年以上経った今もそれは変わらなかった。京都府立大っ! また来るぞっ(機会があったらね)

 そのあと夕刻遅くまで共同研究の関係でもうひと仕事して京都で夕食をいただいた。場所は、前回京都府立医大で講義をしたあとに訪れた、さくらももこ画伯のふすま絵のあるイタリアンキッチンである。

IMG_2103.JPG 今回はともぞうさんをアップ。
 この日は鴨川の床(納涼床というらしい)が出ていた。そこでいただくのはボルドーワイン。なんでイタリアンキッチンでボルドー?とかいうのは置いといて、鴨川と東山を望みながら床でいただくイタリアン。鴨川と東山三十六峰がそこにある。それだけでも京都はよろしい。いいなぁいいなぁと、調子にのって大阪にいるつもりで10時過ぎまで飲んでいたら、JR京都経由で伊丹駅に帰り着いたのは午前0時だった(レストランのあった五条木屋町からJR京都にでるのはとても不便なのだ)。

 京都はいいけど、実は遠い。街の規模の割に地下鉄の便が悪いのはなんとかしてほしいな、、。


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posted by Yas at 21:54| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月14日

Facebook 休憩中


 本ブログの更新を facebook に自動通知するのを止めてから「なんや、facebook やめたんかいな?」と何人かに言われた。確かに、書き込みも閲覧もほとんどしなくなった。Facebook 経由で連絡の取りやすい友人とメッセージ機能を使ってやりとりするくらいである。でも、やめたわけではない。ちょっとしばらく距離をおいて、つきあい方を考えて見ようと思ったのだ。

 それにはいろいろと理由がある。ひとつは、友人(の友人くらいの人たち)が「いいね」したり「シェア」したりして、ニュースフィードに現れてくる記事に私が戸惑うことが多い、ということだ。そんな記事のコメントには「泣ける」だの「酷すぎる」だの「美しすぎる」だの「感動的」だのといった修飾語がよくついているのだが、読んでみて「ふうん」と感心することはあっても、泣けたり、酷すぎると思ったり、美しすぎて感動したりすることはほとんどない。そもそも巷にそんなに心を揺さぶられるような話がたくさん転がっているはずもないと思うのに、やたらと目を惹こうとして大げさな修辞が並べ立てられているのにちょっとうんざりする。よく知っている友人の近況報告は楽しく読めるのだけれど、友人の友人(の友人?)くらいの、私のあまり知らない人たちがシェアしてきた記事は私にとっては邪魔だ。でも、そのうちのいくつかの記事には目を通してしまうので、それなりに時間を使ってしまう。これなら、Feedly みたいないわゆるニュースアグリゲーターを使って、自分の信頼しているサイトからの記事ばかりを集めて読む方がずっと効率がいいし、気分もいい。

 それから、ブログの更新通知を止めたのは更新通知後の「いいね」の数が気になってしまうから。そんなの気にせずに書きたいことを書くのが私のブログだったはずなのだけれど、「いいね」の数は更新後すぐに反応があるのでつい気になってしまう。我ながら情けないが、「いいね」を意識してブログの内容が若干変わって、さらに更新頻度も少なくなってきたのでこのままでは楽しくないと思って通知を止めた。一方で、ブログの記事内にある「いいね」マークは気にならない。そもそも、記事のアップを確認したあとに自分のブログサイトを何度も訪れることなどないのだから目にすることもあまりない。

 でもやっぱり一番大きな理由は、 STAP 問題に関する酷い(これはホントに酷い)記事を facebook を通じてたくさん読んでしまったことだ。この不正問題については、露見してしばらくたってみれば、実は科学を職業とする人たちには問題の核心はほぼ理解できていた(と思う)。知識も経験も乏しく、研究作法の教育もろくすっぽ受けていない、しかし饒舌で夢見がちな研究者はどこの研究機関でもいるものだ。そんな未熟な研究者がいい加減な実験データで飾った不適切な論文を一流誌に投稿し、どういうわけかこれが受理された。それがこの問題の核心である。STAP細胞があるとかないとか以前の問題だ。そんな人間をユニットリーダーとして理研が採用したというのが問題の発端にあり、論文発表時にマスコミに向けて派手な演出をしてしまったことが、その後に発覚した問題を無闇に大きくした。科学者の理解はおおよそその辺で一致すると思う。ところが、facebook で「いいね」されたり「シェア」されたりした記事の内容は違った。STAP細胞が生む利権(そんなもんあるかいっ)を巡っての理研の陰謀説やら、小保方さんを理研に送り込んだ(?)アメリカ研究機関の陰謀説やら、新進気鋭の女性研究者を妬む科学者コミュニティーによるネガティブキャンペーン説やら、、。個人的なブログだけではなく、ネット新聞やネット雑誌の記事もそんな論調だった。業界の人間から見れば、ありえない荒唐無稽な話が跋扈している。いわゆる時事評論家の書く記事は、ほぼどれもひどかった。しかし、研究の世界とは縁のない人がこういうものをいくつも読めば、それを信じてしまうかもしれない。

