2016年06月23日

実験ノート

 お久しぶりです。

 一昨年あたりから「出張を減らして研究室に居る日を絶対増やすぜっ」と考え始めて、ようやく今年度あたりからそれが実現できるようになった。、、、、講義や講演出張をお断りした他大学の皆様方、お許しくださいませ。ホリグチは幸せにやっております。

 ところが、出張を減らして油断していたのかもしれない。雑誌や教科書の原稿依頼を迂闊に引き受けていたら結構な数になっていた。そのそれぞれの締め切りが 7月−9月のうちに迫っていて、実は密かに焦っている。その上、当研究室では珍しくというか久しぶりにと言うべきか、論文(もちろん原著ね)の作成・投稿ラッシュ現象が起こっている。メンバーの論文がふたつ。これはメンバーの書いてきた原稿を私が添削することで作成が進む。それから8年がかりで紆余曲折の末にデータを集めた仕事の論文。こちらの方は実験に関わった主要メンバー全員がすでに異動しているので、図表などの粗稿は残してくれているものの、私が全て生データの所在を確認しながら論文を作成しなければならない。この図表の再作成に二日間かかって、あまりに疲れたので一息つきながらこの記事を書いている。しかし、こんなことが二日間でできるのも当研究室の実験記録システムがそれなりに機能しているおかげかなと思っている。

 当研究室では、研究室に参加したメンバーには実験者記号が与えられる。YhとかNaとか、大抵は名前のイニシャルに由来した記号になるがそうでない場合もある。そしてそれぞれが行う(行った)実験は、その目的によって実験者記号の入った実験番号が振られることになっている。もちろん、実験で作成した材料にはその実験番号が付くし、図表に成形された実験データにも実験番号がつく。実験記録にも実験番号がつく。そうすることで、すでになされた仕事は実験番号と日付をもとにノートを遡って生データや実験方法を確認することができるという仕組みである。今回のように何らかの事情で私がメンバーの仕事で論文を書かないといけない時には、このシステムが大いに威力を発揮する。

 しかし実験番号のつけ方、実験記録の取り方のガイドラインは説明していても、その実験ノートの出来具合はメンバーによって大きな差ができるものだ。気持ちよく元データに辿れるノートもあれば、整理の悪さに愕然として四苦八苦しながら実験方法を探らなければならないノートもある。それでもなんとかなるのは、この方法が長い年月をかけて工夫されて成熟してきたからだと思う(実はこの実験記録方法は、私の学生時代のボスがアメリカに留学していた時に学んだ方法らしい)。私のような雑駁な人間が多人数の実験を管理するのには非常に有効な方法だと思っている。

 ところが世の中、コンプライアンス、コンプライアンスと煩くなってきている。おまけに莫大な額の研究費を不正使用した輩などが本学で出てきたりして、どうやら学内全体あるいは部局全体で共通した実験ノートを作る計画が検討されているとかいう話が聞こえてきている。全くもって余計なお世話なのだが、しかし不正を働いた奴がいたのは事実だし、小保方さんみたいに「笑かしたいんか?」と思ってしまうような実験ノートがあちこちで出回ったりするのは困るし、、、如何ともしがたいか、となんやらすっきりしない気持ちで悶々としている。

 でも、今さら実験ノートのつけ方を変えろと言われたら、やっぱり嫌やなぁ、、。


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posted by Yas at 19:43| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月07日

SIMフリー iPhone を海外で使ってみた

 実は先々月と先月の前半にそれぞれ海外出張でアルゼンチン・ブエノスアイレスと韓国・慶州に短期間滞在していた。ブエノスアイレスは遠かったけれど肉が美味しかったし、慶州の名所観光と帰りに立ち寄った釜山の焼肉は美味しかった。でも、そういう話題ではなくて、今回は SIM フリー iPhone を持って行ってプリペイド SIM を購入してみたので、各国のプリペイド SIM 事情などを書いてみたい。

 いわゆる SIM カードには様々なサイズのものがあるが、私の持っている iPhone 6s に適合するのは最小形状の nanoSIM である。海外でのモバイル生活はこの nanoSIM を手に入れるところから始まるが、あいにくプエノスアイレスの空港は通貨両替ブースさえ一箇所しかないほどで、携帯電話会社の出店はおろかコンビニも何もない。仕方ないのでそのまま学会が用意したバスに乗り込んで市内のホテルに到着する。ホテルのフロントでひと通り宿泊手続きを終えたあとに「この辺りで SIM カードを手に入れるにはどうすればいい?」と尋ねると、「SIM カードはキオスクで売ってる。キオスクはホテルを出て200メートルほどのところにある」という返事。キオスク=売店かぁ、、と思いながら言われた方向に歩いて行くと、その通りには品揃えこそ少しずつ違うものの売店ばかりが並んでいる。文房具店みたいなの、家電ガジェット店、パンと雑貨を置いてる店、宝くじ屋だと思しき店、どの店も SIM を置いていておかしくなさそうな雰囲気である。

 仕方ないので200メートルと見当をつけたあたりの店に片っ端から入っていくことにした。しかしどうもブエノスアイレスの街中では英語はあまり通じない。
「あぁ? お前の言ってることはわからんが、スマホを見せて話をしているところを見ると携帯電話に関係あるものがいるんやろ? それはここにはない。隣の家電ガジェット屋に行け」とスペイン語で言われたようなので行ってみると、ガジェット屋にもプリペイド SIM は無いという(この「プリペイド」という言葉、ブエノスアイレスでも韓国でも通じなかった。世界共通的には他の単語があるのかしらん? あるいは発音が悪いだけか?)。最後に行き当たったのが文房具屋さんだった。
 ここでは少しだけ英語のわかるおばあさんがいて、携帯会社をどれにするかと SIM のサイズを聞いてくれた。事前に調べていた携帯会社は Movistar、んで nanoSIM が必要だと言うと、
「nano SIM はない。マイクロ SIM をハサミで切ってサイズを合わせろ」と言う。んなアホな、と思ったがおばさんは真顔だ。SIM カード本体の値段は20アルゼンチンペソというから150円ほどである。安いし、ここまできてスゴスゴと帰るわけにもいかないので、これを買ってホテルでハサミを借りて nanoSIM のサイズに切ってみた。

IMG_2578.jpg
 その結果がこれ。こんな感じに歪(いびつ)に切れ込みの入った自家製 nanoSIM を iPhone に挿入してみると、、。どうやらつながった。シグナルの強度を示すアイコンには Movistar の文字が見える。 さらに、すぐに Movistar からメッセージが届いたのだが、スペイン語なのでなんのこっちゃ全くわからん。しかしネットには繋がらない。iPhone の設定を色々変えて見たが、やはりつながらない。時差ボケで疲れていたし、日も暮れて来たのでこの日は諦めることにした。

 翌日、学会場の受付で若い兄ちゃんに「SIM を買ったのだけど、繋がらん。たぶんどこかでチャージしないとダメだと思うのだけど、どこに行けばいい?」と聞くと、「スペイン語が分からないのなら、たぶん難しいからここでやってやる」と言って、私の iPhone を使って WiFi 経由で Movistar のサイトに入って、 自分のクレジットカードで7日間分のチャージの決済をしてくれた。その代金250ペソをキャッシュで彼に支払って一件落着。iPhone の操作は世界共通なので、私の日本語版の iPhone の操作には迷わなかったようだ。iPhone 様々である。

 その後は快適なモバイル環境を楽しませていただいた。地図であろうと翻訳ソフトであろうと制限なしに使えるのは気持ちがよかった。7日間で(実際の滞在は確か5日間だった)で 270ペソ、2,200円程度のコストでのモバイル生活だった。


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posted by Yas at 19:45| Comment(0) | コンピュータ & ガジェット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする