2008年07月07日

櫻井純先生と毒素シンポジウム

  先日まで山中湖で行われていた第55回毒素シンポジウム。

 この会は会員制のセミ・クローズドミーティングである。数年前はクローズドミーティングでありがちな(無批判な仲間意識で切磋琢磨の気概が乏しい)悪い面が顕在化していてはっきり言ってかなり魅力を失っていたのだが、今回はずいぶんと様変わりしていた。蛇毒関係を含めた興味深い演題や一級の研究者による招待講演が用意されるなどメリハリのあるプログラムで楽しく過ごせた。これはおそらく、今回の世話人の明治薬科大の森田教授や毒素シンポジウムの事務局を務められている愛知医大の横地教授、全事務局長で今や毒素シンポジウムのご意見番である徳島文理大の櫻井純教授のご努力によるものだと思う。

 櫻井純教授は私の尊敬する先生の一人である。
私の毒素シンポジウムデビューは20年と少し前、細胞工学センターの、今は亡くなられた内田驍先生が開催された大阪での第33回毒素シンポジウムであった。その私の演題の座長を務めてくださったのが櫻井先生だった。そのときに座長として質問していただいたその内容も覚えている。ただ、櫻井先生はこの時のことを覚えてらっしゃらない。
それから、たしか櫻井先生ご自身が世話人をされた淡路島での毒素シンポジウムで一緒にお酒を飲んで、そこでやっと私の顔と名前をしっかりと覚えていただけるようになったと思う。

 櫻井先生は毒素の宝庫と呼ばれるウエルシュ菌(Clostridium perfringens)が産生する多くの毒素の研究でJBCクラスの雑誌にコンスタントに論文を発表されている。一昨年は日本細菌学会賞(浅川賞)を受賞された。いつも前向きで、楽しそうにしておられる。少なくとも私は機嫌の悪い櫻井先生を見たことがない。んで、素晴らしい教育者である。4年ほど前、あるシンポジウムで徳島文理大学に招かれたとき、櫻井先生の研究室を訪ねると学生さんたちが丁寧に挨拶をし、朗らかに迎えてくれた。私はあんなにフレンドリーな学生さん達であふれた研究室を見たことがない。聞くと、どうやら櫻井先生の人柄と指導の賜物らしい。これは、今の私には真似ることができない。

 さてそれで、毒素シンポジウム。今回は2晩にわたって深夜まで櫻井先生と酒を飲みながら話をする機会を得た。研究の方向、学生の指導、学会のあり方など、いろいろな話をしてくださり、先生から見ると若造の私の持論も聞き、率直に批判していただいた。1日目の夜はお誘いして私の部屋(同宿の長岡先生、コバヒデ君、ヒビノ君、つき合わせてすいませんでした)で深夜2時頃まで飲んだ。
 次の日、ヘロヘロの私をよそに櫻井先生は昼間にテニスを楽しまれたという。もうそろそろ70歳に手が届きそうなお年のはずなのに、、少し前にはフルマラソンを完走されたそうだ。なんか、無闇にお元気である。
 2日目、懇親会が終わって部屋に戻り、さてもう少しビールを飲むかな、と騒がしい廊下も気になって部屋のドアを少し開けると櫻井先生の姿が見えた。「さすがに、今晩はゆっくり休まれるやろ、、」と思っていたら、先生はいきなりこちらの方に突進してきてドアを押し開け、「さぁ飲むぞ!」、、、で、この夜も2時頃まで、、飲んだ。、学者とか大学人とかそういう前に、まず生き物としての櫻井先生のバイタリティーは、私なんぞのとうてい及ぶところではない、と思ってしまった。

 いやいや、私は櫻井先生に可愛がっていただいて幸せである。
posted by Yas at 21:22| Comment(0) | 私的先生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]