2007年06月13日

論文紹介セミナー


 ウチの研究室では隔週水曜日に論文紹介のセミナーを行っている。今日はその日。んで、私が当番だ。教授が論文紹介をするのか? と時々尋ねられる。やめてもいいと思っているが、まだその時ではないかなとも思う。それに、間違いなく自分の勉強になるし、、、これをやめたら元来怠け者の私のこと、どんどんダメなアホ教授になってしまう、、、。

 紹介した論文は、最近刊行された雑誌 "Cell Host & Microbe" から、グラム陽性菌の菌体表在タンパクの機能についての論文である。われわれの研究にとってあまり馴染みのない菌の馴染みのないタンパクの研究動向を少しは勉強したかった、というのと鳴り物入りの新雑誌 "Cell Host & Microbe" がどんな論文を採択しているのか興味もあった。ウチの研究室では、そのような理由で論文を選んでもその研究の背景や基礎となる知見について順序をつけて説明すればOKである(と、私は決めている)。

 この論文、自分で紹介していながらなんだが、ストーリーは散漫、データの表示は稚拙、図表の指示や解説にいくつも間違いがある。それでもそれなりに分析して紹介したのは、先に書いた目的があったからだ。それに、なぜそのような論文が "Cell" グループの雑誌に採択されたのか? これを考えるのは大事なことである。ひとつには、我が国でよく話題となる疾患に関連しているということ、ふたつめはその疾患の抗生物質に拠らない新しい治療の可能性を示したこと(実際のデータを見るとそうでもないが)、それから、膨大な仕事からデータを提示していること、などが理由かも知れない。ご多分に漏れず、"Cell Host & Microbe" も高インパクトファクターのこれまでの General Journal と同様で研究の本来の質よりも話題性を優先しているのかも知れない。少なくともこの論文を読むとそう見える。ただ、同じようなやり方でわれわれが実験をして論文を書いても、おなじ雑誌に採択されるかどうかは別の問題だ。
 そんなこんなで2時間と少し、当研究室の論文紹介セミナーの時間が過ごされる。

 明日(木曜日)は朝から3コマの講義がある。一応アウトラインは決めているが、明朝に再度チェック、新たな話題を追加して、9時から3時間の講義に行って参りまする。

posted by Yas at 22:43| Comment(0) | 科学的日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする