2011年02月12日

ホリプレ論文篇11「断片を書く」

 英語の論文でも日本語の論文でも、あまり経験のない学生さんなどの原稿を見ると、文章や段落をつなぐための接続詞がやたらと多いのに気になる時がある。英語の場合は語彙力の問題もあるのでそれほどでもないが、日本語の場合は目立つ。

 「まず、」「しかしながら、」「それで」「ところで」「さて」といった接続詞が目につくが、ほとんどの場合このような接続詞は必要ない。こうした接続詞は、文脈が途切れるのを怖れて多用されているようだ。この接続詞問題についてはいずれ取り上げることとして、ここでは「文脈(ここではあくまで文章上のつながりのことを言っている)が途切れるのを怖れる」必要はない、ということを強調しておきたい。

 前回書いたように、論文は情報の断片の積み重ねで出来上がる。断片とは個々の実験結果や議論の対象だ。筋の通った論旨で研究が進められているのなら、その論旨に基づいた断片を並べるだけで充分に意味の通った論文になる。文章上のつながりを気にする必要はない。

 ということで納得していただけただろうか? もし納得していただけたなら、論文の断片から書き始めよう。最も簡単な断片は「材料と方法(Materials and Methods)」である。試薬とか発現プラスミドの作製とか、細胞毒性の定量とか、実験ノートをもとにそれぞれの断片を文章にする。それだけだ。簡単でしょ? このとき、断片ごとのつながりを気にする人はいないだろう。そういう意味で、この「材料と方法」の部分が最も科学論文らしい体裁になっていると私は思う。

 しかし、論文は「材料と方法」だけではない。「導入(Introduction)」とか「結果(Results)」とか「考察(Discussion)」の断片をどう考えるべきか? この中では「結果」が比較的簡単だ。それぞれの実験結果の図表に対応させるように、ひとつずつ断片を設定すれば良い。図表の説明の断片を文章にするわけだ。この際も、断片ごとのつながりを気にする読み手はいないと思う。

 「導入」や「考察」も基本的には同様で、結果の図表にあたるような小さな話題を断片にするのだが、実験が終わった時点ですでに断片とする話題が出来上がっている「材料と方法」や「結果」とは異なり、「導入」や「考察」では断片の話題を組み立てるのには若干の工夫が必要だ。

 次回は、その工夫について書くつもり、、。

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この記事へのコメント
カフカの「城」みたいに、まわりをぐるぐるまわってるばっかりで、いっこも本質に迫る内容がでてこないぞぉ。ホリプレと迫力が違いすぎるやないかぁ。
Posted by なかのとおる at 2011年02月13日 21:02

 あれ? せんせ、第一回をご覧になりました? 論文を書ける人はこのシリーズは読んじゃダメなんですよ。

 私は、論文を書けない人は書けない何らかの原因が深層心理に潜んでいると見ております。ふっふっふ。

 このシリーズは、まず、そんなヒトタチの心の障壁を取り除くところから初めてみようかなと思ってます。

 いや実は、何から書いたものやらまだ考え中で、時間稼ぎもしてるんですけど、、、ま、どぞ、ご理解のほどを、、。
Posted by Yas at 2011年02月13日 21:31
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