 ネット上で盛んに意見を開陳したがる人にはこういった陰謀論の好きな人が多い(と思う)。そんな記事を読むたびに違和感を感じていたが、今回は話題が話題だけに違和感が半端ではなかった。これが科学の話題であるから、この時の評論が的外れであることは理解できたが、翻って私のあまり知らない業界の話だと、いい加減な評論でも私自身が鵜呑みにしてしまうかも知れない。鵜呑みしないまでも少なからず影響を受けるかも知れない。これは怖い。そんな記事を読むのに時間を使うのもイヤだ。

 ということで、もうしばらくは facebook から遠ざかっておきます。別に、SNS を楽しまれている方々を批判しているわけではありません。私の SNS の楽しみ方が下手なだけだと思っております。ツィッターでもアカウントを作ったものの、混線したラジオのような情報の流れが理解できず、結局全く利用していない、そんな私の愚痴だと思ってくださいませ。 

 
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posted by Yas at 14:06| Comment(0) | コンピュータ & ガジェット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月10日

目標は岩田鉄五郎

 先週土曜日に微研ソフトボール大会が開催された。
 
 前回のエントリで宣言したが、わが「火の玉ストレンジャーズ」は優勝に向けてまっしぐら。朝8時半には会場である万博スポーツ広場に集合し、キャッチボールをやったりノックをやったり、、。やる気充分である。曇り空で日差しが遮られていることもあって気温は低い。なかなか良いコンディションであった。

 3チーム総当たりの予選では14対1と10対0でラクに2勝を挙げてトーナメントに勝ち進んだ。、、、ところが実は、わがチームのエースである私は第1試合でグラウンドに立ったときから立ちくらみがしていた。日差しはないが、湿度が高い。1球も投げないうちに、クラクラして、、んで1球も投げないうちから、休み休み投球をするというわけのわからん状態になった。やっぱ、トシか、、ただの運動不足か、、はたまた少し前に発覚した高血圧の治療が関係してるのやら、、。しかしとにかく打線は好調だ、加えて試合時間は「30分を超えて次のイニングには進まない」と制限が決められている。そのおかげで、第1試合は3イニングで終わった。第2試合は助っ人に来てくれていたオカケーの兄ちゃんに投手を頼んで切り抜けた。

 試合の組み合わせの都合で2時間半ほど待ったあと、ようやく臨んだ決勝トーナメントの1回戦は松浦研の「ウイルスバスターズ」である。ここはやたらめったらマラソンの好きな変人の多いチームで、これまでの戦績では「火の玉ストレンジャーズ」は分が悪い。おまけに、長い待ち時間が悪かったのやら、第1試合ですっかり消耗したのやら、、今度は投げる度に息切れする体たらくである。対してウイルスバスターズの面々は元気にバカスカ打ちまくる。くそっ、オッサン教授が投げとんのにちょっとくらい加減せんかい、、。
 ふと見ると次の打者は昔からよく知っているコバヤシ君だ、、、「コバヤシ、、オレはもうあかん、、、これ以上投げたら死ぬ、、、」と試しに同情を誘ってみたが、コバヤシは「そうですか、、」と言いながら涼しい顔で私のタマを打ち返す、、、。こいつらは最低である。相手側のベンチを見ると教授の松浦さんがこちらを見ながらニヤニヤと悪人顔で笑っている。、、くそっ、教授がベンチで左団扇で試合にも出ずにいるようなチームには、10点くらいのペナルティーを与えるべきじゃ、、。あとで主催の部員会に訴えてやる、、、。とか言っているうちに試合は10対7でわがチームの敗戦が決まった。

DSC01621.JPG んで、結局、3位決定戦はなんとか勝利して、火の玉ストレンジャーズは昨年に引き続き今年も3位で終わった。ウイルスバスターズも決勝戦で WISE(iFReC の選抜チームとかで、やたら強い)に敗れて2位だったそうだ、、、。みなさま、敵も味方もご苦労様でした。

 しかし、4試合、、といっても全部で5−6イニング投げただけだったのに、、そのあと2日ほどはひどい筋肉痛に悩まされるはめになった。今回ほどトシを感じたソフトボール大会はなかった、、。真面目に何か身体を動かすことをせんといかん、、と口に出してたら「そのセリフ、去年の大会直後にも言ってはりました」とチームの面々に指摘された。、、えいやかましっ、、。こういう反省が大事なんじゃっ、、。、、ホントにやるかどうかは別なんじゃっ。


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posted by Yas at 20:11| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月04日

上げ潮


 少し前に、堀口研は史上最大メンバー数になったと報告した。その研究室の近況など、、。

 研究テーマの方向性を大幅に変更して3−4年。漸く基本的なデータが固まって、そこからスピンアウトしたプロジェクトのカタチが見え始めた。ここしばらくは業績が止まってしまって、わがラボは私のキャリアにおいて最大のピンチに直面していたのだが、トンネルは抜けた。この春は、共同研究員のスズコー、医学修士入学のテルチーとニィくん。医学博士入学のイッシーが、新メンバーとして参加してきた(テルチーは半モグリで以前からラボにいたけどね)。D4のオカケーは学位論文のためのデータを整え、D3のサーヤもそれなりに研究を進めて、今夏の「第8回 細菌学若手コロッセウム」で渾身の発表をする予定である。シショーの論文は雑誌投稿を済ませ、アヤッチの今の仕事は最終局面に入っている。いずれの研究もそれなりのクォリティはあるのではないかと、ラボのボスである私は思って(願って)いる。シンザーは、百日咳関連の同業他者が驚くような新しい方法論でホニャララのフニャララを解析しようとしていて、なかぴょんは百日咳で最後に残された大問題であるヘニャララを解明すべく、ストレス太りするほど実験を繰り返す毎日である。砂漠に水を撒くような、努力しても満たされないような状況はどうやら終わった(と信じている)。

 今週の土曜日は微研のソフトボール大会がある。我が分子細菌学分野の参加する混成チーム「火の玉ストレンジャーズ」も、これまでの強力メンバーに加えて野球経験者のスズコーとイッシーが参加して、チーム結成以来最強のメンバーになった。今回は目加田研の面々もチームに参加する予定である。、、、もうはっきり云って優勝しかありませんわ。先日は有力メンバーでバッティングセンターに強化練習に出向いた、、。が、生憎の雨で近くのラウンドワンのバッティングセンターは閉鎖、、、。仕方ないのでゲームセンターフロアを抜けて帰ろうとすると、その途中でサーヤがパンチングマシーンに飛びついた。
 やおらコインをゲーム機に投入したかと思うと、狂ったように標的にパンチを繰り出し始めた。、、、どや? この気合い、。、、、魅入られたかのようにコインを何度も投入し続けて、何度もパンチを繰り出し続ける、、、。どや? この迫力、、。挙句の果てに、自分でコインを入れては、イッシーやスズコーや私にパンチをしろと、盛んにすすめる、、、振る舞い酒ならぬ、振る舞いパンチというべきか、、、、。とにかくサーヤは異常にパンチングマシーンが好きなようだ。さすが武闘系細菌学者の異名をとる西川禎一教授の娘である。


 先週の土曜日はなかぴょんの誕生日だったらしい、、。教授室で仕事をしていると、部員室が何やら騒がしい。見てみると、学生さん達がなかぴょんのためにバースディーケーキを買ってきた様子である。土曜日の昼下がり。やおら巻き起こる「ハッピーバースディー・ツーユー」。「仲良きことは美しき哉」でございます、、なかぴょん33歳独身。これからも頑張ってくれ。

IMG_2122.JPG 時節柄、研究室にある観葉植物の植え替えをして、さらに数鉢を新たに買い増した。私も教授室にドラセナ・コンシンネを置くことにした。観葉植物のハウツー本によると、この木は1年で50 cm も幹が伸びるらしい。、、なかなか縁起がええがな、、。研究室のムードも上げ潮だし、コンシンネのように研究業績も伸びればなおよろし、、。
部員室に置いてある植え替えをすませたばかりのパキラも元気よく枝葉を伸ばしている、、いいよ、いいよー、、。、、が、、「枝が横に伸びすぎとんな、、、」と思って、ちょっと手でもって曲げてみたら、枝が真ん中からボキッと折れた。縁起わる、、い、いやいやっ、、ここから新芽がムニュッッと出てくるのだ、きっと、、。


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posted by Yas at 19:12| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月01日

静岡・伊豆へ一泊二日

 27日と28日にお休みをいただいて、家族で静岡・伊豆方面にドライブ旅行した。「生桜エビ丼を食べる」というのが目的である。

 先日、ここ数年の懸案であった難物の論文をやっと投稿することができた。次の論文にもすぐ取り掛からねばならないのだが、その前にすこし休んで気分転換をしたいとずっと考えていた。土日を利用しての旅行は、行く先々で混雑するだろうから気分転換にならないので、平日に有給休暇をいただこうとスケジュールを見渡して空いていたのがこの期日だった。

 桜エビのメッカは駿河湾・由比である。ここに、美味しい桜エビを出してくれるので有名な民宿料理屋「玉鉾」がある。そこを目指して午前8時過ぎに伊丹を出発した。愛車のシャリオ・グランディスはもう14年選手だが、まだまだ快調に走ってくれる。3時間半後に東名高速道路の浜名湖サービスエリアで休憩し、午後1時半頃に「玉鉾」についた。休日は増設駐車場にもクルマがあふれるほど混みあうらしいのだが、この日はわれわれ以外には全く客がいない。やっぱり休むなら平日だ。ここで、生桜エビ、生シラス、生マグロの三色丼をいただく。初体験の生桜エビは美味しかったけれど、身の柔らかさや味わいと全く食感の違う頭の殻が少し気になった。生シラスは淡路島で何度か食したのでお馴染みの味である。んで、この三色丼では生マグロが一番美味しかった。さすが、マグロ水揚げ量日本一を誇る清水港が近いだけのことはある。料理屋の女将さんと、連れてきた愛犬ミューをはさんでイヌ談義をして支払いを済ませる。平日のゆったりした時間だからこそ、女将さんとも世間話ができるのだろう。短いやりとりだったけれど、こうしたちょっとした事でも気分転換になるものだ。

DSC01426.JPG この日の宿泊は伊豆長岡温泉にあるペットOKの温泉宿「福狸亭 小川家」さんである。チェックイン時間まで少し間があったので、伊豆の国パノラマパークという、小高い山の上にある見晴らしの良い公園に立ち寄って富士山をパチリ。ここでも、公園内に他の客は全くいなかった。

 宿泊した小川亭さんは、低料金ながらペットOKのしっかりとした温泉旅館で夕食も美味しくてコストパフォーマンスのとてもよい宿で、ここでも良い気分にさせていただいた。

DSC01453.JPG 二日目は、韮山反射炉に最初に立ち寄る。小学生の頃に教科書か学習ノートに載っていた写真を見て、ずっと行ってみたいと思っていた所だった。さして興味のなさそうな家内や娘やイヌを尻目に、じっくり説明板を読んで炉の造りを観察して、、おかげで、これでどうやって大砲を鋳造できたのかという長年の疑問が解けた。

 そのあと、源頼朝の流刑地である蛭ヶ小島(小さな公園があるだけだった)、少し山梨側に足を伸ばして白糸の滝を見物して帰路につく。白糸の滝では、富士宮焼きそばを食べたけれど、、、普通の(海の家で食べるような)焼きそばだった、、。本当にこれがB級グルメでグランプリを獲得したのかしらん? 観光地の食堂のことだから、もしかするとこれは本物の富士宮焼きそばとは違う代物なのかもしれん。

DSC01489.JPG 新富士インターチェンジから新東名高速道路に入る。途中、浜松サービスエリア、新名神の土山サービスエリアで休憩して、伊丹着は午後8時過ぎだった。休憩に使ったサービスエリアはどちらも新しいし空いているしで、ここでも非常にゆっくりした気分にさせていただいた。浜松サービスエリアでは、せっかくだから(何が『せっかく』かわからんが)最後に桜エビパスタを食べた。

 「気分転換」と「桜エビ」がテーマの1泊2日の旅行だった。桜エビを食べる旅行だったし、研究室へのお土産も桜エビポテトチップス(カルビーのご当地もの)と桜エビたっぷりのお煎餅を買って帰ったけれど、よく考えたら桜エビそのものを買って帰ったほうが良かったかもと、伊丹についてから気がついた。


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posted by Yas at 16:35| Comment(3) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月22日

オープンアクセス・査読つき

 科学雑誌に投稿された論文の査読をするのは研究者の務めである。私は自分にそう言い聞かせて、よほど仕事が詰まってない限りは依頼された査読を引き受けることにしている。

 数カ月前にそんな調子で引き受けた論文は、中堅の電子ジャーナル(オープンアクセス・査読つきのあれ)に投稿されたものだった。論文を読んでみると、関係領域の研究者には有用な情報が含まれていて、知見は良いように思えた。電気泳動データの切り貼りもない(すいません、いらんこと書きました)。しかし実験の構成が緻密ではない。データの取り方も雑だ。とてもこのままでは雑誌への掲載を認めるわけにはいかないが、掲載を拒否するほどでもない。私の査読のモットーは「75点主義」である。だから、この場合は雑誌掲載の価値を認めつつ、新たな実験を3種類ほど提案し「そのうち少なくとも2つくらいの実験をすれば結論の正当性が確かになるよ」とコメントを付け、さらに本文や図表のいくつかの不備を指摘して、「Major revision(大幅修正)」の結論で雑誌社に報告をした。
 
 先日、その論文が修正されて再投稿されてきたようだ。雑誌社は再度私に査読を求めてきた。もちろん引き受ける。これは初投稿時にコメントを返した者の務めである。二回目の査読の時は、私の以前のコメントはもちろんだが、私以外の査読者のコメントとそれに対する論文著者の対応も目にすることができる。、、、それを見て、えらい驚いた。
 もう一人の査読者は、もしかするとあまり査読経験がないか、あるいは論文中の何かが琴線に触れて気負ってしまったか、あるいは性格が細かいのか、かなり長文のコメントを著者に返していた。その中でこの査読者は、思いつく限りの実験の追加を要求し、重箱の隅をつつくように執拗に論文の文言修正を指摘していた。、、、こいつは粘着気質か? 

 私の知っている生命科学の研究では、普通、ある作業仮説を検証するための実験は何通りも考え得るものである。しかしそれを全てやる研究者は普通はいない。それらを全てやったとしても、著しく研究内容の価値が高まるものではないし、100%の確度の結論が下せるようになるわけでもない。生命科学の実験は、ある条件に限った生命現象の一面を覗き見るようなものだ。それをいくら重ねても絶対の結論は得られない(何かを発見したとか同定したとかいう場合はそれもあり得るが、それは横に置く。この論文の場合は、解析的な仕事で仮説を確かめるという類の仕事である)。限りなく近づいても曲線が決して漸近線と接しないのと同じで、いくらデータを重ねても結論を支える知見としてはほぼ飽和してしまって完璧に結論を証明することはできないのが普通だ。それに、時間も予算も限られているのにそんなことをするのは現実的ではない。しかし、この査読者はそれを要求していた。これは妥当な査読コメントとはとても言えない。

 そしてさらに驚いたのは、それに対する著者の対応だった。

 この著者は、やっぱり何かが頭に来て気負ってしまったのかあるいはもともと粘着基質なのか、その査読者のコメントに逐一細かい反論をして見せ、その反論ごとに何種類もの文献を引用してかなり大部の文献リストまで作成していた。論文査読におけるやりとりとしては、私には経験がないくらい長い長い反論のメールを返してきたのだった。それもほとんどが科学的に意味のない子供の言い合いのような反駁だ。あるいは、査読者の意味のよくわからない追加実験要求に(意地になったかのように)応えたりもして、意味のわからないただ混乱を招くだけのデータを新たな図として付け加えていたりした。もう1人の査読者である私は、そんな幼稚な査読者と著者にはさまれて戸惑うばかりで、なんだか知り合い夫婦の痴話喧嘩に巻き込まれたような気分である、、。

 そこでできるだけ巻き込まれないように(巻き込まれることなんてないと思いますけどね)、「私のコメントに関しては充分に対処していただいている」として、「Accept(採択)」の結論にしようと思った。、が、、、追加実験のデータはあまりにひどい。研究の質を損なっているだけだ、、と思い直して、「この追加実験はもう1人の査読者のコメントに対処した結果だと理解はするけど、著者らの仮説を支持するデータになってないし、そもそも第三者である読者には意味がわからない("make no sense" というキツいかも知れない表現を使ってしまった)」と付記し、「Minor revision(若干の修正)」の結論に変えて雑誌社に返信した。そして、返信してしばらくしてから、科学論文の査読なのだから「なぜ仮説を支持しないのか」とか「なぜ意味がわからないのか」とかの理由を具体的に書くべきだったと後悔した。しかしそれよりも、その場を早く立ち去りたい「夫婦喧嘩を見た知人」の気分の方が強かったのだ。、実に後味の悪い論文査読だった。たまたま査読者と著者の相性が悪かっただけなのか、イマドキの中堅雑誌の査読って、あんなものなのか、、。なんか、世界の科学は大丈夫か? と余計な心配までしてしまった。

 そして今朝、雑誌社からその論文の取扱の最終結論を伝えるメールが届いた。「Minor revision」だった。私が再査読の返信をしてからずいぶんと時間が経っていたので、気になってその雑誌社からのメールを見ると、査読者が5人に増えていた。査読者の意見が大幅に違ったときは、査読人数を増やすことはよくあるが、、それにしても3人も増えていた(この3人は実に大人なコメントをしていた)。ところが、、あの粘着基質の査読者は再査読を拒否したとみえて、そのメールには彼(彼女?)のコメントは全く載っていなかった。もうっ、文句を一杯書いたのなら、最後まで責任もって査読しろよ、、、。

 最後は大人な結論で終わってホッとしたけれど、、、ほんと、世界の科学は大丈夫か?、、、、、

*:その結論が定説あるいは事実として受け入れられるためには、その結論に基づいて第三者が異なる目的で実験を構築して良好な結果を得るようなことが繰り返されなければならない。


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posted by Yas at 18:57| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月20日

「わかりません」は禁句にしたい

 前回からの続き(続編モノにするほど、話題がたくさんあるわけではないんですけどね、、)。

 16日。泊まっていた岡山三井ガーデンホテルで目が覚めたら、まだ頭のなかで「外は白い雪の夜」が鳴っていた。ちょっとだるい。朝食をとってタクシーで岡山大学医学部のある鹿田キャンパスに向かう。この日の講義の相手は学部3回生である。これまで様々な大学や学部で細菌学の総論や各論の講義を仰せつかってきたので、私には色んな話題を提供できる準備があるのだけれど、松下教授は「細菌毒素学の話題でみっちりやってくれ」とおっしゃる。そうですか、それではと「細菌毒素」だけの話題で3時間の講義をすることになった。基礎編60分、実例編60分、研究編60分。そんなマニアックな講義は全国を見回してもなかなかないんじゃないかと思う。

 いつもここで書いているが、私の講義はQ&Aを交えた会話形式である。これを私は talking class と呼ぶ。それぞれの話題ごとに次々と学生さんに質問をしながら講義を進めるやり方だ。この質問は学生さんの知識を問う類のものではない。わからなければウソでも口から出まかせでもいい、自分なりに論理的な説明をしてくれればよいのだ。そんな時に人は最も頭を働かせる。そういう作業を学生さんにして欲しいと思って質問しているのだ。いくら知識を問わないと云ったって、論理建てて説明するためには最低限の知識は必要だが、それを駆使して必死になって小理屈をこねてくれれば最高に嬉しい。そう思っていつも質問をしている。

 もちろん、こういった講義が楽しくなるかどうかは学生さんの回答の質に依存する。ところが、残念ながらこの時の講義は低調だった。みんな反応が鈍い。多くの学生さんは、基本的な生物学の知識が足りないように見えた。質問されてもまるで他人事のように空疎な受け答えをする学生さんも何人かいた。おかげで、いつもなら3時間でのべ120〜130人に質問するところが、この日は調子が悪くてその半分にも質問が進まなかった。こういう講義は時々経験するが、いつも同じ大学で同じように経験するわけではないので、決して岡山大学の何かに特有の問題があるわけではないと思う。実際、6年前の岡山大学医学部では実に楽しく質疑応答ができた。だから、たまたまこのクラスがそんな雰囲気だっただけなのだろう。しかし、、、。

