2020年11月20日

AKTA pure system

ちょっとした縁があって(というのもおかしな言い方だが)、新しい高速液体クロマトグラフィの装置を購入した。高速液体クロマトグラフィとは、混合物から特定の物質の量を測定したり分離したりする装置である。

IMG_3561 (2).jpeg

この製品はAKTA pure system という。


AKTAの製品シリーズと私とは長い付き合いである。最初の出会いは30年以上前。私が大学院生の頃だった。その時、この装置の名前は略してFPLCと呼ばれていた。装置も高価だったが、これにセットして使用するカラムという消耗品が当時の相場から見てバカみたいに高くて、「こういう高価な装置とカラムを日常的に使うような裕福な研究人生が自分にやってくるのだろうか?」と暗い気持ちになったのを覚えている。それが、、私の実力ではない裕福な微生物病研究所のおかげでFPLCから数えて3台の装置を乗り換えて、今回やってきたのが4台目になった。そう思うとちょっと感慨深い。

しかし。知っている人は知っているが、このAKTAという装置は、設計思想が「同じようなサンプルの解析を何度も繰り返す」ことを前提にしているようなので、色々なサンプルを臨機応変に扱う基礎生命科学の研究室にとっては実は少し使いにくい代物だった。ところが数年前にモデルチェンジしたらしい今回のAKTAは違った。いわゆるサンプルポンプがかなり改良されていて、夾雑物の多い大量のサンプルから極少量の繊細なサンプルまで、どんなサンプルでも同様に簡単に扱えるようになった(詳しい話は避ける。すまん)。これは画期的なことである。装置を制御するソフトウェアも格段に使いやすくなった。

そもそも私はクロマトグラフィ好きである(なんやそれ?)。だから、こんなに使いやすい装置を放っておくわけがない。ということで、長いあいだ研究室で保管されて死んだようになっていたカラムをセットしては試運転と称して色々と試していたら、なんと神のご加護か偶然か、クロマトグラフィを使う実験がいくつもいくつもわが研究室に突然降って湧いたように持ちあがってきた。

そこで、ここぞとばかり「よしよし、クロマトグラフィはワタクシに任しておけ」と、機嫌よく機械を動かしてタンパク質を精製している今日この頃なのだが、遺伝子を扱う分子生物学が大隆盛している昨今、生化学的な知識の必要なクロマトグラフィは流行らない。んで、いまの研究室で、クロマトグラフィの基礎知識を持ってAKTAを操作できる人間は実は私しかいない。

クロマトグラフィの螺旋地獄に陥ってしまいそうな予感がする、、、まぁそれもいいか。

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posted by Yas at 18:09| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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