2009年05月21日

研究者になるために、、

 若い人に時々聞かれて、ひと言で答えにくい質問の代表格が
「研究者になるためには何が必要ですか?」というやつである。

「そんなもんわかるかいっ。オレは自分がちゃんとした研究者かどうか自信ないのに、そんな質問に答えられるわけないわっ」と答えたい。
 が、そういうわけにもいかんやろ。ということで一通り答えを考えてみる。

 まぁ、とりあえず実験科学が好きであるというのは必須やね。計算する能力とか、論理的に考える能力が必要なのは言うまでもないし。
 それから英語の読み書きの能力は大事やわな。とくに読解力がないと致命的やね。それから想像力は欲しいな。、、。この場合の想像力とは、夢想する才能ということ以外に実験の feasibility (実際可能かどうか)を推し量る想像力も含む。んで、ストーリーを構成する能力や情報を整理する能力も要る。ポジティブデータを引っ張りだす運の強さなんかもあったほうがいいなぁ。それに実験の手際が上手な方がいい、、けど、実験ベタな優れた研究者を私は何人も知っているし、、必要要件としては弱いか、、、。

 研究室を主宰する立場になると、こんどは統率力が要るね。あるいは「この人はほっておけない、面倒見てあげないと」とスタッフに思わせるような頼りない風情も有効かも。スタッフにプレッシャーを与えつづける厳格性、あるいはスタッフの奔放な実験スタイルを容認する寛容性のどちらかが必要かな。社交性もいるわなぁ、,。でも逆に、周囲を気にせず研究に没頭するような執着も必要やしね、、。むずかしいよ〜っ いろいろと。
 いや、えっとね。何を言いたいかというと、要するに質問の答えは「人間力に繋がるあらゆることがいるんだよ」と言うことになるんじゃないかということだ。、、研究者になるのに特別に必要な能力というのはそれほど多くない。他の職業でしっかりやっていくのに必要な能力(それを磨く努力をする能力を含む)とそれほど大差ない。

 んで、この、「研究者になるために何が必要ですか?」と質問する人のココロのどこかには、実は「どれとどれをやれば(何と何の能力があれば)研究者になれますか?」という質問の意図が隠れているのではないか、と思うのだ。これとこれの能力さえあれば大丈夫、とかいう専門的な仕事って、あんまりないぜぇ。「天職」という言葉はあるが、天職にあたって成功なんてのも期待しない方がいい。ひたすら自分のなりたいものに向かって、なんでも自分を磨き続けないと、、、しんどくていややけどね。

posted by Yas at 23:12| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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