2009年05月14日

ノン・フィクション中のノン・フィクション

 先日、仲野先生の「なかのとおるの生命科学者の伝記を読む」の話を書いた。あのシリーズの第一回で、仲野先生は、「フィクションは所詮作者の想像の産物、意外な展開があっても『そんなヤツはおらんやろ〜』と興ざめしてしまう」と小説の類が好きでないことを書かれていた。私はフィクションで作者の創作を楽しむのが好きなのだが、まぁ仲野先生のように考え出すと確かに面白くないだろう。
 
 そこでノン・フィクション中のノン・フィクションを紹介しようかなと思う。インターネットサイトに書かれた個人記事である。いまならブログというのが巷で流行っている(って、他人事のように書いてすまん)が、以前は個人サイトに更新頻度の高いページを作って周辺の出来事などを紹介していた方が多かった。今日紹介したいのはそんな記事。言っとくが作者はみんなど素人である(あった)。

1)ファッキンブルーフィルム
 SMクラブに勤めるナオちゃん(だったと思う)が、クラブにやってくる客の生態や自分の日常を赤裸々に書いている。これを初めて見たときは衝撃的だった。露悪趣味とも思えるほど、飾らない明け透けな日常が書かれている。本作品はそれだけではなくて、ことあるごとに垣間見える作者のずば抜けた洞察力にまた驚かされる。夢中で全編を読んだ。残念ながらサイトは閉鎖されていて今は見ることができない。ただ、単行本化されているので、そっちで内容を見ることができる。ただし、私はサイトで全編読んだあとに本を買ったが、本の方は途中で読むのを放棄した。内容が、ちゃんと装丁されたきれいな単行本にそぐわないのだ。それだけ内容がどぎつい。夜中にコンピュータを起動して真っ暗な中で読む方がぴったりくる。

2)みんなの図書館・貧乏旅行
 大阪市旭区に住む作者が、ある日ママチャリに乗って遠出して、それから自転車生活に目覚めるところから始まる。自転車のことを調べているときにたまたまこのサイトに出会った。大阪を中心に展開される自転車からの風景描写が楽しいが、それよりもなによりも、私はこの人の文章が好きだ。読んで気持ちの良い文章というのがあるが、この作者の文章は私にとってまさしく気持ちの良い文章である。サイトはまだ閲覧できるが、たぶん4−5年ほど更新されていない。興味のある方はサイトが閉鎖される前にどうぞ。

3)会社潰れてしもたがな
 このサイトは単行本の書評から知った。つまり内容はすでに単行本化されている。でもサイトはまだ開いているので誰でも閲覧可能だ。大学を出て最初に就職した会社の無茶苦茶ぶりを曝露している。無茶苦茶で、「そらあかんわ」というエピソードの連続が単純に面白い。もちろん、ノン・フィクションだ。関連の業界に詳しい方なら、何という会社かわかるのかも。

4)うちの母ちゃん凄いぞ
 私が不勉強なだけなのかも知れないが、よくわかんない趣旨のよくわかんないサイトに連続投稿されている。投稿日は4月下旬でまだ新しい。わりと話題になっているようで、いくつかある私のお気に入りサイトで紹介されていた。作者の母親が、家族の不幸から子供を養うために頑張る姿が書かれている。ただ、この作品(といっていいのかどうか)はそれだけではない。この作者の人間描写が上手いので登場人物のそれぞれに感激したり腹を立てたり、人間ってええなぁ、と感心させられたりもする。しかもこの作品、あくまでノン・フィクションだという。小説ではなくあくまで投稿なので、時系列やエピソードごとの関係はすっきりしていないがかなり楽しませてくれる。
 
 もし、おヒマならどうぞお楽しみくださいませ。
これを書いていて気づいたが、作者は全員女性だ。だから何と言うこともないが、。




posted by Yas at 22:10| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする