2009年04月13日

説明できないこと

 恥ずかしながら、10年以上振りに動物舎に入ってマウスをさわった。
 マウスの尾静脈から採血し、腹腔内に抗原を注射する。

 実は、真実ちゃんが去ってから、このラボには動物を頻繁に扱った経験のある人間がほとんどいなくなった。んで、久しぶりの動物実験で私がお手伝いすることになった。
 なんか久しぶりで、尾静脈に注射針がちゃんとはいるんか? 腹腔内注射するのに片手でマウスをちゃんとつかめるかいな? と不安だったがなんのことはない、手の先の感覚が勝手に尾静脈を探り出し、マウスの尻尾を掴むと自然と手が動いてマウスを保定していた。

 ちょっと安心。身体が覚えてる、ということがやっぱ実験科学の世界でもあるんや、と再認識する。このマウスをさわる感覚、,動物に不慣れなししょーや大学院生のサンゴウに説明しようとしたが、やっぱりむずかしい。説明できない。「経験積んでね」としか言えないのが、ちょっとストレスになったりする。

 いまの自分のような立場になると、自分よりも immature な立場の人間から色々なことについて説明を求められることがある、,。だけど、実験の技術に限らず、このマウスの扱い方のように説明できないことは結構多いのだ。説明できないけど、大事なこと。そういうことを「経験を積んでね」と言ってすませることなしに伝える方法はないのかな、とよく思う。そういうことを、うまく伝える技術を習得するのが、教授室に籠もりがちな「教授」の仕事のひとつではないか、,と思ったりしている。


posted by Yas at 22:59| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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