2009年07月27日

「聴衆を笑わせる、、、、」ホリプレ10

 お待たせしました(待ってないですか? そーですか、そりゃどうも、、)。 ホリプレ10です。

 久しぶりのホリプレは、「聴衆を笑わせる、、、、」という話。私は学術講演で心の底から笑ったことが二度だけある。それはムチャクチャ楽しい講演だった。

 ひとつは私の学生時代。当時京大ウイルス研にいらした日沼ョ夫先生の講演。あの有名な「新ウイルス物語(中公新書)」の、成人T細胞白血病(ATL)ウイルスの話だった。導入部からグイグイ引っ張られて、縄文人と弥生人の話や山形県の飛島にフィールド調査に行く話などで大笑いさせていただいた。私が聴かせていただいた講演のなかでは最高の講演だった。


新ウイルス物語―日本人の起源を探る (中公新書 (789))

新ウイルス物語―日本人の起源を探る (中公新書 (789))

  • 作者: 日沼 頼夫
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1986/01
  • メディア: 新書




 もう一つの講演は、私が微研の助手になった頃、医学部第三解剖の教授だった藤田尚男先生の最終講義である。先生は解剖学でも、とくに分泌現象の形態を中心に研究されていた。そして、(たしか)ペルシャ絨毯にも造詣が深い。ご自身の研究の進展とペルシャ絨毯の発展を重ね合わせてストーリーを展開する、芸術品のような(木戸銭を取ってもいいような、と言ったら藤田先生に失礼かな、,)講演だった。この講演中にも、何度も笑わせていただいた。

 聴衆を笑わせるというのは、聴衆を話題に引き込むための最高のテクニックである。それで聴衆はリラックスするし、話者の話すことに集中を切らさなくなる。ただし、それは最高に難しいテクニックでもある。そもそも、公開のお笑いテレビ番組ならいざ知らず、一般に日本人はお堅い講演中に笑う準備が出来ていない。だから、ちょっと出来のいい程度のジョークでは聴衆は笑わない。んで、ジョークが空回りした、いわゆるスベった状態になることが多い。そうすると話の接ぎ穂が切れて、トーク自体がギクシャクしたりするので危険なテクニックでもある。
 
 もしあなたが、この危険を冒す勇気があって、たとえスベっても落ち込むことのない芯の強い人であるのなら、「聴衆を笑わせる」ことに挑戦してもいいと思う。これに大いに成功すると最高にインプレッシブな講演をすることが可能だ。私が20年以上前の日沼先生や藤田先生の講演を印象深く覚えているように、,。

 ただし、聴衆を「笑わせても」、聴衆に「笑われない」ように気をつけよう。


 外国の講演だと、聴衆を笑わせることはそんなに難しくないようだ。私自身「こんなんおもろいんか?」と言うようなジョークで爆笑を誘ったことが何度かある。彼らは学術講演でも、笑う用意ができてるみたい。あるいは、笑いの閾値が低いのか?

posted by Yas at 22:27| Comment(0) | ホリプレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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