 「学生さんには、自分の生活に関わる現実世界と教科書に載っているリアリティのない学問の世界があって、後者は自分に関わりがないと思っているんです」と松下さんが済まなそうに云う。体調が回復して、講義を見に来てくれていた岡大准教授で私の後輩のニシキくんも「彼らは知識の断片はあるんですけど、それぞれを関連付けて考えることができないんです。だから、知識の断片だけを『穴あけ問題のように』尋ねれば、かなりの正答率になるんですけど、論理的思考を要求されるとその断片的な知識も出なくなるんです」と寂しそうに云った。通年のカリキュラムに則った講義をしたことがない私には何も言えないけれど、二人の言葉に思い当たることはある。確かに、私に質問されると、多くの学生さんは質問に関した記憶を頭の中でただ探っているだけのような、無機質な顔になっていたような気がする。そこで一杯一杯になっていたら、論理的な思考なんかできるわけがない。

 でも、6年前は楽しかったよと言うと、「少し前に講義シラバスの細分化と強化が進んで、結果として大量の知識偏重の講義になってしまったのが影響しているのかもしれません」という答えが返ってきた。松下さんやニシキくんの話を聞く限り、岡山大医学部は様々な面で学生の教育にかなりの腐心をしている。けれど、肝心の講義カリキュラムが定型化しているために、◯✕問題や穴埋め問題しか答えられない学生を育ててしまっているとしたら残念なことだ。彼らは、一体いつになったら論理的な考え方ができるようになるのだろうか? それができなければ医者など務まるわけがないのは確かだ。臨床の現場に出てはじめて物事を考えるようになるのだろうか? 大学教育ではそういうのはもはや無理なのか? 学部も大学院学科も独自に持たない、学部の先生方の苦労も知らない附置研究所の教員だが、ちょっと心配になった。

 そんな話をしながら松下、ニシキ両先生と昼食をとったあと、岡山駅まで歩いて新幹線に乗った。
 来月には京都府立大学・生命環境学部で講義がある。ここでもやっぱり学生さんにたくさん質問をして、talking class をするつもりである。


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posted by Yas at 16:31| Comment(2) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月18日

岡山・サワラ・拓郎ちゃん

 岡山は大阪から新幹線で40分と少し。近いけれど、私にはそれほど縁のあるところではない。6年ほど前に当時の岡山大学教授の小熊先生にお誘いいただいて講義をして以来、多分訪れていなかったと思う。その岡山に15−16日に出張で出かけた。岡山大学医学部病原細菌学分野の現教授、松下さんに特別講義のお誘いを受けたのだ。

 講義は16日の朝一番からあるので、15日の夜に岡山入りし、松下教授を始め細菌学関連の先生方と夕食をご一緒することにした。メンバーは松下さんの他に、助教の美間さん、後藤さん、それに歯学部の中山さん。後藤さんはこの春まで微研にいた顔見知りである。中山さんはかつて長崎大学熱帯医学研究所の平山先生の研究室に所属していたので、その仕事はよく知っている。美間さんはお初にお目に掛かるが、岡山大学薬学部の教授だった土屋先生の薫陶を受けたとかで、それなら専門領域は想像がつく。皆さん細菌学領域のお仲間で、気楽にお話をさせていただけそうなメンバーだ。しかしただ今回、再会を楽しみにしていたニシキくんは、残念がら急に体調を崩したとかでこの夕食には不参加であった。

 皆さんに連れていただいたのは、山陽新聞本社の横から西川という川を渡ったところにある居酒屋さんだった。店内に入ると何やら懐かしい音楽が流れている。吉田拓郎の「外は白い雪の夜」だ。ふひゃぁ、この曲を聞くのは何年ぶりかしらん? その後に流れる曲も全て吉田拓郎。曲目からみて、おそらく名作と言われたライブアルバム「TAKURO TOUR 1979」から多くが抜粋されたオムニバスのようだった。これがエンドレスで流れている。ふひゃぁ、懐かしい、、、。店の人に尋ねると、店長さんが大の吉田拓郎ファンなんだとか、、、、いい店だ。 んで、皆さんと美味しい酒肴をいただきながら、先日急逝した清水徹教授のこと、日本の細菌学研究の将来のこと、私が再来年に世話人を務める学会総会のこと、細菌学会の運営のことなどをワイワイと話す。松下さんは真面目なので、決して話が馬鹿話に流れない。その辺が私とは違うところである。話の合間に聞こえてくる拓郎ちゃんの曲も心地よく、大変有意義な話をたくさんさせていただいた。

 この店を出たあと松下さんと別れて、美間さん、後藤さん、中山さんと「もう1軒行こう」と、ラーメン屋で美味しい餃子と豚トロでビールをさらに飲んだ。さらにシメに食べた長浜ラーメンも絶品だった。岡山はなかなか侮れん。この日いただいたのは美味しいものばかりだった。そしてみんなと別れたのは確か午前0時頃、ホテルでシャワーを浴びてベッドに入ったのが午前1時過ぎだった。

 頭のなかでは「外は白い雪の夜」がヘビー・ローテーションしていた。次の日は朝から3時間の講義である。(つづく)


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posted by Yas at 18:17| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月06日

くろまんぷ

 ゴールデンウィーク最終日。娘はスポーツクラブに行き、家内は仕事に行くというので、お昼すぎまで北摂猪名川方面を自転車で走ってきた。大学への行き帰りではない自転車行は昨年秋の神戸以来である。

大学からの帰り道に猪名川町方面に立ち寄るのはなかなか難しいので、もしかするとこの辺りを走るのは相当久しぶりかもしれない。この方面には、多田銀山跡と「くろまんぷ」という、前から行きたかった場所がある。多田銀山というのはそのむかし豊臣秀吉が直轄したという、んで埋蔵金伝説があるという、夢のある史跡である。「くろまんぷ」というのは、当時の地域の住民が、工事を完成させるために資金を出し合ったという、日本最古級の石造りトンネルらしい。北摂の自転車乗りには有名なスポットである。「まんぷ」とは坑道をさす「間歩」が転じたもので、ときにトンネルのこともこう呼ぶらしい。穿った岩肌が黒かったので、「くろまんぷ」という。あるいは「暗まんぷ」とも呼んだとか、、。んで、今回は、銀山に行ってもゆっくり見物する時間はとれないので、その「くろまんぷ」を目的地にすることにした。

140506 at EveryTrail
EveryTrail - Findhiking trails in Californiaand beyond

9時半ごろに家を出た。クルマの通行量の多い県道をできるだけ避けて伊丹から川西までは田舎道や旧街道を抜け、能勢電鉄滝山駅手前から旧県道12号に入り、ここからひたすらに猪名川(水の流れる川ね)の上流を目指す。
DSC01387.JPGゴールデンウィーク最終日のこと、道にはそれはもうたくさんのサイクリスト(ローディー)がいた。ハイカーと同じで、サイクリストも路上で出会った他のサイクリストに挨拶をする。それで皆さん気持ちよく挨拶をしてくださるのだが、これがまた皆が皆、ヘルメットからジャージ、パンツまでビシッと決めたローディーである。交通量の多い県道だろうと上り坂であろうと自分を追い込むように必死で自転車を漕いでいる。もしかするとこういう人たちはみんな、レースに出場して勝利を目指す人達なのか? それに比べて私はユニクロのドライTシャツとカーゴパンツの出で立ちで、横道に逸れては風景を眺めながらチンタラと自転車を流している。そんな私にも、ローディーたちは自転車をシャーッと走らせながら挨拶をしてくれる。ひゃー、えらいすまんこって。私みたいなしょうもない街乗りに挨拶してくれんでもええですのにと思わず恐縮をしてしまう。5人6人のグループで走っているローディーとすれ違ったりすると、それこそコメツキバッタのようにヘコヘコと頭を下げてしまう。、、ほんとえらいすまんこって、、。

DSC01395.JPG「くろまんぷ」は、道の駅いながわを過ぎて猪名川町立楊津(ようしん)小学校の前を林田という集落に向けて上り坂を上りつめたところにある。到着してみると、思っていたよりもずっと小さなトンネルだった。ここは、北摂ローディーの間で人気のブロガーであるasyuuさんのお好みのスポットである。あまりに有名なので、「くろまんぷ」の周りでは大勢のサイクリストが休憩してるんじゃないか?とか想像したが、全くそんなことはなく周囲はひたすら静かであった。林田側のトンネル出口で暫く休憩していたが、その間にも一人も通りがかる人はいなかった。、、、asyuuさんといえば、ブログによく登場する和菓子屋「うませ」も今回ついに発見した。、、和菓子は買わなかったけど、、。

そこから林田に出て、佐曽利という集落を抜けて再び道の駅いながわに戻る。ここで水分を補給して12時半に帰途につく。帰りは下り道が多いこともあって1時間。午後1時半には家に到着した。4時間の気分転換だった。

この季節に木立の中を走ったせいか、帰ってみると着衣や首筋にいくつも毛虫が付いていたというオマケ付きの気分転換であった。


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posted by Yas at 21:09| Comment(2) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする