2009年11月13日

仕分け事業 ライブ!

 仕事をいくつか片付けて昼休み。
 昼食後にコーヒーを飲んでいて、「そういや、今日は科研費の事業仕分けがあるんじゃなかったっけ」と行政刷新会議の Web site を調べてみるとストリーミングライブ中継をしていた。

 これがめちゃくちゃ面白かった。いわゆる事業仕分け人と呼ばれるワーキンググループのメンバーが概算要求で計上されている事業内容について突っ込む突っ込む。その質問内容の多くが的を射ていて痛快だった。以下、記憶をたどってそのテイストだけをお伝えすると、、

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「ひとりの研究者がいくつものプロジェクトの研究費を獲得しているのは、1プロジェクトの予算枠が不十分だからではないのか?」とか
「研究費獲得のチャンネルが多すぎる。そのせいで、予算獲得のために研究者はたくさんの申請書を書かねばならないし、獲得後のそれぞれの研究プロジェクトの事務処理のためにまた膨大な仕事量が要求されるのは問題なのではないか?」とか
「トップダウンの研究費が多すぎる。ボトムアップの一般の科研費のような枠の総額を手厚くする方が、ひとりの研究者に研究費が集中することを避けることが出来るのではないのか?」とか
「なぜ、JSPSとJSTで別個に同じような内容の事業があるのか?」とか、、。

 それに対して型どおりの返答しかできない官僚が気の毒に感じるくらい。大所高所から予算執行のあり方について自由に質問や提案をする委員と、担当事業を守るのに汲々としている(というかそれが役目の)お役人では、そもそも話がかみ合うはずもない。

「1研究者が獲得した複数の研究事業の仕分け状況については、各申請書に書かれたエフォートで確認しております」
「そんなものは、自己申告性で監査されるわけでもない。うわべだけでしょ」

 というくだりでは笑ってしまった。はは、その通りです。

 新聞やニュース番組から受けた印象とは違って、少なくとも私が見た文科省の競争的資金関係の事業仕分けでは、ワーキンググループの方々が専門的で適切な質問をされていたと思う。んで、評価シートの集計では「予算計上見送り」とした人が13人中3人もいた。ふひょー。文科省の競争的研究資金の計上を見送られたら、日本国中の研究者は来年度どうするんやろー? 遊ぶしかないなー。とかいうアホな考えも束の間、事業仕分けグループとしては「縮減」ということになったようだ。これが行政刷新会議でどう扱われるのかは今のところはわからない、ということみたいだけれど。

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 若手研究者支援事業では、

「ポスドクの研究支援や雇用支援は、一般人の雇用対策とどう違うのか? なぜポスドクだけを優遇するのかわからない」とかいう発言も飛び出した。博士修了者は高度に教育されていて、社会にとって貴重で有用であるべきはずなんですけど、、。そんな理解はかけらもない。一方で、
「大学が実際にそのような有用な博士修了者を生むような教育をしていないのではないか?」
「大学院に入って高度教育を受けるというのは自己投資のはずなんです。長いあいだ自己投資してもそれが報われないというのは、大学の教育も社会の理解も足りないということで、そのようなところに予算を使って根本的に手当をするべきではないのか?」とも。

 はは、その通りです。

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 事業仕分け側と事業担当側が反目し合うかのように(いや実際反目してるのか?)やりとりしながら会議が進行していったが、日本科学未来館の事業の説明ではちょっと違った。日本科学未来館の館長はあの毛利衛さんである。毛利さんはさすがに日本科学未来館の運営に情熱を燃やしておられる。
「日本科学未来館の運営は科学技術広報財団が担当していますが、これは無駄ではないのですか? こんな財団が必要なのですか?」という質問に
「よく言ってくださいました」と毛利さん。
「本館の運営は全くの二重構造になってしまっていて、私は非常に不便を感じております(というニュアンスね)」と言っちゃった。
 最後の評価シートの集計では種々の意見があったが、委員全員が「財団は未来館の運営に不必要」というコメントをつけた。

 ははは、。

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 ライブ中継を見てよかった。
 こんなやりとりをまるで知らないと、予算見送りとか縮減とかいう結果だけを見て、私らのようにその予算で恩恵を受ける(仕事上ですよ)側は批判的になりがちだ。しかし、私が見た(聴いた)限りにおいては、全てとは言わんがワーキンググループの議論は概ね真っ当だった。どちらかというと、長いあいだに半ば慣習的になった予算獲得のためだけの事業提案を重ねてきたような省庁側は分が悪い。全体的な予算組みを考えなおす過程で、関係の予算の削減があったりしても仕方ないのかも知れない。一国民としては、まぁね。1年くらいなら遊んで暮らすから、、(うそですよ〜! 私らは何があっても馬車馬のように働きますよ〜!)

posted by Yas at 22:32| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする