2009年11月30日

アホな問答

 少し前に大学時代の同窓の飲み会があった。集まったのは15名ほど。この日参加の同窓生の多くは開業獣医で、残りの数人は薬品メーカーや地方自治体ででそれなりの地位についている。大学や研究所で研究職についているのはほとんどいない。7時半頃から大阪梅田の某所で宴会は始まり、そのあと数人でソッタクでチビチビと飲んだ。

 そのときに、ある友人が「おまえ、阪大で教授なんかして、お前よりずっと賢いやつが学生やスタッフで来たら、イヤなことないんか?」というとってもナイーブな、まぁどっちかというとアホなことを私に尋ねた。そんなこと考えたこともなかったし、そもそも職階が違うのだから、友人の質問は見当外れだ。ただその時に、それよりも前に脊髄反射的に「アホなことを」という感想をすぐに持ったのだが、なぜそう感じたのかすぐにはわからなかった。

 んで、今日、自転車で家に帰りながら考えて、何となく答えにたどり着いた。

 科学上のわからないことを100として、私や周囲の人間の知識とか経験とかを定量するときっと 1 とか 2 という程度の数字だ。そう考えると、目の前の人間が賢いとか理解が足りないとかいうのは、人間の1.1 とか 1.3 とかの小数点以下の違いを指しているにすぎない、と思う。科学上のわからないことからすれば、くだらない程度の違いしかないのだ。そんな違いを気にするのは馬鹿げている。
 
 んで、何となく納得した。

 まぁこういうのも、たまにはええかな。

 
posted by Yas at 21:55| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月29日

Bike Friday "Just the Tikit" 2010年モデル(2)

 先月下旬に納車されたJust the tikit 2010年モデル。1ヶ月ほど経ったので、そろそろ使用感などをレポートしたい。

IMG_0423.jpg
 え〜と。ひとことで云って、この Just the Tikit は街乗り用である。ハードなロングツーリングには向かない、というのが私の判断だ。この自転車で30km/h の巡航は軽い、と言われる強者のブロガーもいらっしゃるが、私には到底無理。街乗りだ。Bike Friday のメーカーサイトにも Just the tikit は commuter と明記されている。その通りだと思う。

 乗り味は非常に柔らかい。クロモリ製のフレームのおかげか、フレーム構造がそうなっているのか、とにかく柔らかい。坂道をグイグイ上ろうとしてハンドルバーを引きつけるとハンドルバーポストがしなるほどである。これは云うまでもなくパワーロスにつながる。つまり、グイグイ走るようにはできていないということだ。前1枚 X 後8枚(カタログによると11-28t)のギヤもスピードを出すようにはできていない。私のもう一つの愛車であるビアンキ・プロント君のように国道で飛ばそうとして、バリバリペダルを回すと簡単に足があまってしまう。走る、というよりもゆっくり楽しんで流すのがこの自転車にはピッタリくる。とはいうものの、ゆっくり走るのなら50−60 km は楽に走ることができる。決して航続距離を延ばせないタイプの自転車ではない。ただ、朝の時間に余裕のない通勤に毎日使えと云われると、ちょっといや、かな。やっぱ、プロント君の方が速くて楽だ。

 決して安価ではない工業製品という観点から見ると、残念ながら作り込みのいい自転車とは言えない。ハンドルに組み込まれた「Incredibell」というベルは、意図しないときに路面の段差のショックで勝手にチンチンと鳴ってしまう。それに、私の tikit だけなのかも知れないが、ギヤをトップに入れるとチェーンホイールのチェーンガードとチェーンが当たってガラガラと音が鳴る。さらに、これは他のユーザも書かれていることだが、ギヤシフトのたびにチェーンが跳ねるというのか踊るというのか、ピタッと決まらないことが多い。納車後1週間で、このあたりの症状はすぐにわかったので、イトーサイクルに相談に行くと、親父さんは即座にチェーンをシマノの新品に無償で交換してくれた。さすが、あっちこっちのブログで「親切」と有名なイトーサイクルの親父さんである。チェーンを交換してもらったおかげで、チェーンの跳ねはかなり解消したが、相変わらずトップギアにするとガラガラと音がする。16万円以上もする高価な製品がこれではいただけない。はっきり言って不愉快だ。イトーサイクルの親父さんによると、これは微調整によってなんとかなるようなものではないようだ。同じような現象を改善できたという方がいらっしゃったら教えていただきたい。

 ということで、tikit のいちばんのアドバンテージである折り畳み機能を充分に生かす、というのがこの自転車の正しい楽しみ方だ、と私は思う。折り畳みに10秒とかからないのが tikit だ。

bike friday folded.jpg

 これ。ところが折り畳んだ状態で立てておくには少々不安定である。そこで、こういうことをやってみた。



あし.jpg
 折り畳むときに外れる、シートポストを留めるフックに当たるこの部分に、適当な長さの内径10 mm と内径8 mm X 肉厚2 mm のビニールチューブをそれぞれ差し込んで写真のように脚にしてやるとずっと安定して立つようになった。同じようにお悩みの tikit ユーザの方、一度お試しあれ。

 これで、折り畳んだときの不安は全くなくなった。いままでは北千里から天神橋筋六丁目まで、一度だけ tikit を電車で運んでプチ輪行をしただけだったが、いずれ遠乗り輪行をしてみることにする。 そのときにまた、レポートしまっす。


 
posted by Yas at 21:44| Comment(0) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月28日

もはや 「プレビュー」 ではなかった

 先日、アクセプトされた論文の校正稿が届いた。最終的な印刷レベルで間違いがないか、著者の責任を持ってチェックするという大切なステップである。たいてい、印刷したPDFファイルに赤ペンで修正を入れて、再びスキャンしてPDFファイルにして送り返すというのが、その作業になる。それはそれでいいのだが、校正稿に加えて、著作権譲渡のサインをする書類や印刷出版料の支払いや別刷送付先の住所を記入して返送すべき書類がある。こういった書類も記載事項を空白にしたPDFファイルで著者に送られる。こうした場合、そのPDFファイル内の必要な箇所に必要な事項を記入しなければならない。これをコンピュータ上でしようとすると、なかなか面倒なのである。それは、PDFファイルにテキストを追加するのが簡単ではないからだ。

 こうしたことをするには、普通はアドビ社のアクロバットというソフトが必要である。そうでなければ、やはり同じアドビ社のイラストレータかフォトショップというソフトを使ってダマしダマしテキストを入れるという方法もある。ただ、問題なのはアクロバットもイラストレータもフォトショップもめちゃくちゃ高価だ、ということだ。それにアクロバットを使ってPDFファイルにテキストを挿入するのも簡単にサクサクッとできるわけでもない。とにかく、ひとつの書類の必要項目をテキストで埋めるのに、とっても時間がかかる。

 今日もそうした書類を作成するの四苦八苦していて、ふとアップルがOSとともに無償で配布している「プレビュー」というソフトのことを思った。これはPDFファイルを手軽に閲覧することができるシンプルなソフトである。動作が軽いので、私はPDFファイルを開くのにはこの「プレビュー」を使っているのだが、最近の「プレビュー」のツールバーに「注釈」というボタンがあるのが気になっていたのだった。そこで試しに「プレビュー」のヘルプメニューから「テキストの追加」を検索してみた。

 すると、
2009-11-28 22.07.40.png というページがあらわれた。
 え? 注釈>テキストとボタンをクリックするだけで、テキストが挿入できんの? と思ってやってみると簡単にできた。連続追加も削除も位置調整も自由自在。しかもアクロバットのタッチアップテキスト何とかというコマンドよりもはるかに軽快に動く。念のため、一度プレビューで編集したファイルを保存してアクロバットリーダーで読み出してみても、ちゃんと編集した結果を見ることができる。

 テキストの追加以外にも色々とPDFファイルを編集できるようだ。別々のPDFファイルをひとつにするのも簡単だ。、、、これって、すごいことちゃうん? みんな知ってた? 知らなかったのはオレだけ? これがタダ? これってすごいんちゃうん!? なんでアップルはこのことをもっと宣伝しないの?

 ここのところ、われらが分子細菌学分野では MS Office 卒業キャンペーン実施中で、iWork の活躍でほとんど Office を利用しないといけない場面はなくなっていたのだが、唯一、科研費の申請書だけは文科省から配布される MS Word 書類を使って作成せざるを得なかった。けれど、もう一つ別に配布されるPDF書類にプレビューを使って必要事項を書き込めば、、、今のところ考えつく限り全く Office は必要でなくなる、,。

 「プレビュー」、、おそるべしっ!



 
posted by Yas at 22:51| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月25日

暗くなるまで待って

 微研民族大移動で分子細菌学分野が移った別館のトイレ工事が終わったことは昨日書いた。新しいトイレというのはなかなか気持ちのよいものである。

 このトイレの電灯はセンサーによる自動点灯である。扉を開けてトイレに入ると自動的に電灯がオンになる。「熱線センサー」とスイッチ部には書いてあるが、ヒトの体温を感知しているのではなく身体の動きを感知しているようだ。便利なのだが、オン時のタイマー設定が短いのか、大便小便を問わず用を足しているときに消灯してしまうのがタマにキズである。人間誰しもそういうときは静止しているからね。動作を感知してオンになってから10秒くらい何も感知しないとオフになる。だから電灯が消えないように、用を足しながら上半身をゆらゆらさせたり、手をぶらぶらさせたりして点灯させ続けなければならない。あぁ鬱陶しい。

 そこでふと思った。
「じゃぁ逆に(なにが『逆に』なのかわからんが)、電灯が消えた状態で動くことはできるのか?」
 考えつくと試さずにはおれんのが研究者である。手を洗ってからじっと動かずに消灯させてから、電灯を点けずにトイレを出て行けるものかどうか、ゆ〜っくり動いてみた。

 トイレの暗闇の中で、電灯が点かないようにゆ〜っくり、ゆ〜っくり移動する、、。
「こんなことやってる場合やないんやけどなー。忙しいのに、,」と思いながらも、一度やり出すとやめられん。ゆ〜っくり、ゆ〜っくり、。
 何度か試して、どうやら天井のセンサーから最も遠い足元の動きは感知されにくいということがわかった。それから急な動きは禁物だ。
 
 ゆ〜っくり、ゆ〜っくり。暗闇のなか、、。
「こんなときに、誰かが入ってきて見られたら『変な教授』の烙印を押されるやろなー」と思いながらも、やはりやめられん。

 何度かのトライアンドエラーを繰り返して、やっと消灯させたままドアの前までたどり着くことができた。もうひといきっ、、というところでドアを押し開けるときにセンサーが作動して点灯してしまった。ドアを開けるのに少なからず力がいるので動きが速くなるのだ。

 ということまで解明できた。今日はここまで。

 もうっ、、忙しいのになー。


posted by Yas at 22:19| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月24日

本館改修前夜(まだですけど)

 引っ越しが片付いて3週間。研究室内はすっかり落ち着いている。引っ越し先の別館トイレの工事も終わった。今回の微研民族大移動のしんがりである岡田研の引っ越しも終わった。

 それで、今日の帰りに撮った写真。

web.jpg
 玄関から入って直ぐの廊下である。掲示板もポスターも外された白い壁、廊下は閑散として人気がない。玄関前の車回しには工事関係者の飯場となるプレハブが建てられて、玄関から取り付け道路に向けての徒歩の通行もままならなくなってきた。今日で玄関は閉められる。

 改修工事スタート前夜、、、、。実際に工事が始まるのは数週間後だけど、40年近い歴史があって、私自身も20年過ごした本館が改修されるのだ。


 そりゃちょいと感傷的にもなるさー。改修後、いいモノができていますように。

posted by Yas at 22:39| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月23日

「見てくれスライド論5 ー余白を憎め!2ー」ホリプレ18

 さて縦横比が 3:4 のスライドには、構成するパーツの縦横比も 3:4 や 3:2 にして配置しようという話をしたが、パーツを配置するのにも 3:4 の比を頭に入れておくとよい。

 前回に例に使ったスライド、
How to present.037-001.jpg
 実はこのスライドはパーツの配置の工夫だけで余白を少なくすることができる。このパーツの配置をよく見てみると、



How to present.040.jpg


 こんな配置になっていることがわかる。配置の全体構成が方形になっていないので、そもそも余白ができてしまう配置であることがわかる。
 そこで、パーツの中身を変えず配置だけを 3:4 の縦横比の四角形内に納まるようにになるように変えてみるとこうなる。

How to present.041.jpg
 
 パーツはまとまったが、余白の広さは以前と変わらない。それで、縦横比 3:4 の四角形内(緑色の部分)で、配置を調整しながら各パーツを限界まで大きくする。さらにもとの緑色の四角形部分全体も拡大する。するとこのようになる。
How to present.042.jpg



 これで、余白の少ない、パーツのほどよい大きさのスライドが完成する。





 余白を憎んで、3:4 の縦横比を頭に入れておくだけで、それなりに見やすいスライドはこんな風に簡単に作成することができる。


posted by Yas at 20:21| Comment(0) | ホリプレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月22日

「見てくれスライド論4 ー余白を憎め!ー」ホリプレ17

 ホリプレ・見てくれスライド論、「文章による表現は避けよう」の次は「余白を憎め!」である。限られたスペースしかないスライドで、見やすくわかりやすい図や表やイラストを配置するためのコツは、一にも二にも「余白を減らす」ことである。いや、「余白を減らす」という意識では足りない。「余白を憎め!」が、ホリプレの精神である。余白を憎むとスライドの見え方がかわる。それでは、まず、これ。

How to present.037-001.jpg
 このスライドを見て、余白を憎んでいただきたい、,,,。余白は全て無駄なスペースである。ここを有効利用することで、あなたはもっと見やすいスライドを作ることができるのだ。余白、憎むべし、、、。


How to present.037-002.jpg
 余白を憎むと見えてくる、、、このスライドにはこんなに余白がある。スライド内の個々のパーツは、シンプルに説明したいことをイラスト化していて悪くない。ただ、余白がある割にパーツのサイズが小さいので見やすいスライドとは言えない。どうしてこんなことになるのだろう、,。


How to present.038.jpg こういう場合、スライドの映写範囲の縦横比を考慮してパーツを並べ替えてみると、同じ内容でもずいぶんと改善されるものだ。スライドの映写範囲はたいてい 800 x 600 か 1024 x 768 ドット、つまり縦横比は 3:4(あ、横縦比 4:3だ) である。スライドを作成するときはこのことをしっかりと頭に入れておかなければならない。

How to present.039.jpg
 縦横比が 3:4 のスライドにパーツを入れるときには、そのパーツも基本的に 3:4、3:2、(あるいは 3:8 というのもタマにはあるかな)の縦横比で構成するようにする。そんなパーツをこの図のように入れ子にして配置することで、スライドの余白を減らすことができる。


 次回は実例を挙げてこのことを説明する。


posted by Yas at 22:22| Comment(0) | ホリプレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月21日

どうなるやろね

 例の事業仕分けの余波で、なかなか周囲は喧しい。

 たとえば、分子生物学会や細胞生物学会を通じて、文部科学省が競争的研究資金の仕分け作業結果についての意見募集をしているので意見のある方はメールで担当副大臣や政務官に連絡してね、という案内メールが届いた。メールのタイトルには「重要・至急」と附されている。

 それから若手研究者育成事業の予算縮減について「全国の大学と研究所の若手研究者の意見」を賛同者名簿を附して文部科学省に提出するので微研としても取り纏めたいという呼びかけのメール。

 微研の感染症学免疫学融合プログラム推進室から、競争的資金(若手育成研究)とライフサイエンス分野「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム」についてみんなで意見メールを出しましょうというメール。

 「感染症研究国際ネットワーク推進プログラムについて関係学会で要望書等を政務官に手交した」という報告や新聞記事が出回ってるが、その関係学会の中に日本細菌学会がない。早急に対応しないといけないんじゃないか? という問い合わせとご意見のメール。そのあと、細菌学会の庶務理事や関係の理事先生方のメールのやりとりが cc で私にも何度も舞い込んできた。

 感染症研究国際ネットワーク推進プログラムの関係学会(ウイルス学会、細菌学会、寄生虫学会、感染症学会)で本事業についての記者会見を行った。その様子が今日付の日経新聞朝刊と朝日新聞夕刊に掲載される、との情報メール。

 スパコン関係の予算計上見送りという結果に対して研究者が記者会見を開いた様子がニュースで流れたり、関係閣僚・有識者議員や地方自治体の首長たちが科学技術予算についての仕分け結果について相次いで不満を表明されている。

 もう蜂の巣をつついたような騒ぎになっていると言っていいほど。

 競争的研究資金の事業仕分けを聴いたときは「なかなかやるじゃん」と思ったんだけどな−? 要するに、予算配分のコンセプトとか方法とか、総論的な発想で議論できることについてはそれなりに的を射たことを言えたのに、科学領域の専門的知識が要求される事業内容では例の「国民目線」を連発するだけで、ワーキンググループの全体的な科学リテラシーの低さ(中には科学者の方もいるのだけど)を露呈してしまったということか、、。当のワーキンググループの方々もこの反発に戸惑ってられるかも知れないね。
 
 本当に「科学技術立国・日本はどうなるの?」というところまで来てしまってる。刷新会議ではきっとその点で議論されるだろうと思う。どうなるだろね。でも実際に予算が減らされる可能性のある関係者の方々(あ、オレもそうか?)には悠長な考えなのかも知れないけど、科学技術予算をどう考えるのか?という根本的なポイントを再議論できるいいきっかけを作ってくれたのかも。やっぱ、研究者から見て、ほんとにおかしい科学技術予算も確実に存在するからね、、。そういった事業の再考につながるなら、その部分は歓迎すべきだ。

 24日から事業仕分けの第2部がはじまる。そこには大学等の特別教育・研究経費が対象事業に含まれているとか、、。、、ほんと、どうなるやろね?



 
posted by Yas at 15:46| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月19日

iPhone のカメラアプリ 「Camera Plus」

 このブログでたびたび愚痴ることだが、iPhone のカメラ機能はとってもプアである。以前にZeissのレンズを装備したNokiaの携帯を持っていたワタシとしては非常に残念である。

 ハード的にプアなもんはしゃあない、と勝手に思っていたのだがちょっと調べてみるとカメラ機能をソフト的に補うアプリがあるらしい、,。んで、Camera Plus というのを入れてみた。というか、実はもう何日も前に入れて使っている。少し前の記事で使った下の写真もCamera Plus で撮った。
IMG_0440.JPG

 同じ場面をデフォルトのカメラ機能で撮ったのと比べると、、、、




IMG_0439.jpg

 こんなに違う。上の写真は Camera Plus の仮想フラッシュで撮影画像が明るくなっているのだ。

 
 Camera Plus にはズーム機能もある。例えば下の写真。

IMG_0445.JPG


 これはデフォルトで撮影した。何か寒々しくて寂しい風景である。同じ風景をCamera Plus のズーム機能+仮想フラッシュで撮影してみるとこうなる。


IMG_0446.JPG


 画像が少し粗くなるのは仕方ない。でもWeb site上で見るのならば問題ない程度だ。この Camera Plus は無料である。iPhone ユーザーで私と同じようにカメラ機能にご不満をお持ちの方、どうぞお試しあれ、,。
posted by Yas at 23:53| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月18日

「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム」の「感染症」について考える

 先日 SPring-8 の事業仕分けの話を書いておきながら、昨日行われた競争的資金(ライフサイエンス分野)の事業仕分けの話を書かんわけにもいかんかな、と思って昨日の夜遅くに会議の音声をダウンロードして聞いてみた。

 ここには、ターゲットタンパク研究プログラム・分子イメージング研究戦略推進プログラム・感染症研究国際ネットワーク推進プログラム の三事業が含まれている。私の研究分野に近いので、それぞれの事業で具体的な研究者の顔が頭に浮かぶ。それにこの三事業、研究者のあいだでも色々と云われているのを知っている。研究者によっては、嫌いなプログラムや首をかしげるプログラムもそれぞれあるようだ。それを知りながら事業仕分けの議論を聞くと、それなりに考えるところもあったが、それはまたの機会にして特に感染症研究国際ネットワーク推進プログラムの話をしたい。このプログラムの一部は、この大阪大学微生物病研究所で進行中なのだ。それで肩入れをするわけではないが、この事業についての議論では事業仕分け側の無茶な論理が目立ったように思う。

 曰わく(以下ニュアンス)
「感染症研究なら、なぜ厚生労働省と一緒にできないのですか?」
「文科省のこちらのプロジェクトでは基礎研究が中心で、、」との回答には
「基礎研究もあるかも知れないけれど、感染症研究はやっぱり予防でしょう、、国民の目線に立った観点からみるとやはり予防なんですよ。それなら厚生労働省の管轄になるでしょう?」

 と云う議論を経て、廃止または予算要求の2−5割の縮減という結論になった。
 
 感染症研究は予防の研究、予防なら厚生労働省、という理論にはとても与できない。感染症研究は、もちろん基礎研究があって、応用研究があって、臨床とも関係して、というので非常に裾野が広い。それぞれに連携があってしかるべきだが、一方で純粋な基礎研究は応用研究や臨床からは相当に離れているテーマも数多く存在する。私から見れば、「感染症の基礎研究は必ず予防・臨床研究に繋がらねばならない」という理論は「発生学の研究は必ず産科の臨床に繋がらねばならない」というのと同じほど無茶な理論に聞こえる。
 「なぜ厚労省と一緒にしないのか?」というのも無茶な話だ。以前に書いた「なぜJSPS(学術振興会)とJST(科学技術振興機構)で同じようなプログラムがあるのか?」という議論とはぜんぜん違う。JSPSとJSTは、同じ文科省の掌管内にある。厚労省は独立した省庁だ、「なぜ厚労省と事業をしない(厚労省が事業をしない)?」と文科省のお役人に詰問するのはお門違いだ。

 ただ、事業提案した文科省もこれまでに「予防・治療に貢献する」という売り文句を多分チラつかせてきたはずなので、ある意味では墓穴を掘ったところもあるのかも知れない。その時の反論のための理論武装を怠ったということか、、。

 前にも書いたが、予算縮減と聴くと、仕事上その予算の恩恵を被っている(関係がある、というべきかな)人間は目をむく。だがそれは他人から見ると既得権にしがみついている当事者の姿に他ならない。私はそういうのは好きじゃない。それでは国家予算の圧縮なんてできない。だからその話は脇に置く。でも、脇に置いても、このときの議論はムチャだ。仕分け人側に感染症研究についての固定観念がありすぎた、といわざるを得ない。

 ちょっと議論がちゅーとはんぱ、、。でもとりあえずアップしとく。

* あ、そうそう。今回の一連の会議で、事業仕分け側からよく「国民の目線に立って、、」という枕詞を耳にした。なんだか錦の御旗になりつつあるこのセリフだが、これは「国民の無理解に迎合しろ」ということとは違うはずだ。

 
posted by Yas at 23:45| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月17日

ファッションと保温は足元から、、

 さむいっ! 前にも書いたけど、引っ越してきた教授室は寒いっ!

