2012年02月28日

ステキな peer-review

 先週の土曜日のこと、ほぼ同時に別々の雑誌から論文の査読を依頼された。ふたつの論文を同時に査読するのは、いま抱えている仕事量から云って無理だ。ということで熟慮の末、片方の論文査読を断って、ひとつだけなんとか査読することにした。ホントならふたつとも断りたいところだが、同じ科学者の立場で他の科学者の論文を査読する peer-review 制度は科学者の世界を維持するために、現在のところ有効と考えられている仕組みなので、査読を依頼されたらできるだけ引き受けるべきである、というのが私の考えでもある。

 ところが、査読を引き受けた方の雑誌が速報誌だったので、締め切りが一週間と短いことにあとで気がついた。間の悪いことに今週は連続出張で、明日から締め切り日まで研究室を留守にする。仕方ないので、会議の少ない今日のうちに論文を読んでしまってコメントのあらすじを書いてしまうために、覚悟を決めて他の仕事をせずに査読することにした。

 んで、この査読対象の論文は実につまらん論文である、ということがよくわかった(著者には悪いが、ほんとにそうなんだもん)。研究が稚拙な上に書き方が悪いし説明が足りない。でも、「万が一、オレが誤解してるかも」と引用文献も読んで、周辺事情を確認して、ということをしているとずいぶんと時間がかかってしまった。忙しいのに、こんなくだらん論文のために時間を使わせやがって、、。でもその論文の研究背景を調べるのに時間をかけてしまうのである。研究者の性だ。これも貧乏性っていうのかしらん?

 忙しい時に査読を引き受けた論文に限って、くだらないのが多い。そんな気がする。そういう法則でも作らないとやっとれん。

 明日は札幌だ。

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posted by Yas at 23:59| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月27日

早めの、、、

 風邪を引いた。

 先週土曜日にあった高校時代のバスケット部の OB 会で、夜遅くまで心斎橋界隈をほっつき歩いていたのが悪かったのか、日曜日にダラダラとリビングで寝そべっていたのが悪かったのか、とにかくノドが痛い。それに背中の背骨あたりがゾクゾクしてだるい。

 こまったねー。今週は水曜日から札幌1泊、金曜日から山口1泊の出張予定が入っているのに、、。お昼ご飯を食べたあと、研究室常備の風邪薬を飲んだ。すると、日頃薬の世話になっていない(私は薬がキライ)身体が過剰に反応するのか、効くこと効くこと、、。頭がぼうっとして眠くなった。典型的な風邪薬の作用である。

 午後は会議が目白押しである。午後1時から始まった会議では風邪薬の作用が最高潮である。アタマの働きが鈍い。気のせいか、会議に出席するほかの先生に、「ホリグチ、ぼうっとしとんな」と思われてるような気がする(まぁ、実際、ぼうっとしていたわけだが)。連続3つの会議が終わって、さらに次の会議までの30分ほどの間に椅子に座って居眠りをする。んで、次の会議。やっぱり、「ぼうっとしてるけど大丈夫?」みたいな雰囲気を感じながら、30分ほどで終了。

 そのあと、少しでも仕事をしようかと頑張ってみたがダメ。少し仕事して、ウツラウツラと寝て、また少し仕事して、寝て、、。あまりに効率が悪いので、午後6時頃にサッサと退散することにした。

 んで、晩ご飯を食べて、また薬を飲んだところ、、、。薬で眠くなってきたら、さっさと寝ます、、。

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posted by Yas at 20:23| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月24日

真面目な若者たち、、

 今日、京都工芸繊維大学のニシムラくんとマエタくんが、キタドコロさんと一緒に研究室に挨拶に来てくれた。ニシムラとマエタは大学院修士課程2年生で今春に修了し、それぞれ就職先に越していく。その前に、共同研究で仕事をした私たちの研究室に来てくれたのである。

 二人とも、当研究室の毒素材料を使って結晶構造解析を進め、それなりに成果を上げてくれた。この二人を一言で評するならば、「真面目」という言葉が最初に浮かぶ。「真面目」、、近頃の若者には似合わない言葉である。

 タンパク質の構造解析のカギは、一にも二にも「いい結晶を作ること」にある。いい結晶を作るためには、何百通りの異なる条件で結晶化を検討する、いわゆるスクリーニングを繰り返す必要がある。ニシムラ・マエタの二人はそれぞれのテーマであるタンパク質をそれぞれ1000 通りくらいの条件でスクリーニングを重ねてくれた。そうしてたくさんの結晶を作製することに成功している。その全てが必ずしも構造解析に結びついたわけではないが、こういったことは、同じ毒素でもどのように作製したタンパク質が結晶化し易いのかという貴重な情報を与えてくれる。これらは全て、彼らが「真面目」にスクリーニングを繰り返してくれたから実現したことである。

IMG_1233.JPG マエタくん(左)とニシムラくん(右)。二人とも青春まじめ野郎(褒め言葉です)である。

 真面目な彼らは、あらたまった面持ちで「お世話になりました」とお礼を言い、丁寧にバインドした修士論文を私に渡してくれた。、わざわざありがとう、、、、ふむふむ、まだまだ日本も大丈夫かもしれない。

 近くのラーメン屋さん(この日は亀王)で昼食をとり、京都工繊大の研究室の後片付けがまだ残っているという彼らとは千里中央で別れた。「元気でな」、、よほどのことがなければ、もう二度と会うことはないだろう。その後は研究室でキタドコロさんと結晶構造解析の今後の戦略を練る。やがて、そのキタドコロさんも大学に戻られるという時に、ニシムラ・マエタが、微研内に入るためのセキュリティーカードを持って帰ってしまったことに気がついた。あかんがな。最後はしまらんハナシやな、、と思っていたら、あとで聞いたハナシだが、彼らは、電車に乗る前に気がついたのか、千里中央から自分たちで戻ってきてちゃんと受付にカードを返していたらしい。

 真面目である。まだまだ日本も大丈夫かもしれない。

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posted by Yas at 21:29| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月22日

ぼちぼち

 今週は月曜日と火曜日が東京出張だった。月曜日の午前中に研究所に出勤して午前の用務を済ませて新幹線に乗り、東京某所で夕刻からの会議に出席した。疲れてそのまま品川で一泊。翌朝は品川駅前の Pronto でモーニングサービスのコーヒーを飲みながら午前中いっぱい MacBook Air で仕事をする。この Pronto 、安いモーニングサービスで2時間ほど居られたので便利は便利だが、少し狭かった。ルノアールくらい余裕のあるスペースを演出してくれてもいいと思うのだが、贅沢かな、、。

 午後からはサザエさんの街でまた別の会議。どこか身体の調子が悪かったのか、この会議中になんだかどんどん身体がだるくなって、帰阪する頃にはゆえ知らず疲労困憊していた。久しぶりに会議で会ったマミちゃんとビールを飲みながらウダウダとしゃべりながら新幹線で帰る。週初めの、ちょっと疲れた出張だった。

 とまぁ、週初めのちょっと疲れた出張だったが、そのことを言うために出張の話題を取り上げたのではない。

3190-01-374.jpg これだ。現行の MacBook Air が登場する以前、出張時に重い MacBook を持ってあちらこちらを移動するためにANA ブランドのキャスターバッグを買って使っていたのだが、1泊出張にはどうも大げさすぎた。
 そこで、軽くてコンパクトで、でもそれなりに物の入るバッグを探していたのだが、ようやくこの日曜日にそんなバッグを買うことができた。マンハッタンパッセージの#3190というバッグである。今回の出張はこのバッグのデビュー戦になる。もう少しビジネスっぽくないデザインのバッグを探していたのだが、伊丹周辺ではそんなシャレたもんを見つけることはできなかった。マンハッタンパッセージというメーカー名は、カジュアルバッグで有名なマンハッタンポーテージと紛らわしい(実際、パッセージはポーテージの模倣品から始まったと云う巷間の噂もある。商標権でももめたようだ)が、全く別のメーカーで、こちらもビジネスバッグではそれなりのステータスがあるらしい。作りはしっかりしている。メーカー自慢のたくさんのポケットは私には少し多すぎるように思えるが、しかし、このバッグはとにかく軽い。カタログによると1000グラムの重量らしいのだが、持ってみると、それよりもずっと軽く感じる。今回の出張では、移動中ずっと担いでいてもそんなに負担に感じなかった(これは今の MacBook Air がずいぶん軽いということもあるのだけれど)。

 来週は、札幌と山口にそれぞれ一泊二日の出張予定がある。今年もぼちぼち、出張が詰まってきた、。このバッグにも頑張ってもらわないと、、。

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2012年02月18日

春を待つ季節

 朝、雲は多いが日差しはある。土曜日だし自転車で大学に行こう、、、、と、準備していると窓外を雪がちらついているのが見えた。ひょっとして、自宅のある伊丹で雪がちらついているのなら、北摂の山が平野部にせり出している千里の阪大吹田キャンパスあたりは、夜の間にでもたくさん雪が降ったかも知れない、、。そう思って急遽自転車通勤を中止してクルマを出した。すると案の定、吹田キャンパス界隈では雪がうっすらと積もっていて、研究所の駐車場の路面は凍っていた。自転車で通勤できないほどひどくはなさそうだったが、まぁ、わざわざ自転車を汚しに出てこなくてよかった、。しかし、春を待つ季節の今日この頃、まだまだ世間は寒いようだ、、。

 お昼は大学院生のオカケーが一度行ってみたいと言い、このブログのコメント欄でもお薦めいただいた(メゲミさんコメントありがとう)ラーメン屋「てっぺい」に行った。「てっぺい」のラーメンは「博多げんこつ」「黒兵衛」「大名」と同じ豚骨系である。ただ、麺とチャーシューに特徴があり(つまりおいしい)、スープも「大名」よりさらにねっとり感がある。吹田キャンパスから東方面に向かうのなら、かなりお薦めのお店だ。なかなか満足させていただいた。スープも全部飲んだ。しかしふと見ると、私よりも身体の(幅が)大きいオカケーが半分以上スープを残している。

 私は幼い頃に、亡くなった母親に「うどんやラーメンのスープには栄養がいっぱい詰まっている」と教えられて以来、よっぽどひどい味でない限り、スープを全て飲むことにしている(そのことでは管理栄養士の資格を持つトッシーにいつも叱られている)。しかもこの日の「てっぺい」の素晴らしいラーメンスープなど、残す理由がない。教授たるワタクシがスープを全部飲んでいるのに、大学院生たるオカケーが残すとは何事か、、「てっぺい」自慢の濃厚豚骨スープなのに、、お店の人にも失礼ではないか、、。

「きみきみ、、スープをそんなにたくさん残すなんて、どういう料簡じゃ? 何のためにそんな(幅の)でかい図体してるんや?」と注意すると、「、、、少なくとも、ラーメンのスープを全部飲むためにこんな身体をしているわけじゃありません」と口答えした。、、、、、こんな言うことを聞かん奴は許せん。、、、、教授の立場を利用していじめてやる、、。

 世間は春を待つ季節である。

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posted by Yas at 21:40| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月16日

山越え 谷越え 元気よく〜♬

 先日、長いこと苦しめられていた、さして興味のないテーマでのレビュー論文をついに書き上げて、編集者に添付メールで送信した。やっと終わった。

 それなりの開放感があるが、それに浸っているわけにはいかない。つぎは、◯◯◯社の原稿だ。〇〇◯社には、少し前にお世話になってちょっとした連載物を書かせていただいたことがある。今度はその拡大版を執筆させていただく運びになったのだが、、、いろいろあって約束通りに執筆が進まず、、、今週になって、それも午前中のわずかな時間を使って執筆を始めたばかりである。

 当初の予定だと、その原稿の最終締め切りが2月20日。来週の月曜日である。そんなの、できるわけない(と威張ってる場合ではないが、、)。先方に事情を説明し、かつ時々このブログで泣き言を書きながら(担当の〇〇さんがこのブログを見てくださっているのを私は知っている、、、ふっふっふ)、締め切りを大幅に延ばしていただいた。

 しかし、甘えてばかりではいかん。ダラダラしていてはせっかく延ばしていただいた締め切りもすぐにやってくる、、。ということで一昨日から、午前中に時間を決めて真面目に書き進めている、、。あらかじめ作成してあった企画構成に沿って文章を書いていけばよいので、比較的執筆はラクである(あくまで、比較的に、、だけど)。おかげで、この三日間で6,000字分程度書くことができた。私にすれば、順調である。

 「わりと調子いいんじゃん」と、いい気持ちで◯◯◯社からいただいた執筆要項を見ると、「第一章◯◯◯(20,000字)」というのが目に入った。20,000字?、、、、第二章は(25,000字)、、? 三章も四章も同程度の字数が並んでいる。どうやらなんと全部で100,000字の原稿の執筆を引き受けていたらしい。100,000字って、400字詰め原稿用紙250枚やがな、。

 6,000字程度でいい気分になっている場合ではない。あと94,000字は書かないと、、。原稿用紙235枚。

 ◯◯◯社の〇〇さん、、、、、、、、頑張ります。

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2012年02月14日

チョコレートは誰のため

 毎年のことだが、バレンタインデーの女性の方々のサービス精神には頭が下がる。例えば私の研究室では、皆さんがそれぞれに高級そうなチョコレートセットや趣向を凝らした手作りチョコ菓子を持ってきてくださる。すいませんねぇ。他の男性はともかく、研究室を主宰する立場の私なんぞ、全くそういった慣わしに疎くて、、、おまけに生来、心配りに欠ける性質なのでロクに感謝の言葉も出ない。なのに毎年、豪華なチョコを持ってきていただいて、、ほんと、あいすいません、、とか云いながら仕事の合間にチョコを口に運ぶ。やれやれ(なにが「やれやれ」だ)、、。

IMG_1230.png 帰宅すると、キッチンのテーブルの上にたくさんのチョコレートがあった。聞くと、が近所のスーパーで買ってきたらしい。このブログの読者の方々にはご存知の方も多いと思うが、娘には知育障害がある。最近は、勤める事業所の給料で自分で買い物することも多いが、それにしてもチョコレートを買うとは、、「誰かお気に入りの人でもできたのか?」と思ったが、そうでもないらしい。どうやら、バレンタインデーに浮かれる街の雰囲気を感じ取って、本人も浮かれて買ってきたようだ。しかし、お気に入りの男性に渡すためではないにしても、一体、自分のために買ってきたのか家族に買ってきてくれたのか、誰のために買ってきたつもりなのかわからない。4箱もあるのもわからないし。「父さんが食べてもええのん?」と聞くと「うん」と言い、「あゆ(娘)が食べんの?」と聞いても「うん」と言う。こうなるとどうすればいいのか親でもわからない。、、迂闊に食べると娘が怒りだすかもしれない、、。

 ということで、このチョコレートは封を開けられることなく、我が家でしばらくそのままそっと置いとかれる運命になりそうだ、、。

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posted by Yas at 23:01| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月13日

いつか来た道〜♬

 日曜日。週末に大学に置きっぱなしにして(お酒飲んでました)いたクルマをとりに、Tikit 君で出かけた。休みの日である。心に余裕がある。そこで、あえて未踏査の横道に入って、大学までの新自転車コースを探してみようと思った。よく知らない交差点で、方角にあたりを付けてあえて普段は行きそうにない曲がり角を曲がる。そうして、思いもよらぬ気持ちのいい街角にでも出会ったらラッキーだ、、。

 いままでも、同じようなことを何度か試してきたが、実はうまくいったことはあまりない。この日もそうだった。知らない道に踏み込んで暫くは知らない景色を楽しむことができるのだが、すぐに見たことのある道に入り、やがていつものコースに戻ってしまう。ひどい場合は、いつも同じ袋小路に行き当たって後戻りする。自分では交差点ごとにできるだけ知らないコースを選んでどんどん進んでいるつもりなのだが、どうやら知らないと思っている交差点でも無意識のうちに同じ曲がり角を選んでいるようなのだ。そうして、やがていつもの同じ道や袋小路に出てしまう、、。

 これ、前から書こうと思っていたのだけれど、研究の展開でも同じようなことが起こる、、。新局面や新展開と考えてもいい段階で、新しいアイデアや新しい考え方で研究の方向性を決定したつもりなのだけれど、いつも同じような研究過程を辿ったり、ときには同じような袋小路に行き当たる。他の先生方はどうかわからないが、少なくとも私にはこういったことがよく起こる。先の自転車の例と同じように、多分、ポイントとなる方針選択で、無意識のうちに似たり寄ったりの決断をしているからだと思う。

 こうした堂々巡りから逃れるにはどうしたらいいか? 他人の考え方の真似をしてみるとか、自分ではダメだと思った方針をあえて選択するとか、、、色々と考えているが、その考えも堂々巡りだ。基本的に新しい発見をするための研究で、いつもいつも同じような展開になって苦労するなんて皮肉なことだが、、全部、自分の乏しい能力のせいである。、、、、、この結論もいつも同じだったりする。


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posted by Yas at 22:42| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月09日

ラットと教授

 私の勤める大阪大学微生物病研究所には、全国レベルでも自慢できる動物飼育施設がある。併せて、感染症に特化した研究所のこと、感染動物実験施設はかなり充実していると云っていい。しかも昨年、手狭になった以前の感染動物実験施設から、大スペースを擁する新施設が改修なって供用されるようになって、さらに使い易くなった。

 今日、その感染動物実験施設に初めて入った。わが研究室のメンバーはこの施設を常用しているのだが、教授は日頃実験をしなくなって久しい。、、ということで、アヤッチ、トッシーの感染実験の助っ人に狩り出されることになって、初めての入室と相成った。20年前の微研の動物施設を知る私からすれば、まさしく隔世の感がある。専用作業衣に着替える副室、共用廊下、前室、飼育室にいたるまで、実に清浄に保たれている。わが研究室は微研における飼育動物としては少数派のラットを使用しているので、有り難くも幸いにも、1室を1研究室で使用させていただいている。この素晴らしい飼育室で動物を実験に使わせていただいているのだ、無駄なく有用なデータを採らねば申し訳が立たん。

 しかし、私が動物室に入ったのは、、実はラットに腹腔内注射をするだけのためだったりする。アヤッチもトッシーも経験豊かな研究者なのだが、いかんせんこれまであまり動物を扱ってこなかった。そこで先日、動物に注射をする彼女らの危なっかしい姿を見て、「これはいかん。よしよし、獣医たるワタクシが正しい腹腔内注射を教えてあげましょう」ということで、今日の実験の助っ人をすることになったのだ。注射をするのはラット8匹。チョチョイと2匹ほど注射してみせ、あとは彼女らに練習をかねてやってもらうことにした。獣医学科で学部生の時代から動物を使っていた私とは違い、彼女たちはこれまでほとんど動物とは縁がなかった。数匹使って注射しても、まだすこし手元が覚束ない。聞くと、明日の本実験では60匹以上のラットを使うと云う、、。

 話を聞けば聞くほど、んで、実際上の作業効率や実験の精度のことを考えると、明日は私が注射(麻酔注射である)して、彼女たちが試験材料を動物に投与するという方が合理的である。、、、、ということで、明日、65匹ほど、私が注射することになった。、、まぁ、現役時代なら大したことないのだが、、、いまなら、1、2匹には噛まれるかもしれんな、、、、。しゃぁない。

 、、、、、、身を挺して研究室メンバーの実験に協力する教授であった、、。

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posted by Yas at 22:41| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月08日

最近読んだ本


 最近読んだ本、何冊か、、。

「夏草の賦/司馬遼太郎」
 司馬さんの歴史小説はほとんど読んだつもりだったのだが、昨年の夏に「細菌学若手コロッセウム」で高知に出向いた時に、本書が未読だったのに気がついた。んで、そのあとまたしばらく忘れていたのだが昨年暮れに大学生協で購入。
 司馬さんの巧妙な語り口にはまってその時代の空気に浸るのが、司馬作品の正しい楽しみ方である。、、今度高知に行ったら、本書の主人公である長曾我部元親の居城の岡豊城趾に行ってみよう、、。 やはり楽しい司馬作品。もう、読んでないのはないかしらん?

「細菌と人類/ウィリー・ハンセン、ジャン・フレネ 渡辺 格 訳」
 細菌感染症にまつわる逸話をまとめている。読んで面白いかと期待したのだが、出来のいいレポートを読むようで勉強にはなるが読み物としては今ひとつ。面白いように記述するというのは難しいのだ。本書にある百日咳菌の写真は多分間違っている。

「もうダマされないための『科学』講義/菊池誠、松永和紀、伊勢田哲治、平川秀幸、飯田泰之+SYNODOS」
 新聞の書評で推薦されていたので購入。帯には「学校が教えてくれない科学的な考え方をわかりやすく解説!」とあるが、わかりやすく解説できているかどうか、、。著者のほとんどは学者である。んで、学者らしく、用語や概念の解説にかなりの紙面が割かれていて、本ネタに到達するまでに退屈してしまう。これを読み通せる人は本書のテーマにかなりの興味をお持ちなのか、あるいは辛抱強い人だと思う。

「科学嫌いが日本を滅ぼす ー 『ネイチャー』『サイエンス』に何を学ぶか/竹内薫」
 二大科学雑誌の「ネイチャー」と「サイエンス」の成り立ち、スタンス、科学との関わりを比較することで、科学にまつわる事柄を掘り下げて考えてみようと云う観点で本書は成り立っている。両誌の比較論は面白く読ませていただいた。日本で本当の意味での国際誌(いわゆる General Journal) を持とうというハナシにも共感できる。けれど、「科学嫌いが日本を滅ぼす」という本書のタイトルはどうも内容と合っていない。もうすこし「日本の科学嫌い」の現状が詳らかにされるのかと思ったが、その辺りの話題はほとんどなかった。それと、竹内薫さんは著名なサイエンスライターなのだが、視点はガチガチの科学者(実際に物理学者)である。もう少し学者のコミュニティーから距離を置いた方が面白いものが書けるんじゃないかと思う。よけいなお世話ですけど、、。

「橋下主義(ハシズム)を許すな/内田樹、香山リカ、山口二郎、薬師院仁志」
 ほんの20分ほどで読める本書は意味不明。橋下さんの悪口が書いてある、という以外に紹介のしようがない。橋下施政のどこに問題があるのか、反橋下派の意見を勉強しようと思ってアマゾンでポチッとしたが、全く具体的な内容がない。香山リカさんは多分橋下さんのことをよく知らない。山口二郎さんが橋下さんを嫌いなのはよくわかったが、論理的思考の邪魔をする例え話や一般論ばかりで相変わらず学者評論の域を出ていない。ガッカリである。しっかりしてくださいな。敬愛する内田樹先生の寄稿はすでにどこかで読んだものと同じであった。教育基本条例案のコンセプトが内田先生の教育観と相容れないのはよくわかったが、、橋下主義を許すな!というほどの内容ではない。どうして内田先生は本書の刊行に与したのだろうか?。 

 手持ちの未読本がなくなってしまったので、明日は大学生協に出向いてみようと思う。

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posted by Yas at 23:25| Comment(4) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月07日

攻める教授

 本日、医学修士課程の論文発表会。私は副査として2件の修士論文審査に関わった。例年ならば、発表者である学生さんから、事前に口頭説明を受けたりするのだが、今年は私のスケジュールに余裕がなかったので、それはなし。提出された論文を読んだだけで発表会にのぞむことになった。

 その感想。、、どちらの修士論文も労作と評価していいと思う。修士課程の2年間の実験量としては申し分ない。研究の質も悪くない。

 さて、審査員としては、あらかじめ質問内容などを整理していた方が質問時間を無駄にしなくてすむ。今回、私は事前説明なしで論文を細かく読んで審査に臨んだので、論文に不記載の実験条件などが気になった。それと、研究課題の意義に関わる根本的な質問も用意する。こうした質問は、なにか正解を想定しているものではない。研究を進めながらそれに類する疑問点について考えたことがあるのか、周囲と議論したことがあるのか、そういうことを推し量るために(少なくとも私は)質問するのである。

 今日の二人の学生さんはどちらもそつなく発表をこなした。なかなかスマートである。しかし質疑応答で怪しくなった。質問に答えられずに立ち往生とまではいかなかったが、私の質問に面食らっていたようで、なかなか納得できる応答をしてもらえなかった。私としては、実験をしていたならば当然考えたり議論したりしていないといけない内容の質問だったのだが、、これには私の方が少し困った。まるで私がいじめているみたいな構図である。繰り返すが、私は当たり前のことを質問しただけだ。ある質問では、全く私の意図が学生さんに理解されていないようだったので、あえて「この実験の設定はマズいと思うんですが」と質問者の立場をわざわざ鮮明にさせて(必ずしもマズいと思っていたわけではない。いくらでも反論の余地はあったはずだ)聞いてみたが、効果はなかった。

 大学院課程では、指導教員から指示された実験をこなすのは最低条件で、それ以外にどれだけ実験(研究)に関して思考を重ねるかという点が重要だと思う。そうすれば、論文を少し読んだだけで呈示される質問など、答えるのに問題などないはずなのだけれど、、、。今日の学生さんたち、これから就職の先々でも仕事中にきっと「考える」ことを要求されるはずだ、、。頑張ってくれ、。

 それにしても印象悪かったなぁ。困ってる学生に畳み掛けるように質問をする教授、、。印象悪いがな、。言い方キツいし(自分のことです)。また理不尽にキビシいオッサンと思われたかもしれん。しかし、三味線は弾けんし、ヨイショやベンチャラも言えんタイプだ。ずいぶん昔のこと、「学生発表なんてママゴトなんだから、本物の皿をだすようなマネ(真っ当な質問)はするな」と年上の先生に言われて激しく反発したことがある。私は学生の発表をママゴトだと思ってない。

 だから許せ。

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2012年02月05日

液晶テレビの修理

 家のリビングを改装した時(こことかここを見てチョ)に買った46型液晶テレビの調子がずっと良くなかった。1年ほど前に「あれっ?」と感じる程度のわずかな焦げ茶色のシミがぼんやりと浮かんでいるなと思っていたら、それが数ヶ月のうちに画面全体に広がって、画像が全体的に赤茶色っぽい暗い色合いになってしまった。夜間の視聴では、部屋を暗くすると相対的に画面が明るく見えるのでなんとか我慢できていたのだが、先週の日曜日の昼間に暗い画面を見ていて、辛抱たまらなくなってメーカーのお客様センターに電話をした。テレビはソニーのKDL−46F1という型名の製品である。

 どうせメーカーのお客様センターなんてなかなか電話が繋がらんやろなー、と思っていたら、機械音声のガイダンスではない担当窓口の人がすぐに電話に出てくれた。型番と症状を言うと、可能性のある修理の場合ごとに簡単な見積もりをしてくれ、検査・修理を依頼するかどうか聞いてくれた。なかなか手際の良い対応である。点検だけで修理に至らなくても出張料が 3,000 円。なにか修理を施すと技術料が 18,000 円ついて、21,000 円。それに部品代と消費税が加算されるということだった。じゃ、とりあえず診てくださいと、この土曜日に出張訪問を依頼した。

 土曜日の朝、あらかじめカスタマーサービスからの電話で告げられていた時間に、担当の方二人がやってきた。少し画面の様子を見て「液晶パネルの交換になりますね」と云う。部品代は 58,000円。計算してもらうと、総額 82,950 円になる。、、、液晶テレビの値崩れが激しいこの頃だと、46型ならモノによっては 100,000 円前後で新品が手に入る。


 「販売店の長期保証には入ってられなかったんですか?」という担当者に、「いままで、そういうオプションの保証に入ったことないですわ。まさか国産の家電製品が1−2年で故障するなんて、今まで経験したことないし、、」と思わずイヤミを言いながら少し考えたが、モノに愛着することなく、不具合があるからと云ってポンポンと買い替えるのもいかがなものか? と思って修理をお願いすることにした。修理を依頼したら、またしばらく部品調達などで日時がかかるのかと思ったら、電話で伝えた型番と症状から可能性のある交換部品を全て車に積んできているのですぐに作業に入ることができるという。

 あとは速かった。作業員の方が二人でテレビを分解し、たくさんの制御部品をはずして、裏面から見て最も奥にある液晶パネルを交換し、もとの場所に設置して画面の映り具合をチェックして終了。20分ほどの作業だった。

IMG_1223.png



 筐体の蓋を裏からはずしたところ。思わず記念写真を撮る。







IMG_1225.png


 こんな感じで液晶パネルがはずされて、、、




IMG_1226.png


 新しいパネルを換装。





IMG_1227.png


 んで、こうなりました。夜に観た「トラトラトラ」BS朝日。何度見ても面白い。





 故障修理後の保証期間が3ヶ月と少し短いのは気になるが、とりあえず以前の画質を取り戻したのでよしとすることにした。


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posted by Yas at 13:03| Comment(0) | コンピュータ & ガジェット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月03日

アベッチグループと情報交換

 昨日の木曜日、北里大生命研の盟友あべっちと、彼の研究室の若頭のくわエッチが東京から研究室にやってきた。われわれとの共同研究を含む相互の研究の情報交換会のためである。

 あいにく、この日の大雪の余波で関ヶ原あたりで新幹線が徐行したために、彼らは予定よりも1時間遅れて研究室に到着した。一緒にお昼ご飯を食べて、午後2時からミーティングを始めることになった。まずはアベッチとくわエッチがそれぞれ30分程度で仕事の状況を語り、当方はシショー、かみちゃん、トッシーがそれぞれの進捗を報告した。

 あべっちの研究室と私の研究室は、おなじボルデテラ属細菌を主要研究テーマにしている。独立した別の研究室で研究テーマを同じくする関係や共同研究を結ぶ関係というのは世間にあまた存在すると思うが、私とアベッチの研究室の関係はそれとは少し違う。お互い長い付き合いである。ある研究室で出会ったのは間違いないが、研究をきっかけに知り合って交流をしているというよりも、友達が同じテーマで研究をしていた、というのに近い。だから私はアベッチとの関係で研究の利害を考えたことはないし、こっちの研究でわかったことは何でも知らせる。こっちで作製した材料も共通に使ってもらって構わないと思っている。こちらもいろいろと教えてもらっている。

CIMG2651-2012-02-3-23-14.JPG そんなことであるからして、この日のミーティングもざっくばらんなムードで終始して、有意義な時間を過ごさせていただいた。少し早めに終わって大阪市内案内をする予定だったのだが、ミーティングは大幅に遅れて午後6時半頃に終了した。そのあと、あべっち、くわえっちと私の三人で、お招きいただいていた吉森先生の研究室を訪問した。以前の微研にあった教授室からさらに洗練された医学部の吉森先生の新教授室でテキーラをいただいて、それから調子に乗って南森町へ出かけ、夜遅くに名店「よしむら」へと繰り出した。

 んで、吉森先生を交えた4人で最高の酒肴をいただきながら、「よしむら」ご夫婦も入って6人でアホ話をしていたら午前1時になっていることに気がついて、あわててこの日の会をおひらきにした。

 よしむらさん、長居してえらいすんませんでした。

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2012年02月01日

MacJournal

 仕事で大量の文章を書かないといけないことがよくある。その時に使用するコンピュータソフトに、私はいわゆるワープロではなくてエディタを使う。最近のワープロソフト(とくに MS Word がひどいわけですけど)は文書の体裁を整えることに熱心で、勝手に文書スタイルを変えてくれたり、勝手に箇条書きの行頭記号を入れてくれたり、お節介なことこの上ない。その点エディタは、文章を作成することに集中できるので有り難い。

 そんな私がこれまで愛用してきたのは Jedit X である。フォントや文字スタイルが変更できて、文字数も単語数も行数もカウントしてくれるし、英文ではスペルチェックもしてくれるが、ワープロソフトのようにうるさくない、、。この非常に有り難い Jedit との付き合いは、「パソコン通信」なるものを活用していた時代からであるからして、相当長い。10年以上は付き合っている。

McJicon-2012-02-1-23-14.png そういう私が最近、MacJournal というエディタを使うようになった。いまのところ、Jedit と比べてどちらがいいのかまだよくわからない。シンプルな操作性では Jedit に軍配が上がるが、MacJournal には「文書をそのままブログサービスサイトにアップロードできる」ということと「関連性のある文書ファイルをジャーナルというフォルダのようなもので一括管理できる」という、Jedit にはない独特の機能がある。

 このふたつの機能を試してみたくなって、お試し版をポチッとダウンロードした。今日が試用10日目である。ブログアップロード機能は、主要なブログサービスにはだいたい対応しているようだ。この SeeSaa ブログに対応させるには手動設定が必要だが、ネットで設定方法を調べてその通りにセットするとあとは簡単だった。MacJournal 上で書いて、「ブログサイトに送信」コマンドをポチッとするだけである。これだけでもこのソフトの価値はあるが、もうひとつの「関連性あるソフトを一括して整理」する、という機能をどう使えるのか、検討ちうである。あと5日で試用期間が終わる。価格は 3,450 円。、、、、ちょっと微妙、、。

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