2011年02月09日

哲学は全てを包みこむ

 昨日は今年に入って 4 度目の東京出張だった。今回は細菌学会関連の用務。来春の細菌学会総会のシンポジウムとワークショップのテーマを策定する委員会である。あらかじめ委員から提案されていた企画が40ほど、。これを半分程度に調整し、それぞれの担当者も決める。そのあとは担当者が責任を持って具体的なカタチにしていくのである。委員の先生方の努力で、みっちり2時間半かけて大枠を決めることができた。

 そのあとはいつも通り、田町でグビグビ。午後9時前の新幹線で帰阪する。帰宅したのはちょうど午前0時だった。

 夜が明けて今日、、、昨年パリでお会いした矢倉英隆先生が微研に来訪された。昼食をご一緒させていただき、さらに小1時間程度、私の研究室でお話をさせていただいた。もともと、矢倉先生は免疫学を専門とする生命科学者であったが、定年退職を機に哲学を学ぶためにパリに渡って、いわゆるパリ大学(パリ大学は実際には複数の大学の連合組織になっているようだ)大学院で勉強されている。

 「現役時代は、私は死なないし私の仕事は決して終わらない、と漠然と考えていた。でも定年退職の時期は間違いなくやってくる。その時期が近づいてくると、自分は職場を去らねばならないし、退職後は研究があっさりストップすることが実感として悟ることができるようになった。だから、自分のやっている(やっていた)ことを、距離を置いて観るために哲学を始めた」とおっしゃる。
 たとえば、学生時代は自分のやっている実験で精一杯だ。だけど少し経験を積むと、実験の対象となる研究テーマの意味が分かってくる。もっと経験を積むと、その研究テーマの関連学問領域の中での意義がわかる。さらにその先には、社会に置ける科学の位置づけについて考えるようにもなる。自分の研究からどんどん距離を置いていくわけだ。「その究極に、矢倉先生のように科学を哲学する姿があるんでしょうか?」と尋ねると、「そうだね」と先生は簡単に答えられた。

 夕方から、矢倉先生のセミナーが催された。そのタイトルは「科学と哲学のインターフェースから免疫を観る (Thoughts on immunity from the interface of science and philosophy) 」である。たっぷり1時間。昨日の出張で疲れた頭で一生懸命フォローしようと頑張ったが、明らかに理解できたことはただひとつ。前掲の、セミナーの前の先生と私の問答は、似たような言葉で実は全然違うことを語り合っていたらしいということだ。

 機会があれば、もう一度、疲れていない寝不足ではない頭でお話をお聞きしたいな。矢倉先生、いずれまた、、お願いします。

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posted by Yas at 22:16| Comment(2) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回のブログは、もどかしい。
でも、僕はこのもどかしさも、大切にしたい。
Posted by akioabe at 2011年02月10日 00:22

 オレも、矢倉先生のセミナー中、すっと話が入ってこないぼけた自分のアタマにもどかしかったっす。

Posted by Yas at 2011年02月12日 22:32
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