 一応、エアコンはあるので暖房をかけることはできる。でも、このエアコン、天井に設置された何年も前の代物できめ細やかな温度管理ができない(暑くなったり寒くなったりするやつね)し、なにより足元が全く暖まらない。一方、皆さんご存知のように、教授という人種はデスクワークで一日のほとんどを費やすものだ。ということで、ここんとこ毎日、昼過ぎにはすっかり下半身が冷え切ったクールな教授ができあがってしまう。こうなると全身の体温調整がおかしいし、肩は凝るし、オシッコには何度も行きたくなるし、、、健康によろしくないことこのうえない。

 そこで今日はユニクロのヒートテックのズボン下をはいて仕事に臨んだが、ぜんぜんダメ。察するに夏に買った人工皮革製のサンダルが冷たくて足を冷やしてしまうのが元凶のようだ。そこで、足の保温対策のために、大学の近所に暖かいスリッパを買いに出かけることにした。

IMG_0440.JPG それで買ってきたスリッパ達。いちばん左のが冷たい人工皮革スリッパ。これは春までお蔵入り、,。真ん中が近所の靴量販店で買ってきた暖かそうなスリッパ。足の甲をすっぽり包んでくれて、足裏の中敷きもふんわかしてる。んで、右端がホームセンターで思わず買った148円のボアスリッパ。あったかそうでしょー?

 真ん中のスリッパは研究室の外歩きにいいとして、さらに右端のボアスリッパが最高。これを履くと、(いまのところ)足元暖房なしで充分の暖かさになった。やっぱり、保温は足元から、、。当分これで頑張れるぞ、、、ふっふっふ。

 事業仕分けの皆様、,競走的研究資金の削減も仕方ないでしょうが、148円のスリッパで頑張ってる教授もいるということで、、、お目こぼしを、、、、あかんわな。


*ところで昨日も書いたけど、今回の「事業仕分け」話題でヒット数が激増した本ブログがシーサーブログのテクノロジー/科学カテゴリーでトップテン(9位/1347ブログ)に入りました、、 今後ともご愛顧のほどをよろすく。

posted by Yas at 21:56| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月16日

びっくり

 実は、先月の末あたりから、故知れずこのブログのヒット数がまた急に増えだしていた。それで、始めたときの一応の目標だった1日あたりの訪問者数(延べ数でない)を超えるようになったので、そのことを書きたかったのだけれど、前回・前々回の事業仕分け話題のエントリに反応してか、この二、三日は、さらに訪問者数が跳ね上がってしまった。先月の今ごろに比べると3倍以上になりそうな勢い、,。

 それだけ事業仕分けに対する関心が高いと云うことだろうけど、、これにはちょっと面食らった。今までの訪問者は少なからず私を知っている人だと思って安心していたが、おそらくそうでない人が大量にアクセスしてきたのだ。うーむ。ちょっと気恥ずかしい。あぁ、みっともない。
 今日のこのブログへの検索ワードのトップ10は「SPring-8」だの「Spring8」だの「spring8」だの「事業仕分け」だの「予算」だの「仕分け」だの、、。

 いまの世の中、様々な関心事について、情報を求めて多くの人がネットにどっと繰り出してくるのだ。ネット上で時事について何か書くなんてやっぱ怖い怖い。

 それにしても、何千人と訪れる人気ブログで堂々と自分の意見やら思い込みやらを毎日書いているあの先生とかこの先生とか、凄いと思う。こんなことで怖じ気づいてる私なんぞとは器が違いますわ。


posted by Yas at 22:01| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月15日

Spring-8のランニングコスト

 事業仕分けで Spring-8 予算の大幅縮減が結論されたというのが巷で盛んに噂されている。Spring-8 は私らの研究にとっても大切な施設だ。そこで、そのときの生中継を聴き逃したのでネットでダウンロードして聴いてみた。

 ダメだダメだ。ダメすぎる。事業担当者側の説明がダメすぎる。ひどい。担当の方々はご苦労されたのかも知れないが、あまりに説明が下手すぎた。この人達はこんな下手な説明で日々の会議をこなしているのか? Spring-8について云えば、例えば、運用コストがどれくらいかかるのか? なんて云うのは誰もが最初に知りたい情報だ。冒頭少しの話で、現状 75 億円の予算、3,500 時間の運用ということがわかった。
「確かビームラインは40くらいあったな、、、」
とその場で計算してみると、75億 ÷ 40 ÷ 3,500 = 53,571 円が1時間あたりのコストになる。

 どうやらこの情報を事業仕分け側が知りたがっているのに、一向に事業担当者側から出てこない。頭悪いのか?、それとも何かの理由で故意に隠してるのか? とても大人の説明と思えないような説明が繰り返されるだけ。しびれを切らして仕分け人側がアホに物を云うように噛んで含めて説明して、やっとその情報を引き出した。
 たしか、平成18年度(だったかな?)のデータで、73億円、48ビームライン、4,000 時間らしいので、73億 ÷ 48 ÷ 4,000 = 38,021 円。だいたい私の計算と合ってるがな、、、。こんな野次馬(でもないですけど)が、ちょいちょいとビールを飲みながら計算できることで、だけど大切なことを事業担当者は用意していなかったということか。

 この情報が出てきたのは会議が始まって30分以上たってからだ。こんなもん、会議の前に用意しとけよ。この仕分け会議で事業担当側は75億円もの予算について、予算の会議でランニングコストの計算もせずに、いったい何を説明しようとして何を用意していたのだろうか? その後も事業担当者側の説明はずっとポイントがずれまくりだった。私が仕分け人だったとしても、こんな説明されたら大幅削減の結論しかない。

 質問者の欲している情報をすぐに提供するのは、学会発表での質疑応答の基本でもある。、、、ホリプレ読みなさい、ホリプレ、,。
 


posted by Yas at 21:30| Comment(4) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月13日

仕分け事業 ライブ!

 仕事をいくつか片付けて昼休み。
 昼食後にコーヒーを飲んでいて、「そういや、今日は科研費の事業仕分けがあるんじゃなかったっけ」と行政刷新会議の Web site を調べてみるとストリーミングライブ中継をしていた。

 これがめちゃくちゃ面白かった。いわゆる事業仕分け人と呼ばれるワーキンググループのメンバーが概算要求で計上されている事業内容について突っ込む突っ込む。その質問内容の多くが的を射ていて痛快だった。以下、記憶をたどってそのテイストだけをお伝えすると、、

******

「ひとりの研究者がいくつものプロジェクトの研究費を獲得しているのは、1プロジェクトの予算枠が不十分だからではないのか?」とか
「研究費獲得のチャンネルが多すぎる。そのせいで、予算獲得のために研究者はたくさんの申請書を書かねばならないし、獲得後のそれぞれの研究プロジェクトの事務処理のためにまた膨大な仕事量が要求されるのは問題なのではないか?」とか
「トップダウンの研究費が多すぎる。ボトムアップの一般の科研費のような枠の総額を手厚くする方が、ひとりの研究者に研究費が集中することを避けることが出来るのではないのか?」とか
「なぜ、JSPSとJSTで別個に同じような内容の事業があるのか?」とか、、。

 それに対して型どおりの返答しかできない官僚が気の毒に感じるくらい。大所高所から予算執行のあり方について自由に質問や提案をする委員と、担当事業を守るのに汲々としている(というかそれが役目の)お役人では、そもそも話がかみ合うはずもない。

「1研究者が獲得した複数の研究事業の仕分け状況については、各申請書に書かれたエフォートで確認しております」
「そんなものは、自己申告性で監査されるわけでもない。うわべだけでしょ」

 というくだりでは笑ってしまった。はは、その通りです。

 新聞やニュース番組から受けた印象とは違って、少なくとも私が見た文科省の競争的資金関係の事業仕分けでは、ワーキンググループの方々が専門的で適切な質問をされていたと思う。んで、評価シートの集計では「予算計上見送り」とした人が13人中3人もいた。ふひょー。文科省の競争的研究資金の計上を見送られたら、日本国中の研究者は来年度どうするんやろー? 遊ぶしかないなー。とかいうアホな考えも束の間、事業仕分けグループとしては「縮減」ということになったようだ。これが行政刷新会議でどう扱われるのかは今のところはわからない、ということみたいだけれど。

******

 若手研究者支援事業では、

「ポスドクの研究支援や雇用支援は、一般人の雇用対策とどう違うのか? なぜポスドクだけを優遇するのかわからない」とかいう発言も飛び出した。博士修了者は高度に教育されていて、社会にとって貴重で有用であるべきはずなんですけど、、。そんな理解はかけらもない。一方で、
「大学が実際にそのような有用な博士修了者を生むような教育をしていないのではないか?」
「大学院に入って高度教育を受けるというのは自己投資のはずなんです。長いあいだ自己投資してもそれが報われないというのは、大学の教育も社会の理解も足りないということで、そのようなところに予算を使って根本的に手当をするべきではないのか?」とも。

 はは、その通りです。

******

 事業仕分け側と事業担当側が反目し合うかのように(いや実際反目してるのか?)やりとりしながら会議が進行していったが、日本科学未来館の事業の説明ではちょっと違った。日本科学未来館の館長はあの毛利衛さんである。毛利さんはさすがに日本科学未来館の運営に情熱を燃やしておられる。
「日本科学未来館の運営は科学技術広報財団が担当していますが、これは無駄ではないのですか? こんな財団が必要なのですか?」という質問に
「よく言ってくださいました」と毛利さん。
「本館の運営は全くの二重構造になってしまっていて、私は非常に不便を感じております(というニュアンスね)」と言っちゃった。
 最後の評価シートの集計では種々の意見があったが、委員全員が「財団は未来館の運営に不必要」というコメントをつけた。

 ははは、。

******

 ライブ中継を見てよかった。
 こんなやりとりをまるで知らないと、予算見送りとか縮減とかいう結果だけを見て、私らのようにその予算で恩恵を受ける(仕事上ですよ)側は批判的になりがちだ。しかし、私が見た(聴いた)限りにおいては、全てとは言わんがワーキンググループの議論は概ね真っ当だった。どちらかというと、長いあいだに半ば慣習的になった予算獲得のためだけの事業提案を重ねてきたような省庁側は分が悪い。全体的な予算組みを考えなおす過程で、関係の予算の削減があったりしても仕方ないのかも知れない。一国民としては、まぁね。1年くらいなら遊んで暮らすから、、(うそですよ〜! 私らは何があっても馬車馬のように働きますよ〜!)

posted by Yas at 22:32| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月12日

転けたら立ちなはれ

 昨日の朝方にきむじゅんの論文が受理されたことを知らせるメールを受け取った。散々手こずらされた論文だが、やれやれである。

Jun Kimura, Hiroyuki Abe, Shigeki Kamitani, Hirono Toshima, Aya Fukui, Masami Miyake, Yoichi Kamata, Yoshiko Sugita-Konishi, Shigeki Yamamoto, and Yasuhiko Horiguchi
Clostridium perfringens enterotoxin interacts with claudins via electrostatic attraction
J. Biol. Chem. published November 10, 2009 as doi:10.1074/jbc.M109.051417

 今日はアヤッチの論文がとりあえず脱稿。体裁が整ったら英文校閲に回せるところまで出来た。夕方にはカミちゃんが、3回目書き直しの原稿を持ってきてくれた。これも見なきゃ。いずれも大きな(色んな意味で)論文というわけではないが、とにかく成果がカタチになって出てくることはありがたい。もちろんこの状態でとどまるのを良しとするわけではない。研究室では、次のステップに向けてもそれなりに仕事が進んでいる(と思う)。

