2015年06月20日

おっさんの繰り言

 ラボメンバーから仕事(研究)の報告を受けていて、「そういう仕事のやり方をしていたら、いつまでたっても進捗はないやろ」と感じることがある。しかしなぜ「進捗はないやろ」と感じるのかを説明するのは難しい。私以外の、ラボや研究グループを指導される立場の皆さんにはそんな経験はないだろうか?

 いや、いちおう説明はできる。でもその説明ではおそらく相手に納得してもらえない。こういう状況に遭遇したとき、そしてその研究テーマが重要なものであるとき、研究リーダーは色々と思い悩むことになる。
 一見すると実験の選択や手順は妥当に見えるが、目の前の壁を乗り越えるためにはもっと多くの仕事量が必要だと(私が)感じる時、なぜか上手くいかない実験の上手くいかない理由を調べることなく放置して、それを解決するべく別のもっともらしい実験をいくつも計画している時、欲しい実験結果を得るための適正なスケールで実験をしていない時、自分が気になる目の前の問題を解決するためだけの小さな実験を繰り返したりしている時、などがそれにあたる。こうした「一見すると妥当に見える実験」は、実験者本人が妥当だと考えていることもあって、論理的に「なぜだめか」を説明するのは難しい。これを理解してもらうには、センスとか経験とかが必要なのだが、こうした状況に陥る実験者にはそのセンスとか経験とかが足りない。そんな時に「経験を積みなさい」と云ったところで、目の前の実験に苦しんでいる本人には何の足しにもならない。

 初学者には、経験者が目の前で実験をやって見せて、細かい実験手技の意味を教えて、ナマの実験データを一緒に吟味して、一緒に試行錯誤してやるのがよいと思う。こうして経験を積むと同時に、実験センスとはどういうものか理解できるようになると思うからだ。マニュアル本(この頃は科学実験でもマニュアルの花盛りである)をなぞるだけではダメだ。

 しかし最近はもしかすると、初学者を教える方もマニュアル人間化しているのかもしれない。そんなことをおっさんボスは考えている。

 初学者の皆さん。ボスが理不尽なことを言っているように感じる時、ホントはそんな事情が関わってるのかもしれませんので、ちょっと振り返って考えてみてくださいな。、、、いや、ホントに理不尽なことを言ってるだけなのかもしれませんけど、、。


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posted by Yas at 16:25| Comment(1) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ぼやいてんと、指導したらんかいっ!と言いたいところやけど、もうすぐ教授歴20年、そういう指導は無駄であったと思うばかりのこのごろですわ。
Posted by なかのとおる at 2015年06月21日 21:11
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