2011年02月28日

手書きに凝る

 私はノートを取るのが下手だ。そんな自分を矯正したいとモレスキンノートを買い、その一冊に何でも書き込むようにして、さらに気持ちよく使えるようにとボールペンも選んでみた、ということを以前に書いた。

 それから5ヶ月。メモをとることがそれなりに日常化してきて、その効果も見えるようになった。いやー、51歳になってやっとメモをとることが大切だとわかったみたい。お恥ずかしい。これまでそこらへんの紙片にチョロチョロと書いて、その紙片も記憶も放ったらかしにしておいたのが、モレスキン一冊に書き留めるようになってから情報を確かに保管できるようになった。おかげで、同じ調べものを繰り返したりして時間を浪費することが少なくなったし、ディスカッションの最中などに「書く」という行為がはいることで、その内容が(少しだけですけど)頭に残るようになった。

 これはいい。51歳で悟ることでもないので恥ずかしいが、これはいい。、、、ということで、「書く」ということをさらにまじめに考えるようになった。私はペンを使って字を書くことは基本的に嫌いではない。

 まじめに「字を書く」のなら万年筆だ、、、。これまで、ペリカン社のスーベレーンという万年筆を持っていた(ある人からのいただきもの)のだが、軸先からインクが漏れだして使えなくなっていたので、代わりになる万年筆をネットで探してみた。そこで見つけたのがドイツのラミー社のアルスターである。低価格でしっかりとした書き味、極細のペン先(日本向けらしい)のラインナップもあるのでこれを選んだ。下位モデルにサファリというベストセラーの万年筆シリーズもあるのだが、プラスチックの胴軸がイヤなのでアルミ胴軸のアルスターを選んだ。
IMG_0867.jpg

 さらに、クレジットカードのポイントを使ったアイテム交換でセーラー社の「プロフィット21長刀研ぎ」という万年筆を手に入れた。写真は左から、スーベレーン、アルスター2本、長刀研ぎ。アルスターは、グラファイト色を買って気に入ったのですぐに2本目にオーシャンブルーを買った。




IMG_0866.JPG もうこうなると、万年筆がマイブームになってしまった。インクボトルも続けて購入。特にパイロットの色彩雫 (iroshizuku) シリーズのインクが気になっている。というか、もう「冬柿」という赤色インクのボトルを買ってしまった。さらにセーラーの顔料インク(耐水性で裏写りのしない新型インク)も買った。

 左端と右端はそれぞれ色彩雫の「冬柿」と顔料インク「青墨」。中のふたつはこれまでに使っていたパイロットの黒インクとウォーターマンのブルーブラックインク。、、、これからラインナップが増えそうな予感、、、(って、自分で買うのだが、、、、)


「字を書く」マイブームの話題は続く、、、。

 
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posted by Yas at 22:51| Comment(0) | コンピュータ & ガジェット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月26日

清阪峠へ、、

 今日はいい天気だった。仕事にも余裕があったので、早めに切り上げて自転車行を楽しむことにした。
kiyosaka at EveryTrail
EveryTrail - Find the best hikes in California and beyond


 モノレール彩都西駅の横を抜けて、清阪峠に向けて走る。ここを越えると亀岡市である。一度自転車で亀岡まで抜けてみたかったのだ。
 途中、ソフトバンクの電波が届かなくなって iPhone に地図を取り込めなくなって迷子になりかけた。寒くなってくるし日は傾いてくるしで、とっても不安になったが国道にでると電波が復帰。ことなきを得た。豊能町から池田を抜けて伊丹の自宅に帰る。

 総距離 51 km とか、、。朝の、自宅から大学までの通勤を加えると結構な走行距離になった。

 で、疲れた。もう少ししたら寝ます、、。おやすみなさいまし。


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posted by Yas at 22:39| Comment(0) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月25日

微研の誇り、部員会。と思うんですけど、、

 ここのところ、幸いにして〆切のある仕事がない。順調に自分のペースで仕事を済ませることができている。そうしたなか、本日は微研を去る大学院生やポスドクの研究発表会(微研コロキウム)があった。ちょうどいい。ここ数年は忙しくてなかなか参加できなかったので、顔を出してみることにした。んで、その衰退ぶりに驚いた。微研の規模から考えて、修了する大学院生や異動するポスドクは20−30人ほどはいるはずだ。実際、私が毎年参加していた頃は20−30題ほどの発表があったように思う。ところが、今日の発表はたったの7題。参加研究室は4研究室だけ。

 こうした催事を企画運営する部員会委員長のトーガンくん、役員クラスのヒガシヤマくん、ショータくんが嘆く。部員会とは教授と准教授以外の全ての構成員が参加できる組織である。
「参加者は年々減るし、教授の協力は得られないし、部員会の活動はここ数年で終わりかもしれません」
つまり、助教、ポスドク、大学院生クラスの部員会活動への関心が薄れていたり、さらに研究以外に精力を傾けることに否定的な教授からのプレッシャーのために、参加しにくい雰囲気が醸成されたりで、部員会活動がままならない、ということらしい。

 部員会の活動が研究室間の敷居を下げ、それが微研の研究活力の一部を支えていたことは、以前からの微研を知る人なら誰でも知っていることである(と私は思う)。私自身も部員会の活動を通じて知り合った仲間にずいぶん助けられてきた。こうした研究室間の風通しの良さがなくなると微研の特徴がなくなってほかの研究所や研究科と同じになってしまう。

 人事の流動性を高めるという名目で導入された助教クラスの任期制や現行のポスドク制度のために、研究所に愛着を持つこともなく自分の研究の進捗だけに関心が向かうのは仕方のないことかもしれない。業績を挙げないと次の職がない、というのは確かに切実だ。でもそのことに縛られて、使い捨てのような抜き差しならない境遇を自ら作り上げていないか? 微研の古くからの優れた仕組みを利用して研究人としてのネットワークを広げるのもいいんじゃないか?

 教授の先生方にもいいたい。若手名目のプロジェクトの推進時など、都合のいい時だけ部員会を利用していないか? 若手の活性化が必要だというのなら、部員会の活動は教授会からも後押しするべきではないか?

 とまぁ、エラそーに言いました。でも、ホントにもったいないと思う。


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posted by Yas at 23:31| Comment(6) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月24日

会議

  私は会議は好きではない。でも組織運営に会議は不可欠だ。それくらいは理解できる。だから真面目に出席する。出席するがやっぱり好きではない。まぁ、会議が好きな人はあんまりいないと思うけど。

 2, 3 年ほど前から、薄々感じていたのだが、どうも私のモノの考え方は他の人とだいぶ違うらしい。そのことに気がついてから、いっそう会議が億劫になった。

 何かの方針を決めるとき、絶対にとってはいけない選択肢がある。それさえ避ければ、残りの選択肢のうちどれを採っても、実は結果に大差はない。というのが私の考え方である。んで、大抵、とってはいけない選択肢はすぐに判別できる。あとはまぁ、だいたい、どうでもいい。そういう考え方だ。だから結論に達するのは早い。ときには明らかにベストな選択肢が存在することもあるが、そんな時も結論は早い。そんな考え方の人間からすると、細かな条件の違いを考えながら見解の統一を図ってネゴシエーションするような会議のスタイルはまだるっこしい。

 こんな私が発言すると、結論を急いで短絡的に突飛なことを云ってるように見えるらしい。しかも、実際の年齢よりもかなり若く見える(らしい)私が、知り合いの少ない会議で発言したりするとかなり反感を買うようだ(ブッキラボウに見える喋り方もマイナスに働いているようだ)。それでイヤな思いもする。あーやだやだ、、。

 そういえば、若い頃に読んだ、科学者になるためのハウツー本に
「研究に専念したかったら、決して会議で発言してはいけません」
と書いてあったのを思い出した。

 全くその通り、である。

:微研の教授会のことではありません、、。

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posted by Yas at 21:45| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月22日

Giampietro Schiavo

 先週来、ずっと苦しめられていた風邪からやっと解放されたかな、、というこの月曜日、ロンドンからGiampietro Schiavo が微研にやってきた。

 Prof. Schiavo は Cancer Research UK London Research Institute に研究室を持っている。イタリア人である。20年ほど前にボツリヌス毒素がシナプトブレビンを切断することを世界ではじめて解明した。さらに、ボツリヌス毒素や破傷風毒素などの細菌性神経毒素の利用を切り口にして、神経細胞の軸索輸送のメカニズムや意義を理解しようとしている。私との研究の接点は直接ないのだが、彼の奥さんが昔の私の論文を読んでいたり、本人が私の投稿論文を審査していたりということがあったようだ。そのことを、第二回のAIFII (Awaji International Forum on Infection and Immunity) で演者として彼を招待したとき、彼が私に話してくれた。それ以来、ロンドンや大阪で会っては楽しく話をさせてもらっている。

 紳士である。人を不快にしないようにいつも周囲に気をつかっている。研究の話も政治の話も、なんでもマジメに一生懸命話す。日本や日本人のメンタリティーが好きだと云う。日本の食べ物には目がない。ロンドンでも自分で魚を捌いて刺身を作るそうだ。うどんだってラーメンだって好きだというので、昨日の昼食には天下一品のラーメンをご馳走したけど、大丈夫だったかな、、。

 夕方に予定されたセミナーは、直接には感染症とは関係のないタイトルだっただけに聴衆の入りが気になったが心配することはなかった。ここでも彼は、気をつかってか、特に病原体や毒素の軸索輸送の話題を多く盛り込んでいたように思う。

 夜はミシュラン1つ星の「ながほり」で、目加田先生と藤永さんと4人で夕食を楽しむ。(この「ながほり」、以前は長堀橋近くにあったのに、私の実家の近くに移転していたので驚いた)
「ここの刺身は美味い」と彼が言う。ふむ。ほんとに刺身の味がわかるみたい。夕食後、藤永さんと吹田方面に戻る彼と別れて、なぜか目加田先生と一緒に「伝真田の抜け穴」などを見物しながら懐かしい道を玉造駅方面に帰る。

 彼は今朝、新幹線で東京に向かったはずである。日本を離れるのはこの週末と聞いた。Prof. Schiavo ( gipi というのが通称だそうだ)、また会いましょう。

 
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posted by Yas at 22:35| Comment(0) | 私的先生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月20日

ホリプレ論文篇 12 「論文の起承転結」

 論文作成は断片を書くことから始めよう、と前回書いた。特に「材料と方法」や「結果」はそもそも断片の情報からできているので、書きやすい。では、「導入」や「考察」の断片は、どのように考えれば良いのか?

 物語の骨子を「起承転結」で組み立てる、とはよく言われることだ。この概念をもとに、論文の断片も考えることができる。「導入」では起承転結、考察では「起承結」で構成する。考察に「転」は要らない。

 「導入」での「起承転結」は以下のように構成する。
起:題材(研究対象の分子や方法、生命現象など)の教科書的な定義や説明をする。
承:題材に関する研究の焦点やその動向を書く。
転:現在も不明な問題(つまり、この論文の研究で明らかにした問題)を挙げる。
結:論文の研究内容、あるいはその結果を簡潔に書く。

 「考察」の「起承結」はこんな感じだ。
起:「導入」の「結」のように、論文の研究内容やその結果をまとめて書く。この場合、「導入」の「結」と内容が過度に重複しないように気をつけねばならない。そのため、「導入」の「転」の部分で取り扱った問題を表現を変えて書き始めるといい(ちょっと高度な技かもしれません)。
承:結果についての考察が連続する。だから、「承・承・承・承」のような構成だと考えた方が良い。
結:研究の総括と意義を書く。最後に、残された問題とそれに対して研究が進行中であることを書くと、論文を結びやすい。

 論文の断片について、次回も続く。

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2011年02月17日

竹下景子さんお薦め、、早めのふにゃらら

 風邪が少しだけ悪化した。いや、悪化したと云うべきかどうか、、最初は鼻の周りがやたらとイガラっぽい鼻炎で始まったのだが、そのイガラっぽいのが日を追うにつれノドから気管支に降りてきた。熱はない。

 あー、イガラっぽいイガラっぽい。んで、一昨日からずっと引き続いて研究室常備の風邪薬を飲んでいる。この風邪薬がよく効くようで、飲んでしばらくすると頭がぼうっとする。あかんあかん、ただでさえ働かんアタマが、もっと働かなくなる、、。しばらくして薬が切れてくると、アタマは少しだけ働くようになる。でも、ノドや胸がイガラっぽくなって苦しい、、。、、薬を飲む、、。ぼうっとする。薬が切れる、、ノドが痛い、、。この繰り返し、、。なんだか今日は薬が切れはじめてノドが痛くなるまでの短い時間だけ仕事をしたような、、、してないような、、。

 あ、ノドが痛い。すんませんが今日はこれで、、、薬飲んで寝ることにします。


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posted by Yas at 22:10| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月15日

元気はつらつぅ 2

 朝、目が覚めて、自宅の窓から六甲山を望む。

IMG_0863.JPG
 雪の六甲山である。雪の六甲山と言えば、花形満が星飛雄馬の大リーグボール2号を打つために雪玉ボールを使って打撃練習をしたところだ。とまぁ、そんなことはいいのだが、、。



 どうも先日から鼻風邪をひいたようだ。急性鼻炎なのか、眉間の当たりや頬骨の辺りが熱を持っている。そう言うと、アヤッチが「ラボに風邪薬がありますよ」という。
「いや、クスリを飲むほどではないんやけど」
「でも飲まないと、毎年常備薬として事務から配給されてくるので、余って古くなっちゃいます」

 そ、それはちょっと違うのでは、、と思う私をよそに、パリパリと小箱を開けて錠剤を取り出すアヤッチ。そうか彼女は薬剤師だ、と無条件に従って三錠。朝も、昼食後も服用する。

 薬には「眠くなります」とは書いていなかったが、気のせいか薬のせいか、午後になってすぐに眠くなった。仕事しないとダメなのに、、。め、目を覚まさないと、、。コ、コーヒー飲んで、リアルゴールド飲んで、麦茶飲んで、、、、

 おかげで、鼻のイガラっぽいのはマシになったけれど、今度は胃の具合がおかしくなってしまった。

で、胃薬を飲む。この調子なら常備薬は使用期限内になくなりそうだ。

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posted by Yas at 23:02| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月14日

雪が降っても頑張りましょう

 連休明け。先週末にホントの(研究系の)仕事を片付けたかったので、やり残してしまった雑用を朝から淡々とこなす。外は雪が降っている。

「雪が降ってますよっ! みんなで外に出て『きゃぁきゃぁ』しませんか?」とトッシーが言う。、、、、、お前はイヌか?
「いやいや、私は間に合ってます」と丁重にお断りする。 

「◯◯を△△した結果ですが、やっぱり□□でした」とシショーが言う。いま、仕掛かり中の実験がうまく進んでそうな兆候である。けっこうけっこう。この調子で頑張りましょう。
 
 あ、最先端・次世代研究開発支援プログラムで研究課題が採択されたみなさん。おめでとうございます。色々と話題を振りまいた研究助成金ですが、、とにかくみなさん頑張ってください。
 そういえば、先日のたこ焼きパーティーの参加者のなかで、このプログラムに採択された人が三人もいた。実におめでたい。レベルの高いコミュニティーに自分が身を置いていることを実感する。みんな、たこ焼きを食べて研究もやって、、、酒飲んで酒飲んで酒飲んで、研究もやって、、頑張りましょう。

 一般科研費の総額が2,000億円で採択件数が 52,000件。最先端・次世代の総額が500億円弱で年齢制限付きで300人強に配分される。このアンバランスにため息をつく、、いやいや、採択された人は頑張ってくださいね。すでに、採択者一覧がネットで出回っているが、見てみると知り合いがたくさん採択されていた。いやー、知り合いのみんなが5%ずつ私に寄附してくれたら、すぐに2,000万円/年くらいになるのに、、と、くだらん妄想までしてしまった。こうなると、宝くじを当てて研究費にしたい、とかいう与太話と変わらない。

「この☆☆の方法、すぐに◯◯研に行って教えてもらってきます」と、今度は真面目にトッシーだ。仕事の最終形が見えてきたので、いままでにも増して彼女は積極的になっているように見える。いやいやよろしいよろしい。この仕事の着地点を決めるために、午後からは調べものをする。こういう時はホントに仕事をやっているという気分になって心地よい。

 しかし雪は降る。気持ちよく仕事をやっていたが、道路が凍ると困るので早めに帰宅した。


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posted by Yas at 23:08| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月12日

ホリプレ論文篇11「断片を書く」

 英語の論文でも日本語の論文でも、あまり経験のない学生さんなどの原稿を見ると、文章や段落をつなぐための接続詞がやたらと多いのに気になる時がある。英語の場合は語彙力の問題もあるのでそれほどでもないが、日本語の場合は目立つ。

 「まず、」「しかしながら、」「それで」「ところで」「さて」といった接続詞が目につくが、ほとんどの場合このような接続詞は必要ない。こうした接続詞は、文脈が途切れるのを怖れて多用されているようだ。この接続詞問題についてはいずれ取り上げることとして、ここでは「文脈(ここではあくまで文章上のつながりのことを言っている)が途切れるのを怖れる」必要はない、ということを強調しておきたい。

 前回書いたように、論文は情報の断片の積み重ねで出来上がる。断片とは個々の実験結果や議論の対象だ。筋の通った論旨で研究が進められているのなら、その論旨に基づいた断片を並べるだけで充分に意味の通った論文になる。文章上のつながりを気にする必要はない。

 ということで納得していただけただろうか? もし納得していただけたなら、論文の断片から書き始めよう。最も簡単な断片は「材料と方法(Materials and Methods)」である。試薬とか発現プラスミドの作製とか、細胞毒性の定量とか、実験ノートをもとにそれぞれの断片を文章にする。それだけだ。簡単でしょ? このとき、断片ごとのつながりを気にする人はいないだろう。そういう意味で、この「材料と方法」の部分が最も科学論文らしい体裁になっていると私は思う。

 しかし、論文は「材料と方法」だけではない。「導入(Introduction)」とか「結果(Results)」とか「考察(Discussion)」の断片をどう考えるべきか? この中では「結果」が比較的簡単だ。それぞれの実験結果の図表に対応させるように、ひとつずつ断片を設定すれば良い。図表の説明の断片を文章にするわけだ。この際も、断片ごとのつながりを気にする読み手はいないと思う。

 「導入」や「考察」も基本的には同様で、結果の図表にあたるような小さな話題を断片にするのだが、実験が終わった時点ですでに断片とする話題が出来上がっている「材料と方法」や「結果」とは異なり、「導入」や「考察」では断片の話題を組み立てるのには若干の工夫が必要だ。

 次回は、その工夫について書くつもり、、。

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2011年02月11日

今年最初の仕事のヤマ、終わる。

 昨日、2月10日はガチャピンの医学修士課程発表の日であった。朝9時。発表が始まったときには副査の目加田先生と岡田先生、うちのラボからカミちゃんとアヤッチ、そして主査であり発表の司会を務める私。それだけだった。たった5人。これが本学医学系研究科医科学修士課程の修士論文発表の現実だ。教員の先生方が忙しすぎるのか、それとも発表会の構成がまずいのか、、とにかく一生懸命やってきたガチャピンには気の毒だった。

 ガチャピンの発表を含めてこの日の仕事を全て終えると、実は、しばらくは予定された会議や〆切のある仕事がない。あー、ここまでキツかった。しかしこれはめでたいことである。めでたいので、夜に目加田先生と「よしむら」さんで祝杯をあげた。

 このブログでは何度も書いているが、「よしむら」さんは天神橋筋1丁目の名店である。他店とはレベルの違う日本酒の品揃えと美味な酒肴で毎回圧倒される。ほんと、ミシュランに掲載されなくてよかった。あんなのに掲載されると気軽に来ることができなくなる。ただでさえ予約を取るのが難しいというのに、、。のどぐろの炭火焼、サワラのカマの炭火焼、揚げ豆腐、タラ白子のフライ、ウルメ干し、銀杏、それと日本酒をたくさん。最後は絶品の釜飯と半田そうめんでしめて、電車で帰る。

 今日からの連休三日間はゆっくりさせてもらいます。あ、、いま開催中の沖縄感染症フォーラムにご参加のみなさん。頑張ってくださいね。

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posted by Yas at 20:31| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月09日

哲学は全てを包みこむ

 昨日は今年に入って 4 度目の東京出張だった。今回は細菌学会関連の用務。来春の細菌学会総会のシンポジウムとワークショップのテーマを策定する委員会である。あらかじめ委員から提案されていた企画が40ほど、。これを半分程度に調整し、それぞれの担当者も決める。そのあとは担当者が責任を持って具体的なカタチにしていくのである。委員の先生方の努力で、みっちり2時間半かけて大枠を決めることができた。

 そのあとはいつも通り、田町でグビグビ。午後9時前の新幹線で帰阪する。帰宅したのはちょうど午前0時だった。

 夜が明けて今日、、、昨年パリでお会いした矢倉英隆先生が微研に来訪された。昼食をご一緒させていただき、さらに小1時間程度、私の研究室でお話をさせていただいた。もともと、矢倉先生は免疫学を専門とする生命科学者であったが、定年退職を機に哲学を学ぶためにパリに渡って、いわゆるパリ大学(パリ大学は実際には複数の大学の連合組織になっているようだ)大学院で勉強されている。

 「現役時代は、私は死なないし私の仕事は決して終わらない、と漠然と考えていた。でも定年退職の時期は間違いなくやってくる。その時期が近づいてくると、自分は職場を去らねばならないし、退職後は研究があっさりストップすることが実感として悟ることができるようになった。だから、自分のやっている(やっていた)ことを、距離を置いて観るために哲学を始めた」とおっしゃる。
 たとえば、学生時代は自分のやっている実験で精一杯だ。だけど少し経験を積むと、実験の対象となる研究テーマの意味が分かってくる。もっと経験を積むと、その研究テーマの関連学問領域の中での意義がわかる。さらにその先には、社会に置ける科学の位置づけについて考えるようにもなる。自分の研究からどんどん距離を置いていくわけだ。「その究極に、矢倉先生のように科学を哲学する姿があるんでしょうか?」と尋ねると、「そうだね」と先生は簡単に答えられた。

 夕方から、矢倉先生のセミナーが催された。そのタイトルは「科学と哲学のインターフェースから免疫を観る (Thoughts on immunity from the interface of science and philosophy) 」である。たっぷり1時間。昨日の出張で疲れた頭で一生懸命フォローしようと頑張ったが、明らかに理解できたことはただひとつ。前掲の、セミナーの前の先生と私の問答は、似たような言葉で実は全然違うことを語り合っていたらしいということだ。

 機会があれば、もう一度、疲れていない寝不足ではない頭でお話をお聞きしたいな。矢倉先生、いずれまた、、お願いします。

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posted by Yas at 22:16| Comment(2) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月07日

ちょっと困った村上春樹

 「風の歌を聴け」を読んだ。村上春樹さんのデビュー作である。

 いまさら、なんだ? と自分でも思うが、村上さんが子供の頃に西宮や夙川ですごしたということや、「風の歌を聴け」の舞台がその近辺であるということを知って急に読みたくなった。今の村上作品と比較すると本作は小品だ。2時間足らずで一気に読んでしまった。

 「風の歌を聴け」には「1973年のピンボール」や「ノルウェイの森」の原型が見え隠れしている。だが、プロットやストーリーはあまり問題ではない。村上春樹なのだ。その文章の優しさと村上ワールドを楽しめればいいのだ、と思って、自分が小説ではなく「村上春樹」を読んでることに気づいてちょっと困った。

 私は村上春樹さんの文章を愛している。「アンダーグラウンド」は超名作だと思っている。ひょっとしたら、私はこれまで、村上作品を小説として(アンダーグラウンドは小説ではない)考えていなかったのかもしれない、と思ってちょっと困った。

 「風の歌を聴け」が、芥川賞の選考で「外国作品の翻訳モノの読み過ぎが書いたようなバタ臭い作品」と批判されたというのが、なんだか「さもありなん」と感じてしまった。

 ふうむ。まぁいいや。今度は「辺境・近境」を読んでみよっと。、、この作品も小説ではない。本作では村上さんが讃岐うどんについて語っている箇所があるらしい。稀代の文章家が讃岐うどんをどう語っているのか、ちょっと興味がある。


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2011年02月06日

ホリプレ論文篇10「論文を書けない人/大作を書こうと思うな」

 論文を書けない人のことをもう少し考えてみた。昔のハナシだが、ある「論文を書けない人」が 、「実験をやって、自分の中で結果がわかっちゃったことを、改めて文章にしたり図を描いたりしてわざわざ論文にする気が起こらない」と私に言ったことがある。こういうタイプの「論文を書けない人」もいるが、とりあえずこういう人には研究職とは何かをゆっくり考え直してもらうことが先決だ(いうまでもないが、結果を公表して第三者の批判にさらされなければ、その結果は『研究成果』として成立しない)。

 また別の人は、『論文を書く』というプレッシャーに気持ちが萎えてしまって執筆にとりかかれないと云った。『論文を書く』ことを大仰に感じてしまうのだろうか。こういう人は、最初から大作の論文を書こうと思ったり、執筆前から論文の完成型を思い描いたりしないことだ。連続性のあるストーリーで構成される小説とは違って、科学論文は情報の断片の積み重ねにすぎない。だから、その小さな断片を書けばいいのだ。ひとつの実験方法の説明から、あるいはひとつの図の説明から初めてみよう。その断片をつなぎ合わせれば論文は出来上がる。

 次回は、その論文の断片のことを書こうと思う。

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2011年02月03日

西川禎一先生

 先週の木曜日は、東京出張。ある研究費の班会議で世田谷は桜新町の、とある研究所に出向いた。桜新町駅周辺の町並みは落ち着いていて私のお気に入りだ。この街はサザエさんの故郷でもある。

 昼食を班員の方々と一緒にすませ、そのあと14−15人程度で成果を報告する。班員のなかには、私の学生時代の先輩である西川禎一さんがいらっしゃる。西川さんは大阪市立大学生活科学研究科の教授である。私が修士課程の学生だった頃、西川さんは博士課程だった。

 大学院生というのは生意気盛りなものだ。しかも、点数で自分たちの優劣を決められた高校・大学学部時代の軛(クビキ)から外れたこともあってか、点数評価ではない曖昧な根拠で、やたらと同級生や先輩の品定めするのが流行った。色んな研究室の仲間を見ては「あの人はサイエンスのセンスがある」とか「あいつはアタマが切れる」とか言い合ったものだ。まぁ、はっきり云って、だいたいみんな大したことはないのだが(すいません、生意気云いました)、、。

 そんななか、後輩達から「あの人はすごい」と慕われてきた西川さんは、四半世紀過ぎた今でも大学院生時代の輝きを放っていらっしゃる。いまでも「すごい」のだ。研究への情熱はどこまでも熱く、仕事は真面目でフットワークが軽い。表情はいつも明るく、あふれるバイタリティーで疲れなどとは無縁のようだ。

 いまの研究室は決してスタッフに恵まれているわけではない。というよりも、かなりたいへんな状況で、西川さん一人でたくさんの学生の面倒を見て、研究室の運営も一人でこなされているようだ。それでいて新しい技術や情報にも貪欲で、線虫を使ったりマイクロアレイを使ったり、一人で新しい勉強をして学生の尻を叩いて結果を出すのはたいへんなことだと思うのだが、それで毎回の学会で面白い成果を発表されている。しかも、ただ物珍しいネタということではなく論理的に堅実に実験を重ねられている。これには頭が下がるばかりである。

 西川さんはどこまでも明るい。この日も、大阪府立大学の星先生と私と三人で帰ったのだが、新幹線車中でもビールを飲みまくって喋りまくった。もう、いい歳になって新幹線でビールを飲みまくるなんてことは、この班会議で西川さんと帰阪するとき以外にはない。

 あのバイタリティー、あの明るさ、、。 見習いたい先輩である。

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2011年02月01日

元気はつらつぅ

 体調悪し。この前の日曜日、寒いのに、自宅のリビングで適当に暖房をいれてゴソゴソ寝そべっていたら身体が冷えきった。風邪をひくところまではいかなかったようだけれど、胃腸を厳しく壊してしまった。腹痛、下痢、食欲不振だ。それまで仕事が詰まっていてバタバタしていたのと、金曜日のたこ焼きパーティーでアホほどグビグビ飲んでいたので、体力も衰えていたのかもしれない。

 うー。しんどいよー。今日は午後に入ってからいっそう疲れがでてきた。眠いし、だるい。でも仕事をしないといけない。こういう時には微研食堂横の自動販売機で売っているリアルゴールドを飲む。これでなぜだか元気になる。実際、それからは嘘のように仕事が捗った。

 身体が単純にできているのか、いつも私はリアルゴールドに助けられる。リアルゴールドは日本コカコーラの普通の栄養飲料だ。これでこんなに元気になるのなら、もっと効きそうな(ただの思い込みですけど)リポビタンDとか、オロナミンCとか、アリナミンVとか飲んだらすごいことになるかもしれない。でも、こうなると完全にドーピングである(すでにドーピングかな)。そんなことしてたら、アリナミンVを飲まないと仕事ができない身体になってしまうかもしれない、、。

 そんなにまでして仕事やることないのになー、と思ったがよく考えてみると、色んな知り合いの研究室でリポビタンDが置いてあったのを思い出した。

 、、、、みなさん、疲れた時は早く帰って早く寝ましょう。


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