 色んなことが理由で、一時期はかなり低迷した我らが分子細菌学分野であるが、漸くここにきて普通の状態に戻ってきた。なんだか一安心。これも昨年府立大学に栄転した真実ちゃんや現在のスタッフ達のおかげである。今までにこのブログで何度か「低迷していたが、立ち直りつつある」というようなことを書いていたけれど、それももう終わりかな。そういう時期は過ぎた。

 実は少し前に、「研究室の仕事の方向性を変える」とラボのみんなに宣言したところだった。まだなにも進んでないので内容については恥ずかしくてとてもここでは書けないが、来年から再来年にかけて、研究室から出てくる成果はきっといままでとちがうものになる、はず。その前の整理の意味も兼ねて、いまは論文作成ラッシュになっている、,,,,。ちょうど今が節目というわけだ。

PICT0001.JPG

 引っ越しの終わった仮住まいの研究室のプレートをガチャピンと一緒に作った。見よっ!センスあふれるプレートじゃ! これを旗印に新生「分子細菌学分野」は進むのだっ!



 と、ひとり静かに、、力みかえる教授であった、,,,。


posted by Yas at 21:47| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月11日

「見てくれスライド論3 ー文章による表現は避けよう(例外)ー」 ホリプレ16

 発表の内容をまとめて図式化して示すことは、発表をすっきりさせるだけではなく、演者の発表の整理のためにもなるのだ。文章中心のスライドは演者と聴者の双方にとってよろしくない、というのが前回のハナシ。

 しかしこれには例外がある。英語での講演だ。云うまでもなく、日本人にとって英語の講演は難しい。コテコテの日本人(私のことね)の話す英語なんて、ネイティブスピーカーから見ると言葉の使い方が変だし、発音もきっとめちゃくちゃだ。そこで、その下手な英語を補うために、スライドに短い文章やキーワードを書いて示してみる。

INRA-JSPS.004.jpg これは、最近、外国での英語講演に使った私のスライドである。ここでは、伝える内容を文章にして書きあげている。日本語講演では「ダメ」と云ってきたのだが、英語ではある程度OKだ。発表時にこれを読むことで、「あぁ、この日本人はこの単語をそんな風に発音するんだ」ということを外国人の聴者に理解してもらえる。このスライドは導入部のスライドだが、まとめのスライドでこの作戦を使うと、大切な部分で、英語の拙さから生じる誤解を避けることができる。


INRA-JSPS.005.jpg こちらのスライドでは右上のラベルにキーワードを並べている。例えば、英語で講演していて「Gq/12/13 - dependent pathway」と口に出すときに同時にその単語を指し示す。こうして話者の発音のクセ(あるいはまちがい)を聴者に知ってもらうと同時に、大事なキーワードを視覚と聴覚の両方でつないでもらうことで、たとえ英語がぜんぜん伝わらなくとも(それでは困るんだけど)ストーリーを把握してもらうという作戦だ。

 ただし、この場合も長い文章を書いて読むのはタブーである。理由は想像すればわかると思うが、例えば外国人が日本語の文章をスライドに示してそれを長々とたどたどしく読み始めたらあなたはどう感じるか? 時間が無駄だし、退屈だし、なによりきっといたたまれない。

posted by Yas at 20:40| Comment(0) | ホリプレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月06日

オレには無理!

 昨今よく聞く、「褒めて育てる」という人材育成方法が私にはできない。

 いや、できなくても別にいいじゃんとは思っているのだが、あちこちで「褒めて育てる、褒めて育てる」と耳にすると、褒めて育てにゃいかんのかね、と思い直したりしてしまう。
 しかしなー、歯の浮くようなセリフは言えないタチだ。無理に褒めたところでどうせウソっぽくなるに決まってる。言われた方も気持ち悪いに違いない。

 いや、人を褒めることはできるんですよ、私も。ホントによくやったと思うときは、「よくやった」と褒めている(と思うんですけどラボの皆さんどうでしょう?)。でも、意識して褒めて育てるなんてことはとてもできない。やっぱ性分というものがあるし。私のような50歳前後の世代は、なんせ「巨人の星」や「あしたのジョー」で育ったのだ。星一徹が飛雄馬を褒めて育てたり、丹下段平がジョーを褒めて育てたりなんてありえない。想像するだけで気持ちが悪い。自分自身が「褒めて育てられた」という覚えもない。

 褒めて育てるって、小さい子供を育てる方法だったはず、いつから一般的な人材育成法になったのやら、、。でもなー。褒めて育てられた人間って、やっぱその下の人間も褒めて育てるんやろなー。褒めて褒められて、褒められて褒めて、何かそんな世界が行き着く先って、どんなものなんやろね。褒めて育てるって云うのは、潜在的に「褒めなきゃいけない」って言うウソがあるので胡散臭い。褒めて育てられた人間が本当に責任のあるポストに就いて、本当に乾坤一擲のシチュエーションで失敗したりして批判にさらされたりしたら、,それが初めての挫折だったりしたら、、どうなるんやろね?
 逆に、「育てるために、ここはあえて叱ってやろう」というのもキライ。ウソがある。

 思ったことを思ったように伝える。アカンときはアカンし、エエときはエエ。変な小細工は一切なし。、、、、わかりやすいと思うんですけど、,。オレって。PIとして、、。


posted by Yas at 23:48| Comment(2) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月04日

引っ越し終わりー

 先月29−30日に引っ越しで運び込まれた荷物がだいたい片付いた。

 ラボの共通ファイルを格納しているサーバをセットして起動。それぞれの持ち物もほぼ片付けが終わっている。実験室はだいたいOK。電気工事の必要な機械のセッティングが終われば完璧である。それを待たずにみんな出来ることからすでに実験を始めている。

 電気や水回りの不備でしばらくなかった朝のコーヒーも復活した。引っ越し期間中に溜まり気味だった仕事も今日中にある程度片付けることがでけた。

 しかし、以前に書いたことがあるが、前の教授室はこの季節は秋の傾いた日差しが直接照りつけて暑かった。今度の教授室は基本的に日陰、、、、さぶいっ!


posted by Yas at 23:15| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月03日

みんなありがとう嬉しかった。だけども、、

 先週の話ですまんが、実は10月28日は私の誕生日だった。ちょうど「細菌学・若手コロッセウム」の会期中のこと。10月27日の夜は懇親会が開かれた。そのときに世話人挨拶をされた宮崎大学の林哲也教授が「明日は堀口さんの誕生日でーす」と紹介してくれて、そのあとホテルに戻っての総合討論飲み会で0時を回ったとき、私から少し離れたテーブルのグループが , , , Happy birthday to you ~ るんるん, , , とお祝いの歌を突然歌い出してくれて、それが会場全体に広がった。

 50歳である。はからずも会場に居合わせた皆さんにお祝いいただいて感無量。こんなにたくさんの他人(あ、血縁者じゃないという意味ね)に誕生日を祝してもらったのは物心がついてから初めてだ。んで、ほんのりほろ酔いの赤池先生が「A few words, please」とか言って(なんで英語やねん、なに言うてるかわからんかったわ)、なんか挨拶しろと云う。

 こういうの、キャラに合わんのよなー。なんだか恥ずかしいし。いま思えば「みなさんどうもありがとう」と簡単にコメントしておけばよかった。でも50歳。私よりずっと若い研究者達にお祝いしてもらってるというシチュエーションで語ってしまったのが、、

「私は研究者になりたいなと思い始めたのは23-24歳の頃、それからずっとstruggle して『何とか研究者としてやっていけんのかな?』と思い始めたのが33−34歳くらい。何とか目途をつけることができるようになるまで10年かかりました。最初に研究者という職を意識し始めた頃の倍の年齢になってそういうことを思い返すことができるようになりました」
「皆さんの中には今まさに研究を続けることに苦しんでる方もいらっしゃると思いますが、努力することをやめないで、ぜひ研究をやり続けてください。きっと道は開けます」
 というようなこと(もっとダラダラ話したかも、、)を云ったように思う。これ、実はちょっと後悔してる。

 とっさのことでもあったし、云ってることはおかしな事ではないのだが、これだけの話だとナイーブに過ぎる。それに、33−34歳を過ぎた参加者もたくさんいたはずなわけで、そういう人たちにはこの話はどんな風に聞こえただろうか? なによりもこの話は、「研究者としてやっていくためには最低限の能力が必要で、なおかつチャンスをつかみ取る積極的な姿勢や引きの強い運とかが必要なのだ」という真実を隠している。

 だから、あの話は実はこんな風に続く。

「とはいっても、必要最低限の能力は必要です。これは研究職が高度の専門職である以上、仕方のないことです。でも自分で自分に能力があるのかどうか、判断がつかないのが普通だと思います。そこで、若い方には是非、色々と話のできる親しい先輩を作っていただきたい。何でも話しができ、何でも話してくれる先輩です。アナタのことを正直に評価してくれる先輩です。批判しくれる先輩です。なんでも無批判に『よしよし』と可愛がってくれて、あなたの能力以上の評価や環境を与えてくれるような先輩は、科学というフィールドをバカにしているという意味であなたにとって決してよい先輩ではありません。もしあなたが能力に余る環境を与えられてしまったら、あなたは何年後かに大変な苦労を強いられることになります。ですからぜひ、正直にあなたを批判してくれる先輩を見つけて、その方を研究にとどまらないあなたの人生そのものの味方にしてください」

 まぁ、あの席でこんなことは言えんけどね。


 
posted by Yas at 21:25| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月01日

「見てくれスライド論2 ー文章による表現は避けよう(例外あり)−」 ホリプレ15


 スライド作成の4箇条のその1は「文章による表現は避けよう」だ。
これは実は、前回に書いた「読むな・書くな」とほとんど同じ。でももう少し書いてみる。

 例えば材料と方法にあたる説明をするときによく見るスライドは次のようなものだ。

How to present.034.jpg このようなスライドに関するコメントは前回と同じ。これを演者が読んで、同時に聴者が読むというのは時間の無駄でばかげている。しかも、ここでは不必要な情報が入っている。赤色で示した箇所などがそうだ。大腸菌の株名(E2348/69株)や24穴プレート、菌株の捲きこみ数(ウエル当たり10・3乗個)などは、ここでは必要ないし、一度にこのような情報を与えられても聴者の頭には残らない。

 そこで、このようなスライドは前回も紹介したように、イラストやフロー図で書きあらためてみる。

How to present.035.jpg 先の説明を図式化することによって、病原遺伝子群領域(LEE)が約 35 kbp の大きさであること、中央のパネルでは遺伝子破壊のチェック結果の一部、右パネルでは細胞層間電気抵抗(TER)の測定のイメージを聴者に見せることができるようになる。前回の「書くな・読むな」でも書いたように、視覚に訴えることで説明時間の短縮ができるし、短縮して余った時間を重要な事の説明に使うことができる。それと、伝えたいことを図やチャートで表すという作業は、発表の内容を整理して説明の優先順位をつけるという作業と等しい。

 つまり、内容を図式化して示すというのは、聴者のためだけではなくて演者のためにもなるのだ。ただし、いついかなる時でも文章よりフロー図やイラストが効果的であるとは限らない。そのことについては次回。

* 先の若手コロッセウムでは、北里大学の羽田くんが「ホリプレ」を参考にスライド作りをしてくれたとのこと。羽田くーん。ありがとー。これからもよろしくねー。

posted by Yas at 20:34| Comment(0) | ホリプレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする