昨晩のNHKの番組「プロフェッショナル」で、漫画家の井上雄彦さんが取り上げられていた。「スラムダンク」「バガボンド」「リアル」などのメガヒット作を連発する超人気漫画家である。
この人がドキュメント取材を受け入れるのは初めてのことらしい。静かな調子の、しかし重苦しくない、いい番組だった。
井上さんは、あれだけ面白い漫画を書いていながら「ストーリー展開には興味がない」と言う。製作の時に力点を置いているのは「人間の心の動き」らしい。
なるほど。
「井上作品の魅力はそれぞれのシチュエーションで登場人物達が何かを喪失したとき、あるいは何かを得たときの感覚のリアリティーにある」と、このブログで書いたことがあるが、その秘密がわかったような気がした。、、納得。
それから、「手に負えない仕事をしたい」と言う。正確な表現は忘れたが、「漫画家でありつづけるために漫画を書くなんてつまらない」と彼は続けた。
この言葉、研究者にも通用する。
「研究者であり続けるために研究するなんてつまらない」
「手に負えない仕事をしたい」
全くその通りだ。
2009年09月16日
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