2011年09月28日

言葉を尽くす

 少し前のことだが、内田樹先生の「街場の大学論」を読んだ。

 内田樹先生は、神戸女学院大学の教授だったが、昨年度に定年退職された。ご高名はかねがね承っていたし、先生のブログもたびたび訪問していたのだが、私にとってはこれが初めてのウチダ本だった。内田先生のブログは、ブログには勿体ないくらい格調のある文章で様々な事柄を奥深い洞察で評論されているので、私にとっては実は読みにくかった。「この文章は、本で読むべきやろ」と本気で思った。

 それで先の「街場の大学論」を初めて読んだというわけだ。内容は期待通り、あっという間に読めた。勉強になった。とくに、これからの大学はダウンサイジングを目指すべきであるとか、研究者に必要な資質は「非人情」であるとかのご意見には、わが意を得たりの思いを持った。実は私は、内田先生のご意見とほぼ同じことをこのブログで書いている。高名なオピニオンリーダーと意見を同じくするとは、誠に光栄なことである

 ただ、しかし残念ながら、その意見を陳述する文章に格段の差のあるのを実感した。例えば、研究者に必要な資質について、私はこんな風に書いた。「今の日本の研究の世界は「それでも研究をやりたい」という人間しか残ってはいけないところである。脳天気に「好きだから」と、先行きのことなど考えずに一生懸命に実験する「実験バカ・研究バカ・科学バカ」のような人しか残ってはいけない」と、非常に雑駁な表現である。
 一方、内田先生は(以下引用します)「研究者に必要な資質とは何か、ということをときどき進学志望の学生さんに訊ねられる。お答えしよう。それは『非人情』である。それについてちょっとお話ししたい。大学院に在籍していたり、オーバードクターであったり、任期制の助手であったり非常勤の掛け持ちで暮らしていたりする『不安定な』身分の若い研究者達にとっていちばん必要な知的資質はその『不安定さ』を『まるで気にしないで笑って暮らせる』能力である。」という文章で始まり、その後にこの論を6ページに渡って語っておられる。

 言葉を尽くして説明する、ということにおいて、内田先生に比べて(比べたらいかんやろ、と言われそうだが)私は幼稚すぎる。本書を通読する間、ずっとそのことを思い知らされた。内田先生、、勉強になりました。言葉を尽くすとは、こういうことだ。

 とりあえず。日頃の「あーやって、こーやって、そこをググッとやったら、キュゥってできるやろ?」みたいな話し方を改めよっと、、。

:無論、本書を通じて様々な方法で表現されている、あらゆる事どもに対しての内田先生の思想は私の及ぶところではない。

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posted by Yas at 23:18| Comment(2) | 私的先生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月27日

光より速きわれら


 先日、素粒子ニュートリノの速度が光速より速いという実験結果が発表された。アインシュタインの相対性理論を覆す、驚天動地の発見である。あまりの予想外の結果だったため、発表まで約6ヶ月をかけて再検証したという。関係の研究者らはなお慎重で、世界中の物理学者に検討してもらうべく全データを公開することにしたと敢えて言い添えている。さらに、この結果が科学全般に与える影響の大きさから、拙速な結論や物理的解釈をするべきではないとの考えを示している。

 このニュースを聞いた私が最初に感じたのは、関係した科学者達の真摯で客観的な態度である。物理学のお話しなので、私には具体的にはわかるはずもないが、おそらく細心の注意を払って実験が組まれての結果であろうことは想像できる。でなければ、半年もかけて再検証するはずがないし、「拙速な結論をするべきではない」と補足することもないはずだ。

 また一方で、この話を聞いて、昨年暮れに発表されたヒ素を DNA に取り込む微生物の研究を思い出した。Science 誌に掲載され、「地球外生物の存在する可能性を示すデータ」として NASA がエキセントリックにマスコミ発表した、あの研究である。先のニュートリノの実験結果がどのように受け取られるのかはまだわからないが、「ヒ素微生物」の方はこの半年以上の間でさんざんな取り扱われ方をしている。こちらも驚天動地の発見のはずなのだが、詰めの甘い実験デザインのおかげで批判が渦巻いている。確かに実験が足りないと私も思う。きっと、うちの研究室のメンバーが同様のデータを持ってきたら、「もっと慎重にやり直せ」というだろう。少なくとも「リンの代わりにヒ素を DNA に取り込む」というならば DNA に共有結合したヒ素を証明するべきである。当の発表をした研究者達は、批判にさらされているのにも関わらず、追加実験を行っている様子がないということで、さらに批判されている(いまのところ)。

 この研究者達は、他の研究グループにも追試験をしていただきたいと、その「ヒ素微生物」を提供する姿勢を示しているそうだが、どうだろうか? これは、全データを公開するとした、ニュートリノの実験とは少し意味が違う。「ヒ素微生物」の存在を確実に証明すべき責任は、最初に発表した彼らにあるはずだ。ニュートリノの実験は、やれるだけのことをやったという研究者の自負が見えるが、ヒ素微生物の方にはそれが見えない。実験の余地があるのなら、自分でやれ。そう思う。

 例えば、このふたつの研究結果が、実はどちらも間違っていたとする。その時、それでもニュートリノの実験データは関係研究の資産として残り、ヒ素微生物のデータは誰からも顧みられることはなくなるように思う。あるいは、両者とも正しいことがわかったとする。その時も、前者の研究者達は讃えられるが、後者の研究者達への評価は多分微妙なものになるのではないか。ペニシリンを発見したフレミングが、「杜撰な実験手技で偶然発見しただけ」と(実際は違うのだが)毀誉褒貶相半ばする評価を受けたように。研究過程というのはそれほど重要だ。大発見なら大発見を支えるだけの精密な実験結果が必要だと思うし、発見の衝撃性を殊更に喧伝するのはどうかとも思う。

 そうそう、研究者は、「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」、、、「蛇のように賢く、鳩のように素直に、、」、、、「チョウのように舞い、ハチのように刺す」、、、、。。。。

: 自分も研究者のくせに、批評家のようなことを書いてちょっと反省してます。すいません。

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posted by Yas at 22:02| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月24日

日本生化学会大会

 21日と23日、どちらも日帰りで日本生化学会大会に出席した。会場は京都国際会館。会期は21日から今日の24日までである。23日午前中のセッションでは、口演を仰せつかっていた。持ち時間は30分。Journal of Biological Chemstry に最近掲載された2編の論文の内容の話をする。日本語での口演だし、別に滞りなくいつものようにこなしたが、この頃はよく講演中にひどく喉が渇く。これも歳のせいかしらん? 質疑応答ではたくさんのご質問をいただいた。みなさん、ありがとうございました。講演者にとって、たくさんの質問を頂戴することは1番のご褒美である、、。この京都国際会館には、中学校の時に社会見学で初めて訪れた。あの頃は「国際会議場」という建物の意味が分からず、「会議すんのに、なんでこんなでかいタテモンが要るんや?」と不思議だったが、いまや私の学会活動の主戦場のひとつになっている。これまでで最もたくさんの聴衆(1,000人近くじゃなかったか?)に見守られて講演をしたのもこの会場のメインホールだ。

 口演後、セッションに来てくれた(だけではなく質問もしてくれた)愛媛大学のシンザーくんと近くの王将で昼食をとる。シンザーくんとは去年の「あわじしま」以来の再会である。このあと三重大に向かうという。私も、夜の打ち合わせ(飲み会です)まで予定はない。そこで、二人で京都市美術館のフェルメール展に行こうと出かけた。が、美術館についてみると長蛇の列で観覧まで70分とのこと、それほど時間に余裕がないのであっさり諦めて、シンザーくんと二人で京都市内をデートすることになった。シンザーくんは、東大薬学部から大学院、帯広畜産大を経て愛媛大で助教の職を得た。当時帯広大にいたカヌカッチの薫陶を受けて、ベクター(感染媒介動物のことです)バイオロジーに邁進する新進気鋭の研究者である。細身で猫背、少し、か細そい声が頼りなさげだが、とてもガッツのある研究をする。私は、彼のその、外見と中身の大きなギャップが好きである。

IMG_1076.JPG
 二人でウダウダ喋りながら、美術館のある平安神宮から三条までの結構な距離を歩いた。左の写真は以前にブログで取り上げた、三条大橋わきの「高山彦九郎」さん。

 どうも、、ほんとにおひさしぶりです、、。


 日差しは厳しいが、風は涼しい。秋分の日であった。




PS(個人通信だす):半年に1度発売の「彼用ゼク○ィ」、、ただ今発売中だぜ、、


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posted by Yas at 18:21| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月22日

ローマ人の物語

 塩野七生著「ローマ人の物語」、ついに読了。文庫本で43巻である。このブログでは何度も書いているが、私は基本的に文庫本しか読まない。本書の文庫本は2002年から数冊ずつ刊行されて、今年ついに最終巻が出版された。私は2007年から読みはじめたようだ。それで足掛け5年かかった。いや、長かった。しかし、千年王国のローマの歴史を考えればずっと短い。

 本書の内容に対してはローマ史の研究者から批判が出ている、ということを読み始めてしばらくして知った。しかしそれを別にしても、塩野氏のローマ人に対する愛情や歴史の綾(あや)への洞察を感じながら読むのは楽しかった。面白かった。ローマ人の物語全43巻、、全巻揃った今なら一息に読める、、。お薦めである。

 ところで、ローマ帝国だが、西ローマ帝国の終焉は驚くほどあっさりしていたようだ。本書によれば、
「ローマ帝国は、こうして滅亡した。蛮族でも攻めて来て激しい攻防戦でも繰り広げた末の、壮絶な死ではない。炎上もなければ阿鼻叫喚もなく、ゆえに誰1人、それに気づいた人もいないうちに消え失せたのである。」
ということだ。最後の少年皇帝が退位させられて、後継の皇帝が立たなかった、というのが滅亡の実相である。これを知ってちょっとショックを受けた。こんなことは学校の世界史では教えてもらえなかった。国家というのは、たとえ実質的に終わっていても「はい。我が国は今日で終わります」と自ら命を絶つことは出来ない。それで老衰死した、ということか。「終われない」あるいは「終われないと思い込む」と、その先には惨めな終末しかない、、なんか身につまされるようなことを知った。

 一方で、本書は東ローマ帝国の滅亡については何も言及していない。さらに時代をずっと下ってから滅亡したからだろうか、、。それにしても何も書かないのはどうなの? と思って調べてみると、塩野七生さんは「コンスタンチノープルの陥落」という別の作品で東ローマ帝国滅亡のことを詳しく書いていた。すかさずこの本をゲット、、。
 
 まだもう少し、ローマ帝国(もはやビザンチン帝国か、、)の物語を楽しむことにする。

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posted by Yas at 23:08| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月20日

嵐の生化学会

 台風が近づいている。天気予報は云う。「明日は交通への影響大」「今夜半から明日午前中にかけて大雨の怖れ」「不要不急の外出は控えてください」

 しかし、明日から京都国際会館で生化学会が始まる。私の口演は明々後日だが、明日も所用があって会場に向かわねばならない。

 台風が近畿地方に最接近するという朝っぱらから、伊丹を出て京都に向かう。無事に会場にたどり着けて、用事を済ませることができるのか、、。 

 乞うご期待、、、。

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posted by Yas at 22:53| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月19日

ホリプレ論文篇17「正確な文章 ー 修飾語と被修飾語の関係をよく考える ー」

 先日の若手コロッセウムの少し前、本会への毎年の連続参加が途切れることになったトッシーがあまりに寂しがるので 
「じゃ、トッシーの可愛い写真を研究室紹介のときにスライドにしてプレゼンしてもろたらええがな」と慰めたところ、
「きゃー、先生、私のこと『可愛い』だなんて、、、」と有頂天な反応が返ってきた。

 これって一種のセクハラちゃうんか、という話はまぁ置いといて、、ここではトッシーの誤解をとりあげたい。私は「トッシーの可愛い写真」と言ったのであって「可愛いトッシーの写真」とは言ってない。「可愛い」は「写真」に係っているのだ。このあと、トッシーの誤解を解くために、懇切丁寧に私の意図を彼女に説明したのは言うまでもない。(あえて説明せんでもええがな、、という意見もあるが)

 この例のような日常のやり取りで生じる行違いはたいしたことにはならないが、科学論文でこういう曖昧な書き方をすると大きな誤解の元になる。長い論文でこのような表現が繰り返されていると、たぶんわかりにくい読みにくい論文になっているはずだ。

 例えば以下の文章。無理矢理に作成したので、多少ぎこちないのは無視して読んでいただきたい。

 食中毒の原因となるウエルシュ菌の CPE 毒素は強い細胞毒性と致死活性を持つ。近年、作用機序が明らかにされた CPE 毒素の受容体はクローディンであると考えられている。

 一見すると内容が読み取れるように錯覚するが、実はこの文章は科学的に正確ではない。一体、食中毒の原因となるのはウエルシュ菌か? CPE 毒素か? 強いのは細胞毒性と致死活性の両方か、細胞毒性だけか? 近年「作用機序が明らかにされた」のか、近年「受容体はクローディンと考えられている」のか? こうしたことが明確でないと、科学論文は成り立たない。

 修飾語(句/節)が何を修飾しているのか、明らかにしよう、、。ということだが、これが実は簡単なことではない。基本的には修飾語は被修飾語の直近(直前)に置く。そうすることで、かなり問題は改善する。しかし、どうしようもない時は文章の構成から変えないといけなかったり、文章をふたつに割ったりすることも必要になってくる。つまり定型的な処方箋がない。ということで、とにかく上の文章を直してみる。

 ウエルシュ菌の CPE 毒素は食中毒の原因として知られている。本毒素は強い細胞毒性を有し、動物個体に対しては致死作用を示す。すでに作用機序が明らかにされた CPE 毒素の受容体はクローディンであると、近年考えられている。

 あるいは、以下のようになる。

 食中毒の原因となるウエルシュ菌は CPE 毒素を産生する。本毒素は細胞毒作用や致死作用など、強い生物活性を持つ。近年、CPE 毒素の作用機序が明らかにされた。本毒素の受容体はクローディンと考えられている。

 うーむ、、。ちょこちょこっと考えた文章なのでなんかぎこちないが、私の言いたいことはわかっていただけたでしょうか? この文章で、少なくとも不正確な表現は排除できたと思う。

 科学的な文章は、正確性が厳しく要求されるが、これを一息に書いた文章で実現するのは難しい。そのために、何度も読み直すことが大切だ。

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2011年09月16日

風に吹かれて


 仕事に追われて、Deep Purple を聴きたいと思ったのは、7月のことだった。あの時はハードロックに乗って仕事が捗った。

 んで、笑うほど雑用に追われている今回は、なぜかボブ・ディランが聴きたくなった。
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 ボブ・ディランのセカンドアルバム「The Freewheelin' Bob Dylan」。アマゾンでポチッとして手に入れた。1963年の作品である。
 名曲「Blowin' in the Wind (風に吹かれて)」が収録されている。ピーターポール&マリーがカバーして大ヒットした曲だが、それよりもフォーク = 反体制 と思われていた時代の記念碑的な曲として超有名だ。
 今日は一日中、このアルバムのヘビーローテーションで過ごした。近くで仕事をしていた秘書の鈴木さんには「なんか、古くさい曲を流してるなー」と思われたかも。

 How many roads must a man walk down
 Before you call him a man ?

 一体どんだけやらなあかんっちゅうんや? やらなあかんのはわかってるけどたいがいやろ?

 みたいな意味か、、。いまの私にぴったりである。

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posted by Yas at 22:06| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月14日

肩の力を抜いて ヘラヘラと、、

 IUMS後、研究室に出てきて三日目になる。笑えるほど雑用が無くならない。いや、無くならなくてもいいんだけど(そもそも無くすのは無理)、せめて定常状態まで戻したい。そんな私の思いをよそに、会議の予定は入るわ、オカケーはわけのわからんデータを持ってくるわ、、。

 おまけに、来週から生化学会が始まる。この学会は私の主戦場ではないが、やはりシンポジウムで講演することになっている。それに色々と勉強になることが多いので、4日間の会期中の少なくとも2日間は出席したい。でもその間に、きっとまた雑用も溜まる。

 さらに、執筆依頼された原稿も複数あることを再確認、、、。とか云っている間に、ぼちぼち科研費の公募が始まろうとしている、、。あかんあかん。もうだめ、、。、、、、

「疲れたとか、不健全とか、忙しいとか、最近のセンセのブログは暗いですよ」と長期の留学から帰国したイッペー君に注意されたばかりなのに、、。

 いや大丈夫だ、、。忙しくてつらいが、せめて暗くならずに頑張ることにする、。、、明るくヘラヘラと頑張るのだ。

 、、あ、「ヘラヘラ」は余計か、、。


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posted by Yas at 22:06| Comment(2) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月12日

札幌のこと

 IUMS から戻って、一週間ぶりの研究室。
 出張帰りは、いつでも、その間に溜まったメールの処理から始まる。そんな雑用をすませながら、まだ醒めやらぬ長かった今回の出張のことをいくつか思い出した。


 札幌の地下鉄は、大阪と比べるとやや不親切に思えた。電車を降りたプラットホームに、出口(◯◯方面こっち、××方面あっち、みたいな)案内が少ない。出口に番号を振ってあるのは大阪と同じだが、その案内もプラットホームにない。地下鉄南北線と東豊線の札幌駅の間は相当な距離があるのに、同じ「札幌駅」なのは解せない。「西梅田」「梅田」「東梅田」と同じ繁華街に三つの駅がある大阪を知っているだけに、なんか納得がいかない。

 会議中、私の担当したセッションの終了後に、ある外国系出版社の方から声をかけられ、細菌学系の専門書の企画編集を依頼された。「なんで私なんですか?」と尋ねると、「先生はホームページなどで、情報を発信されているので、同じ情報発信である専門書の企画もやっていただけるのではないかと思いまして」という返事だった。、、、ホームページって、、、このブログのこと? それで専門書?、、と疑問に思ったが、怖かったのでそれ以上は聞かなかった。

 これまで、小樽の北一ガラスのことを「チャラチャラしたガラス細工を観光客向けに提供しているところ」と思っていたが、それが誤解だったことがわかった。店内には素晴らしいガラス製品が並んでいる。、、、1個 8 万円のウイスキーグラス、、「そんなモンでウイスキー飲んだら、飲む前から手が震えるがな、、」と、1人ツッコミを入れながらも手の届かん高級品に思わず見とれてしまった。んで、色々と見て回ったが、結局何も買わずに店を出る。、、、へいへい、、ケチな大阪のオッサンです、、。

 今回は「国際微生物会議」だけあって、あらゆる細菌学者が一堂に会していたようで、細菌学会の年会ではあまりお会いすることのない先生にお会いできた。これはたいへんメリットのあることだ。医学細菌学が主流の「日本細菌学会」の枠を超えて、細菌研究者が集まる「日本微生物会議」ができないものだろうか。日本の細菌学のために本当にそう思う。(ウイルス学はどうすんねん? ということはとりあえず置いとく)

 小樽のお寿司はどれも美味しいと思うが、なかでもウニが抜きん出ている。これが今回の出張/グルメ部門の結論。ラーメンとか、ジンギスカンとかも食べたかったなー(佐賀大の吉田さんが羨ましい、、、)。札幌到着の当日、急に博多ラーメンが食べたくなって(なんでやねん)、歩いていると「一風堂」を見つけた。しめしめと思って飛び込んだら、その店は「一風堂」ではなくて「一国堂」だった。もちろん、メニューには豚骨ラーメンなどなかった。、、、それ以外、ラーメンやらスープカレーやら、ジンギスカンやらの北海道名物はついに口にすることはできず、悔しまぎれに千歳空港で「ウニ弁当」を食べたけど、、、、、5 分くらいで食べ終えた。

 今回の出張は、私にとって初めての札幌訪問ではない。これまでに4−5回は訪れていたと思う。ただ、今回は滞在が長かったので、いままでよくわからなかった札幌が少し見えた。次の北海道の予定は、来年の「毒素シンポジウム」in 帯広、それからその前に共同研究先の北大の東さんの研究室に訪問することになるはず、、。
 
 、、、、今度はジンギスカン食べよっと、、、。


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posted by Yas at 22:44| Comment(2) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月10日

国際微生物会議/札幌 (International Union of Microbiological Societies 2011 Congress)


 一週間のご無沙汰です。

 この火曜日から札幌入りし、表記の IUMS に参加していた。細菌学関係の会議は今日が最終日でまだ続いているが、間際に予約した選択肢の少なかった航空便の都合で、私はすでに千歳空港にいる。この会議は、国内ではほとんどない長丁場の学会である。セッション中の公用語は英語だ。夜は招待外国演者や研究仲間との大切な会合(すいません飲み会です)が遅くまで続く。これで疲れないはずはない。だがしかし、それなりに心地よい疲れでほとんど人のいない搭乗口(ぼうっとしていて、深くものを考えずに搭乗時間のずっと前にゲートに来てしまった)で静かに座って、なんだか癒された気分になっている。

 さて、その IUMS、、、。

 初日は夕方から会議場を離れて、共同研究先である北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの東秀明教授に会いに行った。東さんに、設置間もない研究室や、リサーチセンターを見学させていただく。帯広畜産大の原虫病センターもそうだったが、北海道の大学の(少なくとも私が関係する)研究室は部門間の仕切りの無いのが特徴のようである。広々とした解放的な共有空間も羨ましい。こういうのはちょっと大阪の大学では見られない。夜は、東さんの研究室の皆さん、同じリサーチセンターの高田礼人さん、琉球大学の梅村さんと打ち合わせ(を兼ねた飲み会です)をする。以前に微生物病研究所に在籍されていた鈴木定彦さんにも再会することができた。次の日は口演と座長を務めるセッションがあるので、とことん飲みたい衝動を抑えて後ろ髪を引かれながら北大近くの飲み屋さんを辞す。

 明くる日の自分自身の口演は、、、、まぁそれなりにそれなりだったと思う。北京生命科学研究所の Dr. Feng Shao と一緒に務めた座長も滞りなく終了。ただ、他のセッションが、国際微生物会議ということでひたすらフォーマルに進行していたのと比べると、ちょっと at home すぎたというか、くだけすぎてたかも、、。まぁ座長のキャラクターということで許していただこう。

 日本の若手の研究者さんの口演もいくつか拝見した。英語の口演が不慣れで、一生懸命に原稿を読むのは仕方ない場合もある。でも、できれば頑張って全文を覚えてきて欲しい。読み言葉は話し言葉と違って聴いている方のアタマに入りにくいし、全文を覚えるために繰り返して練習すれば、その間に自然とボキャブラリーが増える。英語の口演は練習あるのみですよ、、。それから、気負って話題を詰め込みすぎて破綻していた口演もいくつかあったかな、、。口演時間はいくら長くたって30分。何でもかんでも詰め込めるものではない。日本人が苦手な英語口演では、ストーリーをシンプルにしたり、メリハリを付けたりすることに心を配らないといけない。それから、スライドが小さくて見えないのは論外である。見えないスライドを映写して平気で「As you can see, ,,,」とか言ってると、聴者の印象には残る(笑いのタネということでね)かもしれないが、見識を疑われても仕方ない。、、、心当たりのある人は、当ブログの「ホリプレ」を読んでね、、。

IMG_1049.JPG 会議後は連夜、外国人招待演者を交えて様々な研究室の友人達と飲んだ。けれど美味しいお店を探したりとかの努力をしなかったので、北海道らしいものを口にしたのは4日目の夜に小樽でお寿司を食べた時だけだった。、、、

 宮崎大の三澤さん、毎度お馴染み北里の阿部っちと桑エッチ、大阪府大の真実ちゃん、それとノーベル賞の「生理学・医学賞」の選考で有名なカロリンスカ研究所の Dr. Agneta Richter-Dahlfors とで安居酒屋で打ち合わせ中、、(飲む会です)。阿部っちの紹介で15年前ほどに知り合った彼女とは馴れ馴れしく話したりする(彼女の英語は速いので聞き取るのにとっても苦労するけど)が、優秀な彼女は実はとっても偉いのだ、、。

 多岐にわたる領域を網羅するセッション、数多い会場、何度も変更されたプログラムなどから、会議の開催を不安視する声が事前に聞かれたりしたが、フタを開けて見ると(少なくとも)私が参加したセッションは総じてレベルが高くて楽しかった。今朝、午前中のうちに空港に向かわないとならないのが残念だった。この日は天皇陛下が会場にいらっしゃったのだが、その場に居合わせることもできなかった。おまけに、千歳空港のレストラン街で最後に美味しいものを食べて土産物を物色しようと思っていたのに、冒頭に書いたように慌てて搭乗口まで来てしまって、何もできずに、昼食に売店の弁当を食べるはめになってしまった。

 まぁいいや、昼食は仕方ない。んで、土産は、、、この会議で受けた「刺激」を研究室に持ち帰るのが土産、ということにして喜んで帰阪することにした。


 これを書いている最中に搭乗時間になったので、帰宅してからアップロードした。

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posted by Yas at 21:07| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月03日

In the typhoon

 台風のなか、トロントから Dr. John Brumell が大阪にやってきた(はずだ)。来週の火曜日から始まる国際微生物会議(IUMS)に参加するためである。吉森先生の「日本に来るなら大阪に立ち寄る?」という誘いに乗ってくれて、月曜日に微研でセミナーをしてくれることにまでなった。

 んで、明日。日曜日の一日は彼のスケジュールが空いてしまうので、「じゃ、大阪観光する?」ということで、私は彼と一緒に大阪をぶらぶらとすることにした。John はThe Hospital for Sick Children 555 University Avenue Toronto というところに所属している。以前に来日した時にも一晩飲んで、結構ウマがあった。細菌感染応答によって発現するオートファジーに関して先駆的な仕事をしている男である。The University of British Columbiaに留学経験があって、その時には北里大の阿部ちゃんとラボメイトだったそうである。

 先ほどメールして、台風のなか彼が無事にホテルに到着したことを確認した。、、しかし、明日もまだきっと、関西地方は台風のなかのはず、、。大阪観光って、いったい、、?

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