2009年04月29日

「必要のない情報」ホリプレ8

 お久しぶり、,。ホリグチのプレゼン、ホリプレの8回目。

 「シクロクロス」と「クロスバイク」を含む、スポーツタイプの自転車の説明はつづく。

スライド.005.jpg 「マウンテンバイク」は山道走行などに対応するために、堅牢なフレームでタイヤは太いごつごつしたブロックタイヤと呼ばれるモノをはいています。そのために路面をしっかりとグリップするのですがそれはつまり、路面に対する抵抗が高いということで軽快な高速走行には向いていません。それに対して「クロスバイク」は「マウンテンバイク」よりも細めの、グリップがしっかりしていて路面抵抗の小さいタイヤを装備しているので、「マウンテンバイク」よりも走行性能が高くなるように設計されています。「シクロクロス」は、走行性能の最も高い「ロードバイク」とほぼ同じ車体ですが非舗装道路でも走行できるようにタイヤがやや太く、また砂利や泥がブレーキに挟まらないような「カンチブレーキ」という特殊なブレーキシステムを装備しています。こうして、ロードバイク>シクロクロス>クロスバイク>マウンテンバイク、という走行性能の違いが生まれるのです。

 この説明、、、自転車の車種の違いの説明としてはおおむね正しい。だが不要だ。なぜなら自転車通勤の効用を語るのが目的のこのプレゼンテーションでは、車種の違いを説明するのは本筋から外れるからである。限られた時間のプレゼンテーションでは喋るべきではない。いや、喋ってはいけない。時間が無駄なうえに聴衆を混乱させてしまう。一回の講演の起承転結に関わりのない情報は聴衆にとって必要ない。

「そんなの当然じゃん?」と思われるかも知れないが、実際この失敗はよくやってしまう。研究者は自分の研究に思い入れのあるものだ。あるいは苦労した実験もあるかも知れない。そういうときに、自分の思い入れや苦労の一端を披露しようとしてこの失敗を犯す。
 これを避けるには、口頭発表のスライドや原稿を作成するときに意識するしかない。「いま、準備しようとしているこのデータは、本当に今回の話に必要なのか?」と、常に自問自答すること。これが大切である。



posted by Yas at 12:22| Comment(3) | ホリプレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大変勉強になります。
私もついつい今回例にあげられてる失敗を犯してしまうのですが、一つ質問させてください。

私はこのような場合(つまり聴衆がほとんど知らない言葉で、その説明も時間的に無理な場合)、「自転車の種類」というスライドから「シクロクロス」と「クロスバイク」のデータを除く方が良いのではないかといつも悩みます。このスライドで両車種のデータを入れる(残す)方がよいのか、除くべきか、先生はどう考えられますか?

ホリプレ、これからも楽しみにしています。何卒よろしくお願いいたします。
Posted by KS at 2009年04月30日 08:19
 コメントありがとうございます。本ブログをいつもご愛顧いただいている○○先生とお見受けします。今後ともよろしくお願いいたします。

 えとですね、。基本的には必要のない情報は発表内容には一切入れない。と言うのが私の信条です。ここで「クロスバイク」と「シクロクロス」をスライドに入れているのは、ホリプレの今後の回で自転車通勤の効用について「クロスバイク」と「シクロクロス」の違いについて言及するからであって、もしそれがなければここではもちろん必要ありません。(今後のネタバレをしてしまいましたが、,,)

 発表をコンパクトにわかりやすくするためには、「必要ない情報は一切入れない」という不屈の覚悟と根性が大切だと私は考えております。決して迷われないように、,,スライドに入れる情報やデータの取捨選択については、いずれ(ホリプレの何回目かわかりませんが)話題にするつもりです。、、よろしく。

Posted by Yas at 2009年04月30日 23:22
実にクリアーなお答えありがとうございます。大変よく理解できました。今後ともよろしくお願いします。
Posted by KS at 2009年05月01日 07:57
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