2012年07月17日

ホリプレ論文篇18「辞書1『リアル辞書』」

 へっぽこ論文指南と題して「ホリプレ論文篇」を書くと宣言してずいぶん経った。実際にこれまでに何編かは書いてきたが、なかなか筆が進まない。というか、最後の投稿からもう10ヶ月も放ったらかしになってしまった。書きはじめた頃から簡単なことではないと思っていたが、やっぱり論文の書き方をちょこちょこと、しかも順を追って解説するなんて無理だ。私の力量から言っても無理だし、論文作成の複雑な工程を考えても無理だ。そこで、これからは論文執筆にかかわることで思いついたことがあったらその都度このブログで書いてみる、という風にスタイルを変えることにしたっ。

 んで、今回からしばらく、「ホリプレ論文篇」では辞書のことを書きたい。無論、語学辞書のことである。研究職という商売は、英文にしろ和文にしろ文章を書くことは避けられない。このブログのようないい加減な文章ではない、たくさんの人(その中には研究の競争相手もいる)の目に触れる、場合によっては長く引用されるかもしれない論文である。そんなところで間違った言葉の使い方をしていては恥ずかしい。もし執筆しているのが英語論文なら、間違った用法や意味で単語を使っていてはいつまでたっても完成には至らない。だから、研究者を看板に掲げている(あるいはその予備軍として勉強している)ならば、精選した良質の辞書を座右にはべらしていなければならん。、、、ということで、これから数回、辞書談義をしてみる。すこしでも皆様のお役に立てば欣快至極でございます。


 さて、コンピュータで操作できる電子辞書がきわめて一般的になった今頃だが、私の机の上には何冊かのリアル辞書がある。今回はその、リアル辞書の紹介をする。

例えば、
「角川 国語辞典 昭和44年改訂173版」
 この辞書は、私が小学生の頃から使っていて、今も教授室の机の目の前の棚に鎮座している。中学生の頃に、たとえ知っている単語でも「辞書ならなんと表現しているのだろう」とふと思って以来、何でもかんでも気になった単語を片っ端から引くようになった。いま眺めてみると、かなり字が小さくて読むのに苦労する。かなり使い込んだので、ページをめくる時に親指の当たる、背表紙に対していうならページ紙の端っこが束になった腹の部分(正式名称はなんというのでしょうか?、、と思って調べたら「小口」ということがわかった、、)が真っ黒になっている。さすがに今は使ってないが、捨てるのはちょっとイヤだ。

それと「三省堂 ニューコンサイス 和英辞典 昭和48年第8版新装第15刷」というのもある。これはいつからあるのかわからない。やはり私が中学生だった頃からだろうか(英語を習い始めるのは、当時は中学生からでしたからね)。ほぼ全く使っていないけれど、何故か今も本棚にある。これは捨ててもいいかな、。この辞書の「使えなさ」がトラウマになったのでもないだろうけれど、私はいまだに和英辞典というものの使い方が分からない。

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary of Current English (A.S. Hornby) 1982年 第3刷」
 現在、OALDとして知られる定番の英英辞典は、日本で英語教師をしていた Hornby という人が編纂した辞書がもとになっている。この辞書はその第3版に当たるようだ。私は、英語論文執筆で厳しい指導を受けた恩師の故阪口玄二先生の薦めに従って、大学院に入学した頃にこの辞書を買った。Hornby版のOALDの凄いところは、動詞が取りうる主語、間接目的語、直接目的語、補語、文節の組み合わせで、52種類の文型(Hornby のOALD では「verb pattern」と呼ばれる)に分けられているところである。この辞書で動詞を調べると、単語見出しに続く vi(自動詞)とか vt (他動詞)といった馴染みのある記号のあとに VP1 とかVP3A とか VP4B とかの文型を示す記号が示されている。この記号に従って巻頭にある文型リストを参照すると、その動詞で取りうる英語構文がわかるようになっている。阪口先生は「論文を書いている時に、この辞書に何度助けられたかわからない」とおっしゃっていたのだが、まさしく私も何度助かったか分からない、いやいや、今も助けていただいている。実際、いまでもコンスタントに使う機会のあるリアル辞書はこの OALD Hornby 版のみである。残念ながら、現在の第8版の OALD にはこの verb pattern の情報は盛り込まれていない。ネットでの情報によると、開拓社がいまも verb pattern を盛り込んだ、昔ながらの Hornby の辞典を「新英英大辞典」として出版しているらしい。もし興味をお持ちなら、こちらの方なら新品を手に入れることができる(ただし、私はこの中身を見ていないので、verb pattern が載っていなくても責任は取りません。あしからず)。

「Cobuild, Advanced Learner’s English Dictionary」
 有名なコウビルド英英辞典である。ペーパーバックでページが捲りやすく、見出しも見やすいが、私は附属CDをコンピュータに取り込んで使っているので、このリアル辞書の使い勝手はよくわからない。この辞書の内容については、次回以降のハードディスク格納型辞書の話題で取り上げたい。

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary 8th edition」
 OALD の最新版である。残念ながら verb pattern の説明はない。これもリアル辞書ではなく附属のCDを使って、コンピュータ上の電子辞書として使用している。上と同じく、次回以降に話題にしたい、、。

 リアル辞書は、ページをめくる感覚を楽しんだり、周辺情報(調べた単語の前後の語句や解説など)を読み込んだりすると、それはそれで楽しいものであるが、いかんせん世知辛い今日この頃、論文を書くのにそのようなことをしていては時間がいくらあっても足りない。だから論文執筆や e-mail を書いたりする時には、コンピュータを使ってスタンドアローンの辞書やネット辞書を使いまくっているのが実情である。次回のホリプレ論文篇(いつになるかわかりませんけど、)では、そんな「コンピュータで使う辞書」のことを書きます。よろすく、、。

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