2013年12月27日

歯ごたえのある研究

 留学生の Jane が帰国した。

 彼女は交換留学制度で来日した。希望教科が公衆衛生学/分子生物学で、これに適当であるとして当研究室に配属されたのが昨年の9月だった。それから今年8月までに規程のコースを修めて研究報告をすませたあと、留学期間をさらに延長して今月23日まで日本に滞在していた。

 韓国人だが、人生の半分ほどをアメリカで過ごしている。今はシアトルのUniversity of Washington の学生である。来日前に日本語を勉強していたとかで、初めて会った時には、すでに片言ながら日本語で意思疎通ができた。それでもしばらくは英語を使って会話をしていたのが、3ー4ヶ月ほど経つとほぼ普通に日本語を使うようになった。とっても勘のいい娘である。話によると、彼女のお母さんは、日本語の翻訳を仕事にされていたことがあるらしい。以前からうすうす感じていたことだが、やはり語学の能力は遺伝するのだ。

IMG_1990.JPG 元気溌剌。明るくてイジイジとしたところがない。たちまち研究室のメンバーとも仲良くなった。しかしはっきり云って、彼女は研究や細菌学の勉強に積極的だったわけではない。だから私にたびたび「たるんどる!」と云われたりした。「スチャラカ留学生」というあだ名もつけてやった。ただし、彼女の名誉のために云うと、彼女は与えられた実験も、留学期間最後の研究発表も、(最低限ですけどね)とても上手くこなした。スライドの作成やストーリーのまとめ方も上手かった。そもそも、彼女は実験をしたくて日本にやってきたわけではないのだ。自分に何ができるのかを考えるために、自分の世界を拡げようと交換留学生の制度を利用したのだ。そのことは研究室のみんなが知っている。実際、日本に滞在中は、近隣のアジア諸国にいる友達(むこうの大学で知り合ったとか)に会いに行ったり、バイトをしたり、ボランティアで日本の子供たちに英語を教えたり、見聞を広めようと色々としていたようだ。

IMG_1996.JPG その彼女が、ついに帰国をする日を迎えた。しばらくは韓国に戻ってご両親と一緒に過ごし、そのあと大学に戻って最終学年を修めるということだ。将来、どんな仕事に就くのかわからないけれど(おそらく本人にもわからないと思うが)、オレはあと11年は教授でいると思うから、その間に一度くらいは遊びに戻っておいで、と言うと「うん」とうなずいてくれた。

 じゃぁ Jane、きっとどこかでまた会おうね。


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2013年12月23日

「あの電柱まで頑張ろう」的な、、、

 先週金曜日は微研の研究報告会・学術講演会・忘年会。

 研究報告会では当分子細菌学分野の最近の成果を私が報告した。

 口演前には何人かの方々から「ホリプレの真髄を見せてもらいます」的なプレッシャーを受けた。だからという訳ではないが、この時の口演はダメだった。開始早々にいらんことをいっぱい喋って、おまけに自分のトークに自分で飽きるという悪い癖がすぐに出て緊張感のないダレた口演になった。自己採点は55点。まだまだ修行が足りません。口演後には審良先生から「ホリプレなんか書くから、会場からプレッシャーを感じて大変やろ」と慰めともなんともつかないお言葉をいただいた。その言葉で、やっぱり聴衆の側からみてもイマイチやってんやろな、と再確認した。まぁ、そもそも私はそんなに講演が上手いわけではないのですよ(言い訳)。ですから、今後は「ホリプレ」のすっごい口演を期待して、私の発表演題に足を運ばないようにしてくださいね、みなさま、、。

 しかしそれとは別に、仕事の内容に関しては、口演後の皆さんのコメントに手応えを感じた。これでいけそうだ、という手応えだ。先述の「開始早々に喋った」いらんことというのは「毒素一辺倒の研究をすべて止めて、感染の全体像を見える研究に方向を全面的に変えた。そのためにこの3年間全く業績が出なかった」ということだった。その研究の方向を変えて良かった、という手応えを皆さんのコメントからつかむことができたのだ。細かな説明はできないけれど、これでよかったのだ、と自分で納得した。来年は成果の第一弾をまとめなければいけない1年になるはずだ。なってほしい。

 新南館1階の食堂で行われた忘年会には、微研OBでもある仲野徹先生が久しぶりに参加されていた。3日前にも一緒に飲んだのだけれど、この微研のシチュエーションで飲むのは久しぶりだ。忘年会後は研究室に来てもらって、さらに飲んだ、と言うかバカ話をした、というか、、。仲野センセ、一人で喋りまくって大笑いして帰っていかれた。さすがの迫力である。
 と、その仲野先生からは「お前のブログ見てたら、最近は自転車の話は激減しとるし、遊びの話もほとんど無くなったし、しんどそうな話題ばっかりでなんか不健康そうやがな」とご指摘を受けた。

 仰るとおりである。今は本当に暮らしに遊びがない(飲んでますけどね)。まぁそういうときもある。

 でももう少しの辛抱だ。そんな気がした1日だった。


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posted by Yas at 21:22| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月18日

あえて「呑み助」の汚名をきて

 ふひ。

 12月もなかば。先々週は分子生物学会の会期中に2連チャンおよび週末にも会合があって飲んだ。先週の13日は研究室の忘年会。昨日は仲野徹先生肝いりの「仲野組」の飲み会(以前の仲野組飲み会の様子はこことかここを見てちょ)があった。相変わらず「仲野組」に参加される先生方はハイブロウで刺激的だ。今回は先々週の分子生物学会の大会長を務められた近藤滋先生も参加されて、学会運営の裏話をたくさん聞かせていただいた。その他の先生方も刺激的な話題満載。おもろかったけど、ちょい疲れた。

 明後日は、微研の業績報告会・学術講演会・忘年会。業績報告会では、私も当研究分野の成果を報告することになっている。それから来週と再来週にも一回ずつ飲み会の約束がある。

 これでも、断れる飲み会は断ってるんですけどね、。、、

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posted by Yas at 22:20| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月12日

淡々と嬉しい話

 先週の分子生物学会(で売られていた拙著)の話のつづき。

 学者の看板を揚げてそこそこの年数が経つと、フランチャイズではない分子生物学会のようなところでも「ホリグチ先生ですか?」と呼び止められて挨拶されることがままある。今回も、ポスター会場をダラダラと歩いていると、何人かの方に声をかけていただいたのだが、そのなかでも、「なんか、オレの顔写真が羊土社で出回ってるんか?」と思うほど、初対面の羊土社の方にたくさん声をかけていただいた。

 そうして声をかけていただくたびに、「私のプレゼン本、売れてます?」と、尋ねたのだけれど、「好評です、、」というお応えをいただくばかり。、、、ほんとに売れてるんだかどうだか、、、と不安になった。

 執筆当時からお世話になっていた◯◯さんも、「淡々と売れてます」と意味深なことを云う。、、一層不安になるがな、、。まぁ売れないからといって命を取られるわけではないし、特段とっても困ることはないんですけどね。売れてないよりは売れてる方がいい、、。とか、ごちゃごちゃと考えていたら、一昨日、その羊土社さんから広告メールが届いた。そのメールに貼ってあったリンクを辿って羊土社のウェブサイトを見てみると、今回の分子生物学会の羊土社ブースでは、拙著の売行ランキングが5位だったことがわかった。うひょー、、素直に嬉しい。

 さらに「学会売れ行き情報」というサイトを見ると、発売以来の最近の3学会でいずれも10位以内に拙著がランキングされていた。、、なるほど、淡々と売れているわけだ。、淡々と、、、、ありがたいことである。この調子で淡々と何年も売れて欲しいな。
 ところで、、私の部屋には、なんのかんので購入した拙著が何冊か残っております。在庫に限り著者割引価格でお譲りしますけど、、、どなたか要りません?  淡々とお譲りします。


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posted by Yas at 22:12| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月09日

久しぶりの分子生物学会にちょっとだけ参加

 すでにフェイスブックやらあちこちのブログでも話題になっていて、ずいぶん遅い報告になったけれど分子生物学会。今回は1日半だけ参加した。前回にこの学会に参加したのは確か2年前。この学会は面白いかもしれないけれど、大きすぎて現実感(これ、色んな意味で書いてます)がない。こういうディズニーランドのような学会は、まぁ隔年か2-3年毎くらいの参加がちょうどいい。

IMG_0025 のコピー.jpeg 12月4日。口演を担当したセッション会場は満席。世話人の先生方(白土先生、倉石先生、ありがとうございました)が用意してくださった、口演をモニターで見ることができるパブリックビューの座席もいっぱいだった。しかしこれは、このワークショップに特別のことではない。分子生物学会は大抵の会場が超満員になる。参加者がとにかく多すぎるのだ。
 ところで、あとで色々な人から声をかけられてわかったのだが、やっぱり「ホリプレ」狙いの人が会場にそこそこいらしたみたい。「ホリプレ」読者の皆様、、あの著者(私ですけど)の口演はあんなもんです。たいしたことはありません。しかしまぁ、誰にでもできる「わかりやすい口演」を目指す指南本ですので、これからも「発表が楽しくなる、研究者の劇的プレゼン術!」をば、よろしくお願いします。(写真は、同じセッションで口演した黒川先生、西野先生、寺尾先生と座長の白土先生と倉石先生)

 IMG_1976.JPG 12月5日の午後は、ポスターセッションの会場にいた。前日に、3ヶ所に分かれていたポスター会場すべてに足を運んで、いつものように全てのポスター(のタイトルを見るのは私の分子生物学会での日課であった)を見たので、この日は疲れて同じ会場に居続けることにした。さーやのポスターはちょうど会場真ん中の踊り場のようなスペースに面していて(この写真の感じ)、ちょうどそこに椅子が一脚だけ置いてあった。その椅子に座って、目の前の広場をぼんやり眺めていると、色んな人が行き来しているのが見えた。、、これ、通行人の方から見ると、ぼんやり座っている私が目立つみたいで、みんながこちらを見て「なんや?このオッサン?」的な顔をして通り過ぎて行く。、、しかしあいにく、そんなことで怯む私ではない。構わずに座っていると、それを見つけた知り合いがたくさん近寄ってきて声をかけてくれた。いやー、、懐かしい人達がたくさん、、。ありがとうございました。なつかしかったです。25年ぶりくらいで再会した東京医科歯科大学の◯◯さん、懐かしかったです。それと20年位前に微研にいたコジマさん、私の出版の話を聞いて、その場ですぐに羊土社のブースに出向いて本を買ってきてくれてありがとう。

 その、拙著だが、、。実は本を出版してから、羊土社がブースを出すような大きな学会に参加したのは今回の分子生物学会が初めてだった。ブースでの売上は気になるところだ。そこで、時間が空いた時に何度かブースの様子を見に行ってみた。しかし、シャイな私はブースの担当者さんに向かって「もしもし、私はこの本の著者だがねー、売れ行きはどーかね?」などと尋ねたりできるわけもない。ブースの前を行ったり来たりしながら、様子を見る。陳列棚には、私の本が3箇所に分けて平積みされていた。わりと優遇されているようだ。しかし、私がその辺りをウロウロしている間には一冊も売れなかった。むふっ。しかし、奥付を見ると、たしかに第二刷になっていた。、、、、がんばれ、「劇的プレゼン術」、、、


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posted by Yas at 22:48| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月03日

12月のグチ

 12月になったら、「今年ももう12月だ」とかブログに書こうと思ってモタモタしていたら、もう3日経って12月3日になった。今年も30日を切ってしまったわけだ。

 実は今月は、4回の講演をしないといけない。その1回目が明日(分子生物学会2日目)の午前にある。あるセッションで声をかけていただいたのだが、分子生物学会で話をするのは久しぶりだ。それから今週の土曜日、来週の火曜日、再来週の金曜日。それぞれ違う話題で講演する。ちょっと準備が面倒かも、、。でも、分子生物学会が神戸開催で助かった。、、おかげで日帰りで参加日を絞って残りの時間を仕事に回すことができる。学会を楽しみたい気持ちもあるけれど、そうも云ってられない。やりたい(やらねばならん)仕事が山積みなのだ。

 しかしこの分子生物学会、、色々と企画が盛りだくさんのようで、年会企画や学会企画のプログラムを眺めていると目が回りそうだ。研究成果の発表や聴講とは別に、「生命科学研究を考えてガチ議論」はせねばならんし、Jazz を愛でねばならんし、サイエンスなアートやらアートなサイエンスを味わわねばならんし、生命科学の未来を占わねばならんし、、、一般の若い学生さんなどの参加者は、かえって戸惑うんじゃないか?と少し心配する。この巨大学会はいったいどこへ行こうとしてるのかしらん(年会長の近藤滋先生のご苦労は大変なものだと感服はしてますけど、、)。

 明日は早朝に家を出て会場入りし、講演担当のセッションに備えるつもりだけど、スライドは先ほど準備が終わったばかり。もしかして「ホリプレ」を期待して会場にお出でになる参加者には悪いが、あんまり出来のいい口演はできないかも、、、と、執筆時には思ってもいなかったプレッシャーを勝手に感じている。おまけに、今日の夕方から、左耳でかつてないほど大きな耳鳴りがするようになった。突発性難聴でやられた左耳だ。

 まぁとにかく、そんな12月がスタートした。


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posted by Yas at 23:44| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする