2010年01月28日

「クロかシロか? 3」 ホリプレ 23

 黒系スライドは不利なことが多い。というのがこれまでのストーリーだった。でも、ヨシモリ先生は黒系の背景を効果的に使って、印象的なスライドを作成しておられる。

How to.061.jpg
 これは、ヨシモリ先生のスライド(の模式イメージ)だ。あくまで模式的なイメージね。
 ここで注目していただきたいのは、タコとかイラストとかではなくて、それらの構成パーツが作る影である。この影の具合を上手く調整するのが、ヨシモリスライドの極意だ(と私は勝手に思っている)。

 これまでに書いてきたように、黒系スライドでは使用できる色彩の範囲が狭い。かつては明るい構成パーツを配置することで見せたい物を浮き上がったように見せることができたが、会場が明るくなった現在ではこれも難しい。しかし、黒系スライドではスライドの中で光と影を演出できる。ヨシモリ先生はそれを上手く利用されているように思う。

 ヨシモリ先生のスライドパーツの影は、本体とのずれ、いわゆるオフセットを大きく取って、パーツ本体が背景からはずいぶんと前方に存在するように見せている。こうすることによってスライドの中で立体感を演出する。そうすると、「使用できる色彩の範囲が狭い」という黒系スライドの弱点を補うことができるのだ。色の見分けが少々つきにくいとしても、立体感を演出することで、それぞれを識別しやすくできる。

 試しに、私の使っているスライドで、この影の効果を調べてみた。

How to.062.jpg


 ある毒素の作用が引き起こす、宿主細胞内のシグナル伝達経路を描いたものだ。まぁこれだけでも見にくいわけではないように思うけれど、これにヨシモリ流の影付けをしてみる。



How to.063.jpg

 どうでしょう? 伝達経路上のキー分子が浮き上がって見えてグッとムードがよくなったみたいでしょ?

 このような効果は、黒系スライドでこそ楽しめるものだ。


 試しに、同じ内容のスライドを白系背景にして、影を付けてみる。

How to.064.jpg


 こうなると、影がうるさくて仕方ない。見せたい物がかえって見にくくなる。



 影を使ってコンテンツを印象的に配置するのには、黒系スライドの方が都合がいい。前々回から書いてきたことだが、明るくなった最近の会場では、黒系スライドの中で浮かび上がらせるようにパーツを配置する以前の手法は使いにくくなった。けれど、スライドの中で光と影を演出することによってヨシモリ流スライドのようにパーツを印象的に見せることは今でも可能である。このワザは白系スライドでは使いにくい。

 ただし、黒系スライドを使いこなすには、白系スライドを使うよりも工夫が必要であることにかわりはないと思う。



posted by Yas at 20:33| Comment(2) | ホリプレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする