2008年05月25日

竹田の子守唄

  最近、このブログで読書報告をしていない。

 これにはわけがある。「ローマ人の物語」 だ。昨年3月からチロチロと読み始めて一年ちょっと、やっと24巻までやってきた。その間、他の本をほとんど読んでいない。「ローマ人の物語」を早く読み通そう、という思いがあってなかなか他の本に手が出ないのだ。 あかんがなぁ〜、、。この本、文庫本では今のところ31巻まで刊行されているが、それが最終巻ではない。まだまだ先は長いのに、、、。

 「ローマ人の物語」は面白い。ローマの歴史自体が実に興味深いし、著者の塩野七生さんの逐一のコメントも含蓄があって興趣をそそる。でも、時間の合間にチョロチョロ読むにはちょっと内容が重厚なので、徐々に読むスピードが遅くなり、いまや牛歩の歩みに苦しんでいる。さらに、先に書いたように「読まなあかん」という妙な強迫観念に苛まされるまでになって読書量が全般に減ってしまった。

 そんななか、久しぶりに(劇画や雑誌以外で)他の本を読んだ。「放送禁止歌(森達也)」と「竹田の子守唄ー名曲に隠された真実ー(藤田正)」である。

 少し前に、「竹田の子守唄」は放送禁止歌だったという話をひょんなことで耳にした。関西出身のフォークグループ「赤い鳥」が歌って大ヒットし、私らの世代では音楽の教科書にも掲載されていた「竹田の子守唄」がどうして放送禁止歌なのか? と不思議に思ってこの二冊をアマゾンでポチッとして手に入れた。

 ドキュメンタリー、というジャンルに入るこの手の書物にしては作者の思い入れが前面に出て少々疲れるところもあるが、両書ともなかなかの力作である。読んでみて驚いた。いわゆる「放送禁止歌」というのはしかるべき組織が決めるのではなくて、結果として放送を差し控えられた曲、ということなのだそうだ。

 日本民間放送連盟(民放連)が「要注意歌謡曲一覧」という、いわば「放送する時は気をつけてね」という程度のガイドラインを作成する。しかしこのガイドラインには拘束力も罰則も何もない。あくまで放送局の自主判断だ。そして、いわゆる要注意歌謡曲に指定されるまでこれらの曲を放送していた放送局にクレームがあった、というわけでもない。ただ、「要注意歌謡曲一覧」にリストアップされたというだけの理由で、民放連に加盟する放送局は該当曲の放送を自主規制した、ということだ。「放送禁止歌」というものを指定するおかみの組織は存在しないのだ。深く検討されたわけでもない漠然とした先読みで、放送なり公開なりを自粛すると云う。このあたり、映画「靖国YASUKUNI」の公開を映画館が自主規制した最近の話とよく似ている。
 そして、その「要注意歌謡曲一覧」というのは1983年を最後に更新もされていない。

 「竹田の子守唄」をはじめ岡林信康の「手紙」や「チューリップのアップリケ」、有名なところではフォーククルセダースの「イムジン河」など。最近悔しい思いをしているところでは吉田拓郎の「ペニーレインでバーボン」(この曲も今は手に入らないし、今後も原曲のまま放送されることはなさそうだ)、こういった曲は実はそんな理由で私たちから取り上げられていたのだった。そういうことを知って愕然とした。

 ふ〜ん、そうやったんや、と、ちょっとびっくりしたい方。読んでみてもいいかも、、。


 追記:「竹田の子守唄」がなぜ放送禁止歌扱いになったのか、? この理由は根が深そうなので、さすがにここでちょっと書くというわけにはいかない。気になる方は本書を読んでくださいな。
posted by Yas at 21:33| Comment(0) | 非科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする