ちょっと他人に紹介したくなるような本を読んだ。
「地団駄は島根で踏め」わぐりたかし著 光文社新書。
ひと言でいうと、語源をめぐる冒険本である。”日本語は現場で起きている” をかけ声に、著者のわぐりさんは様々な言葉の語源を求めて日本全国を歩き回る。自らを名付けて ”語源ハンター"。
本書はネットや事典を調べてちょっと日本語について蘊蓄を語るようなたぐいの本ではない。著者のわぐりさんが、その言葉を生んだ場所に実際に足を運んで語源について検証する、さながら紀行文のような、、、語源探訪、、をしている。
たとえば、「急がば回れ」
この言葉は滋賀県草津市矢倉二丁目のT字路で生まれた。その証拠は歌川広重の浮世絵に残っているという。わぐりさんはここに足を運んで、そのT字路に立ち、琵琶湖に足を運んで、その語源を検証する。
あるいは、「うやむや」
この言葉のふるさとは、秋田県と山形県の県境の、とある峠である、、、と、わぐりさんが現地に赴くと意外な展開が待っていた。
さらに「泥棒」「うんともすんとも」「あこぎ」「お払い箱」などなど、、現地に足を運ばないとわからないことが満載。ときに、広辞苑は間違っている、という結論にも達する。
ちょっと語り口が軽妙すぎるが、まぁ知的好奇心をくすぐられて一気に読んでしまう。軽く読むにはちょうどいい。出張時の車中や機内でちょっと読むにはピッタリかも、,。続編も用意されてるとか、,。
Yas's Book Review でした。
あれから早4年!続編ようやく出来ました!
『ぷらり日本全国「語源遺産」の旅』 (中公新書ラクレ)
http://www.amazon.co.jp/dp/412150447X/
よかったらぜひ!