2007年11月14日

うぎゃー!


 毎日新聞の科学記者、元村有希子さんが「理系思考」というエッセイ集を出版した。毎日新聞に不定期掲載しているコラムを集めたものらしい。このブログを始めて間もない頃にも書いた が、私は元村さんの文章が好きである。この人は根っからの文科系人間らしいのだが、仕事でやむにやまれず自然科学の勉強をするようになり、今ではこの方面で立派な論客として活躍されている。本書は、文科系人間と思いこんでいた本人が、理科系とは?科学とは?と真摯に考えるようになる過程が描かれているそうである。例によって紹介しておきながら何だが、私は基本的に小説が好きなので、こういうエッセイ集を買って読むかどうかはわからない。でも、理科系とか文科系とかいう人間の分類の仕方に興味があったり悩んだりしている方にはお勧めかもしれない。

 話は変わるが(あんまり変わらんかも)今朝の毎日新聞の朝刊で、東京ガス生活研究所所長の早川美穂さんという人が紹介されている。この人もいわゆる文科系出身だ。立場上、「入浴は健康に良い」ということを科学的に裏付けるために、医学生用の入門書をひもといて独学で生理学を勉強するようになった。
「菖蒲湯は普通の湯より入ったときの総血流量が2.5倍になる」
「ゆず湯が冬場によいのは、血管拡張効果が4倍高く血行が促進されるから」
というように、同研究所で実験して得た生理学的データを付して入浴法の説明をするように心がけている、という。それは、「ちゃんと説明して、ガスを売りたい」ためであるという。繰り返すがこの早川さんは、いわゆる「文科系」出身である。

 自然科学の分野で長く仕事をしている人なら、人を「文科系」「理科系」という2種類に区別することが無意味であることは誰でも知っている(はずだ)。そんな区別は受験対策の便宜的なもので実態はない。ただ論理的思考の出来る人と出来ない人の区別は存在するかもしれない。実際、いわゆる理系の上位大学学部出身学生が実験も出来ない、というのはこの業界ではよく聞くハナシだ。

 でもまぁ、基本的に、人は人を2種類に区別するのが好きだ。「理科系と文科系」「縄文系と弥生系」「他人を疲れさせる人と他人に疲れさせられる人」とか、ちょっと昔には「しょうゆ顔とソース顔」なんてのもあったし、30年ほど前には大阪では「オジンとオバン」てのもあった。2種類に分けるというのは、分かりやすいというか区別しやすいというか、そういうことなのだろう、、そもそも区別する必要もないのだけれど。

 もう「文科系」「理科系」という軛(くびき)を考え直してもいいんじゃないか。言うのも馬鹿らしいが、受験期に決められた「理科系」は論理的思考しか出来ず、「文科系」は情緒豊かで感情表現に長けていても論理的思考が出来ないなんて事はあり得ない。でないと、元村さんや早川さんのような人は現れない。なによりも、ブログで「うぎゃー!」とか「どひゃー!」とかわけのわからんことを書いているような理科系教授はどーなる!?
posted by Yas at 23:30| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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