2013年11月06日
久しぶりに Mac に関するつべこべ 2
もう少しだけ、前々回の話題を続ける。
今ちょうど、科学研究費補助金の申請時期で、この時期は Mac ユーザーはいつもイヤな思いをする。文部科学省(学術振興会)がウェブサイトを通じて配布する申請書のフォーマットが MS Word のものだからだ。Word には Mac版もあるが、微妙に書類の表や項目の配置がずれる。最近はずいぶんマシになったけれど、それでもそもそも Mac 版の Word は動きがぎこちないし、決して改善されないバグがどのバージョンでも必ず存在する。Mac版の Word がヘンテコなのはマイクロソフトの陰謀だと云う Mac ユーザーもいるほどだ(私と違いますよー)。それを騙し騙し使いながら申請書を作成しなければならないのが、この科研費の時期なのである。
Mac には、Word に比べて遥かにシンプルで使いやすい Pages があるのに、なぜ Word を使わねばならん? というのは Mac ユーザーなら誰しも思うところ。だがしかし、それは Mac ユーザーのワガママというものだ。でもせめて、テキストフォーマット(.txt)やリッチテキストフォーマット(.rtf)のような、汎用性のあるフォーマットで申請ができればいいのに、と思うのは私だけではないと思う。PDFはきれいけれど、大量のテキストを埋め込むには向いてないしね。
しかし、おカミはいつまで Word を使うんだろうか? お役所といえば、むかしは専用ワープロの「Rupo」や「書院」のファイルをいつまでも使っていたし、科研費書類で云えば、いまでも「一太郎」様式のファイルが一部の書類で配布されている。お役所は、やはり保守的なのか。
私は Word を使いにくいというだけで(これって、充分な理由になるけれど)、ダメだと云ってるわけではない。Word に限らず Windows OS にもアドビ社フォトショップのようなアプリにもいえることだけれど、もう高機能のソフトパッケージを高額で販売するビジネスモデルって、一般的ではなくなる(なくなっている)のではないでしょうか? という思いが私にはあるのだ。(たくさんの人が同じことを思ってると思うけど)
例えば、前々回に書いた Endnote はパッケージ版で5万円超。我々にとって必要な Endnote の機能をほぼ同じレベルで提供してくれる Papers はダウンロードして 7,000円ほど。Office は 3万円超、Word や Powerpoint は単品でそれぞれ1万5000円超。それに対して Mac の Pages や Keynote はそれぞれ 2,000円ポッキリだ。まだある。アドビのフォトショップやらイラストレータは高価この上ない(7~8 万円?)。最近は、クラウド版(ネット経由期限付き)のアプリを利用できるようだがそれでも 3,000円/月程度課金されるようだ。しかし今や、一般的な論文やスライド用の画像イメージを作成するには、フォトショップがなくとも例えば Pixelmator (3,000円未満)というアプリで充分だ。イラストレータのようなドロー系ソフトの代替には Inkscape やら iDraw やら、タダから1万円までの軽いアプリがあまた存在する(ただし、私はまだ使ってませんけど)。
アドビやらマイクロソフトやら、ソフトを売らないとやっていけない会社の事情はわかるけれど、高額ソフトを売りつけられているような状況は、もう我々としてはおしまいにしたいんですけど、、、。そもそも10万円少しのコンピュータ(われわれの世界ではこれで充分仕事ができる)に、何万円もするアプリ製品をいくつもインストールすることに釈然としない人はきっとたくさんいるはずだ*。プロフェッショナルでなければ必要ないような高い機能を削ぎ落とした目的にあった軽いソフトが安価で提供されていて、大部分の人はそれで充分なことにもう気づいている。ソフト間のファイルのやり取りはPDF、JPEG、EPS、TXT、RTFなどの汎用フォーマットで可能だ。Word なんか要らん! 勝手にテキストスタイルやフォントを変えやがって、、、みたいな**。
プラットフォームに依存せず、ファイルのやり取り可能な小型軽量ソフトを使って気楽に仕事をしたい。Mac も Win もない! そんな時代はいつ頃訪れるのでありましょうか、、。
、、、、とか考えながらネットを検索していたら Crossover Mac というソフトを見つけた。このソフトは Mac 上で、Windows OS をインストールしなくても Windows アプリを起動できるという優れものらしい。、、、これを見つけて「おぉっ!」と一瞬思ったが、よく考えたら、私は Windows アプリなんて一本も持っていないので、このソフトには全く用はなかった。
*:企業や大学では、特定のソフト会社とサイトライセンス契約を結ぶことで、台数限定でフリーインストールが可能になったりするけれど、そもそも単価が充分に安ければサイトライセンスというシステム自体が成立しないと思う。一方、アップルのApp Store で購入したソフトはすべて(だと思う)、同一の Apple ID のもとで無制限に Mac にインストールできる。よく知らないけれど、同じコンセプトのソフト会社があってもいいと思う。サイトライセンスも、少しずつその意味を失いつつあると思うのだけど、どうでしょう?
**:Excel はよいアプリなので認めます。高いけど。
私もWordがとても苦手です.ですから,一定の書式が求められる文書の作成には可能な限り頑なにPagesを使っています.「可能」となる条件はおよそ次の2つです.
1.提出はdocでなくてもよいこと(PDFや印刷物で可)
2.フォームのページ数が膨大でないこと(せいぜい20ページ程度)
科研費などはまさにこの私的条件に当てはまるので,Pagesのド対象です.
ダウンロードしたフォームの各ページをpdfイメージでPages書類に貼り付けたり,項目欄に合わせてテキスト入力欄を作るのが面倒なんですが,ウォーミングアップ代わりとして割り切ってます.
苦手意識を克服してWordを好きになればいいんでしょうけど,たぶん無理です.好きなPages('09)がそこにいるかぎりは(自嘲
コメントありがとうございます。
縦線と横線の入った表形式の様式というのさえやめてもらえれば、どんなソフトでも使えるのに、といつも思います。表文化のある日本では難しいでしょうね、、。
Word なんぞ、必要時以外に使ってはいけません。身体に毒です。