2012年12月23日

谷口記念講堂

 私の所属する微生物病研究所と、お隣の免疫学フロンティア研究センター(iFReC)の研究室が同居している生命科学融合棟(正式には融合型生命科学総合研究棟)の1階に「谷口記念講堂」という名の講堂がある。約200人を収容できる(んだったと思う)、微研とiFRec の兄弟研究機関の顔となる誇るべき講堂である。

 ところがこの講堂には、いくつか問題があった。部屋は縦に長くて天井が高い。なのに、床はフラットで階段教室のように傾斜があるわけではない。そして冷気は下に溜まり暖気は上に溜まるので、空調があまり効かない。それに音響に配慮された構造になっていない上に音響装置の質もあまり良くないようで、演者の音声マイクと質問者や司会者の音声マイクが干渉して、しょっちゅうハウリングする。ステージに奥行きがないので、演題とスクリーンの距離が近すぎて、演者はスライドを見ながら喋りにくい、、。決定的なのは、天井から吊るされた液晶プロジェクタが故知らずときどき震動するため、映写された画像が揺れることだ。講演の最中にスライド画像が揺れるというのは前代未聞である。これが微研や iFReC の顔となるべき講堂なのか。杮落とし(こけらおとし)以来、落胆されている関係者の方も多かったに違いない。

 なぜ、液晶プロジェクタが揺れるのか? これは発覚当初から話題になった。暖気が上部に溜まる講堂の構造のせいで、プロジェクタが暖められて冷却ファンが異常に回り続けるからか? 空調のオン/オフの震動がどうかしてプロジェクタに伝わるのか? それとも、講堂の階上にあたる3階で誰かが歩いたり暴れたりすると揺れるのか? まさかそんなこともあるまいが、、、。

 そこで目加田所長の指示で、今月21日に開催される(開催された)微研業績報告会/学術講演会に備えて講堂の不備を改善することになった。 音響映像設備やステージの普請に関係する業者さんに来てもらっては、推進室のカンザーくんやホッタさんをはじめ微研の何人かの有志で、あーでもないこーでもないと相談しながら改善点を決めていく。問題はやはり液晶プロジェクタだ。「なんで揺れるの?」と、改善のためにまずは原因を探ることになった。暖房をフル稼働させて液晶プロジェクタのファンを回しっぱなしの状態にしても映写画像は揺れない。空調をオン・オフ切り替えても揺れない。そこで最後に、携帯電話で合図を交わしながら何人かがプロジェクタを吊るしている辺りの3階を歩いてみることになった。「まさか、そんなあほな、、鉄骨コンクリートの建物で、3階で歩いてその下の天井のプロジェクタが揺れるなんて,そんなことあるかいな、、」と思って様子をみていると、、揺れた。「あ、ほんまや、、」 ホントに揺れた。

 これを見ていて、階上の住人が歩くたびに電灯が揺れた学生時代の下宿を思い出した。なんという安普請。微研・iFReC の顔になる講堂なのに,,,,。それとも公共工事なんてそんなものなのか、、。プロジェクタの設置位置がたまたま絶望的に悪かったのか,,。

 しかしとりあえず今回の改修で、演台側のステージが広くなって演者にとっては喋りやすい講堂になった。音響もポイントになる設備を替えてずいぶん改善した。液晶プロジェクタは、装備するレンズを小さいものにして重心が取れているのか、揺れは治まっている。ただし映写されるスライドの大きさは講堂のスクリーンに比べてかなり小さい。今回は間に合わなかったが、改修調査の結論として、レンズの小さいままのプロジェクタの設置位置を後ろにずらして映像を大きく映すということになった。設置位置を変える時には固定機材の補強もする。きっとこれで、少なくとも講演の聴きやすい講堂にはなるはずだ。

 しかしそれにしても、3階で歩くとプロジェクタが揺れるなんて、、、、どうしてこんなことになったのやら、。そういえば、この融合棟を建てるために取り壊された建物の中にあった以前の講堂は古かったけれど風格があった。今はどうなのだろう? 機能やコスト重視で(今の講堂の場合、機能もイマイチだが)、以前のような威風を備えた造作の大講堂なんて作りにくいのだろうか。

 そんなことを思いながら、21日の業績報告会/学術講演会の素晴らしい研究発表講演を拝聴した。

 
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posted by Yas at 22:30| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする