2009年05月12日

スタッフミーティングのあと

 先日はスタッフミーティングをもった。ラボで進行中のプロジェクトや研究グループを見直したり、それぞれの目標を再確認したりするミーティングである。年に1−2回、教授室で話し合う。

 いまのスタッフが頑張ってくれているおかげで、それなりに研究のネタが広がってきているのだが、そのネタを推し進めるための人的リソースが相変わらず乏しい。現在、大学院修士課程の学生さんが二人のみ。研究サイドのスタッフは私を含めて五人。これは微研のラボの規模としてはとても小さい。

 ちょうど、「実験医学」の最新号の「なかのとおるの生命科学者の伝記を読む」で仲野先生が、それから「生化学」の「アトモスフィア」でも、研究室の規模と研究費についてたまたま触れられている。仲野先生は「適正かどうかは別にして規模と研究予算が膨らんでビッグラボとして高止まりする研究室のパターン」に言及され、後者の「アトモスフィア」では「巨額の予算を獲得して大研究室を運営しなければよい研究はできない」との考え方に疑問を示されている。、、、そんな風潮はどこのことやら、、、うちのラボでは研究人員が10名を超えたときなんて、いつのことやったやら、、。まるで、過疎に悩む地方の「限界集落」のようだ。


 別に研究費が乏しいわけではない。研究成果が全く出ていないわけでもない。日本の細菌学領域の若手人材の欠乏がそのまま研究室の人材不足に反映されている、というのが大きな理由ではないかと思っている。微研のような附置研は、学部学生を内部に抱えていないので、そもそも大学院生の獲得が簡単ではない。加えて、博士課程修了者やポスドクの就職難の問題が全体的な大学院入学者数の減少に拍車をかけている。

 けど、そういう愚痴めいたことばかりも言っとられん。仲野先生の話では「成果があがる」−>「研究費が増える」−>「人員を増やす」−>「テーマを拡大する」−>「もっと成果があがる」のサイクルで研究室規模が高止まりするパターンを挙げられているが、「人が少ない」−>「成果の規模が小さくなる」−>「研究費が減る」−>「人員が減る」ー>「もっと成果がでなくなる」というサイクルでスパイラル転落していくパターンもあるわけだ、、。お〜こわいこわい。まさに限界集落、、、

 私は「規模と予算の高止まり研究室」とは違う、適正規模の楽しい研究室を目指しているが、それでもプロジェクト規模を維持するための人員は必要だ。スタッフミーティングで決めたプロジェクトと人員のやりくり配置でなんとか成果を上げ、それから教授の努力でせめて適正規模の人材を確保して、それからそれから予算も適正に獲得できて、、、、大それた望みはないんやけどね。

 研究をする、という以外の悩みというのは鬱陶しいが切実だ。




 細菌学領域で大学院進学を考えられている方、、うちの研究室を見学に来てみてチョ。楽しいよ〜。面白いよ〜♪。



posted by Yas at 21:33| Comment(3) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大それた望みではない先生の望みが実は一番難しいんちゃうかなあ、とこの頃思います。

それから細菌学領域ってなんなんでしょうかね。とても明快な当たり前の区分けのようで、私はそうでもない気がします。少なくとも現代では。
Posted by A. Hill at 2009年05月12日 22:36

 あ、A. Hill 先生、、ついにコメントしてくれはりましたね、,。

 いや、楽しく研究したいだけなんですけどね。

 「細菌学領域」の区分については、、、きっと話せば長くなるような、、、。少なくとも細菌学者がこれを云うときは単なる研究領域の区別を指しているのではなくて、多分に変な防衛本能が働いているとみてもいいかもしれませんね。あ、こんなこと書いたらまた怒られる、,,。

 こういう話は「よしむら」か「かむなび」か「ソッタク」でしましょうよぉ〜。また連れてって。



Posted by Yas at 2009年05月12日 23:02
すいません。自宅で酔ってて、つい戯言を書き込んでしまいました。でもそれぞれのテーマ(「楽しく研究が今如何に難しいか」と「学問の領域って何?」)について思うところはたくさんあるので、また飲みに行ったときに。ともかく細菌学が文楽にならないよう祈っています。
Posted by A. Hill at 2009年05月13日 10:03
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