2008年06月30日

松浦善治のチェンジアップ

 先日までのタイ出張は、同じ評価委員の松浦善治教授と同道することが多かった。
 松浦教授は教授会でも控えめ。持論を開陳することなどほとんど、いや全く、無い。傍から見て結構テキトー(松浦先生、すんません)にも見える。

 タイに到着後の空港から市内への車内でのこと。
「高速道路のこちらから見てNIHはどちらの方角ですかね?」と尋ねる私に、訪タイ3度目のはずの松浦先生は
「知りません。全く覚えてないです。はぁ〜、明後日にならないと日本に帰れないんですよねぇ〜」と応える。全くやる気がない。
 もちろん、松浦教授は研究者としてはシッカリした方である。C型肝炎ウイルスに関する面白い研究をたくさんされている。しかし普段は「やる気ないな〜、このおっさん」と思わせることばかり言う。

 ところが、翌日のプログレスミーティングでのこと。評価委員ということで松浦先生と前席で隣り合わせに座った私の目に入ったのは、先生が用意したRCCに関する教授会資料である。松浦先生はその資料でRCCの特任教員の名前と顔を確認しながら発表に聞き入る。これは普通、かなり几帳面な真面目な人間がやることだ。細菌学セクションの発表はウイルス専門の松浦先生には縁遠いはず。だが、彼は質問するのも本来キビシイような発表にきれいな英語で懇切丁寧に質問する。その迫力はなかなかのものであった。ちょっと前の「やる気ないおっさん」はそこにはいない。

 さて、すべてのスケジュールが終了して私は航空便の時間まで松浦教授とバンコク市内を少し観光した。付き添ってくれたのはタイ人のトゥムさん。

tumu.jpg

トゥムさんは、バンコクならではのエメラルド宮殿とマッサージで有名なワット・ポー寺院に案内してくれた。ところが、ここではやる気のないマツウラが再び顔を出す。
「暑いぃ〜。うぅ〜、暑い〜」とせっかく案内してくれた名所をスタコラと素通りしようとする。なんて失礼な、、、。

matsuura.jpg

右下の青いシャツが松浦教授。バンコク1、2の観光名所もサッサと通り過ぎる。全然、美しい歴史的建造物に感嘆する様子もない。

 一方、バンコク市内を移動する際の車中では、ウイルス学会のこと、細菌学会のこと、いろいろな感染症研究者の研究のことなど、実にはっきりとモノをいわれる。これがまた、異論を差し挟む余地のないほどきっちりとした根拠にもとづいている。

 また一方、ワット・ポー寺院。ここには有名な付属のマッサージ学校があって、マッサージを格安(だと思う)で施してくれる。
「あぁ〜、マッサージ! やりたい!やりたい!」と教授が言う(せっかく市内案内してもらってるのに、、、)ので仕方なくおつきあいをした。私ははっきり言って(このときも松浦先生に言ったが)マッサージが嫌い。私にとっては痛いだけなのだ。

 しかし、建物中に広がるメントールの香りをききながら横になるのは気持ちがいい。まぁ変な風に関節を伸ばされるのもいいか、と思っていると、横で松浦教授が気持ちがいいのか「うふ。あはっ」とかムードある声を出している。この日の午前中の迫力ある松浦教授とは別人である。

 人間、オンオフの使い分けとか、ストレスを発散するとか云うが、どうもこの人の場合はそのあたりの使い分けがすごいようだ。松浦善治は抜くときは相当きついチェンジアップを投げる。これを知って、この先生とつきあうのが楽しくなった。

 今回は呆気にとられたが、次回はツボに投げてくるストレートを打ってみたい、と思う。

松浦先生:ブログのネタになるの、たしか了承してくれましたよね!?
posted by Yas at 23:00| Comment(0) | 私的先生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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