2016年01月13日

生化若手の会・九州支部/デヴィッド・ボウイ/竹田圭吾

 この連休の10日に、生化学若手の会九州支部の依頼でプレゼンテーションの講演をしてきた。プレゼン講演に関してはこのあと予定がないので、もしかしたらこれが最後になるのかも知れない。

IMG_2436.jpg 会場は福岡県八女市のグリーンピア八女という宿泊施設である。参加者は30名程度。多くが大学院生のようだった。生化学会若手の会は古い歴史を持っていて、私は若い頃から「こういうのを運営する若い奴というのはどんな奴なんやろな−」とある種の畏敬の念を持って想像していたものだ。それから数十年。そんな「若い奴」の依頼で講演する自分はすっかり歳をとったような気がする。

 当初は「50分でご研究の話とプレゼンテーションの話をお願いします」という依頼だったのだが、それでは時間が短すぎる。それに生化学や生命科学を志す若者の集まりが「細菌感染」を主軸とする私の話を聞きたいと思っていると勘違いするほど私もトロくはない。プログラムの構成は明らかにプレゼンテーションの講演を私に期待している事を示していた(講演後、スライド作成のグループワークが設定されていた)こともあるので、「いやいや、お気遣いなく。50分みっちりプレゼンテーションの話をしましょう」ということにした。

 この会には、九州大学生体防御医学研究所の鈴木淳史教授も招待演者として参加されていた。鈴木先生の方は研究のご講演である。いわゆるダイレクトリプログラミングで線維芽細胞から肝細胞を作製するという研究の話で、大変興味深く聞かせていただいた。こういうところで思いがけず素晴らしい研究の話を聞くと、めちゃくちゃ得した気分になる。さらに鈴木先生の講演のあとには、留学や研究室運営などについての座談会が設定されていた。どうやら若くして教授になられた鈴木先生の経験や考えを聞きたいということのようだ。しかし、、(これは鈴木先生ご本人にも賛成していただいたのだが)成功者の経験談は参考にならんよ、、キミたち、、。少なくとも私はそう思っている(詳しくはこちらをどうぞ)。

 私のプレゼンの講演はいつも通り、、とはいかず、すこし盛り込みすぎて時間を超過してしまった。講演のなかで「講演時間厳守」を唱えていたにもかかわらず、である。これには「そういう失敗をするのがプレゼンというもので、だから難しいんですよ」とよくわからん説明をして誤魔化しておいた。

IMG_2437.jpg そのあとのスライド作成のグループワークでは、スタッフが作成した仮想実験のプロトコールとデータに従って、それぞれ方法を示すスライドとデータグラフのスライドを参加者が作成するという企画だった。それを見て、私が批評するということだったが、参加者それぞれが私のスライド作成における注意事項にもとづいて工夫しているのがわかって面白かった。みんな真面目である。もっとも、こんなときにふざける奴はおらんと思うが、、、。写真はそのグループワークの風景である。


 参加してみて感じたのだが、生化若手の会のミーティングの主眼は参加者の研究発表をもとに議論するという点にはなく、どちらかというと研究者としてやっていく上での諸問題にテーマを決めて話合うなどして相互啓発するような、、そういったところに重点が置かれているように見えた。それはそれで大切なことだが、巨大な生化学会の若手の会なのに、それではすこしもったいないような気がする。しかし、スタッフのひとりに聞いてみると生化学会からの支援はかなり少なく、それなりの規模で研究発表会をするのには無理があるとのことだった、、。学会それぞれによって、若手育成ひとつとっても色々と考え方があるのだろう、、。

 今回の出張は私の都合で日帰りにしたので、早朝に家を出て7時過ぎの新幹線に乗り、久留米駅で送迎バスに乗り換えて12時過ぎに到着し、講演後はスタッフの運転するクルマで久留米に舞い戻り、午後7時前の新幹線で帰阪するという慌ただしい出張になった。帰宅して落ち着いてニュースや新聞を見て、ロック歌手のデヴィッド・ボウイとジャーナリストの竹田圭吾さんが亡くなったことを知った。竹田圭吾さんは客観性・公平性・ユーモア性、全てを備えたとても素敵なジャーナリストで、大好きな人だった。デヴィッド・ボウイに至っては、若い頃「この人は死ぬことなんてないんじゃないか?」と私が何となく思っていたような人だった。生化若手の会もそうだったが、自分が年齢を重ねたことを強く感じさせるような出来事がいくつもあった連休だった。 

 謹んでご冥福をお祈りします。


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posted by Yas at 18:37| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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